今日も今日とてヴァンガードイベント回をお送りします。
そして今回は大将戦の前編、ヴァンガードイベント回も終盤を迎えます。あらかじめ告知しますと、ヴァンガードイベント回が終わりましたら、本編を再開します。
それでは、本編をどうぞ。
「「よろしくお願いします」」
……私の相手はsumimiの、確かまなと言ったかしら。見た目は人畜無害で純粋そうな娘だけど、油断はできない。この手の無意識で人を堕とす娘こそ、相手に回すと一番手に負えない。
でも、負けない。
非道な手段を使って颯樹を私たちから奪った……あの
「始める前に、一つ聞いても良いですか?」
「ええ、構わないわよ」
やっぱり動いて来た。
私がここで求められる対応は、常識的で相手を思いやれる先輩アイドル……なら。
「今回、私たちにファイトを挑んだのって……もしかして颯樹さんの事ですか?」
「ええ、そうよ。貴女たちも大変ね、人気急上昇中と言う時にマネージャーが変わるなんて事態になって」
「別に私もういちゃんもそこは気にしてません。お仕事をしていたら、この手の事はよくありますから」
「……そう、それは何よりだわ」
……っ、さすがの受け答えね。
「それで、何故颯樹の事を今この場で出したのかしら?」
「……じゃあ、その質問にお答えします。ですが、長話になります……答えるのはファイトの中で、にしませんか?」
持って行き方が上手いわね。
こちらは元よりそのつもりだったし、頑なに答えないのなら強硬策も辞さない予定だった……でも、ここであの娘の真意を知れるなら、私としても臨む所。
「……わかったわ。私が勝ったら、洗いざらい全部吐いた上で返して貰おうかしら」
「いいですよ。でも、私も負けるつもりはありませんけど」
……このファイト、二勝二敗なこの現状……キッチリ勝利を収めて、私たちが勝つ! 速やかに先攻後攻を決め、
そして、その音楽と共に聴こえて来たのは。
『さて……このファイトは、文字通り最終決戦。そして、互いに
……そうね、これは運命を賭けた最後のファイト。
こんなに仰々しい入りから始まるという事は、今目の前に立つまなちゃんは……私にとって乗り越えなければならない相手だと言う事。
『純田 まな、白鷺 千聖。今こそ叫べ、開戦の狼煙を!』
『刻限だ。これよりチーム対抗戦、最終戦を始めよう!』
「万里鵬翼のギアケツァール」
「大望の翼 ソエル」
ミリスじゃ……無いっ!?
前回私たちと戦った時とは、デッキを変えて来ていると言う事かしら。軸を変えた所で今の私には敵わないと言う事を、身を以て教えてあげるわ。
「私のターン。ドロー、手札を1枚破棄して《スチームメイデン ティグラット》にライド。ライドした時に《エネルギージェネレーター》をセット。そしてティグラットのスキル。ライドデッキからリィエルを含むグレード3を1枚公開」
(手札5→6→5/ドロップ0→1)
(ソウル0→1)
時の…宿命者…っ!?
確かリィエルって、千歌ちゃんが前回使ってたリィエル﹦アモルタ……その子が確か!
