今回も最新話をお送りします。
それでは、本編をどうぞ。
※【注意】
今回、前半に他者様のオリキャラに対するアンチ、後半にこの作品の原作アニメ【BanG Dream! Ave Mujica】の3話終盤の例のシーンがあります。『苦手だなー』って感じましたら、ブラウザバックを推奨します。
仙台のツアーライブがあった数日後。この日優花は講義を受けるため大学に来ていた。この日彼女が受ける講義はまだ1時間先であるが、今週末に提出するレポートを作成するため、普段より早く大学に来たのだ。
そして今は図書館で資料を見ながらレポートの作成に取り組んでいるのだが、彼女は何処か不機嫌であった。
「(あーもう、最悪…。あのクソ上司、残業なんて押し付けてくるんじゃないよ。お陰で昨日いっぱいレポート作る時間取れなかったじゃない)」
彼女は高校生の頃からアルバイトに取り組んでいたのだが、今は大学生という事もありアルバイトは大学に支障をきたさない程度であるが、高校生の時より多めにシフトを入れているのだ。
しかしAve Mujicaのライブの翌日である昨日、ライブの余韻に浸りながらバイトに取り組んでいるのだが、あいにくその日はとても忙しかったので仕方なく残業を頼まれたのだ。
優花も1時間程度と予想していたのだが、人手が少ない事と昨日シフトを無理言って変更して貰ったからという理由で3時間も残業する羽目になったのだ。
バイトから帰ってきたらレポートを作成する予定であったが、疲れていてとても出来る状態でなかったため、仕方なく早めに大学に行って時間的にも人も少なくて静かな図書館でやる事にしたのだ。
上司に愚痴を入れつつも、必修科目なうえに課題を提出しないと単位を落としてまた一年後に受け直し…の恐れもあるため、真面目にやるのであった。
そして1時間半が経ち、レポートも8割弱終わった所で1限目終了の予鈴が鳴った。この時間帯には自分が受ける講義があるため鞄に作成途中のレポートや筆記用具を仕舞うなどの周囲の片付けを手早く済ませて、教室に向かった。
教室に着いたのはいいが、何故か他の生徒が優花を見かけたら二度見三度見した後に目を逸らした。その後は完全に彼女とは目を合わせなかった。それどころか、優花を見るたび陰口を始める始末である。
「ねぇ優花…」
「どうしたの?」
する3人で固まっていたうちの1人の生徒が怒りに満ちた目で優花を見ながら声を掛けた。優花も目の前の彼女とは友達…という程のものではないが、顔見知り程度には面識はあるのは覚えてる。
彼女は、自分の知っている限りだと仲はいい方で、尚且つ自分と同じ気質の人間であるのはある程度感じている。そんな彼女だが、声を掛けてきたのはまだ分かるが、何故明らかに不機嫌なのか優花は疑問を抱いていた。
「これ、本当なの?」
生徒の一人がスマホを起動して操作すると何かを優花に見せてきた。優花は生徒に一瞥してスマホの画面を見た。そこには…
「!」
画面に映っていたのは、昨日自分が京介と睦に接触してきた際に、睦に平手打ちした時の動画であった。まさか誰かに撮られていたとは…と動画を見ながら目を見開いていた。
「どうやら心当たりがあるようね」
「その反応、クロみたいだね…最低」
「もう私達に近寄らないでほしいし、話しかけてこないで」
優花の反応から察知した生徒と、いつのまにか側にいたその連れの友達は汚物を見るような目で彼女を視線を送ると同時に見限るのであった。
「あの反応、マジかよ…」
「見かけによらず、腹黒じゃねぇか…」
今度は男子生徒2人が優花の耳に届くくらいの陰口をした。それを皮切りに優花に対しての陰口(しかも今度は本人には丸聞こえ)が始まるのだった。
しかし2時限目の講義開始の予鈴が鳴った事と担当教員が教室に入った事で、生徒一同は一旦陰口をやめて講義を受ける態勢になった。
その後は生徒全員は真面目に講義を受けているものの、いざ講義が終わって教員が教室を出ると、優花に対しての陰口が再度始まったので彼女は聞きたくもない声を無視しながら教室を出た。
「(なんで…なんで…なんでこうなったのっ⁉︎)」
その後も食堂、フリースペース…を延々と移動するも、自身の陰口は鳴り止まなかった。むしろ悪口が過激になっていくばかりであった。
