舞い狂う仮面の人形と孤独の獅子の咆哮   作:なかムー

15 / 22
 皆さま、お待たせしました。

 今回もヴァンガード回の続きで、中堅戦になります。

 それでは、本編をどうぞ。


#EX3.千変万花を無にする呪縛

スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード

 

 

 「ワンダーラベンダー ユルシュール!」

 「HeapUpOctaver(ヒープアップ・オクターバー) プラッタ

 

 

 HeapUpOctaver(ヒープアップ・オクターバー) プラッタ……。颯樹くんってば、また新しくデッキを変えたのかな?

 

 

 「私のターン。スタンド&ドロー、手札を1枚破棄して《ライブリィネイビィ ティファイン》にライド。ライドした時《エネルギージェネレーター》をセット。先攻は攻撃(アタック)無し、ターンエンド」

 (手札5→6→5/ドロップ0→1)

 (ソウル0→1)

 

 「スタンド&ドロー、手札を1枚破棄して《DynamicExciter(ダイナミック・エキサイター) エスティラ》にライド。僕も《エネルギージェネレーター》をセット、後手なので【エネルギーチャージ3】。続けてエスティラのスキル。このユニットがプラッタからライドして登場した時、ライドデッキよりアルティサリアを含むグレード3を公開」

 (手札5→6→5/ドロップ0→1)

 (エネルギー0→3/ソウル0→1)

 

 PolyPhonicOverDrive(ポリフォニック・オーバードライブ) アルティサリア……それが、颯樹くんのデッキの分身(エース)……。心做しか、今公開されているアルティサリアだけじゃなくて、颯樹くんの雰囲気も何処か禍々しく見える……。

 

 「公開した後、デッキから楽装カード《MegaЯoMania(メガロマニア)》を手札に加える。続けてプラッタのスキルで1枚ドロー。《音は高く足取り軽やかに(スピッカート・ステップ) レオーネ》をコール。バトル……エスティラでヴァンガードに攻撃」

 (手札5→6→7→6)

 

 「《Astesice(アステサイス) ミサ》でガード!」

 (手札5→4/ドロップ1→2)

 

 「ドライブチェック《朗らかな陽の下で(チアフル・サンシャイン) ウォリス》。ゲット・クリティカルトリガー。効果は全てレオーネに。レオーネでヴァンガードに攻撃」

(手札6→7)

 

 「の、ノーガード! ダメージチェック、1点目《穏やかな海で朝練を トルマナ》。2点目《モデレートミント ロシェル》。ノートリガー」

(ダメージ0→2)

 

 「ターンエンド」

 

 やっぱり強い……でも、私だって!

 

 「私のターン! ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚捨てて《コンフィデントアクア ミュゼット》にライド。ティファインのスキル。山札の上から1枚を公開……《クーリング・ハート ユイカ》をコール。《ラヴィング・ピンク フランセット》をコール。ミュゼットでヴァンガードに攻撃」

 (手札4→5→4→3/ドロップ2→3)

 (エネルギー0→3/ソウル1→2)

 

 「ウォリスでガード」

 (手札7→6/ドロップ1→2)

 

 「ドライブチェック《Astesice カナミ》。ゲット・ヒールトリガー! フランセットにパワー+10000、ダメージ1回復。ユイカのブースト、フランセットでヴァンガードに攻撃!」

 (手札3→4/ドロップ3→4)

 (ダメージ2→1)

 

 「ノーガード。ダメージチェック《アンシアブル・エクステリア》。ノートリガー」

 (ダメージ0→1)

 

 「バトル終了時、ユイカのスキルでソウルブラスト1をコストに払ってフランセットを手札に戻す。ターンエンド」

 (手札4→5/ドロップ4→5)

 (ソウル2→1)

 

 「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して《WitchingVibrato(ウィッチング・ビブラート) ライフェル》にライド。ライフェルのスキル。エスティラからライドして登場した時、ライドデッキからアルティサリアを含むグレード3を公開する事で、山札から楽装カード《MegaЯoMania》を手札に加える」

 (手札6→7→6→7/ドロップ2→3)

 (ソウル1→2)

 

 同じ楽装カードを手札に加えた? それならさっきのライドコストで、無理に破棄する必要はそこまで無いはずだけど……。

 