「そう……リィエル﹦アモルタは未来より来たりし、癒しの翼。それと対局を成すのが、このリィエル﹦オディウム……過去より来たりし、断罪の翼。正確に言うなら、絶望の祈りによって産まれし宿命者」
「絶望の、祈り……」
「……公開した後、ゲーム外より《
……《
見たところ、オーダーカードの様だけれど……ライドした時に置いて、効果を発揮するなんて聞いた事が無いわ。しかもそのオーダーはまだ効果を見せていない……なら、始めのうちは相手の出方を見てみようかしら。
「私のターン。ドロー、手札を1枚破棄して《風巻の斥候 ベンテスタ》にライド。ソエルのスキルで1枚ドローして《エネルギージェネレーター》をセット。後手なのでセット後に【エネルギーチャージ3】。《ペインキラー・エンジェル》をコール。バトルに行くわ……ベンテスタで攻撃」
(手札5→6→5→6→5/ドロップ0→1)
(エネルギー0→3/ソウル0→1)
「べさにーでガード」
(手札5→4/ドロップ1→2)
「ドライブチェック《ブレードフェザー・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。ペインキラーにパワー+10000、クリティカル+1。ペインキラーで攻撃」
(手札5→6)
「ノーガード、ダメージトリガー・チェック《ダイアフルドール ぺいしぇんす》《年々歳々の
(ダメージ0→2)
「ターンエンド」
「私のターンです。ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚破棄して《命脈途絶の時空巨兵》にライド。スキル発動。手札を1枚
(手札4→5→4→3→5/ドロップ2→3)
(エネルギー0→3/時刻印ゲージ0→1)
(ソウル1→2)
まなちゃんが手札を1枚オーダーゾーンに置いた後……何処からとも無く、時計の音が聞こえ始めた。私の目の錯覚かもしれないけれど……彼女の背には大きな時計が鎮座しているみたいだった。
「時刻印ゲージ?」
「時の宿命者が罪を断つ、その為の力です」
「罪……。ひとつ聞きたいのだけれど」
私はファイトの妨げにならない範囲で、まなちゃんに質問をしようとした。彼女は一瞬訝しげな顔をしたけれど、それも直ぐに切り替わって私の話に応じる態勢をしていた。
「何ですか?」
「貴女の言う罪って、一体何なのかしら。もしかして……今更私たちから颯樹を奪った事に対しての、例えようの無い罪悪感だったり? そうだとしたらもう遅いわよ、私たちの苦労を何も知らないくせに!」
「……よく言えますね、颯樹さんの苦労を知らずに我が物顔で」
……はい?
「さっき貴女がクリティカルを捲ってくれたお陰で、私は思う存分動く事が出来そうです。《
(手札5→4→5→6/ドロップ3→2)
(時刻印ゲージ1→0→1/ソウル2→3)
1枚のカードから……常人は追い付けない様な速さで、コンボが成立していく。ソウルも増えて、手札も増えて。盤面もいつの間にかヴァンガードしか居なかった現状が、左右前列にリアガードが揃って3面攻撃態勢を整えて来た。
そしておまけに、オーダーの効果によるヴァンガードのパワー上昇。これでヴァンガードの攻撃を防ぐには、トリガー1枚だけだと物足りなくなったうえで……相手としては、序盤から3面攻撃をする事で、私のガード値を
……心底嫌らしい。
颯樹が使っていた【ブラグドマイヤー】とは違うけど、これは誰であっても気分は良くない。むしろ、相手に様子見をされている様でかなりイライラする。
「バトルです。
「……ノーガード」
「ドライブチェック《ジョイフル・ソングスター》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復、パワーを年々歳々に付与」
(手札6→7/ドロップ2→3)
(ダメージ2→1)
「ダメージチェック《奇跡の幻真獣 リフィストール》。……っ、トリガー無し」
(ダメージ0→1)
……っ、最悪のカードをここで落としたわね……。
リフィストールはこのイベントの行われる、数日前に新発売されたパックから当てたカードで、ちょうどその時にショーケースに在庫があったから、至急で揃えたカード。この試合はこの子の初お披露目の意味合いも兼ねていた……でも、まさか最初のダメージチェックで落とすなんて。
「アナクロノスで攻撃」
「セイヴルスでガード」
(手札6→5/ドロップ1→2)
「年々歳々で攻撃」
「ブレードフェザーでガード」
(手札5→4/ドロップ2→3)
「ターンエンド」
……尽く、冷静だわ。
彼女は勝敗関係無く楽しんでファイトをする、とはイヴちゃんから聞いてはいたけど、意外に冷静な一面もあるのね。それが嵐の前の静けさなのか……はたまた、まなちゃんじゃなくて、彼女の次にライドする
「私のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚捨てて《躍進の騎士 アゼンシオル》にライド。スキルでベンテスタを右後ろにコールした後、ソウルチャージ。ペインキラーを後ろに下げて《迅弓の騎士 ニルベリス》《優麗の騎士 ノーヴィア》をコール。アゼンシオルで攻撃」
(手札4→5→4→2/ドロップ3→4)
(エネルギー3→6/ソウル1→2→1→2)
「《ディアブロスガールズ ナタリア》でガード」
(手札7→6/ドロップ3→4)
「ドライブチェック《天音の楽士 アルパック》。ゲット・フロントトリガー。前列のパワー+10000。ペインキラーのブースト、ニルベリスで攻撃」
(手札2→3)
「ノーガード、ダメージチェック《スチームメイデン ジムリィ》。トリガー無し」
(ダメージ1→2)
「バトル終了時、ペインキラーのスキル。自身を退却させてソウルブラスト1をコストに支払って、1枚ドロー。ベンテスタのブースト、ノーヴィアで攻撃」
(手札3→4/ドロップ4→5)
(ソウル2→1)
「其方もノーガード、ダメージチェック《スチームメイデン アルリム》。トリガー無し」
(ダメージ2→3)
「ターンエンド」
アゼンシオルの攻撃だけ防いで、
さっきの3面攻撃態勢で減らしたガード値は、それなりに戻って来たと思うし、私のデッキはここからが本領発揮。
……勝てると思うなら、来なさい!
