天が書けと言ったんだ。私は何も悪くない。呪物故覚悟があるやつのみ進め。

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天(知人)に書いて欲しいと言われたので書きます。俺は悪くねぇ!
ちなみに時間軸としては楽郎が大学生になってます。解釈違いあるかもしれんけど許して……
あっぶねぇ……!年越しギリギリだぜ……!!


芯の通った人

「ねぇサンラク君、いや陽務楽郎君、君特別P(プロデューサー)になってみるつもりはない?」

 

「特別Pぃ?」

 

「そう、私専用の、ね?」

 

唐突にペンシルゴンに呼ばれて久しぶりに世紀末円卓にログインし、いきなりの一言だった。アーサー・ペンシルゴン、鉛筆戦士、ネットの世界ではごく普通()の一般プレイヤー、しかし現実世界(リアル)ではトップレベルのモデルで超有名人、天音永遠(あまねとわ)なのだ。ネットの世界でならいざしらず、リアルで俺を呼ぶとは……何のつもりだ?

 

「一体なんのつもりだよ、俺はただの一般大学生だぜ?かの天音永遠サマのプロデュースなんか出来ねぇっつの」

 

「かの電脳大隊(サイバー・バタリオン)に猛烈な勧誘受けてる一般大学生ねぇ……?」

 

「それはカッツォに言えっての!俺はまだ入る気はねぇってのにやれ業務用VR機器やらやれ新作ゲームの先行体験チケットやら……どんだけ入れてぇんだっつの!」

 

「あははっ!凄いじゃん!にしても()()ってことは入る気はあるってこと?」

 

「あー……まぁな。まだ入ってもねぇってのにこの尽くしっぷり、更に一回電脳大隊のお偉いさんと話す機会があったんだけどよ、『もし契約するなら同じとまではいかないが今の慧君ほどの年俸は約束しようじゃないか』だとよ。ぽっと出一般大学生に持ち掛ける話じゃねぇってんだよ。まあこういう理由もあっていつかは入るつもりだ」

 

まあ後はもう一度シルヴィアと戦ってみたいだとか、普通に働くよりも楽しそうだとかの理由もあるがな。

 

「なるほどねぇ……金で囲い込むのもアリか……

 

「あ?なんか言ったか?」

 

「いやいや何も!それより私の特別Pになるって話、どう?受けてみない?勿論お給料とかは弾ませてもらうよ」

 

「お前くらいの知名度なら他のやつとか誘えばいいだろ?ホラ瑠美とかいるじゃん」

 

「それはほら、あの子は高校生だからさ、流石にあの子も学業があるしね。予定合わないでしょ」

 

あいつなら「永遠様のためなら学歴なんていくらでも捨ててやるわよ!!」なんて言い出しかねないがな……まあでも高校生だからな、流石にダメか。

 

「じゃあなんで俺なんだよ。余計に怪しいわ」

 

「やっぱり中々信用してくれないよねぇ……そうだ!じゃあ一回私の仕事見学してみるってのはどう?交通費とか諸々は出すからさ!」

 

「はぁ?俺になんのメリットがあるんだよ?お前の仕事はモデルだろ?見学するっつっても一体何w「私今度ライオットブラッドのCMに出るんだよね」なんだと!?」

 

唐突にペンシルゴンはとんでもないことを言い始めた。ライブラのCMに出るだと!?ガトリングドラム社は何考えてんだよ!?天音永遠とライブラってどんな組み合わせだよ!?

 

「いやーなんでも新フレーバーを日本で先行販売するって話でね?それで丁度暇してた私に声が掛けられたってわけ。最初は怪しんだよ?でも味を聞いたら凄い面白くてね?ノリでOK出しちゃった!」

 

「ノリってお前……にしても新フレーバーねぇ……それ多分ライオットブラッド・アフロディテだろ?」

 

「うっそ!なんで知ってるの!?まだ情報すら出てない段階の筈なんだけど!?」

 

「やっぱりか……」

 

ライオットブラッド・アフロディテ。キャッチコピーは「素晴らしいひと時を、貴方に」らしい。今までのライオットブラッドが暴徒用(ガンギマる)ならこれは一般用(キマる)だ。飲んでみたが本当にライオットブラッド初心者向けのキマり具合だった。ただ謎の美容成分らしきものがあるらしく飲んでみたらいつの間にか肌がすべすべしてた。怖……

では何故発売していない味を俺が飲んでいるのか、それは───

 

「本社から送られてくるんだよ。毎回新フレーバー出るたびにな。まあその都度感想とかは送ってるけどな」

 

「もう実質スポンサーじゃん……え?それじゃもう試したことあるの?」

 

「ああ、確かに今回のはお前向きだろうな。肌がすべすべすんぞ」

 

「何それ……それホントに合法?」

 

「合法合法。多分」

 