 「レオーネを後ろに下げ、《メリエストスコア マララン》《エスペシャル・デイズ ファウスティーナ》をコール。マラランのブースト、ライフェルでヴァンガードに攻撃」

 (手札7→5)

 

 「ノーガード」

 「ドライブチェック《珠玉の一曲(プレシャス・チューン) エドウィージュ》。ゲット・クリティカルトリガー。パワーはファウスティーナ、クリティカルはライフェル」

 (手札5→6)

 

 「(ちょっ……に、二連続クリティカル!?)ダメージチェック、1点目《万化の運命者 クリスレイン》。2点目《澄み渡る雪夜 ベレトア》。ゲット・ドロートリガー! パワーはミュゼットに付与して、デッキから1枚ドロー!」

 (手札5→6/ダメージ1→3)

 

 「レオーネのブースト、ファウスティーナでヴァンガードに攻撃。スキル発動。このユニットを除く他の自分のユニット1体につきパワー+2000。3体居るのでパワー+6000」(パワー32000)

 

 「(ここは通さない!)カナミでガード!」

(手札6→5/ドロップ5→6)

 

 「ターンエンド」

 

 あ、あっぶなぁ〜っ……な、何なの今の攻撃の強さ?!

 

 使ってるデッキがいつもの颯樹くんの物じゃないし……何よりいつにも増して殺意が高すぎるよっ!? ドライブチェックでクリティカルを2枚捲った後だって言うのに妙に平然としてるし、至極当たり前と言わんばかりに手札も盤石だし!

 

 ……でも、ここで負けてなんていられない。

 

 次は私の3ターン目……先攻って言う大きなアドバンテージがある。だったら、一気に攻める!

 

 「私のターン!スタンド&ドロー、エネルギーチャージ!手札を1枚破棄して……」

 (手札5→6→5/ドロップ6→7)

 (エネルギー3→6/ソウル1→2)

 

 

輝け、千変する反照の万華鏡!

《万化の運命者 クリスレイン》にライド!

 

 

 「(出て来たね……クリスレイン。導きの塔の主にして、万化の運命者)」

 

 「ミュゼットのスキル! 山札の上から1枚を見て……っ、神引き(ラッキー)! 《イノセントオレンジ アニエス》をコール! ユイカのスキル! このユニットと同じ縦列にリアガードがコールされた時、自身のパワー+5000! そしてアニエスのスキル発動! カウンターブラスト1とエネルギーブラスト3をコストに、山札の上から5枚を見て、ヴァンガードとリアガードに同名の無いユニットカードをコールする!」

 (エネルギー6→3)

 

 

 【山札の上5枚】

 ①《シニカルコンポーザー ラウム》

 ②《華燭絢爛(グレイテスト・スタァ) エステランザ》

 ③《モデレートミント ロシェル》

 ④《クーリング・ハート ユイカ》

 ⑤《穏やかな海で朝練を トルマナ》

 

 ……来た来た来た!

 

 乗ってみせる、この波に!

 

 「トルマナをコールして、そのままスキル発動! カード名が異なるユニットカードを2枚ソウルブラストして、山札から守護者(センチネル)を持たないグレード1……《モデレートミント ロシェル》をコール! 続けて《シニカルコンポーザー ラウム》をコール! クリスレインのスキル! 1枚カウンターブラストをコストに支払い、私の場にあるユニットの種類数に応じて3つの効果が発動する……私の場には6種類あるので、効果を選択する代わりに全て発動!」

 (手札5→4→5/ドロップ7→9)

 (エネルギー3→6/ソウル2→0)

 

1つ、1枚ドローしてエネルギーチャージ3!

2つ、アニエスのパワー+15000!

3つ、クリスレインのクリティカル+1!

 

 

 「行くよっ、アニエスでヴァンガードに攻撃!」

 「そこはエドウィージュでガード、ファウスティーナでインターセプト」

 (手札6→5/ドロップ3→5)

 

 「二撃目行くよ……ロシェルのブースト、トルマナでヴァンガードに攻撃!」

 「なら、二撃目はノーガード。ダメージチェック《澄み渡る雪夜 ベレトア》。ゲット・ドロートリガー。パワーはライフェルに付与、デッキから1枚ドロー」

 (手札5→6/ダメージ1→2)

 

