舞い狂う仮面の人形と孤独の獅子の咆哮   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。

 今回もヴァンガードイベント回ですが、大将戦に入る前の箸休めとなります。

 それでは、本編をどうぞ。


#EX4.5.至高の歌声は正確無比なる旋律と共に

 Pastel*Palettesのメンバーが楽屋で待機している中、sumimiサイドもまた楽屋にて待機していて、まなは千聖と同様にスリーブの差し替え作業を行なっていた。

 

 「しかし今回の大将戦は結構凝っているんですね」

 「嗚呼。僕らの方でも色々と意見を出したからな」

 

 まなの部分スリーブ差し替えを行なっている最中、初華と颯樹は談笑を交えていた。しかしそんな2人の前に、何かが横切ってきた。それを確認するとそれはデッキケースだが、颯樹にとっては見覚えがあるものであった。

 

 「返すタイミングがこれから無さそうだったから今のうちに…そのデッキはアンタのものだから、アンタに返す。俺の(しょう)に合わなかった」

 

 タイミング云々で京介は颯樹の所持品として使っていたデッキを颯樹に返した。この後もデッキを返すタイミングはある筈だが、そこにチャンスがあるとは限らないのでこの場で返す事を決意したようだ。

 

 しかしそんな颯樹だが、無言で京介の元にデッキを滑らせた。

 

 「そのデッキはお前にやる。元よりそのつもりだからだ」

 「負けたぞ?俺」

 「勝ち負けなんてどうでもいい。お前が使いこなせると確信しているからだ」

 「そりゃ買い被りすぎだぜ?」

 「お前を正当に評価した結果だよ」

 

 しかし颯樹は元より京介に譲る気でいたようで、そのままデッキを渡すも、当の本人は遠回しに拒否した。だが颯樹はそこまで織り込み済みのようで、懐から一つの封筒を取り出した。

 

 「これならこれもセットで付けよう。単品で受け取るのは許可しないぞ?」

 「……ありがたく受け取ろう」

 

 颯樹は忠告を入れながらもそれを受け取るよう説得をしてきた。しかし物付きであるためか、初華は苦笑いしていたが。

 

 だけど京介は仕方ないと言わんばかりに颯樹から手渡されたデッキと封筒を仕舞った。

 

 「デッキで思い出したんだけど、()()()は凄かったですね」

 「あー、あの日か。そうだね」

 

 デッキという言葉を聞いた初華は何かを思い出したかのように呟いた。しかもその表情は何処か悟った感じであった。

 

 颯樹もそれに同意するかのように頷いた。そして彼はつい数日前まで記憶を遡った。

 


 

 ことは今回のヴァンガードイベントから数日前。この日颯樹の自宅には、彼の他にsumimiのメンバーと京介とヴァンガードイベントに向けた特訓をしていた。

 

 特訓といっても、やる事はとにかくファイトして場数で慣らしていくしかないが。

 

 「ヴァンガードに攻撃」

 「ノーガード。ダメージチェック…ノートリガー。私の負けです」

 

 そんな中、今現在京介と初華がファイトをしていた。京介のユニットの攻撃により、初華のダメージゾーンは6枚となり敗北を告げたのだった。

 

 「2人ともいいファイトだ。初華は以前よりも腕が上がってるよ」

 「ありがとうございます」

 

 模擬戦とはいえ、颯樹は京介と初華のファイトに称賛の言葉を送るのであった。

 

 「それよりアンタはファイトしなくていいのか?さっきから見学に徹しているが」

 

 京介はデッキを片付けながら未だファイトしていない颯樹に指摘した。

 

 「…そうだな。そろそろタイミング的にも頃合いだから僕もファイトするとしよう」

 

 先程まで見学していた時とは打って変わって、颯樹はソファから立ち上がりファイトの支度を始めた。

 

 「それじゃまな、僕の相手を務めてくれないか?」

 「私ですか?いいですよ」

 

 まなにファイトの相手を名指しした。多少まなは多少驚くも、颯樹が名指ししてまで自分とファイトするのは何か理由があると感じたので、二つ返事で了承した。

 

 そしてデッキの準備をして、いつでもファイトできる状態まで終えるのであった。

 

 「行くよ、まな」

 「はい!」

 

スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード

 

 そして、颯樹とまなのファイトが始まるのであった────。

 

***

 

スタンドアップ・(ザ・)ヴァンガード

 

 

 「ルーセントスイート ミリス

 「HeapUpOctaver(ヒープアップ・オクターバー) プラッタ

 

 

