ブルアカ架空概念小説『もしもイブキと「先生」が親娘で、それが最終章でバレたら?』 作:坂本コウヤ
原作:ブルーアーカイブ
タグ:残酷な描写 アンチ・ヘイト ブルーアーカイブ 丹花イブキ 羽沼マコト 棗イロハ 聖園ミカ アンチ・ヘイトは念の為
1年ほど前にとある反応集を見て、そのコメント欄に触発されて書き止めていたものです。
少し手直ししただけなので正直クオリティは本編に比べてスッカスカですが、良ければ見ていってください。
普段書いてるブルアカ小説はコチラ↓
https://syosetu.org/novel/342892/
この小説の元になった反応集の動画はコチラです↓
https://youtu.be/4mgP2QlFNjQ?si=DLNzdPSv1lhb7n2t
「・・・ハァ〜。『ママ』、まだかな~。」
―――連邦生徒会手動による非常対策委員会。
その会議中に『
イブキは『万魔殿』所属ではあるものの、年齢は11歳と実際には初等部所属の年齢であり、ここにいるメンバーの中ではダントツの最年少、どころか(キヴォトス外で考えれば)義務教育すら終えてない年齢である。そんな幼い彼女が寂しさからこんな事を呟いてしまうのも無理はない話であるが、・・・少々間が、というよりここに集まってるメンバーが悪かった。
「へぇ〜、ゲヘナのお子様は我慢も出来ないんだ〜♪ というか、『万魔殿』にはそんなお子様までいるなんて。ちゃんと政治回せてるの? いや、回せてないからクソゲヘナなんだろうけどさ♪」
「・・・ミカさん。」
「ミカ、君というやつは・・・。まだ話し合いの途中だぞ。」
トリニティ側の1番外側に座っていた『聖園ミカ』が、いやらしい笑みを浮かべながら煽ってきていた。彼女は大のゲヘナ嫌いなのは、ここにいるメンバー達には周知の事実である。現に先程は『万魔殿』のトップ『羽沼マコト』に対して、煽り煽られの喧嘩腰を一切隠す気がなかったため、『ティーパーティー』の『サンクトゥス分派』のトップ『百合園セイア』が呆れていたり、『フィリウス分派』のトップにして幼馴染の『桐藤ナギサ』が紅茶を飲みながらも同じく内心ではミカのそんな態度に溜息をつきたくなっていた程である。それから殆ど間もなく呟かれたイブキの一言にも煽り散らかして行く辺り、もはや筋金入りである。ナギサとセイアは両方呆れ返っていたし、何なら横にいた『シスターフッド』のトップ『歌住サクラコ』と『救護騎士団』団長『蒼森ミネ』も、言葉にこそ出してないが、あまりいい顔はしていなかった。
それに対して、イブキはというと、
「ん〜、お姉ちゃん何処かで〜・・・、う〜ん?」
と、ミカを見て何かを思い出そうとしたが、その横でマコトと『万魔殿』の戦車長『棗イロハ』が、ミカにイライラを隠さずに言葉を投げた。
「・・・ハァ。イブキはまだ本来なら初等部所属の年齢ですよ。そんな小さい娘にすら突っかかるなんて、随分と心が狭いんですね。」
「キキキッ。貴様・・・、イブキに今何と言った? 先程までの子守唄以下の騒ぎよりも、余程不快に感じたぞ。潰されたいか?」
訂正。マコトの方はかなりキレていた。自分の事であれば不遜な態度を崩す事もなかったのだろうが、イブキの事となると話が別だったようだ。が、その程度の圧で引っ込むなら生粋のゲヘナ嫌いのミカが煽りを辞めるわけもなく―――
「わぁお♡ 初等部の娘連れてきてるとか、おままごとでも始めるつもり? 舐められたもんじゃ―――
「あー、思い出したー!!」
―――何?」
―――即座に煽り返そうとした所で、イブキが急に叫んだせいで気勢を削がれてしまった。その間にイブキがミカに無邪気に話しかけた。
「お姉ちゃんだよね? 『ママ』が言ってた『トリニティのお姫様』って!」
「「「「・・・えっ?」」」」
「ん?」
「何?」
「はぁ?」
「へっ?」
「・・・・・・えっ?」
――――その無邪気な一言で、場の空気が一瞬で凍った。
今、イブキは何と言った?
『ママ』が言っていた、『トリニティのお姫様』?