 「三撃目……ラウムのブースト、クリスレインでヴァンガードに攻撃!ラウムのスキル! カード名に「クリスレイン」を含むユニットをブーストした時、自身のパワー+5000! 続けてロシェルのスキル! エネルギーブラスト3と自身のソウルインをコストに支払って、1枚ドローした後にアニエスをスタンド! ここまで効果処理が終わって、メインの攻撃だよ!」

 (手札5→6/エネルギー6→3)

 (ソウル0→1)

 

 「そこは通さないよ。手札を1枚破棄して《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》で完全ガード」

(手札6→4/ドロップ5→7)

 

 「ツインドライブ、ファーストチェック《万化の運命者 クリスレイン》。セカンドチェック《珠玉の一曲 エドウィージュ》。ゲット・クリティカルトリガー! 効果は全てアニエスに! ユイカのブースト、アニエスでヴァンガードに攻撃!」

 (手札6→8)

 

 「ここは受けるしか無いか……。やむ無し。ノーガード、ダメージチェック。1点目《Shout in Shadow(シャウト・イン・シャドウ)》。2点目《トーカティヴ・アワー タンムーズ》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復、パワーをライフェル」

 (ダメージ2→4→3/ドロップ7→8)

 

 「……くっ、3ダメージ与えられたらと思ったけど……。ユイカのスキルでアニエスを手札に戻して、ターンエンド」

 (手札8→9/ドロップ9→10)

 (ソウル1→0)

 

 「僕のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して……」

 (手札4→5→4/ドロップ8→9)

 (エネルギー6→9/ソウル2→3)

 

 

 ……く、来るっ!

 

 

刻め、不変のリズム。

楽装システム、スタートアップ。

PolyPhonicOverDrive(ポリフォニック・オーバードライブ) アルティサリア》にライド。

 

 「アルティサリアのスキル発動。エネルギーブラスト2をコストに支払い、《MegaЯoMania》をオーダーゾーンにセット。その後、セットされたMegaЯoManiaのスキル発動。相手のヴァンガードがグレード3以上……《万化の運命者 クリスレイン》はグレード3。条件成立」

 (エネルギー9→7/ドロップ9→8)

 

 そう言って颯樹くんは、私の盤面にあるユニットカードの前に手を翳し始めた……正確には、(クリスレイン)の隣に立っているリアガード(トルマナ)に、だけど。

 

ま、まさか……っ!

 

呪縛

 

 彼がそう短く詠唱を済ませると、トルマナが突如として現れた黒輪に捕らわれ……私が何か言葉を掛けるよりも先に()()は直ぐに縮小し、物言わぬ存在として音も無く宙に漂い始めた。

 

 「な、なんで……」

 「MegaЯoManiaは、オーダーゾーンにセットされた時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、相手のリアガードを1体選んで呪縛できるのさ」

 

 ……颯樹くんから話を聞いてると、聞き慣れない単語が出て来た。

 

 「呪縛(ロック)……?」

 「あっ、あたしわかっちゃったー! それってロックちゃんの事でしょー!? ヴァンガードにもそう言うのが「違うわよ、日菜ちゃん」ちぇー」

 「呪縛……それは読んで字の如く、相手を呪い縛ると言う意味よ。今から数えて、次の彩ちゃんのターンが終わるまでは、その呪縛が解ける事は無いわ」

 

 ……そ、そんな……。

 

 えっ、それじゃあトルマナは……。

 

止めなさい、彩ちゃんッ!

 

 「えっ? ……キャッ!?」

 

 呪縛されたトルマナのカードに手を伸ばした途端、私に向かって赤いラインの入った黒い雷が弾け飛んだ。千聖ちゃんからの制止も構わずに触れてしまったので、私の右手は軽く痺れてしまい、左手に持っていた手札を危うく落としかける事になった。

 

 「な、何この痛み……これが、呪縛……?」

 「そう。でも、これはほんのご挨拶……アルティサリアの真骨頂はここからだよ」

 

 ……そう。今颯樹くんはアルティサリアにライドして、その効果でMegaЯoManiaをセットして、私のトルマナを呪縛しただけ。

 

 ここで終わった、とひと安心するのはまだ早い……本当の攻撃は、ここからだ。

 

 「《DevilishFlanger(デビリッシュ・フランジャー) ルフル》《トレイリング・ノーツ リヴェルベラ》、ファウスティーナをコール。マラランの永続スキル。自分のターン中、僕のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットと同じ縦列に居るユニット全てのパワー+5000。アルティサリアのパワー+5000。ルフルとリヴェルベラとレオーネは、それぞれオーダーゾーンに楽装カードがあるならパワー+5000」

 (手札4→1)

 

 こ、ここで盤面をフル展開して来たっ!?