「はぁ……もう試しちゃってたかぁ……じゃあお誘いは無理かぁ……残念残念」

 

「ああ、諦めろ潔くペンシルゴン。じゃあ俺ログアウトするから。じゃあな」

 

「うん、ばいばーい」

 

そうして俺はペンシルゴンとの会談を終えてログアウトするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……ダメだったかぁ……やっぱり誘い方がダメだったのかなぁ……」

 

ため息をつきながらヘッドギアを脱ぐ。私、もとい天音永遠はベッドの上で反省会を繰り返す。やっぱり誘い方、いや話の繋ぎ方がダメだったのだろうか?サンラク君は警戒心が強いから普通の誘い方では絶対に乗ってこない。だから今回の仕事を無理にでも引き受けたわけだが……まさかの公認サポーターだった。私はサンラク君の横の繋がりを失念していた。まさか先に試していたとは……

 

「……会いたいなぁ、サンラク君」

 

私はサンラク君、いや、陽務楽郎君に興味を……いや、正直に言おう。私は彼が好きだ。勿論友人としてではなく、一人の男性として好きなのだ。

いつから好きになったのだろうか?シャンフロを一緒に遊んでいる内に?あの日リアルで会った日から?いつの間にか彼に惹かれていた。彼の一生懸命にゲームに取り組む姿が、彼が楽しそうにする姿が、いつも私を狂わせていった。彼の声が、仕草が、一挙一動が、常に愛おしかった。

そうしてサンラク君への恋慕を隠しながら時が過ぎ、彼は大学生になり、今日勇気を出して彼を仕事に誘ったがダメだった。その内彼は電脳大隊に入るだろう。そうなれば彼も忙しくなり、私と会う機会も減るだろう。そんなのは嫌だ、彼ともっと会いたい。欲を言えば彼を私の物にしたい。そのためだったら私はなんでもする。彼の妹を落とし(元から落ちてはいたが)、彼の友人(カッツォ君)を説得して電脳大隊の加入を遅らせ、今回は彼の好きな飲料のCMも仕事の合間を縫って受けた。それでも私の手からすり抜けていった。

 

「……やっぱり受けるの辞めようかなぁ、怖いし」

 

私は気を落としながらベッドから起き上がり時計を見る。今は日曜の14時。特にやることもなくなったので暇だ。シャンフロにログインでもしようかな……

 

「ん?メール?ってサンラク君!?」

 

そうして再びヘッドギアを被ろうとするとスマホから通知音が鳴り、見てみるとSNSなどではなく今時は珍しい電子メール。もしやと思い送り主を見るとやはりサンラク君だった。私は舞い上がる心を落ち着かせ、冷静になる。一体何の用だ?さっきお誘いは断られた。じゃあシャンフロ関連での連絡?もしや別ゲー?様々な考察をしながらメールを恐る恐る開くとこんなことが書いてあった。

 

件名:やっぱ行くわ

 

差出人:サンラク

 

宛先:鉛筆戦士

 

本文:瑠美がお前が出演するからってエキストラでCMに出るらしい。んで俺も付き添いでついてくことになったから余裕あったらそっち行くわ。

 

「っっっっっ!!」

 

嬉しさで叫びそうになったところを抑える。失敗したはずのお誘いがまさかの形で成功した。今度留美ちゃんには直筆サインとベストショットの写真でも送ってあげよう。

 

「取り敢えず大前提はOKだね。さあ、覚悟しなよ、サンラク君……!」

 

そうして私は作戦を始めるために準備を始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん!早くしてよ!」

 

「だーっ!急かすんじゃねぇ!」

 

俺は今全力で走っている。電車が大幅に遅延したのだ。それによって撮影開始の時刻に遅れそうなのである。なんでリアルでも俺は乱数に弱ぇんだよ!というか流し掛けたけどなんで俺が瑠美の荷物を運ばなきゃいけねぇんだよ!

 

「お兄ちゃん!ここのスタジオ!急いで!」

 

「オメェの荷物運んでやってんだからちょっとぐらいは待てよ!」

 

クッソ無駄に重い荷物持ちやがって……!俺はただの付き添いだっつうのになんで荷物持ちなんか…!心の中で悪態をつきながら建物の中に入り受付をする。

 

「遅れて本当に申し訳ございません!本日こちらのスタジオでエキストラをやらせていただきます陽務瑠美と申します!」

 

「陽務瑠美様ですね。少々お待ちください……確認いたしました。それでは2番スタジオにお入りください。失礼ですが後ろの方は?」

 

「あーコイツの付き添いの兄の陽務楽郎です」

 

「陽務楽郎様……少々お待ちくださいませ……陽務楽郎様、お手数ですが第3控え室の方までお越しいただけないでしょうか?」

 

「え?俺だけ?」

 

何故か俺だけ別室に行くように言われた。なんで?俺ここ来るの初めてだぜ?