 颯樹さんのFV(ファーストヴァンガード)、今までに見た事が無い……。前に使っていたのは【ブラグドマイヤー】だった、事は覚えてるけど……今回は私と同じ国家のデッキ。

 

 どんな動き方をするんだろう。

 

 先ずは颯樹さんからの先攻だから、それで最初は様子を伺わないと。

 

 「僕のターン。ドロー、手札を1枚破棄して《DynamicExciter(ダイナミック・エキサイター) エスティラ》にライド。ライドした時に《エネルギージェネレーター》をセット。続けてエスティラのスキル。このユニットがプラッタからライドして登場した時、ライドデッキよりアルティサリアを含むグレード3を公開」

 (手札5→6→5/ドロップ0→1)

 (ソウル0→1)

 

 アルティサリア……それが、颯樹さんの分身(エース)。見た目は可憐で同じアイドルだから何処か近いものを感じるけど、その本質は全く違う。私たちsumimiや、Pastel*Palettes(パスパレ)の皆さんが光だとしたら、今公開されている彼女は……闇、そのもの。

 

 「公開したら、山札から楽装カード《MegaЯoMania(メガロマニア)》を手札に加える。その後、手札から捨てられた《籠めた願いは何色に ヴァルシュブラン》のスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、自身を山札の下に返して1枚ドロー。ターンエンド」

(手札5→6→7/ドロップ1→2→1)

(ソウル1→0)

 

 楽装カード、MegaЯoMania……。

 

 音響機材であるスピーカーから、赤く縁取られた黒い輪が数個飛び出してる……これがアルティサリアとどう関係してるんだろう。

 

 「私のターン。ドロー、手札を1枚破棄して《クーレストグランス ヴィレア》にライド。ライドした時《エネルギージェネレーター》をセットして、今回は私が後攻なのでエネルギーチャージ3。私も《籠めた願いは何色に ヴァルシュブラン》のスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、自身を山札の下に返して1枚ドロー。ミリスのスキル発動。後攻なので1枚ドロー」

 (手札5→6→5→6→7/ドロップ0→1→2→1)

 (エネルギー0→3/ソウル0→1→0)

 

 颯樹さんと同じ国家だから、私の方も最初は特に動きが変わらない。ここでライドコスト互換を使えたのは大きいし、手札には早期に攻撃役(アタッカー)になれるユニットも来てる……ここは臆せず攻める!

 

 「《スージングボイス ユネット》をコール。バトル、ヴィレアでエスティラに攻撃」

(手札7→6)

 

 「《Spiny∧Spiky(スパイ二ー∧スパイキー) ヒース》でガード」

(手札7→6)

 

 「ドライブチェック《澄み渡る雪夜 ベレトア》。ゲット・ドロートリガー! デッキから1枚ドローして、ユネットのパワー+10000!」

 (手札6→7→8)

 

 「バトル終了時、ヒースはドロップゾーンに置く代わりにソウルに入る」

(ソウル0→1)

 

 ……なるほど、ヒースはソウルに入れる効果を持つ(フロント)トリガーなんだ……。さっきのヴァルシュブランでソウルを使ったから、その補充に宛てたいって事なのかも。

 

 「ユネットで攻撃」

 「ノーガード、チェック・ザ・ダメージ《空に遊べば(シング・トゥ・ザ・スカイ) ラクロア》。トリガー無し」

 (ダメージ0→1)

 

 「ターンエンドです」

 

 先ずは手堅くダメージ1点。

 

 まだまだ勝負は始まったばかり……気は抜けない。

 

 「僕のターン。ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して《WitchingVibrato(ウィッチング・ビブラート) ライフェル》にライド。ライフェルにエスティラからライドした時、ライドデッキからアルティサリアを含むグレード3を公開し、山札から楽装カード《Shout in Shadow(シャウト・イン・シャドウ)》を手札に加える」

 (手札6→7→6→7/ドロップ1→2)

 (エネルギー0→3/ソウル1→2)

 

 また楽装カードを手札に加えた……。でも、今度はさっきのと違って、スピーカーからたくさんの蝶が出て来てる。見た目はキレイだけど、あの色合いをしてる蝶なんて見た事が無い……。

 

 「《クーリング・ハート ユイカ》《AngelicEcho(エンジェリック・エコー) ルミノエル》をコール。ルミノエルのスキル発動。このユニットが登場した時、手札からアルティサリアを含むグレード3を公開し、エネルギーブラスト2をコストに支払う。……先ずは、公開」

 (手札7→5)

 

 すごい、もう手札にペルソナが来てる……。

 