 

 確かにこのターンで攻めきらないと、次の私のターンでゲームエンドになりかねない盤面だけど……だからと言って、手札をそんなに大量に使うのっ!?

 

 「バトル。ルフルでヴァンガードに攻撃」

 「トルマナでガード!」

 (手札9→8/ドロップ10→11)

 

 「次。マラランのブースト、アルティサリアでヴァンガードに攻撃。スキル発動。1枚カウンターブラストをコストに支払い、オーダーゾーンにある楽装カード1枚につき、夜影兵(シャドウアーミー)を1体コール。対象はルフルの居るサークルに」

(ドロップ8→9)

 

 パワーはマラランが8000だから、それと永続効果でアルティサリアにパワーの追加がかかってる……合計して26000。手札が8枚もあるなら、このターンは凌ぎきれる…!

 

 「ここで、夜影兵のコールにより退却されたルフルのスキルが発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、デッキから1枚ドロー」

 (手札1→2)

 

 「ノーガード!」

 「ツインドライブ。ファーストチェック《トーカティヴ・アワー タンムーズ》。ゲット・ヒールトリガー。パワーはファウスティーナに付与、ダメージ1回復。セカンドチェック《朗らかな陽の下で ウォリス》。ゲット・クリティカルトリガー。パワーは夜影兵に付与、クリティカルはアルティサリアに」

 (手札2→4/ダメージ3→2/ドロップ9→10)

 

 う、嘘っ……これで3回連続のクリティカル!?

 

 あまりにも引きが強すぎるし、何よりパスパレに居た頃と比べて迫力が段違いだよっ!? 千聖ちゃんから話には聞いてたけど、やっぱり颯樹くんは強すぎる……でも、私だってただでは転ばないっ!

 

 「ダメージチェック、1点目《イノセントオレンジ アニエス》。2点目《澄み渡る雪夜 ベレトア》。ゲット・ドロートリガー! パワーはクリスレインに付与して、1枚ドロー!」

 (手札8→9/ダメージ3→5)

 

 「レオーネのブースト、夜影兵でヴァンガードに攻撃」

 「ベレトア、エドウィージュでガード! ベレトアはガーディアンサークルに置かれた時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、自身のスキルでシールド+5000!」

 (手札9→7/ドロップ11→13)

 

 「リヴェルベラのブースト、ファウスティーナでヴァンガードに攻撃。スキル発動。自身を除いたユニットの数は全部で5体……それにより、パワー+10000」

 

 パワーはさっきのトリガーも含めて、41000……。

 

 ちょっとここで使うのは勿体無い……けどっ!

 

 「ミサとカナミでガード!」

 (手札7→5/ドロップ13→15)

 

 「んじゃ、バトル終了時にリヴェルベラのスキル。このユニットがブーストしたバトル終了時、自身をソウルに入れてファウスティーナを手札に戻す。ターンエンド」

 (手札4→5)

 

 ……耐えきった……。ちょっと、キツかったけど……!

 

 「(あれ、息がかなり上がってる……たった4回の攻撃を受けただけなのに、尋常じゃないくらいに疲れが……)」

 「ん、次は彩のターンだよ。進行して」

 

 ……そうだ、次は私のターン。

 

 幸いにもクリスレインは手札に来てるし、呪縛を受けても攻め手が無いわけじゃない。それに……奥の手もまだ残ってる!

 

 「行くよ、私のターン! スタンド&ドロー、エネルギーチャージ!」

 (手札5→6/エネルギー3→6)

 

想像(イメージ)するんだ、勝利の可能性を。

その一雫を、逃さず掬い取る!

ペルソナライド……クリスレイン

 

 「ペルソナライドボーナスに拠り、1枚ドローして前列全てのパワー+10000! フランセットをコール! ユイカのスキルで、自身と同じ縦列にリアガードがコールされた時、自身のパワー+5000! そしてクリスレインのスキル! 1枚カウンターブラストをコストに支払って、私の場にあるユニットの種類数に応じて3つの効果を使用!」

 (手札6→5→6→5→6)

 (エネルギー6→9)

 

 私はさっきと同じ要領で盤面を展開し、クリスレインの起動効果でリソースを確保して行った。相手(さつきくん)の手札は5枚……うち1枚は、さっきのリヴェルベラの効果で手札に戻ったファウスティーナって事がわかってる。

 

 その他の2枚はタンムーズとウォリス。私から見て分からないのは残り2枚だけど……何であろうと、絶対に撃ち抜く!