それに耐えきれなくなった優花は、この後も講義があるにも関わらず早々に大学を後にするのであった。
「(あー…もう! なんで私があんなに糾弾されなきゃならないのよっ!)」
大学を出て数分後、優花はとあるカフェに立ち寄っていた。本来ならいつも通ってる喫茶店があるのだが、そこだと自身と同じ大学に通ってる他の生徒に見つかるおそれがあるので、やむなくチェーン店系列のカフェに立ち寄ったのが理由だ。
そんな中優花は愚痴を呟きつつも、コーヒーを飲んで落ち着かせながらSNSで自身が睦に平手打ちをしていた動画について色々とチェックをしていた。
まさかあの時誰かに見られていて、それも撮影されていたとは微塵も思ってなかったのだ。だから優花は誰がやったのか特定した上で謝罪ないし慰謝料の請求までさせる腹づもりでいるのだ。
しかし数十分後が経過しても、SNSで拡散された書き込みを投稿した人物の特定が出来ていなかった。
「なんで見つからないのぉ……。こんなの誰が投稿したかすぐ分かるじゃん」
未だに特定が出来ていない優花は机に突っ伏した。このまま探そうにも、流石に店で長居すると心象が悪くなるのと、スマホの充電が底を尽きそう(それに加えて充電器を家に忘れた)事もあるため、会計を済ませて一度店を出て自宅に帰る事にした。
平日の昼間という事もあってか、自身に陰口を叩く者はおろか、乗客もそんなにいなかったため、電車での移動中は苦では無かった。
「ホント誰なの、あの動画撮って投稿したの…」
そう呟きつつも、電車に乗ってる時でもスマホの充分が尽きかけているのにも関わらずSNSをチェックしていた。そしていつのまにか自身が利用している最寄り駅に到着するアナウンスが聞こえたため、電車を降りて駅を出て、そのまま自宅まで歩いた。そして優花は、帰宅途中でSNSをチェックした際、とあるツイートを目にした。
「……は?」
そのツイートは注意喚起であったが、何処か警告文にも見える内容であった。しかもその内容はまるで自分にピンポイントに刺さるものであった。しかもそのツイートのリプライも、その警告文に対して肯定するものばかりであった。
「(はぁ?ちょっと待って…なんで私がこんなに叩かれなきゃならないのよ!それ以前にこんな書き込みしないでよ!)」
自分がやった事を棚に上げつつ、注意喚起に愚痴を入れる優花であった。しかしたった2〜3件のリプライだけだったのがいつのまにか5倍…6倍……と瞬く間に増加するのであった。
「(待って……なんでこんなにバッシングが増えてるのよ!なんで…なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!)」
自身の想定以上に早いペースで増加していくリプライに優花は頭を抱えるも、無慈悲にもツイートは拡散されているので、それに対するリプライは鳴り止まなかった。そして目を離した際にいつのまにかトレンド入りを果たしていたのだ。
それを受けてか更にリプライが増え続ける一方であった。しかし優花は、ある事を懸念し始めた。
「(待って、もしこれ特定とかされたら私特定されるおそれあるよね?もしそうなったら…)」
SNSでトレンド入りした内容によっては特定する者も少なからず現れるのは確か。しかし今回の場合は過激な輩が住所を特定して曝け出したりするなどの危険もある。もしそうなったらの仮定をすると、自身だけでなく、両親にも危害が加わる可能性があるのだ。
「(あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!)」
此処で漸く自身がやってきた事に対して自覚したのか、優花はその場で崩れ落ちた。その後は過呼吸を起こして、近くにいた駅員に保護され病院に運ばれるのであった。
一日入院するも、この一件が原因で優花は人間不信になると共に、
その後は「私は悪くない…」という呟きが常日頃から聞こえるようになった、と両親は語るのであった────。
時は放課後。この日学校が終わった透子は自宅に帰って
退屈なのでSNSを見ていた彼女だが、同時に学校で出された課題がある事を思い出したのだが、やる気分にはならなかった。しかし課題をサボると祖母は勿論、同じバンドメンバーの京介や瑠唯から大目玉を喰らうのは流石に嫌なので渋々取り組む事にした。