 私より攻撃のテンポは1ターン遅いはずなのに、それを微塵も感じさせない動きをして来る。これは千聖さんが苦戦するのも無理は無い。

 

 「公開した後、エネルギーブラスト2を払って、夜影兵(シャドウアーミー)・トークンをヴァンガードの後ろにコール。ただし、この効果でコールした夜影兵は、このターン中のみ攻撃出来ない

 (エネルギー3→1)

 

 「ヴァンガードの後ろに出して、このターンだけとは言えど攻撃出来ないなんて……本当の狙いは違いますよね?」

 「御明答。攻撃はできずとも、ブーストは可能

 

 ……やっぱりそうだ。

 

 それを見据えてルミノエルを出して、早期に高火力で攻撃できる態勢を作ってる。先攻は後手より攻撃開始のタイミングが遅いから、その時に発揮出来る火力は微々たるモノ。でも、退却の対象になっても無駄にならないのなら、出さない理由は無いはず。

 

 「夜影兵のブースト、ライフェルで攻撃」

 「ノーガード!」

 「チェック・ザ・ドライブ《くいしんぼう ノーラ》。ゲット・クリティカルトリガー。ルミノエルのパワー+10000、ライフェルのクリティカル+1」

 (手札5→6)

 

 うそっ、ここでクリティカル?!

 

 「ダメージチェック。1枚目(ファーストチェック)《至高の宿命者 リシアフェール》。2枚目(セカンドチェック)《ふらこことゆれ バラティアル》。トリガー無し」

 (ダメージ0→2)

 

 「ユイカのブースト、ルミノエルで攻撃」

 「ここもノーガード。ダメージチェック《トーカティヴ・アワー タンムーズ》。ゲット・ヒールトリガー! ダメージ1回復して、ヴィレアのパワー+10000!」

 (ダメージ2→3→2/ドロップ1→2)

 

 「ユイカのスキル発動。このユニットがブーストしたバトル終了時、ソウルブラスト1をコストに支払い、このユニットと同じ縦列に居る他のユニットを1枚手札に戻す。ルミノエルを手札に戻して、ターンエンド」

 (手札6→7/ドロップ2→3)

 (ソウル2→1)

 

 ダメージは何とか2点で抑えられたけど……さっきの颯樹さんが繰り出して来た火力は、到底無視できる物じゃない。下手をすれば、あと1点受ける事になっていた。

 

 ……この試合(ファイト)、私がほんの少しでも気を抜こうものなら……擦り傷すら与えられずに、殺られる!

 

 「私のターンです。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して《マチュアルアーズ ルティカ》にライド。先ずはヴァルシュブランのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払って、自身を山札の下に置いて1枚ドロー。そしてヴィレアのスキル発動。1枚ドローして、手札から1枚をソウルに。その後ルティカのパワー+5000」

 (手札8→9→8→9→8/ドロップ2→3→2→3)

 (エネルギー3→6/ソウル0→1→0→1)

 

 「(最初に比べて、筋がだんだん良くなって来てるな。前回は始めたてと言う事もあって、細々としたプレイミスが多かったが……かなり上達して来たみたいだ)」

 

 「《あの輝きをもう一度(ブリリアンス・リステージ) エルベリーナ》をコール。バトル……ルティカで攻撃!」

 (手札8→7)

 

 「《Spiny∧Spiky ヒース》でガード」

 (手札7→6)

 

 ……また、同じ。

 

 でも、今回は違う!

 

 「ドライブチェック《珠玉の一曲(プレシャス・チューン) エドウィージュ》。ゲット・クリティカルトリガー! エルベリーナのパワー+10000、クリティカル+1!」

 (手札7→8)

 

 「ヒースはバトル終了時、ソウルに」

 (ソウル1→2)

 

 「まだです……ユネットのブースト、エルベリーナでヴァンガードに攻撃!」

 「……ノーガード。チェック・ザ・ダメージ。1枚目《AngelicEcho ルミノエル》。2枚目《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》。ノートリガー」

 (ダメージ1→3)

 

 「ターンエンドです」

 

 ダメージは現状で言うと、私が一点優勢。

 

 手札は8枚で、颯樹さんの手札は6枚。ユイカのスキルで毎ターンリアガードを手札に戻せるとは言えど……さすがに次のターンからは、少ない手札消費でのガードは見込めない。私のデッキは彼も把握しているだろうし、もしかしたら対抗策も用意しているかもしれない。

 

 ……でも、まだ気は抜けない。

 

 次は颯樹さんのG3が登場する番。何が起きても大丈夫な様に、身構えないと。

 

 「スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して……行くよ、まな」

 (手札6→7→6/ドロップ3→4)

 (エネルギー1→4/ソウル2→3)

 

 ……く、来る!