「……そういえば、さっきの質問の答えがまだでしたね」
(手札6→7→6/ドロップ4→5)
(エネルギー3→6)
「……っ、ええ」
妙に慣れた手付きでライドコストまで捨てた後、まなちゃんは私の方を真っ直ぐに見据えていた。
「貴女の目的はわかってます。私に挑んだのもその為……もっと言うなら、前回だってそう。目的は同じ」
「……そうよ。私は、颯樹を助け出す為に」
「千聖さん、それは確かに颯樹さんから言われたんですか?」
「……何が言いたいのかしら?」
まなちゃんの言葉は、私をイラつかせるには充分過ぎる威力を持っていた。思わず眉がピクりと動いたけど、まだ我慢しないといけないわ……ここで感情に身を任せる訳には行かないから。
「いつ、誰が貴女に助けを求めたんですか? ありもしない救難信号を勝手に信じ込んで、仲間を右へ左へ引きずり廻して……貴女の行動は、まさに現実を受け入れられない駄々を捏ねる子供のやる事です」
「……もう一回言ってご覧なさい?」
……まだ耐えるの、まだ……!
「何度だって言ってあげますよ? いつまで経っても現実を受け入れられない、駄々を捏ねる子供のやる事だって!」
「聞き間違いじゃなかったみたいね……。貴女の言ってる事は余計なお世話なのよ!」
「腹黒!」
「ぶりっ子!」
「背が低い!」
「無駄乳!」
互いに罵倒しあって、傍から見れば正気じゃない。
……でも、ここで引く訳には行かないのッ! 私に楯突いたあの女だけは……絶対に許さない!
「……もう良いです。貴女の気持ちはよくわかりました」
「ようやく諦めたのかしら、今なら
「……何を勘違いしているんですか?」
……何、この空気……。
まなちゃんから感じられる威圧感が、変わった……!
「私が貴女を裁きます。その救いようの無い傲慢と、未だに自覚しようとしない己の罪を……跡形も無く!」
「こ、これが……」
「リィエル﹦オディウム……」
そんなライド口上と共に現れたのは、前回千歌ちゃんが使っていた……リィエルとは似て非なる姿だった。外見こそシルエット状態で出されたら見間違える程だけど、その様相は彼女の名前にある憎悪をイメージする物になっていた。
アモルタの時には美しく白かった羽が、オディウムだと負の感情に染ったからか……元の美しさが見る影も無く、黒くなっていた。そして背に背負った光輪は、奇しくもまなちゃんが使ってる
それと決定的にもう一人のリィエルと、相違点を挙げるとするのなら……その表情。怒りと憎しみに囚われ、遍く総てを無慈悲に焼き払わんとしているみたいに。
「……気づきましたか。これが、私の怒りです」
「まなちゃん、貴女は一体何処まで私の神経を逆撫ですれば気が済むの! 本当なら、怒り狂って憎みたいのは私のはず」
「貴女じゃないんですか!?」
……っ、一体何をっ!