しかしその時誰かから着信が来た。スマホの表示された画面を覗くとそこには千聖の名前があった。何故自分に掛けてきたのか気になった彼女は電話に出る事となった。
『もしもし、透子ちゃん。見たわよ、あのツイート』
「えっ、千聖さんっ!?」
『お手柄よ。獅子身中の虫を払ってくれた事、お礼を言わせて頂戴』
「え、えへへ……。でも、あたし偶然見かけて、そこを動画に収めただけですけど……」
千聖が開口一番に話題に出したのは連続でトレンド入りしたツイートであった。実を言うと、優花襲撃時の動画は、Ave Mujicaの仙台でのツアーライブの帰り道に、偶然京介と睦を見かけた彼女が撮ったもので、優花の雰囲気が明らかにヤバイと感じたのか咄嗟にビデオに収めたのだ。
そして優花が立ち去ると京介達と接触して事実確認をした後、動画を彼に提供したのだ。そこから間もなくして京介から連絡が来て、彼から颯樹、千歌のツテでとある人物と邂逅をして、その人物の根回しを受けて例のツイートをしたのだ。
ちなみに余談だが、そのツイートは透子がその人物が用意した裏垢兼捨て垢を用いたものであり、暫くしたらそのアカウントは消す予定であるのだ。
『アレで良いのよ。……私を敵に回すとどうなるか、その身で思い知ればいいのよあのオンナ』
「(えっ、めちゃくちゃ怖ぁ…っ!?)」
このツイートを見たという事は千聖からの説教を受けるのかと覚悟した透子だが、自身が予想していたのとは真逆の反応であったため、逆に恐怖を感じるのであった。
『とにかく言いたかったのはそれだけよ。それじゃまたね♪』
千聖は最後に『あと、今度お礼させてちょうだいね♪』と言い残すと電話を切った。たった数分の出来事なのに透子は何故か長電話をした感覚に見舞われた。
「千聖さんヤバー……ルイやきょーさん、颯樹さんと同じくらいじゃん。敵に回すのはよそう」
そう呟いた透子は本題である(それに加わて気を紛らわすためでもあるが)今日の課題に取り組み始めた。ちなみに余談だが、この数時間で課題を終わらせて、翌日課題を提出した際に同じクラスのましろと瑠唯に驚かれたのは、また別の話である。
数日後、とあるテレビ局にて。
この日は歌番組の生中継があるのだが、その番組にはAve Mujicaも出演する事になっているのだ。
「さぁ皆さまお待ちかね、最短でプロデビューを果たした今季最大のダークホース、【Ave Mujica】の出番です!彼女達が取り巻く
そんなAve Mujicaの出番は司会者の言う通り、あともうすぐといった所で、祥子オブリビオニス達はステージに立っていた。
「(あの司会者め……いくらなんでも持ち上げすぎだろ…!)」
「(番組を盛り上げさせるためとはいえ、あれはやりすぎだねぇ…)」
しかしそんな司会者のMCに颯樹ヴァニタスと京介アングイスは内心毒を吐いた。
それだけなら問題は無いのだが、他にもあったのだ。
「いい加減になさって。生放送中ですのよ」
「そっちこそいい加減にしてよ!ホントにやらない気⁉︎今変更しなきゃ間に合わないから言ってんじゃん!」
オブリビオニスとアモーリスが生放送中にも関わらず口論をしているのだ。口論の原因は先日の睦…もといモーティスのパフォーマンスで、オブリビオニスは反対に対しアモーリスは賛成を意を唱えたのだ。
しかしプロデューサーのヴァニタスを中心に議論した結果、モーティスの体調を考慮した上でパフォーマンスを行なうのは反対となったのだ。だがアモーリスはそれに対して不服だったようで、是が非でもパフォーマンスをやろうと言い出すのだった。
その光景を見た番組スタッフ達はパフォーマンスをするかしないかで困惑を露わにしていた。
「(アイツら、本番中なのに…)」
2人の口論にヴァニタスは眉間を押さえてため息をつくしかなかった。
周りは各々の反応をする中、モーティス…睦は違っていた。無表情であるが、動揺を隠しきれていなかった。
「辛かったね」
睦が葛藤を抱いている最中、誰かが彼女に声を掛けてきた。その誰か…というのは、見た目は睦に瓜二つ(といっても髪型だけだが…)であるが、二頭身にデフォルメされた人…ではなく人形であった。その人形の手にはピンク色の傘をを持っており、それを睦に差し出していた。