『ママ』、というのは文字通りイブキの母親という事だろう。だか、イブキの母親だとすれば、それは彼女が『ゲヘナ学院』に所属している以上、『ゲヘナ』の住人という事になる。必然、学区単位で仲が悪い『ゲヘナ』と『トリニティ』の住人が、ましてや筋金入りのゲヘナ嫌いのミカと知り合いかつ『お姫様』等と呼べるような態度をミカが取るほど仲が良いとは到底考えられないし、ミカにも自分に『ゲヘナ』の年上の知りあいがいるなんていう記憶は存在しない。
そして『トリニティのお姫様』。こちら自体は呼称された記憶はないが、「トリニティの」とつかなければ呼ばれた事がある。ドン底まで落ちた自分を救ってくれた、大恩ある『先生』。その人からの愛称―――、と、そこまで考えてミカの中で点と点が結びついてしまった。
もし、彼女のいう『ママ』。それが彼女であるならば前提条件が変わる。その上、齎されてる情報で辻褄が合う。合ってしまう。そんな事はあり得ないと「感情」が否定しても、「理性」がその正解を勝手に弾き出してしまう。故に―――
「・・・ちょっと、ふざけないでよ。ねぇ? ハハッ、からかってるつもり? 私さぁ、そういう冗談一番キライなんだけど。」
―――その正解を否定したくて、少し怒気を孕んだ目で拳を机の下で握りしめながら、ミカが言葉を絞り出した。ただし、ここで下手にイブキに怯えられて泣かれたり謝られたりされても面倒だと思ったのか定かではないが、内心はかなり荒ぶりながらもギリギリの理性で何とか少し漏れ出す程度で済んでいた。
しかし、返ってきたのは「?」を浮かべながら首を傾げる、曇りなき純粋な瞳。そのイブキの表情が、余計にミカの神経を逆撫でした。
「っ、だから―――
「ミカ、落ち着き給え。」
―――、邪魔しないでよセイアちゃん!」
怒りのままに、ミカが再び『暴』を振るいそうになったところで、セイアが待ったをかけた。当然、怒りの矛先をセイアに向けるミカだが、続くセイアの言葉でまたも気勢を削がれてしまった。
「君の気持ちも分からなくはない。が、今はまだ非常対策委員会の会議中だ。聞きたい事があるなら、会議が終わった後でも遅くはない。それに見給え、君のせいでいらぬ警戒心を抱かれてる。少し頭を冷やすといい。」
「っ・・・・・・。」
ミカがイブキからほんの少し視線を動かすと、青筋を浮かべながら歯を見せて笑うマコト、普段の気怠さから想像出来ない激しい怒りを浮かべるイロハ、二人ほどではないが同様に眉目を寄せて眉間にシワを作っている『サツキ』と『元宮チアキ』がいた。普段であれば知ったことかとセイアの制止を無視する事も出来たが、ここにはナギサもいる上、後々『先生』も合流すると聞いている。先程のイブキの発言も気になるが、ここで暴れたせいで『先生』に迷惑をかけるのは、ミカの望むところではない。仕方ないため、不機嫌なのは隠さないが席に座り直した。それを横目に見て、セイアが代わりに謝罪した。
「すまない、『万魔殿』の諸君。ミカは今気が立っているようでね。警戒させてしまい、申し訳なかった。謝罪しよう。」
「キキキッ、アレだけの事をしておいて謝罪だけとは。トリニティの『ティーパーティー』も程度がモガガッ!?」
「はいはい、これ以上逆撫でして面倒事増やさないでください。全く、ただでさえ脱線してるんですから。」
セイアの謝罪に対して、マコトが怒りを込めて皮肉たっぷりに煽ろうとしたところ、ギリギリでイロハが止めた。怒っているのはイロハやサツキ達も同じではあるのだが、イロハとしてはこれ以上疲れるのは勘弁なのと、些か脱線しすぎてるきらいがあったためである。現にこの会議を主導している『連邦生徒会』の生徒会長代理である『七神リン』の表情が色々と達しかけており、眼鏡が光ってる為に目の表情は伺えないが、影のある感じからしてこちらも相応に怒りのボルテージが溜まってる事は間違いないのだろう。そう思ったイロハは、一応謝罪しておくべきかと考えて口を開いた。
「すみませんね、生徒会長代理さん。私達の問題児達が、騒がしくしちゃったみたいで。」
「・・・いえ。自力で治めてくれたようで何よりです。さて、先程サクラコさんが、『先生』について尋ねていたところで、このように脱線してしまったわけですが。」
「っ、はい。それで、繰り返しになりますが。先生は、今どちらにいらっしゃるのですか?」