 

刻め、不変のリズム。

楽装システム、スタートアップ。

PolyPhonicOverDrive(ポリフォニック・オーバードライブ) アルティサリア》にライド。

 

 「これが……アルティサリア

 

 そんな口上と共に現れたのは……黒く長い艶やかな髪を靡かせて、傍から見れば見目麗しい女の子と見間違う程の、サイバロイドだった。

 

 両脇に音響機材を携えて、その手には球体のマイクが握られている。そして最も彼女の特徴としてわかり易いのは……赤と黒の二つの相反する色を取り入れた衣装と、その頭上に浮かんでいる大きな(リング)

 

 ……どんな力を秘めてるんだろう……。

 

 「アルティサリアのスキル発動。エネルギーブラスト2をコストに支払い、手札かドロップの楽装カード1枚をオーダーゾーンにセットする。僕が今回置くのは……ドロップから《Shout in Shadow》」

 (ドロップ4→3/オーダー0→1)

 (エネルギー4→2)

 

 「Shout in Shadow…?」

 「アルティサリアの効果以外でセット出来ず、手札からプレイする事が出来ないオーダーカード。それが、楽装カード

 「楽装カード……」

 

 ……なるほど、つまりその楽装カードを使えるのは、アルティサリアだけなんだ。

 

 他の誰が使おうとしても使えず、1ターンに1回だけのオーダーの使用権を使ってセットする事も叶わない……正しく、アルティサリアにしか扱えず、その者の権限を使わないと使用出来ないと言う事。

 

 「《Shout in Shadow》のスキル発動。このカードがオーダーゾーンにセットされた時、デッキから1枚ドロー。そして夜影兵をコール。続けて《DevilishFlanger(デビリッシュ・フランジャー) ルフル》《空に遊べば ラクロア》をコール。ルフルのスキル発動。このユニットが登場した時、オーダーゾーンに楽装があるなら、パワー+5000」

 (手札6→7→5)

 

 ここが攻め時と言う様に、颯樹さんは手札を使って仲間(リアガード)を呼んで来た。そして楽装カードがある事で発動する効果も忘れずに処理し、盤面を着実に整えている。一つ一つの無駄を極限まで省き……そのうえで最善の行動をして来る。

 

 言い方は悪いけど、今の颯樹さんは……機械そのもの。

 

 着実に相手の弱点を探り、攻め込む機会を虎視眈々と伺っている。やられる側からすると……本当に気分が良くない。

 

 「バトル……ラクロアでヴァンガードに攻撃。その時にスキル発動。オーダーゾーンにある楽装1枚につき、パワー+5000。楽装カードは1枚あるので、ラクロアのパワー+5000」

 

 先ずはブースト無しでの攻撃……ならっ!

 

 「ベレトアでガード! スキルで、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、シールド+5000!」

 (手札8→7/ドロップ3→4)

 

 「次だ。夜影兵のブースト、アルティサリアでヴァンガードに攻撃。スキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、オーダーゾーンにある楽装1枚につき、夜影兵を1体コールする。オーダーゾーンにある楽装は1枚。因って、夜影兵を1体コール。対象はラクロアの居るサークルだ」

 

 攻撃を終えたリアガードと入れ替わる様に、前のターンから出て来ている夜影兵が新しく現れた。あんな見た目をしていて、パワーは単体で15000もあり……そのうえでブーストもできるんだから、全く油断も隙もあったもんじゃない。

 

 「そして退却したラクロアのスキルがここで発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、ヴァンガードのパワー+5000。合計パワー33000」

 (ソウル3→2/ドロップ3→4)

 

 「……っ、ノーガード!」

 「チェック・ザ・ドライブ。1枚目《ゆるだるまったり マルグリット》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復して、ルフルのパワー+10000。2枚目《珠玉の一曲 エドウィージュ》。ゲット・クリティカルトリガー。ルフルのパワー+10000、アルティサリアのクリティカル+1」

 (手札5→7/ドロップ4→5)

 (ダメージ3→2)

 

 ……ダブルトリガー?!

 

 さ、颯樹さん……いくら引きが強いとは言え、相手は担当アイドルで、か弱い女の子ですよっ?! と、とりあえずダメージチェックしなくちゃ!