 

 「パワーとクリティカルは全てクリスレインに!」

 「(ここで攻めきる気か。となると、アレもだね)」

 「行くよっ、バトル! ユイカのブースト、フランセットでヴァンガードに攻撃! フランセットのスキル! このユニットが攻撃した時、私の場にあるユニットの種類数が3枚以上なら自身のパワー+5000! 私が対象に選ぶのは……クリスレイン、フランセット、ユイカ、ラウム!」

 

 フランセットのパワーはユイカのブーストに、ペルソナライドボーナスもあるから、合計で38000。ここを逃す手は無いはずだけど……。

 

 「タンムーズ、ウォリスでガード」

 (手札5→3/ドロップ10→12)

 

 こ、ここを防いで来た!?

 

 何でこのクリティカルが乗ってない攻撃を、ピッタリ30000シールドを使って守るんだろう……もしかして、その私の分からない残り2枚の手札って……。

 

 「バトル終了時にフランセットとユイカのスキルが誘発するけれど、今回は使用し(つかわ)ないよ。ラウムのブースト、クリスレインでヴァンガードに攻撃! スキル発動! エネルギーブラスト3をコストに支払って、私の場にあるユニットが4種類以上あるなら……相手は守護者以外でガードする時、異なるグレードを3枚以上同時に出さないとガードできないっ!」

 (エネルギー9→6)

 

 「ブリッツオーダー《四精織り成す清浄の盾(エレメンタリア・サンクティテュード)》を使用。手札1枚を破棄して完全ガード。使用後このカードを除外」

(手札3→1/ドロップ12→13)

 

 せ、清浄の盾!?

 

 そんなの一度も私の前に見えて……そうか、ルフルを退却させた時に発揮された効果……あの時にっ!

 

 「ツインドライブ! ファーストチェック《Astesice ミサ》。ゲット・クリティカルトリガー! 効果は全てクリスレインに! セカンドチェック《Astesice ミサ》。……やった、クリティカルトリガー! これも効果を全てクリスレインに!」

 (手札6→8)

 

 「ダブルクリティカル!」

 「行っけー、彩ちゃ〜んッ!」

 「アヤさん、ここからが勝負所ですッ!」

 

 これで条件は整った……ここで、決めるッ!

 

万化、絢爛!

【ディヴァインスキル】発動!

 

 「私のリアガード全てを手札に戻して、その後にユニットカードを1枚……アニエスをコール! そしてそのコールしたアニエスのパワーとクリティカルをクリスレインと同じ数値にする!」

(手札8→11→10)

 

 「(くっ、これは……キツイな……っ!)」

 「更にアニエスのスキル。1枚カウンターブラスト、エネルギーブラスト3をコストに、山札の上5枚を見て……ヴァンガードとリアガードサークルに同名の無いユニットカードをコールする!」

 (エネルギー6→3)

 

 【山札の上5枚】

 ①《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》

 ②《澄み渡る雪夜 ベレトア》

 ③《モデレートミント ロシェル》

 ④《クーリング・ハート ユイカ》

 ⑤《穏やかな海で朝練を トルマナ》

 

「ユイカをコール! ユイカのブースト、アニエスでヴァンガードに攻撃!」

 

 アニエスはクリスレインと同じになっているから、ユイカのブーストを付け加えて……合計66000のクリティカル4! これなら流石の颯樹くんであっても、一溜りも無い!

 

 「《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》で完全ガード。手札が2枚以下の為、手札破棄は無し」

(手札1→0/ドロップ13→14)

 

 「う、嘘ぉぉぉぉぉぉっ!?!?!?!??」

 

 あれだけ盤面も完璧にして、トリガーチェックでもダブルクリティカルを引いて……尚且つ【ディヴァインスキル】を使っての再攻撃もしてるんだよ!? しかもそれを、平然とした顔でさも当たり前の様に防ぎきっちゃったよ!?

