今回は大将戦の後編をお送りします。
それでは、本編をどうぞ。
「これが……」
「レザエル・ヴィータ。その名の通り、生命導く運命を背負いし白き翼。でも、それだけだとまだ届かない」
……そう、これだけだとまだ足りない。
この作戦が成功するかどうかは一か八かだけど、勝つ為には選り好みしてる暇は無いわ!
「アゼンシオルのスキル発動。ドロップから《エーリアル・セージ》をコール。行くわよ」
(ドロップ8→7→8/ソウル2→1)
「ドロップのクリティカルトリガー全てを山札に戻し、レザエルのドライブ+1。……私が今回戻すのは、2枚」
(ドロップ8→6)
これでクリティカルが出る確率は上がったし、ニルベリスも居るから攻撃の順番さえ間違えなければ、相手に痛烈な一撃を与えられる。それにニルベリスには攻撃後に山札操作を行えるスキルがある……相手の攻撃を受けきる態勢だって作れる。
「ニルベリスで瞬刻斬伐に攻撃」
「瞬刻斬伐は、ヴァンガードがカード名にリィエルを含んでいるなら、相手ターンも永続してパワー+5000されます。ここはノーガード」
「……そこは想定の範囲内よ。バトル終了時、ニルベリスのスキル発動。エネルギーブラスト3をコストに払って、自身をソウルに入れて……デッキから1枚ドロー。その後にデッキの上1枚を見て、それを上か下に置く事が出来る」
(手札1→2/ソウル1→2)
(エネルギー9→6)
……なるほど、このカードが見えたのね。
それなら、相手に揺さぶりをかけてみようかしら。
「私はこのカードを山札の上に戻すわ」
「(……っ、と言う事はトリガーカード。ガード値はちょうどで払えたら御の字だけど、相手がクリティカルを戻してる関係もあって、出しすぎるのは私自身が苦しくなる……)」
「ノーヴィアでヴァンガードに攻撃。スキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払って、パワー+10000」
(ドロップ6→7/ソウル2→1)
「……ここは甘んじて受けます、ノーガード。ダメージチェック《瞬刻斬伐の時空巨兵》。トリガー無し」
(ダメージ3→4)
……受けてくれたのなら嬉しいわ。
なら、一気に畳み掛けるまでよ!
「エーリアルのブースト、レザエル・ヴィータでヴァンガードに攻撃。スキル発動。まずはエーリアルから。このユニットがブーストした時、ヴァンガードがカード名にレザエルを含んでいるなら、パワー+5000。更に手札を1枚破棄して、追加でパワー+2000してカウンターチャージ。続けてレザエルのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに払って、ドロップから自分のダメージゾーンの数と等しくなる様にユニットをコールできるわ」
(手札2→1/ドロップ7→8)
……私のダメージは4で、
ドライブチェックでクリティカルが捲れたら、相手のガードに必要な数値に圧力をかける事が出来る。それが多ければ尚良し、少なくても残り攻撃回数で余分に出させる事が出来るから問題は無い。
……なら。
「ドロップから《明敏の騎士 カテルス》と《聖竜 ガブエリウス》をコール。そして手札からカード名にレザエルを含むカード……《奇跡の運命者 レザエル》をソウルに入れ、続けてドロップからグレード3以下のノーマルユニット……《奇跡の幻真獣 リフィストール》をコール!」
(手札1→0/ドロップ8→6→5)
(ソウル1→2)
「り、リフィストール?!」
「……この様な事態も折り込み済み、と言う事か」
「そして、ソウルにレザエルを含むこのユニットと別名のカードが入ったので、レザエル・ヴィータのパワー+5000。それと……ヴァンガードの効果でドロップから出したリアガード全てにも同じくパワー+5000よ!」
これで合計パワーは33000。
……相手からすれば、最低でも25000払った所で、1枚でもトリガーが出てしまえば貫通される。欲しいトリガーの数は2枚以上……欲を言えばクリティカルだとなお嬉しい。
「続けてリフィストールのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに支払い、山札の上から7枚を見て、カード名にレザエルを含むグレード3以上を1枚手札に加えるわ」
【山札の上7枚】
・《天音の楽士 アルパック》
・《パラディウムジール・ドラゴン》
・《しゔぁるみゃー》
・《優麗の騎士 ノーヴィア》
・《ペインキラー・エンジェル》
・《奇跡の運命王 レザエル・ヴィータ》
・《ブレードフェザー・ドラゴン》
「私はレザエル・ヴィータを手札に加えるわ。その後残りを戻してシャッフル。そこまで終わった後……メインの攻撃よ!」
(手札0→1)
「(先ずは手堅く)《スチームメイデン アルリム》で完全ガード。そのコストで手札を1枚破棄します」
(手札7→6→5/ドロップ9→10→11)
「行くわよ……トリプルドライブ」
……さあ、運命の瞬間。
さっきニルベリスで確認したカードは、リフィストールの効果を処理した後のシャッフルで何処に居るか分からなくなった。今こそ、希望の一筋を……掴むのッ!