 

 「ダメージチェック。1枚目《私たちで紡ぐ世界(コール&レスポンス)》。2枚目《スージングボイス ユネット》。何方もトリガー無し」

 (ダメージ2→4)

 

 「逃さない。夜影兵のブースト、夜影兵で攻撃」

 「エドウィージュ、ベレトアでガード! スキルでシールド+5000!」

 (手札7→5/ドロップ4→6)

 

 「ユイカのブースト、ルフルで攻撃」

 「ノーガード、ダメージチェック《トーカティヴ・アワー タンムーズ》。ゲット・ヒールトリガー! ダメージ1回復して、ルティカのパワー+10000!」

 (ダメージ4→5→4/ドロップ6→7)

 

 「バトル終了時、ユイカのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、ルフルを手札に戻す。そして手札に戻したルフルのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、デッキから1枚ドロー。ターンエンド」

 (手札7→8→9/ドロップ5→6)

 (ソウル2→1)

 

 ……えっ……。

 

 颯樹さん、すごく強すぎる……。ダブルトリガーは平気で引き当てるし、しかも手札は9枚まで回復できてる。果てには次のターンで決めきれる態勢まで整ってる……。

 

 こ、これが……颯樹さんの、本当の力……。

 

 でも……こんな所で、負けてなんていられない!

 

 「私のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して……」

 (手札5→6→5/ドロップ7→8)

 (エネルギー6→9/ソウル1→2)

 

目指すは究極の唯一無二!

《至高の宿命者 リシアフェール》にライド!

 

 「来たか、リシアフェール!」

 「行きますよ、颯樹さん! 先ずは手札から捨てられたヴァルシュブランのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに、自身を山札の下に置く事で1枚ドロー。続けてルティカのスキル発動。エネルギーブラスト3をコストに支払い、1枚ドローしてソウルチャージ」

 (手札5→6→7/ドロップ8→9→8)

 (エネルギー9→6/ソウル2→1→2)

 

 先ずは準備段階……リシアフェールの舞台(ステージ)は、仲間が居る事で最大のパフォーマンスを発揮する!

 

 「《青髪の異才 リシウス》をコール。スキル発動。他のユニット1体のパワー+10000。リシアフェールのパワー+10000。続けてリシウスをレストさせて、オーダーカード《私たちで紡ぐ世界》を使用。山札の上から3枚を見て、その中から1枚をコールする」

 (手札7→6→5/ドロップ8→9)

 

【山札の上3枚】

・《あの輝きをもう一度 エルベリーナ》

・《白猫だんす♡ ラーチカ》

・《神恩天唱(ブレッシングディーヴァ) グリザエル》

 

 「私はその中から、ラーチカをコール。残りは山札の下に戻します。《ふらこことゆれ バラティアル》をコール。バトルに行きますよ……バラティアルのブースト、ラーチカでヴァンガードに攻撃! バラティアルは私のヴァンガードがリシアフェールを含んでいるなら、パワー+5000されます!」

 (手札5→4)

 

 (オーバー)トリガーがデッキの下に行ったのは少し厳しいけど……それで取り返せない程、私はヤワじゃない!

 

 「マルグリットでガード」

 (手札9→8/ドロップ6→7)

 

 「エルベリーナは永続効果で、ヴァンガードがカード名にリシアフェールを含んでいるなら、相手ターンも永続でパワー+5000されます。ユネットのブースト、エルベリーナでヴァンガードに攻撃!」

 「ルフル2枚でガード。ルフルはなにも、リアガード登場時だけにパワー増加をする訳じゃない……」

 (手札8→6/ドロップ7→9)

 

 ……まさか、ガーディアンとして出た時にもっ?!

 

 「御明答。それぞれシールド+5000」

 「だったら……リシアフェールでヴァンガードに攻撃! スキル発動。エネルギーブラスト3をコストに支払い、私の場にあるリアガードを最低2枚以上……望む枚数ソウルに置き、ヴァンガードのドライブを+1します! そして、ソウルに置いたユニット1枚につき自身のパワー+5000! 私が置くのは……エルベリーナを除いた全てです!」

 (ソウル2→6/エネルギー6→3)

 (33000/

 

 「ほう、思いきった策に出たな」

 「どうしてですか?」

 「リシアフェールの動きを考えれば、あの数を一気に置く事は絶対にしない……それはつまり、自分で自分の首を絞めてるのと同じだからだ」

 

 ……京介さんの言う通り、これは言わば賭け

 

 颯樹さんの手札にはアルティサリアがある事は分かってるし、それを加味して考えたとしても……手札は6枚と、ガード値次第に因っては私の攻撃を全て受け止める事が可能。

 

 そんな状況下で私が取れる策はと言えば、なるべく相手に反撃の暇を与えず、一気に叩く事……それしか方法が無い。

 

 「先ずはエルベリーナのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、自身をスタンドしてパワー+10000。続けてラーチカのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、このターン中、リシアフェールが攻撃したバトル中は『手札からガーディアンをコールする時、2枚以上同時にコールしなければガードできない』能力を付与。そしてバラティアルのスキル発動。1枚ドローして、カウンターチャージ」

 (手札4→5)

 

 「ノーガード」

 

 ……最初の攻撃は様子見のノーガード。

 

 でも、そんなに悠長にしてられるのも……今のうち!