「いつも肝心な事は言わないで、心の奥底で人を嗤いながら踏み躙って。それだけじゃ飽き足らず、その人の純粋な心まで利用して……届くかもと思った希望を粉々に砕いて、挙句の果てにはそれを見て楽しんで!」
「……何が言いたい、って言うの」
「もう一度言います。貴女じゃないんですか?」
「……続けなさい」
「私、颯樹さんが辛そうな顔をしてたの……知ってます」
「それで?」
「これは何かある、そう思って秘密裏に話を聞いたら……貴女の事でした。どうしてこんな自分にそこまでするのか、って」
その質問は颯樹からもされた事がある。自分よりも他人を気にする彼ならでは、と言った内容だ。私自身は気にしてないし、何より迷惑なら幾らでもかけてくれて構わない……むしろ、私から言うのも何だけど頼って欲しいくらいに。
自分を謙遜して、事ある毎に周りを立てる颯樹を直ぐ近くで見て来たからこそ……私は彼を支えたいと思った。例えそれで誰かから恨まれたり、後ろ指を指される事になったとしても。
「……颯樹さん、貴女には優しいですから。言わなかったんですよね。決定的な一言を」
……どう言う事?
「この一言は、貴女を壊れさせる。その壊れた後の事を想像すれば……過去も今も未来の事も、全てを否定する事になると」
「それは貴女個人の考えでしょう? それに、そんなにペラペラとお喋りをするなんて……恥ずかしいと思わないのかしら」
「……分かりました。じゃあ、私も教えません。甘い夢の中で理想に抱かれてて下さい。知りたくないのであれば、これ以上言葉を交わす理由なんてありませんから」
……ああ、そう。
もう貴女と話す事なんて二度と無いのね。むしろ、それならば好都合。わざわざ貴女に聞かなくても、まだ手の施し様は幾らでもあるんだから。
「《アヴァリス・レスター》をコール。スキル発動。このターン中に私がオーダーカードをプレイして居ないなら、手札から1枚を破棄して、山札からレガリスピースを持たないグレード3以下のオーダーカードを1枚選んで破棄します」
(手札6→5→4/ドロップ5→6→7)
……さあ、何を落とすのかしら……?
「私が破棄するのは《因果歪曲・断罪》」
……っ!?
それは、さっきアナクロノスの効果で時刻印ゲージに置かれていたオーダーカード! あのデッキの中に複数枚積まれていたのね……っ!
「破棄した後、山札をシャッフル。その後……破棄したオーダーカードに、このターン中だけですがドロップからオーダーを使用出来る様にします」
まなちゃんからの言葉に、sumimi陣営を除く全てから驚きの声が挙げられた。
先程の手札コストがデメリットになってない上に、結果だけ見ればデッキ圧縮もして、ドロップに落としたカードを有効活用できている。
こんな意外な方法での使用方法を、始めてそこまで経っていない彼女が思いつくはずが無い。普通なら見逃してしまいやすい効果で……単体での能力だけ見てしまうから、余計に見落としかねない。
……颯樹の入れ知恵ね。
悔しいけど、颯樹からの享受があるのなら、そこまでの活用方法を見つけられるのも納得出来る。すごく使い方が上手い。
「オーダーカード《因果歪曲・断罪》を使用。ソウルチャージ1した後に、このカードを時刻印ゲージに。そして時刻印ゲージに置かれた《因果歪曲・断罪》のスキルが発動し、デッキから1枚ドローして、リィエルのパワー+10000」
(手札4→5/ドロップ7→6)
(ソウル4→5/時刻印ゲージ1→2)
普通に使用した時だと、ソウルを増やして自分から時刻印ゲージに行けるのね。そして今コールしたユニットは、遠目だけで見るとデメリットもある……けど、こうなってしまうとそのデメリットは適用されない。
つまり、時の針が一つ進んだ事になる。
……私が裁かれる(これはただの虚勢だろうけれど)、その運命の刻に向けて。
「年々歳々を後ろに下げて、手札から《瞬刻斬伐の時空巨兵》をコール。そしてリィエルの後ろに《スチームメイデン ジムリィ》をコール。ここでリィエルの永続効果発揮。自分のターン中、私の前列のリアガード全ては、私の時刻印ゲージにある《因果歪曲・断罪》1枚につき、パワー+5000されます。今時刻印ゲージには2枚。因ってパワー+10000」
(手札5→4→3)
……これで左は単体パワーが20000、右と中央はブースターも居るからそれを合計して、パワー31000。ここから攻撃されるとなると、ガード値をどのくらい出すかが肝になるけれど、このターンは何としてでも防いでみせるわ。
「アヴァリス・レスターのブースト、アナクロノスでヴァンガードに攻撃。スキル発動。ヴァンガードがリィエルを含むグレード3以上なら、自身のパワー+5000」
(36000/✶)
「(くっ、効果でガードの要求値を上げて来た……ならっ!)アルパック、ブレードフェザーでガード!」
(手札4→2/ドロップ5→7)
「ジムリィのブースト、リィエル﹦オディウムでヴァンガードに攻撃。スキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、アナクロノスを時刻印ゲージに置く事で、【トリプルドライブ】を獲得。その後、ジムリィのスキル発動。このユニットがブーストした時、ヴァンガードがリィエルを含むグレード3以上なら、自身のパワー+5000。更にこのユニットがブーストしているユニットがカード名にリィエルを含んでいるなら、追加でパワー+2000」
(ソウル5→4/ドロップ6→7)
(時刻印ゲージ2→3)(38000/✶)
ドライブを増やす効果なのは変わりないけれど、この子の場合はトリプルドライブを与えるのね。でも、そんな事をしたらこのカードの餌食よ!