何とか脱線していた状態から、元の会議へと戻る事が出来たことで、脱線前にサクラコが尋ねていた『先生』についての話に戻ってきた。先程までと違い、ミカは先程のイブキの『ママ発言』でいっぱいいっぱいで、マコトは今物理的にイロハに黙らされているため、今度は茶々を入れるものはいなかった。
が、イブキの発言が引っかかっているのは、何もミカだけではない。リンもその内の1人なのだが、このまま黙り込んでても会議が進まないため、ハッキリと告げてしまう事にした。
「・・・先生の行方は、今も捜索中です。結論から申し上げると、先生は現在『行方不明』となっています。」
「・・・・・・え?」
―――それが今度は、無垢な少女の時を止めてしまうほど、強烈な衝撃となってしまう事を、理解せずに。
「・・・イブキ?」
「っ、イブキちゃん? どうしたの?」
椅子が倒れる事も気にせず立ち上がったイブキに、ただならぬ何かを感じたぞ両隣にいたイロハとサツキが声をかけるも、イブキの耳には何も聞こえていなかった。何故なら―――
「―――ゆくえ、ふめい? ・・・・・・・・・あ、あ、あぁぁ・・・・!?」
―――イブキはもう、周りを気にする余裕など、既になくなっていた。イブキの中で思い起こされるのは、先日ゲヘナとトリニティの間で起こった、あの戦火。その戦火の中、自分が気を失っている間に間に起きた、『
「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!? 嘘だ、嘘だよね!!ママが、ママがぁぁぁ!?!?!?」
「ちょっと、イブキ!? 落ち着いてください!!」
「どうしちゃったの、イブキちゃん?!」
「っ、どうしたイブキ! しっかりしろ!」
唐突な豹変ぶりに、流石のイロハも普段の物臭な感じを捨ててイブキに呼びかける。反対側にいたサツキも声を掛けるが、イロハが離れた事もあって自由になったマコトがイブキの肩に手を置いて、こちらも普段の腹黒さや先程までの眠そうな態度が何処にも見当たらないほど狼狽していた。
そして、肩に手を置かれたことで、ようやく周りの状況に気づいたイブキは、手を置いてきたマコトに飛びつくと、言葉をまくし立てた。
「マコト先輩!! ママを、ママを助けて!! このままじゃママが、ママがぁ!!」
「ど、どうしたというのだイブキ! 先生が行方不明なだけで、別にイブキのママは―――
「だって、イブキの『ママ』なんだもん!! 『先生』が!!」
――――っ!?!?」
『っ!?!?』
半狂乱でイブキがそう叫んだ瞬間、この部屋にまたも衝撃が走った。しかも、さっきの『ママ発言』どころの騒ぎではない。
今、イブキはハッキリと『先生』が『ママ』だと明言した。さっきまでの無邪気な発言なら、小学生特有の勘違い発言で済んだだろうが、これだけパニックの状態でそう明言された以上、どう考えても勘違い発言だとは思えない。――思えるわけがない。となれば、必然先程のイブキの『ママ発言』は真実という事になる。
そう考えた途端、ミカは胸が苦しくなり、蹲り出した。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・!」
「っ、ミカさん! 大丈夫ですか?!」
「ミカ、しっかりするんだ!」
ナギサとセイアが、様子のおかしいミカに気づいて慌てて声を掛ける。が、ミカにはそれに対して返事する余裕はない。頭の中や胸の奥がグルグルして気持ち悪く、気を抜いたらこの場で吐いてしまいそうなくらい、限界だった。吐かなかったのは、偏にナギサ達が側にいてくれたおかげであるが、それもいつまで耐えられるか分からない。
――――地獄だった。少女の放ったたった一言が、まさかここまでの地獄を生み出すなど、誰が想像できただろうか。連邦生徒会のメンバーも、リンは自分の発言がきっかけでこの騒動が発生したと自覚しているため、下手に口を挟むことが出来ず。他のメンバー達もこんな事になるとは想定していなかったためか、オロオロするばかり。
そんな地獄の中でミネ、サクラコ、チアキの3人のみ、比較的冷静だった。3人は、今日初めて会ったとは思えないほど短いアイコンタクトで互いの意思を交わすと、各々のトップへ駆け寄った。
「ナギサ様、このままだとミカ様が危険です! 一刻も早く救護を!」
「えぇ、ミネ団長の言う通りです。それに、この空気ではもう・・・。」
「ミネさん、サクラコさんも・・・。そうですね、これ以上は会議を進めることも出来そうにないですし。」