 

 「トリプルドライブ! 1枚目《至高の宿命者 リシアフェール》。2枚目《トーカティヴ・アワー タンムーズ》。ゲット・ヒールトリガー! ダメージ1回復、エルベリーナのパワー+10000! 3枚目(サードチェック)朗らかな陽の下で(チアフル・サンシャイン) ウォリス》。ゲット・クリティカルトリガー! エルベリーナのパワー+10000、リシアフェールのクリティカル+1!」

 (手札5→8/ドロップ9→10)

 (ダメージ4→3)

 

 「くっ……チェック・ザ・ダメージ。1枚目《Shout in Shadow》。2枚目《ゆるだるまったり マルグリット》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復、アルティサリアのパワー+10000」

 (ダメージ2→4→3/ドロップ9→10)

 

 「まだですよ……」

 

sumimi(私たち)のライブは、ここからがクライマックス

 

至高、到達!

【ディヴァインスキル】発動!

 

 「このバトル終了時、ソウルが6枚以上あるなら、カウンターブラスト1をコストに支払って、リシアフェールはスタンドし、ドライブ-2。そしてこのファイト中、リシアフェールのパワー+5000クリティカル+1!」

 

 今のリシアフェールは、自身の効果とクリティカルトリガーの効果も乗せられて……合計パワー38000、クリティカル3。トリガーのパワー上昇効果は全てエルベリーナに付与してるし、この後の攻撃をどう防ぐかで勝敗が分かれる。

 

 ……迷ってちゃダメだ。

 

 攻撃回数はあと2回……これで決める!

 

 「もう一度、リシアフェールでアルティサリアに攻撃!」

(38000/✶✶✶

 

 「ブリッツオーダー《四精織り成す清浄の盾(エレメンタリア・サンクティテュード)》を使用。手札を1枚コストに破棄して、この攻撃(アタック)はヒットしない」

 (手札6→4/ドロップ10→11)

 

 「完全ガード……持ってたんですね。ドライブチェック《朗らかな陽の下で ウォリス》。ゲット・クリティカルトリガー! エルベリーナのパワー+10000、クリティカル+1! エルベリーナでヴァンガードに攻撃!」

 (手札8→9)

 (55000/✶✶

 

 エルベリーナは3枚分のトリガーパワーと、クリティカルが2に上がってる。いくら颯樹さんと言えど……これは無視できないはずっ!

 

 「やった、これが通ればダメージ5! まなちゃんの勝利がほぼ現実的に」

 「どうかな」

 「え?」

 

 「《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》で完全ガード。手札を1枚対価(コスト)として破棄」

 (手札4→2/ドロップ11→13)

 「……ターンエンドです」

 

 このターンで私が与えられたダメージは、1。

 

 結果だけ見れば微々たる損失で済まされたと思うけど、手札はそれなりに減らせてる。これだと彼は次に攻める際の戦力を望みにくくなるし……私のこの9枚の手札をどう刈り取るか、その択を熟考する羽目になる。

 

 ……これだけ手札があれば、次のターンで!

 

 「僕のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。じゃあここで宣言させて貰おうか……」

 (手札2→3/エネルギー2→5)

 

ファイナルターン

 

 「「……っ?!」」

 「……やっぱりか。(最後の最後まで温存していた手札……1枚は展開用、もう1枚はアイツだな)

 

暗闇に奏でよ、不変の旋律(メロディ)

ペルソナライド、アルティサリア

 

 「ペルソナライドボーナスに因り、前列全てにパワー+10000を付与し、デッキから1枚ドロー。《空に遊べば ラクロア》《籠めた願いは何色に ヴァルシュブラン》をコール。ラクロアの出たサークルに元々居た夜影兵は退却。先ずはユイカのスキル発動。このユニットと同じ縦列にリアガードが登場した時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、自身のパワー+5000。ヴァルシュブランのスキル発動。このユニットが登場した時、このターンにペルソナライドをしているなら、ヴァンガードに『あなたのターン中、前列全てのユニットにパワー+5000。』を付与」

 (手札3→2→3→1)

 

 ……少ない手札で、私のガード値に大きく響く効果を使って来てる。本当に盤面とお互いの手札の動き等をよく見てるし、一個一個の能力を使うタイミングがドンピシャと言って良い程に好都合。

 

 「続けてアルティサリアのスキル発動。エネルギーブラスト2をコストに支払い、手札かドロップの楽装カード1枚をオーダーゾーンにセットする。今回セットするのは……ドロップより《MegaЯoMania》」

(エネルギー5→3/ドロップ13→12)

(オーダー1→2)

 

 ……来た、MegaЯoMania。

 

 どんな効果であろうと、私は怖くないッ!