 

「お兄ちゃんなんかしたの?」

 

「いやいや心当たりなんて何も……あ」

 

「どったの?」

 

「いや、知り合いに呼ばれたみてぇだ。ちょっと行ってくるから先に行っといてくれ」

 

「そっか。じゃあ先に行っとくね!」

 

「おう」

 

そうして俺は瑠美と別れる。この前の1件、俺だけ控え室に呼ぶ、状況証拠、というかどうせ俺を個別に呼ぶのはお前しかいねぇだろ?なあ───

 

『よぉ……ペンシルゴン、いや、天音永遠サマ?』

 

「やあやあ、コッチ(リアル)で会うのは久しぶりかな?サンラク君、いや、陽務楽郎君?」

 

やはりというべきか、ドアを開けると中には椅子に座ってこっちを見ている天音永遠がいた。出たな悪の権化。今度は一体何の用だ?パシリか?体のいい奴隷か?

 

「というかサンラク君、また()()わざわざ被って来たの?どれだけ顔バレしたくないのさ」

 

『お前に顔バレなんかしたらろくな事にならねぇのは目に見えてんだよ。意地でも見せてやらねぇ』

 

そう、俺は今コイツと初めてリアルで会った時のようにガスマスクを被っている。コイツに顔を見せたら最後、顔を使われて脅されかねん。オレ、イッパンジン、ミバレ、コワイ。

 

「さてサンラク君、呼んだ理由はわかるね?」

 

『この前の件だろ?特別Pっつっても何すんだよ』

 

「簡単だよ。私の撮影現場を見て、たまに意見出すだけ。簡単でしょ?」

 

『余計怪しいわそんなもん!業務内容どうなってんだよ!』

 

「モデルには第三者の意見が大切なんだよ?他人からどう見られているか、何処を改善したら美しく見えるか、その1つ1つの意見の積み重ねが大事なんだよ」

 

『じゃあ周りのカメラマンとかディレクターとかに聞けばいいんじゃねぇか?』

 

「天音永遠全肯定BOTに意見なんか聞いても耳障りのいい言葉しか帰ってこないよ。そこで君みたいな意見をズバッと言ってくれる人材が必要なんだよ!」

 

『なんだよそれ……』

 

余計怪しくなってきたぞ。それこそ俺じゃなくてもいい。俺なんかモデルについての知識なんて瑠美にほんの少し聞いた程度しかねぇ。本当に有用な意見が欲しいなら評論家でも呼べばいいだろう。だがコイツはただのネットの繋がりでしかない俺を選んだ。絶対に何か裏がある。何を企んでるんだ……?

 

「……それに、私個人としても君が近くに居てくれた方g「失礼します。天音永遠さん、そろそろお時間で……お話中でしたか!申し訳ございません!」あー大丈夫でーす。すぐ向かうので待っててください」

 

『時間か』

 

「そうだねぇ。うーん……取り敢えずサンラク君、今日1日私の仕事を見て、それで判断してみない?」

 

『お仕事見学ってわけか』

 

「そういうわけ。どう?」

 

『うーむ……』

 

まあ見るだけなら問題は無い……のか?留美や他人の目もあるしそんなに変なことも出来ないだろう。万が一にも変な事をしようとしたら留美置いて逃げればいいか……

 

『いいぜ、その話乗ってやるよ』

 

「ッじゃあ今日のお仕事、よく見といてよね!ね!!」

 

『お、おう……』

 

そう言いながらペンシルゴンは部屋を出て行った。なんか最後すげぇ気合入ってたな……そんなこのCMに興味持ったのか?

 

『まあ仕方ねぇ。見るって言っちまったもんなぁ』

 

俺はもうどうとでもなれの精神で部屋を出た。ここまで来たら引けねぇんだよなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、今日はよろしくお願いしますね」

 

「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」

 

「生永遠様だぁ……!今日も可憐で美しい……!!」

 

「じゃあ最初のシーン、カメラに向かって歩いてくるシーン撮ります!」

 

「はーい!」

 

私は順調に撮影を進めて行く。サンラク君は遠くでじっとこっちを見ている。流石にガスマスクは外したみたいだけどマスクとサングラスを付けている。いつか顔見たいなぁ……

 

「じゃあ次のシーンはエキストラの皆さん!永遠さんが通り過ぎるタイミングで振り返る感じで!」

 

「「「はい!」」」

 

「はぁぁついに永遠様との共演……!お兄ちゃん!行ってくるね!」

 

『おう、頑張って逝ってこいや』

 

「じゃあ行きます!アクション!」

 

シーンが始まりエキストラの人たちの横を通り過ぎる。それに合わせてエキストラが振り返る。……こうして思い返してみれば今までの私の人生は誰かを振り向かせることばかりだった。美貌で、言葉で、行動で。常に私は人を引き寄せて生きていた。でも今は違う、全くの逆。