「そうだね。ミカも、こんな状態だ。ゲヘナや他校もそれどころではなさそうだ。ミネ団長、頼む。」
「はい、お任せを!」
トリニティのメンバーは先日のエデン条約の1件もあったためか、ミカ以外そこまでパニックになっておらず、比較的復帰が早かった。その為、ミカをミネが担いで、くるりと一礼だけして、慌てて会議の場を後にした。
「・・・こんな空気じゃ、会議どころじゃないよね。サツキ先輩、マコト先輩、イロハ先輩! 一旦ゲヘナに戻ろう!」
「チアキちゃん。」
「っ、チアキ。・・・そうですね。一旦、本部へ戻って情報を集めないと。マコト先輩!」
「・・・・・・。」
そして、『万魔殿』も『書記』の『元宮チアキ』がイブキ以外のメンバーに声を掛けて撤収を呼びかけ、イロハもそれに同意して撤収しようとマコトに声をかけたのだが、マコトはイブキを抱きとめたまま、ピクリとも動かない。前髪が顔にかかって表情が伺えないが、今はそれを気にしてる余裕はない。他の学校も会議どころで無いと思ったからか、既に撤収の準備を進めているため、ここで出遅れるわけにはいかないのだ。イロハはマコトに、もう一度強く呼びかけた。
「マコト先輩!!」
「っ、イロハ?」
「ハァ、何ボケっとしてるんですか、先輩。撤収しますよ。」
「あ、あぁそうだな! これ以上この場にいる意味は皆無だ。ゲヘナに戻るぞ! ・・・イブキ。」
「うぅ、ぐすっ・・・。」
「大丈夫だ。お前の『ママ』は、『先生』は必ず見つけ出す。だから、今は私を信じてくれ。」
「・・・うん。ありがとう、マコト先輩。」
マコトは抱きついてるイブキを抱きしめ返すと、静かに宣言した。イブキも、少しパニックから落ち着いたからか、まだぐする様子を見せるもお礼を言える程度には回復していた。マコトはそれに力強く頷き、イブキの手を引いて会議場を後にすると、他の万魔殿のメンバーもそれに続いていった。去り際のマコトの後ろ姿は、普段からは想像出来ないほどしっかりしており、チアキやサツキは少し驚いたが、イブキの事に人一倍甘いマコトの事を思うと、きっとイブキの為に張り切っていて、ついでにこれを切っ掛けに先生を取り込んで『風紀委員会』、あわよくばその長たる『空崎ヒナ』に対するマウントを取るための策謀をいつも通り練ってるのだろうと考えていた。
しかし、ただ1人だけ。そんなマコトの変化に、良くないものが混ざっているのに感づいたものがいた。イロハだ。
彼女は、二人よりも前にいたため見えているのだが、イブキと手を繋いでいない側のマコトの手が、それこそ血が出るのではないかと言うぐらい強く握りしめられていた。そして―――
(・・・マコト先輩。)
―――見間違いかとも思ったが、イブキにお礼を言われた際、マコトの表情が、一瞬だけ深く歪んだのだ。そして、マコトがそうなる理由に、イロハは一つだけ心当たりがあった。いい思い出でもないので、あまり思い出したくもないのだが。
だが、イブキに対して思う事があるとすれば、『アレ』しかないであろう。
(まさか、後悔してるんですか? あなたともあろう人が・・・。)
目線でそう訴えて見るも、目の前の彼女は、何も答えない。
それが少しだけ気になりはしたが、今は聞く必要は無いと判断したイロハは、後ろの二人同様、黙ってついていく事にしたのだった。
(続きは)ないです。
強いて言えば、この後マコトは『万魔殿』に撤収後一人で吐きます。
一応、こちらはイロハが普段見たことのないくらいの喝を入れてくれるので、何とかなります。
一方、ミカもミカで情緒グッチャグチャにされてるのでまともに動けません。
当然普段自分が書いてる小説とは違ってトリニティは原作通りなので、ミカをフォローしてくれそうなのはナギちゃんくらいしかいません。
書いてて思いましたが、マジで大丈夫かこれ?
イブ先親娘概念の最大級の地雷は正にこれだと思うんですよね。
原作での何気ないたった一言が、核地雷級の引き金になって各校を襲い、さらなる地獄を引き寄せる。
それを乗り越えられるかどうかでこの世界の命運が決まるの、最高に『
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繰り返しになりますが、普段書いてるブルアカ小説の方も、良かったら見に来てください。
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それではまた、どこかで!