「1枚目《ブレードフェザー・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。効果は全てガブエリウスに。2枚目《パラディウムジール・ドラゴン》。トリガー無し。3枚目」
(手札1→3)
望むはもう1枚のトリガー。
欲を言えばクリティカル……叶わずとも、フロントトリガーが出てくれたならまだ…っ!
「《悠音の運び手 アラウヌス》。……っ?!」
(手札3→4)
「……ヒールトリガー、ですか。その様子だと、今この場で来て欲しくないカードが来たみたいですね。私の攻撃を耐えられる可能性が少しでも出来たはずなのに、貴女としてはそうでは無い。寧ろ……」
……そう、私が一番望んで無かったのはこれだ。
私とまなちゃんのダメージはお互いに4で、何処かでヒールを捲れば回復は行なえる。これはヴァンガードをやっているなら、基礎中の基礎として反復練習の末に覚える事だから。
……でも、私の盤面には……ある一定の水準までダメージを受けていないと効果を発揮しないユニットが居る。リフィストールの効果を使った段階で、山札の上がさっき確認したカードとは別になる事など、最早分かりきった様な物。
「……ダメージを1回復して、パワーはリフィストールに与えるわ。ベンテスタのブースト、ガブエリウスでヴァンガードに攻撃。スキル発動。パワー+5000」
(ダメージ4→3/ドロップ5→6)
(43000/✶✶)
「ベさにー、ステムディヴィエイトでガード。更に瞬刻斬伐でインターセプト」
(手札5→3/ドロップ11→14)
「カテルスのブースト、リフィストールで攻撃」
「ノーガードです、ダメージチェック《スチームメイデン ジムリィ》。トリガー無し」
(ダメージ4→5)
……決めきれなかった……っ!
ここでヒールトリガーが出てさえ居なければ、まだ勝てるチャンスはあったのに…ッ!
「……ターン、エンド」
私の力無い宣言を聞いた彩ちゃん達は、その気が伝染したのかは定かじゃないけれど……みんな揃って不安そうな顔をし始めていた。もちろんこの場に居るのは私たちだけじゃなくて、観客の人たちも居るから、安心して胸を撫で下ろしていたり、何処か諦めた様な表情をしている人も居た。
……そして、私の前に立つまなちゃんはと言うと。
「スタンド、&、ドロー。エネルギーチャージ」
(手札3→4/エネルギー6→9)
……怖いくらいに、冷静だった。
「ペルソナライド……リィエル﹦オディウム。ペルソナライドボーナスに因り、前列のパワー+10000、デッキからカードを1枚ドローします。……千聖さん」
(手札4→3→4/ソウル2→3)
「何かしら」
「もう次のターンはありませんよ、絶対に」
「私には奇跡もあるの……そんな虚勢が通じると思うのかしら?」
「……ッ!」
「オーダーカード《因果歪曲・断罪》を使用。ソウルチャージ1して、このカードを時刻印ゲージに。そして時刻印ゲージに置かれた時、1枚ドローしてリィエルのパワー+10000。瞬刻斬伐をコール。これでバトルフェイズまで行きます。バトルフェイズ開始時、時刻印ゲージに存在するアナクロノスのスキルで、ドロップから1枚を時刻印ゲージに置いて、自身をコール。私が今回置くのは《スチームメイデン アルリム》です」
(手札4→3→4→3/ドロップ11→10)
(時刻印ゲージ3→4→3→4/ソウル3→4)
……何なの、この子。
さっきのターンより明らかに威圧が強くなってる。それどころか、まるで彼女の瞳が紅くなってるみたい。それに呼応する様にリィエルも反応してるし、このターンで最大火力を出してくるのは間違い無い。
……何とか凌ぎきって、次のターンに繋ぐの…!