 

 「セットされた《MegaЯoMania》のスキル発動。相手のヴァンガードがグレード3以上なら、相手のリアガードを1体指定する。……《あの輝きをもう一度 エルベリーナ》に、標的(ターゲット)を定め……」

 

 そう言って颯樹さんは、私のリアガードサークルに居るエルベリーナの名を呼んで……カードを持たない右手をゆっくり上げて行った。

 

 ……颯樹さん、一体何を……。

 

 私が、次の言葉を発しようとした……その時だった。

 

 

呪縛

 

 

 彼がそう短く詠唱を済ませると、エルベリーナが突如として現れた黒輪に捕らわれ……私が何か言葉を掛けるよりも先に()()は直ぐに縮小し、物言わぬ存在として音も無く宙に漂い始めた。

 

 「な、なんで……」

 「MegaЯoManiaは、オーダーゾーンにセットされた時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、相手のリアガードを1体選んで呪縛できるのさ」

 

 そんな効果があるなんて……。

 

 じゃあ、私がこのターンでガードに使えるのは手札にあるカードだけなんだ……。エルベリーナは呪縛されていてガード値の足しには出来ないし、それに受けようと思っても次の攻撃を通したらダメージ4……いよいよ追い詰められてしまう。

 

僕は勝利のリズムを刻み続ける。

誰が相手でも、それは変わらない。

 

 「ラクロアで攻撃。スキル発動。オーダーゾーンにある楽装カード1枚につき、自身のパワーを+5000。楽装カードは2枚あるので、パワー+10000」

(38000/

 

 「ウォリス、タンムーズでガード!」

 (手札9→7/ドロップ10→12)

 

 「次だ。ユイカのブースト、ヴァルシュブランでヴァンガードに攻撃」

 (43000/

 

 「……ノーガード。ダメージチェック《コンピテント・ディレクター セプリナ》。トリガー無し」

 (ダメージ3→4)

 

 ダメージ4……ここからは、もう一点も許さない。その勢いでかからないと、一気に決められる。

 

 「ユイカのスキルで、ヴァルシュブランを手札に戻す。夜影兵のブースト、アルティサリアでヴァンガードに攻撃。スキル発動。オーダーゾーンにある楽装カード1枚につき、夜影兵を1体コール。楽装カードは2枚……因って、夜影兵2枚をコール。その後、楽装カードが2枚以上あるなら、前列のユニットのパワー+5000」

 (手札1→2)

 (ソウル2→1/ドロップ12→13)

 

 夜影兵をコールし直して、更に前列のパワーラインを上げて来た……っ。ヴァルシュブランやペルソナライドボーナスも加味して考えないと行けないから、ここで要求値が上がったのはかなり痛すぎる…!

 

 「この時、夜影兵のコールに因って退却されたラクロアのスキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、アルティサリアのパワー+5000」

 (ソウル1→0/ドロップ13→14→15)

 

 ご、合計パワーが53000?!

 

 でも……クリティカルが上がってないなら、まだ!

 

 

 「アルティサリアは、楽装カードが2枚以上セットされているなら……クリティカル+1」

 (53000/✶✶

 

終曲を歌い上げましょう。

 

 「(この攻撃だけは、受けられない……)手札を1枚コストに破棄して……《暖かいうちに召し上がれ ウォルミア》で、完全ガード!」

 (手札7→5/ドロップ12→13)

 

 「チェック・ザ・ドライブ」

 

 そう言って颯樹さんは、山札の一番上に手を添えた。

 

 ……欲は言わない、ダブルでクリティカルトリガーさえ出なければ……!

 

 「1枚目《珠玉の一曲 エドウィージュ》。ゲット・クリティカルトリガー。左の夜影兵にパワー+10000、クリティカル+1。2枚目《くいしんぼう ノーラ》。ゲット・クリティカルトリガー。左の夜影兵にパワー+10000、右の夜影兵にクリティカル+1」

 (手札2→4)

 

 ……ひ、引くんですか……この、タイミングで?!