 

 ……でも、こうなってる理由は明らか。

 

 さっきの颯樹くんのターンで使用されたMegaЯoManiaに拠る、トルマナの呪縛が原因だ。アレのせいで本当なら5回攻撃を行えるはずが、3回しか攻められず……手札に持っていた完全ガードで完全封殺された。

 

 ……これ、慣れてない私は特にだけど……普段からこの手の効果を見慣れてる人であっても、かなり精神的にキツいよぉ……!

 

 「……ユイカのスキルで、ソウルブラスト1をコストに払ってアニエスを手札に戻し……ターンエンド」

(手札10→11/ドロップ15→16)

 

 私が自分のターンが終了した事を宣言した時、先程まで呪縛されていたトルマナが解放され、裏の状態から表向きに返された。これは後で聞いた話だけど、どうやらこの呪縛は、1ターン限りの拘束状態を付与する物らしい。

 

 ……でも、実際に受けてみると大変……。

 

 颯樹くんのダメージは2から一向に進んでないし、片や私の方はと言うと……ダメージ5でもう一点も受けられない。ただ利点があるとすれば、次に彼が使えるカウンターブラストが1つだけと言う事。

 

「(次を何とか凌いで、ロシェルも絡めた連続攻撃で)」

 

 「どう、イメージできた? 千変万化の自分自身」

 「うっ……」

 

 ……痛い所を突かれた。

 

 確かにこの盤面だと、そう言われたって仕方ない。互いにリアガードサークルが多めに空いてるけど、ダメージ差は圧倒的に颯樹くんが有利だ。彼は手札こそ尽きては居るものの、まだまだ余裕と言わんばかりにピンピンしてる。

 

 対して、私はと言うと……。

 

 「仲間が居なければ実力も殆ど出せない、自らの未来すら思い描けない……最後の最後に縋った奇跡がこれって、そんなの願う意味あるの?」

 「そ、それは……っ、颯樹くんを取り戻す為に!」

 「これでよくわかったはずだ。既に心は魅せられ、呪縛されている。そして勝利の可能性は途絶えた」

 

 何で……そんな事を言うの……。

 

 今相対してる彼は……そんな事を簡単に口に出す人じゃなかった。確かに厳しい事は言う事こそあれど、こんな風に誰かを拒絶する様な言い方は絶対にしない。何が彼の中の心を変えたのかは知らないけど、こんなの……私の大好きな、彼じゃない。

 

 「……耐えてみせる」

 「?」

 

次のターン、全部耐えてみせる!

そして……私たちが、勝つ!

 

 「残された道は、為す術無く朽ち行くのみ。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ」

(手札0→1/エネルギー7→10)

 

暗闇に奏でよ、不変の旋律(メロディ)

ペルソナライド、アルティサリア

 

 「前列全てにパワー+10000、デッキから1枚ドロー。アルティサリアのスキル。エネルギーブラスト2をコストに支払い、ドロップから《MegaЯoMania》をオーダーゾーンにセット。セットした時、トルマナを呪縛

 (手札1→0→1/エネルギー10→8)

 

 「(くっ、また……っ!)」

 「《エネルギージェネレーター》のスキル。エネルギーブラスト7をコストに支払い、1枚ドロー。ファウスティーナ、レオーネをコール」

 (手札1→2→0/エネルギー8→1)

 

 盤面を並べて来た……攻撃が来る!

 

 「右のレオーネと夜影兵の位置を入れ替え……バトル。レオーネでヴァンガードに攻撃」

 「ミサでガード!」

 (手札11→10/ドロップ16→17)

 

 「ファウスティーナでヴァンガードに攻撃。スキル発動。ユニットの数は自身を除くと5体……パワー+10000」

 「ユイカ、ミサでガード!」

 (手札10→8/ドロップ17→19)

 

終曲を歌いあげましょう。

アルティサリアでヴァンガードに攻撃(アタック)

 

 

 「スキル発動。カウンターブラスト1をコストに、オーダーゾーンにある楽装カード1枚につき夜影兵を1体……今回は2枚あるので、2体コール。左右前列にコール。その後、楽装カードがオーダーゾーンに2枚以上あるなら、2枚につき前列のパワー+5000。更にアルティサリアの永続効果。オーダーゾーンに楽装カードが2枚以上あるなら、自身のクリティカル+1」

 

 ……ちょっ、パワーも上がってクリティカルも!?

 

 パワーはペルソナとアルティサリア自身の効果も含め、単体が28000だから……そこにマラランのブーストに、その永続効果も含むから……合計が41000のクリティカル2!?