「アヴァリス・レスターのブースト、アナクロノスでヴァンガードに攻撃。スキル発動。先程のターンと同じく、アナクロノス自身にパワー+5000。そして違うのはここからです。時刻印ゲージが3枚以上ある時、エネルギーブラスト2をコストに支払う事で、カテルスを退却させます」
(エネルギー9→7)
「くっ、カテルス?!」
「インターセプトしてガード値の補完を狙っていたみたいですけど、お生憎様……そんな事はさせません」
……こ、これは……キツイわね…!
「そして時刻印ゲージにある《因果歪曲・断罪》は3枚。リィエルのスキルで、前列のリアガード全てはパワー+15000。先ずは合計パワー51000の攻撃です」
「……ノーガード。ダメージチェック《パラディウムジール・ドラゴン》。トリガー無し」
(ダメージ3→4)
「ジムリィのブースト、リィエル﹦オディウムでヴァンガードに攻撃。スキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、アナクロノスを時刻印ゲージに置く事で、【トリプルドライブ】を獲得。その後、ジムリィのスキル発動。このユニットがブーストした時、自身のパワー+5000。更に追加でパワー+2000」
(ソウル4→3/ドロップ10→11)
(時刻印ゲージ4→5)(48000/✶)
……ここは、キツイけど……仕方ないわ。
「《パラディウムジール・ドラゴン》で完全ガードよ! 手札のコストとして支払うのは……レザエル・ヴィータ」
(手札4→3→2/ドロップ6→7→8)
「行きますよ、トリプルドライブ。1枚目《ステムディヴィエイト・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。効果は全て瞬刻斬伐に。2枚目《ジョイフル・ソングスター》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復して、パワーは瞬刻斬伐に。3枚目《怨恨の冥竜神 ゴルマギエルド》。……ゲット・オーバートリガー」
(手札3→5/ダメージ5→4)
(ドロップ11→12)
まなちゃんのその宣言を聞き、私もsumimi陣営以外の全員も驚きを隠せなかった。このタイミングで
「このカードを除外して1枚ドロー。パワーは瞬刻斬伐に与えます。追加効果発揮。このファイト中に自分のターンが来る度にリィエルのパワー+10000、クリティカル+1」
(手札5→6)
……確かにゴルマギエルドの効果は超強力。
でも、ヴァンガードの攻撃を防がれている、この意味も無い状況下で捲れるなんて……貴女も相当運が無いのね。
「永遠に続く時なんて存在しない、それは……この世界における絶対不変の理」
「?」
「だが、時の宿命の前では……その理すら、歪む」
「こ、ここで【ディヴァインスキル】?!」
「相手のグレード3以上に攻撃したバトル終了時、時刻印ゲージが5枚以上ある時……手札を2枚捨てる」
(手札6→4/ドロップ11→13)
条件を満たして、コストに手札を破棄した……。一体何が来るのかしら。
………………あら?