「苦しかったね。私だけは睦ちゃんの味方」
人形がそう言うと、辺り一面暗かったのが急に晴れ上がって色とりどりの傘が舞い上がった。
「モーティス」
睦は自身を二頭身にデフォルトされた人形…モーティスの名を呼ぶと差し出された傘を受け取ろうとした。しかし…
そして現実に帰り、CMが明ける5秒前のカウントが入った時だった。
「目が覚める度、生き返る」
CMが明けると、突然モーティスによる寸劇が入るのであった。この内容は当然台本に無いものであるのだが、彼女の台詞の言い回し的にもアドリブとは思えないほどで明朗であった。
スタッフは当然の事、メンバー全員が驚きを隠せなかった。
「目覚めないのは、永遠の"死"」
「あなたの為に揺り籠を編むよ」
「ビロードで仕立てた棺みたいな子守唄」
「くるんであげる」
「あなたが眠りにすら気付かない程」
この場にいた全員が驚く最中、モーティスの語りは止まらなかった。途中、ギターを床に置いて、満面の笑みを浮かべてカーテシーをした。そしてその際、左目に涙を浮かべた。
「だから、もう大丈夫」
「おやすみなさい、良い夢を」
モーティスの寸劇が終わると一同沈黙が続いた。しかし我に返った司会者が拍手をした事を皮切りに、会場全体が【Ave Mujica】…というよりモーティスに称賛の拍手を送るのであった。
「(睦…)」
「(若葉さん…)」
「(アレは…睦さんじゃない……)」
「(……ヴァニタス)」
「(嗚呼。アレは睦じゃない)」
しかしその光景を見ていたごく一部は、今の睦は本人ではなく、以前指摘された睦とは別の人格であると悟ったのであった────。
【裏方組の緊急会議】
「まさかこのタイミングで出てしまったとは…」
「嗚呼。ストレスが溜まりすぎてしまったようだな」
生放送が終わって全員を自宅に送り帰した颯樹、千歌、京介は、京介の家で緊急会議を行なっていた。
本来ならこの場には祥子と獅音も同席させる手筈だが、祥子の方はあいにく今回の一件で混乱しており、会議に参加できる状態ではなかった。獅音はまだ無事であるが、混乱している祥子のそばにいるため参加を見送ったのだ。
「しかし颯樹。こうなってしまえば…」
「当然、福岡のライブまでにどうにかするしかない」
しかし最悪の事態はいつ来てもおかしくなかった状態であったため、
「颯樹さん。残念だけど、俺は次の福岡は行けそうにない」
「どうしてだ?」
「生放送前に何処ぞのネコミミヘアがMorfonicaと2マンライブやりたいとほざきだしたから其方の準備をしなきゃならざるを得なくなったんだけど…」
「だけど…?」
「ライブの日が福岡ツアーと被っちまったんだよ」
その一言に三人は呆れながら眉間を押さえた。ネコミミヘア…
しかも最悪な事にライブの日程も見事被ってしまったので、香澄(の思いつき)とRiNG(もしくはCiRCLE)のスケジュールを呪うしかなった。
「…分かった。本業最優先だからな…それにモニカのライブならメンバーのそばにいてやれ。福岡は僕が付き添うから」
「感謝する」
しかしこれ以上恨んでも仕方ないので、颯樹が福岡に同行する事となった。尤も、まなのソロのスケジュールも当日はオフであるのは記憶にあったので、自分もAve Mujicaのメンバー…しかもプロデューサーである以上、ツアーライブに顔出しするのは当然の事だ。
その後は福岡までスケジュールを組んだ後、解散する事となった。颯樹は帰りの最中、どうしたものかと考えながら車を進めるのであった────。
まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。
なんとか滑り込みで1週間投稿出来ました。まあ、執筆するペースが早かったのが理由ですけど(苦笑)
今回は先行放送でお通夜ムードになった例のシーンを取り入れたけど、事前情報があってもあのシーンは何度観ても慣れませんな……(苦笑)
しかしオリジナル展開が多少差し込まれても、モーティスは登場する…これは避けては通りませんな。
……さて。次回の予定を告知させて貰いますと、次回の投稿予定日は2週間後となります。進捗次第では今回のように1週間前倒しして投稿するかもしれないので、その辺りは (旧Twitter)の私のアカウントで告知します。
それでは、また次回。