 

 「……まなちゃん……」

 「颯樹さん、恐ろしいな……相変わらず!」

 

夜影兵で、ヴァンガードに連続攻撃。

 

 そんな宣言が告げられた後、何処からか聴く者を思わず魅了してしまう様な歌声が聴こえて来た。……それは、私の心でさえも震わせてしまって……。

 

 「ノー、ガード……。ダメージチェック《あの輝きをもう一度 エルベリーナ》《至高の宿命者 リシアフェール》。……ノー、トリガー」

(ダメージ4→6)

 

両者、そこまで!

 

 『?!』

 

 その言葉と共に現れたのは……確か、颯樹さんの幼馴染と言っていた……千歌さんだった。ういちゃんと苗字の読み方が同じだから、名前で呼んでいいって本人からは言われてるんだけど、性格の所為でちょっと声をかけづらい印象がある。

 

 そんな千歌さんは、誰に聞くでも無く……私たちの方に目を向けた。

 

 

 「ファイトの様子は外にも聞こえていました。お二人共、お見事でした。特に純田さん」

 「は、はいっ!」

 「初めて日が浅いにも関わらず、颯樹に対してあそこまで善戦するとは。これは初心者(ビギナー)卒業ですね」

 

 ……何だか、少しこそばゆい感覚になる。

 

 いつもはスタッフさんやういちゃん達に褒められたり、励ましの言葉を受けてるけど……自分が今までに触れて来なかった分野で褒められると、少しくすぐったく感じてしまう。

 

 「……颯樹、これは純田さんに次なるレベルへ登って頂いた方が良いかと」

 「そうだね。……まな、初心者卒業を祝して渡したい物があるんだ」

 「……はい?」

 

 そう言って颯樹さんはカバンの中から取り出し、先程までファイトをしていたテーブルの上にケースを置いた。その箱の色は深い紺色で、彼の持つデッキの1つなのだと察せられた。

 

 「……颯樹さん、これは一体何だ? あんた、この手のデッキは作るのに時間がかかるって言ってたが」

 「時間がかかるだけ、だよ。ちょっとしたコツさえ覚えれば習得は容易さ。さ、開けてみて」

 「では、失礼します」

 

 颯樹さんから許可を貰った私は、ケースの中身を開けてカードを少しずつ目に通して行った。……そして後に気づいたのは、このデッキの中身は、時計をモチーフにしたユニット達が大半を占めていて、前回のファイトでも使用されたトリガー達がその中にあった事だった。

 

 「僕からプレゼント。……このデッキを、キミに託す」

 


 

 「そんな事もあったのですか…なんだか内容が濃いですわね」

 「まぁ内容が内容だからな」

 

 颯樹はいつのまにか話に加わった美優に先日の一件について説明を終えたのであった。

 

 「皆さん、スリーブの差し替えが終わりました…って何話してたの?」

 「実はね…」

 

 そしてこのタイミングでスリーブの差し替えを終えたまなが話に加わって、何があったか初華に尋ねると、彼女はまなに軽く説明を施すのであった。

 

 「皆さま、大将戦の準備が整いました」

 

 そしてまなに説明を終えた所でスタッフが楽屋に入ってきて大将戦の準備が終えた事を伝えに来たのであった。

 

 「もうかぁ…それじゃ、皆さん。先に行ってきます♪」

 『いってらっしゃい(ませ)』

 

 まずは選手の案内が最初なので、まなはスタッフの案内でファイトスペースに向かうのであった。

 

 そしてファイトスペースに到着するも、会場内の雰囲気が変わるほどに舞台がセッティングされていた。あと変わっているところを強いて言うなら、ファイトスペースの審判のいる席にデフォルトされたドラゴンのぬいぐるみが鎮座されているくらいであった。

 

 まず目立った位置にあるドラゴンのぬいぐるみをまじまじを見るも、それ以上に目に入った人物…というより大将戦の相手である千聖とバッタリでくわした。

 

 「どうも♪」

 

 そしてまなは軽く挨拶を終えると、2人揃ってファイトの準備を終えていつでも始められる態勢となったのであった────。




 まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。

 次回は大将戦をお送りします。しかし字数が多い都合上、前後編となります。だからこのため、次回は前編を来週の8月15日に更新を予定してます。

 余談ですが、この話の投稿日である本日8月8日は、ヴァンガードのブースターパック……【竜魂(りゅうこん)鳴導(めいどう)】の発売日となります。

 そのパックには、【BanG Dream!】の主要キャラのコラボカードが封入されています。機会がありましたら、お求めになってみては如何でしょうか。

 それでは、また次回。
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