「何も……起こらない?」
「年々歳々のブースト、瞬刻斬伐でヴァンガードに攻撃。ここで攻撃時効果が発揮されますが、今回は使いません」
(100060000/✶✶)
手札を2枚捨てる
……でも、それを抜きにしたって今の攻撃はオーバートリガーの過剰な高火力を孕んでる。私の手札じゃ防ぎようが無いし、ここは望みを託すしか無いわ。
「……ノーガードよ、ダメージチェック。1点目《明敏の騎士 カテルス》。2点目《水界の精霊王 イドスファロ》」
(ダメージ4→6)
私が6点目のカードを見せた時、まなちゃんを始めとした私以外の全員が驚きの表情を見せた。……そう、先程まなちゃんがやった事だ。なら、私もそれ相応の事をしなければ不釣り合いだ。
「6点目のダメージで、トリガーユニットが出た……と言う事は!」
「6点目のダメージでトリガーが出たら、ダメージを1枚回復できるわ。そして、その時捲れていたのがオーバートリガーなら」
(ダメージ6→5→4/ドロップ8→9)
「ダメージにならず除外される。つまり、この一回の行動だけでダメージを2回復した様なモノだ」
「そ、そんな…っ!?」
……これで手札は最低限守る事が出来た。
リフィストールも盤面に残ってるし、被害を受けた事と言えばカテルスが退却された、と言う一面があるだけ。それならまだ次で挽回できる。
「……ターン、エンド」
「終わりで良いなら、今度は私の番よ」
私がレザエルのカードに手を添えようとした瞬間、何処からとも無く時計が時を刻む音が聴こえ始めた。それは聴き様によっては聴く者の鼓膜を否応無く揺さぶり、どうしようも無い程の不安を煽るくらいに。
「……な、なに……何が起きてるの…っ!」
「リィエル﹦オディウムの【ディヴァインスキル】は、このターンが終了した後……もう一度、私のターンを行なう!」
……何よそれッ!!!!
じゃあ何、今さっき見せてた力無く落ち込む行動は……あれは咄嗟の判断から出た演技だとでも言うのッ?!
「驚きましたか。これが、私の【ディヴァインスキル】。もう貴女の時間は返って来ない……懺悔するなら、今のうちです」
「くっ……何を甘い事を言っているの、次で決められなければ貴女は本当に負けるのよ! そんな状況で強がりを出すなら、今すぐにやめなさい!」
「わかってませんね! 貴女の手札はもう壊滅的で、そのガード値だって全て判明してる物ばかり。加えて、先程のオーバートリガーの効果……もう忘れたんですか?」
……っ、そうだ。
確かゴルマギエルドの追加効果は……。
「……そう言う、事ね」
「スタンド&ドロー。追加のターンでは、ライドフェイズとメインフェイズは行わず、リィエルのドライブ-1。バトルフェイズ開始時、時刻印ゲージにあるアナクロノスのスキル発動。カウンターブラスト1をコストに払って、ドロップから1枚を時刻印ゲージに置き、自身をコール。そして時刻印ゲージに置かれた《因果歪曲・断罪》のスキル発動。1枚ドローして、リィエルのパワー+10000」
(手札4→5→6/ドロップ13→12)
(時刻印ゲージ5→6→5)
「《因果歪曲・断罪》?! そんなカードが、一体どうしてドロップゾーンに……」
私は全ての脳内思考をフル回転させて、今《因果歪曲・断罪》がどうしてドロップゾーンから時刻印ゲージに置かれたのかを考え始めた。まなちゃんに聞いた所ではぐらかされるだけだし、こう言う事は周りも気づくだろうけど、自分で思い出す方が都合が良い。
さっきのドライブチェックは、クリティカル、ヒール、そしてオーバートリガー。そのうち非公開情報となっているのは、3枚目のトリガー効果で引いたカード。……さっきバトル終了時に発動した【ディヴァインスキル】は、要求されるコストとして手札の2枚破棄が求められる。
……あら?
そう言えば確か、そのカードは今の今まで私が見えていない領域にあった。
「(まさか……)」
『相手のグレード3以上に攻撃したバトル終了時、時刻印ゲージが5枚以上ある時……手札を2枚捨てる』
……全てが、繋がった。
あの時の【ディヴァインスキル】を発動する為の、コストとして捨てられていた……手札の中に、それはあった。ずっと私の見えない所で、息を潜めていたという事になる。
「そうです。先程のゴルマギエルドが捲れた時に、追加のドローで手札に来ていたんです。これで、貴女を裁ける」
……くっ、この子……何処まで見えていたのっ?!