「ブリッツオーダー《
(手札2→1)
「行きますよ、トリプルドライブ。1枚目《ステムディヴィエイト・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。瞬刻斬伐にパワー+10000、クリティカル+1。2枚目《時の宿命者 リィエル﹦オディウム》。3枚目《ダイアフルドール べさにー》。ゲット・クリティカルトリガー。瞬刻斬伐にパワー+10000、クリティカル+1」
(手札3→6)
……だ、ダブルクリティカル?!
「年々歳々は時刻印ゲージが3枚以上あるなら、【ブースト】を獲得します。年々歳々のブースト、瞬刻斬伐でヴァンガードに攻撃。スキル発動。ソウルブラスト2をコストに支払い、デッキから1枚ドロー」
(手札6→7/ドロップ7→9)
(ソウル4→2)(55000/✶✶✶)
合計パワー55000のクリティカル3ですって?!
幸いにもまだダメージ1だから、ここは素直に受けて良いのだけれど……後々もこの火力を受け続けるのは得策じゃない。でもまずはカウンターが欲しいところだし、仕方ないわ。
「ノーガード、ダメージチェック。1点目《厳槍の騎士 セイヴルス》。2点目《奇跡の運命者 レザエル》。3点目《ペインキラー・エンジェル》。……全てトリガー無しよ」
(ダメージ1→4)
「ターンエンド」
……つ、強い…っ!
時の宿命者、なんて恐ろしい子なの…っ?! 2ターン目に3回攻撃をされた影響が、ここでダメ押しになってる。元々先手を取られてるのもあって手札は揃ってなかったけど、この受ける時に安心したいって時にさらなる高火力…!
「今のままで私に勝とうなんて、夢のまた夢です。今でこの有様なら…… 颯樹さんに負けた時は、もっと惨めだったのでしょうね」
……この子、隙あらば揚げ足を取る真似をして…っ!
「そんな事無いわ! 私は、颯樹を取り戻す為に!」
「他の皆さんを蹴落としてでも、ですか。奇跡の運命者を使う貴女がそれとは、聞いて呆れますね。いいえ……今この場では、こうお呼びするべきですか?」
「……っ!」
「運命の願いを束ねし、生命を導く翼。その力は敵味方問わず全てを癒し、あらゆる悪徳の一切合切を、その清廉なる一太刀の元に斬り伏せる。その力に今の貴女は見合わない……猫に小判を与える様な物です」
まなちゃんから吐かれる言葉の数々が、私の精神を否応無く蝕んで行く。一部事実もあるだけに否定は出来ないが、それでも私の中での許容量は超えているつもりだった。
……許さない。
貴女だけは……絶対に、許さない!
「なら、このターンで私の意志を見せるわ。私のターン。スタンド&ドロー、エネルギーチャージ。手札を1枚捨てて」
(手札1→2→1/ドロップ7→8)
(エネルギー6→9/ソウル1→2)
まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。
実は今回のサブタイトルは、『カードファイト‼︎ヴァンガード Divinez』に実際使われたものを引用させてもらいました。(実際対戦カードも同じだったのもあるので……)
次回の投稿は来週の8月22日を予定しております。
それでは、また次回。