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それについて、槌永ヒヨリはこう話した。
「________アルバイトの他に、そこら辺でかき集めたジャンク品や鉄屑を売ってお金を稼ぐこともあります。特に鉄屑は重量で金額が決まってて、これが厳密で1gでも少ないと値段が落ちちゃうんです。だから地べたを這いつくばって、少しでも多くお金にしようって、辛くて苦しい作業です……。
………実はこれを加えようとしたこともありました。何度も。1gくらいはあるから、足りないなって思った時に、足しにしようって思ったことが。でも結局やらずに今も持ってます。えへへ……。効率とか考えたら、売ってしまったほうが無駄にもならないしいいとは思います。姉さんとかはそうしろって言いそうですし、皆さんが覚えてるか……まだ持ってるか私には分かりません。でも私は……。
………たった1gで貰えるお金が増えたり減ったりします。でも、それで貰えるお金じゃ釣り合わないと思うんです。こんな、ただの針金ですけど……うぅ、うわあああん!!それでもお腹が空いたことには変わりありません!ご飯奢ってください!あと雑誌も買って欲しいです!」
それについて、戒野ミサキはこう話した。
「________今でもイライラする。姉さんに厄介なものを押し付けられた。2人の面倒を見なきゃいけないから、私はそれどころじゃなくなった。……別に、もうやってないよ。この包帯も隠すために巻いてるだけで、汚れたりしない限りは基本変えてない。物持ちが良くなったって姫も喜んで……はぁ、まあいいけど。
……姉さんがいた時は、姉さんに止められていた。うるさく怒鳴ってきて、みんなを呼ばれて、一緒に寝るとか言われてくっつかれて、面倒臭かった。姉さんがいない時は姫かヒヨリに。だいたい同じ感じで止められた。それでもずっと誰かが隣にいるわけじゃない。だからその時がチャンスで……。
………そうしようとした時、ポケットにこれが入ってるのを思い出した。取り出して、眺めた時、これは向こうに持っていくことはできないんだよなって思って………それで馬鹿らしくなって止めたことがある。こんな1gくらいの針金に何をって、どうせみんなもう忘れてる、持ってないって思うけど。それでも……これが重たくて踏み出せなかったことがある。今もきっと……姫とヒヨリと、これが理由」
それについて、秤アツコはこう話した。
「________儀式の時、マダムは私の服や持ち物を全部取り上げていた。あの仮面は付けられていたけど……それ以外は邪魔になるからって。でもどうしても持っていたかった。みんなまだ覚えてるか分からないけど、もう無くしちゃったか捨てちゃったかも知れないけど、私の大切なものだから。うん、だからあの時も隠し持っていたんだよ。……え?どこにって?ふふっ、えっとね………あむっ。ふふ、……見て。あーん。見えた?どこにも見えなかったでしょ?でもね……ぺっ、ほら、ちゃんと隠していたんだよ。たった1gくらいの小さな針金だから、結構簡単。ふふ、ちょっと行儀悪いしばっちいけどね。それでも……。
………ねえ、赤ちゃんが産まれるには、結婚しなくちゃいけないんでしょ?そして結婚したら、2人で指輪をつけるんだよね。……私、指輪つけられるかな?こんな素敵なものをもう貰ってるから、他のものなんてつけられないかも知れない。そうなったら……ふふ、どうしよう。分からないけど、考えるだけで楽しいね」
それについて、錠前サオリはこう話した。
「________誰が、どこで拾ったのかは覚えていない。最初は一本の細長い針金だった。それを4つに分けて指輪にしようと言ったのは……すまない、それも思い出せない。それくらい前のことだから、もしかしたら他のみんなは手放してるかも知れないな。それでも私は、今でもこれを持っているんだ。余計な荷物は作戦の邪魔になるが、これはたった1gくらいの小さな針金だから問題ない。そう言い聞かせて持ち続けていたよ。これを……。
………アリウスを出てから、これを眺めるようになったんだ。今まではずっとポケットに入れたままだったんだが……見ていると、みんなが近くにいる気がするんだ。遠くにいても隣にいる気がする。私から離れたのに、たまに寂しくなって、その時にこうやって手に持って眺めている。ああ、見守ってくれているんだって、そう思えるんだ。だから……みんな元気だろうか。また会えたら、その時は……これの話をしてみるよ」
それについて、白洲アズサはこう話した。
「________4人からそれを見せられたことがある。幼い頃に針金を4等分して作った指輪らしい。みんな口を揃えて、他のみんながまだ持ってるかは分からないって言ってたけど……みんな大切に持っていた。アツコが私のものも今度作るって言ってくれていたけど、結局もらう前に作戦が始まって、私はトリニティにやって来て、色々あってあの日以降は会えていない。いつかまた会えるかは分からないけど……4人が羨ましいって思っていた。だから……。
………今度の休みに、補習授業部のみんなと出かけるんだ。その時にみんなでお揃いのものを買わないかと提案してみる。……あの1gくらいの針金を私に見せてくれた時の4人の顔は、とても嬉しそうだった。私はスクワッドのみんなとはもちろんだけど、ヒフミと、ハナコと、コハルと一緒に、同じような顔をしたいんだ。だからみんなに話してみる。みんなで選べば、きっといいものを選べると思うから」
________それについて話してくれたことに感謝すると、アズサは駆け出して補習授業部の面々の元へと戻っていった。4人で話をし、時折楽しそうに頬を緩ませる。その表情は、あの指輪について話をしてくれた4人と同じようなものだった。
打ち捨てられた針金を分けて指輪にして持っているアリウススクワッド概念