 

 トリガーの賭けにはなるけど実数値で守るか、ここは手堅く守護者で守るか……。前者だと要求値は25000で、最低でも2~3枚は持って行かれる。でも後者だと2枚使うだけで攻撃を止められる。

 

 でも、ここを凌いだ所であと攻撃は2回……左はレオーネのブーストがかかって43000、右は夜影兵のブーストがあるからそれを加味すると45000。

 

 「(トリガーが出たら何方も50000超え(オーバー)。ちょっとここは危ない綱渡りだけど、賭ける!)ノーガード!」

 「良いんだね、もう後戻りは出来ないよ」

 「……良いよ、勝負しよっ」

 

 これしか無い。この攻撃を凌いで、次以降の攻撃を全力で止めれば……まだ望みはある。

 

 「ツインドライブ、ファーストチェック」

 「……」

 「《PolyPhonicOverDrive アルティサリア》」

 (手札0→1)

 

 1枚目はアルティサリアでトリガー無し。

 

 これが、2枚目も同じトリガー無しなら、ヒールとオーバーを引けばまだ可能性はある。でも、もし……クリティカルかオーバーが捲れる、としたら……。

 

 ……そうだ。

 

 私が今この場面になっても、(オーバー)トリガーを捲っていないのと同じ様に……颯樹くんもまだ見えていない。その事に早く気づくべきだった……!

 

 「セカンドチェック」

 「……」

  「《朗らかな陽の下で ウォリス》。……ゲット・クリティカルトリガー。パワーは右の夜影兵に付与、クリティカルはアルティサリアに」

 (手札1→2)

 

 ……終わった……。

 

 「彩ちゃん……」

 「アヤさん……」

 「もう見てられないッス〜!」

 「……彩ちゃんには気の毒だけれど、今回は……」

 

 ここから希望を繋ぐ為には、3回連続でヒールトリガーを引くか……そのうち1枚でオーバートリガーを捲らないといけない。私の今見えているヒールは2枚で、残りはあと2枚。ちょっと心細いけど……捲る!

 

「ダメージ、チェック!」

 

 私の発した言葉に、会場中の全ての視線が私に注がれた。ここでヒールトリガーかオーバートリガーが来たら、まだ望みは繋がる……ここで、終わらせない!

 

「《万化の運命者 クリスレイン》」

 

 ……クリスレイン……っ。

 

 こんな情けない先導者(ヴァンガード)で、ごめんね……っ。

 

 「ノー、トリガー……」

 (ダメージ5→6)

 

勝者(WINNER) 盛谷颯樹

 


 

 彩はメンバーの元へ戻るも、終始無言であった。それもそのはず、自分が勝てば自陣のストレート勝ちで、前回彼方がやった意趣返しになるのだから。そんな彩は椅子に座りながら俯いていた。

 

 「彩さん…」

 「かける言葉もございません…」

 

 そんな彩を心配するかのように麻弥とイヴは励まそうとするも、言葉が出なかった。彩とは違い、自分達は白星を上げているため、下手に言葉を掛ければ事態が悪化するのは目に見えているのだ。

 

 「もーっ!皆んな暗いなー。たかが1回負けたくらいで大袈裟だよ!」

 「ちょっ、日菜さんっ⁉︎アンタなに言ってるんスか‼︎」

 「勘違いしないでよ。まだあたしと千聖ちゃんの試合が残ってるから、心配はいらないって事だよ。だからあたし達がなんとか挽回してみせるよ」

 

 日菜の言い方が悪いが、彼女は自分なりに彩を激励したのだ。しかし言葉が言葉のため、少々誤解を生むのは確実であるが。

 

 「日菜ちゃん…うん、ありがとう。頑張ってね」

 「とーぜん!それじゃ、行ってくるねー!」

 

 それに対し彩は少しばかし元気が出たのか、お礼とエールの言葉を送った。そんな日菜もそれを受け取ると、意気揚々とはファイトステージに向かうのであった。

 

 しかし彼女はまだ知らなかった。前回自分がファイトした京介と同じくらいに苦戦させられる事に────。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 次回は副将戦をお送りするのですが、前回も仰った通り字数が多いので前編後編と2話構成になります。次回の投稿は前編になりますが、1週間後の7月25日を予定しております。後編はその翌週になります。

 それでは、また次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。