「アヴァリス・レスターのブースト、アナクロノスでヴァンガードに攻撃。スキル発動。パワー+5000して、エネルギーブラスト2をコストに支払い、リフィストールを退却。そしてリィエルの永続効果も含めて、合計パワー46000での攻撃です」
(エネルギー7→5)
「……ノーガード。ダメージチェック《悠音の運び手 アラウヌス》。ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復して、パワーはレザエルに与えるわ。……まだ、終わらせないっ!」
(ダメージ4→5→4/ドロップ9→10)
終わらせない……終わらせてなるものですか!
「……性懲りも無く足掻きますか。良いですよ、それなら今度は私自ら貴女を裁きます。ジムリィのブーストを受けて、リィエル﹦オディウムでヴァンガードに攻撃。スキル発動。ソウルブラスト1をコストに支払い、アナクロノスを時刻印ゲージに置く事で、【トリプルドライブ】を獲得。その後、ジムリィのスキル発動。このユニットがブーストした時、自身のパワー+5000。更に追加でパワー+2000」
(ソウル3→2/ドロップ12→13)
(時刻印ゲージ5→6)(48000/✶✶)
……リィエルはこのターン中だけドライブ-1されていて、3回確認できる機会が2回に減っているけど、私に大打撃を与えるには充分過ぎる。私のダメージは4で、残り手札は2枚。その手札にあるガード値も、まなちゃんの言う通り……既にバレている。
……覚悟を決めなさい、私!
ここはトリガーが出ない事に賭けて、最低値で守りきらないと勝てないのよ!
「ブレードフェザー、アラウヌスでガード!」
(手札2→0/ドロップ10→12)(53000/✶)
「行きますよ、その賭けが吉と出るか凶と出るか。ツインドライブ」
会場全体が静まり返り、まなちゃんのドライブチェックを一心に見つめていた。……さあ、捲りなさい!
「1枚目《時の宿命者 リィエル﹦オディウム》」
(手札6→7)
……トリガーなし。
「2枚目……」
(手札7→8)
恐らく、イメージの中では……レザエルとリィエルが互いの剣を交わしあって、緊迫した状態で鍔迫り合いをしているかもしれない。双方共に譲れない想いがあるのは、言葉を交わさずともわかる事。
……今こそ、決着の時よ!
気になるツインドライブの2枚目は……。
「……ふふっ。あははは、あはははははっ!」
「何がおかしいと言うのかしら」
「……ごめんなさい、つい笑いすぎちゃいました。でも、今の貴女に突き付けるには、残酷な真実ですよね」
そう言ってまなちゃんは、裏向きにしたドライブチェック2枚目のカードを……表に返した。これがトリガー無しなら、私の勝ちに大きく近づく。でも、もしトリガーなら……?
「(まさか……そんな訳無いわよね)」
そんな思いを抱きながら、確認した2枚目は。
「《ジョイフル・ソングスター》。……くっ!」
「千聖ちゃん…っ!」
「チサトさん…っ!」
「ゲット・ヒールトリガー。ダメージ1回復して、パワーをリィエル﹦オディウムに与えます」
(ダメージ4→3/ドロップ13→14)
(58000/✶✶)
イメージの中で繰り広げられた戦闘は、レザエルの甘くなった隙を突いて……リィエルが彼の者を袈裟斬りで切り裂いた。その衝撃を受けたレザエルは地面に強く叩き付けられ、それを見逃さなかった彼女は、彼が立ち上がろうとした所を馬乗りになる事で阻止した。
そして、自身の持つ黒い針をレザエルの胸部を一突きして貫いた。先程まで動いた手が、止まりかけている。
……チェックメイトだ。
このトリガーチェック次第では、私は……負ける。
「ダメージチェック。1点目《しゔぁるみゃー》。ゲット・クリティカルトリガー。効果は全てヴァンガードに。2点目」
(ダメージ4→5)
「千聖さん」
「何かしら」
「最期に……遺言があれば、お聞きしますよ」
……そうね、大衆の面前で情けない姿を晒した私は、傍から見れば滑稽な天使。でも、もう一度……叶うなら。
「これで、ジ・エンドです」
「《奇跡の運命者 レザエル》。……私の負けよ」
(ダメージ5→6)
まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。
次回でヴァンガードイベントの最終回となります。投稿日は1週間後の8月29日を予定しております。
それでは、また次回。