 

「じゃあ最後は振り返って笑うシーンです!」

 

今は、君に引き寄せられている。例え顔が隠されていても。

 

「じゃあラスト行きます!アクション!」

 

太陽のように眩しい君に、私は振り向かされている。

 

「でも今日は違う」

 

今はただ、君のために。

 

「この瞬間は、貴方だけのモノ」

 

君を───堕とす。

 

「素晴らしいひと時を、貴方に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「OKです!!最高ですよ永遠さん!!」

 

「ありがとうございます」

 

「それでは本日の撮影はこれで終了です!お疲れさまでした!」

 

「「「「「お疲れさまでした!」」」」」

 

「はぁ……今日の永遠様、何時にも増して魅力というか美しさと言うか……全てが最高だったよ!ね!お兄ちゃん!?……お兄ちゃん?」

 

『……』

 

なんだあの顔は。アイツのあんな顔を見るのは初めてだ。セツナと別れた時にもあんな顔はしてなかった。今日はただのCM撮影の撮影のはずなのに、最後の一瞬だけは、目が離せなかった。

 

「おつかれ~楽郎君、瑠美ちゃん。今日はありがとね」

 

『ッ!?』

 

いつの間にか、目の前までペンシルゴンが近づいてきていた。さっきのことを思い出して顔が見れない。

 

「ア゛ッ!?ハイッ!アリガトウゴザイマシタッ!!」

 

「楽郎君もお疲れ。どうだった?私の()()()は?」

 

『ッスゥー……まあ……いいんじゃない……っすかね……』

 

「何その適当な感想!永遠様が感想求めてるんだからもっといいセリフとかないわけ!?」

 

「あははっ、まあまあ落ち着いて。それより瑠美ちゃん、ちょっと渡したい物があるんだけどさ……控室に忘れちゃったんだよね。しかも何処に置いたか忘れちゃって。探してくるから少しの間楽郎君貸してくれない?」

 

「え!?そりゃもう全然!いっぱいコキ使っちゃってください!!」

 

『おい留美!?』

 

「おっけ~じゃあ行こっか、楽郎君?」

 

 

 

 

 

「それで、どうだった?私のお仕事」

 

『あー……さっきも言ったが、いいんじゃねぇのか?まあ、うん』

 

クッソ、咄嗟に出てくる感想がこれくらいしかねぇ!どうした俺のクソゲーで鍛えたクソゲーボキャブラリーは!

 

「ふーん……じゃあサンラク君、()()()()()()()()()()()()()()()??お姉さんのお顔に何かついてるのカナ??」

 

『それは……あー……クソ……』

 

「何か言えない理由でも??」

 

『……』

 

「黙ってちゃわからn『だぁー!もうやってられっかぁぁぁぁぁ!!!!』うぇっ!?」

 

もう知るかヤケクソじゃぁ!!俺は差し入れと思われる机に置いてあったライオットブラッド・リボルブランタンを一気飲みした。あぁもうサングラスもマスクも邪魔!

 

「サンラク君……君素顔g「いいか!?正直に言うぞ!?」え?」

 

「正直最後以外は普通!『あぁ超人気モデルならこんなもんだろ』って感想しか思い浮かばなかったわ!!でも最後!最後だけは違った!」

 

「なんだあの顔は!正直見惚れたわ!目が離せなくてデバフでも喰らったのかと思ったわ!テメェいつの間にユニークモンスターみてぇなスキル習得したんだよ!」

 

「いきなり目の前に恋を知った乙女みてぇな顔した女帝がいたらよぉ!あんな顔されて目ぇ逸らせるわけねぇだろ!?普段とのギャップ考えろってんだよゴラァ!?」

 

「と!に!か!く!最後だけは良かった!今まではよく知らねぇけど多分一番よく出来てたんじゃねぇのか!?はい感想終わりぃ!」

 

はーっ……はーっ……リボルブランタンの赴くままに全部ぶちまけてやったぜ……へへへ……これだけ言やぁペンシルゴンも満足だろ……

どれくらい時間が経っただろうか、言いたいことを全てぶちまけ、ペンシルゴンの顔を見ると───

 

「ぇ……ぅぇ……?」

 

顔を真っ赤にしてフリーズしていた。あ?なんでこうなってんだ?俺は感想を求められたからカフェインに任せて言っただけで───!?

 

「あっばッそのっ今のはその、あれだ!カフェイン、いや天のせいだ!俺はただ思ったことを言っただけで、いやだからそういうわけじゃねぇんだよ!だからその……だぁーっ!言葉が纏まらねぇーっ!!」

 

俺はある程度冷静になると今まで言った数々の失言がフラッシュバックする。カフェインに任せて変なこと口走っちまったぁぁぁぁぁ!?!?終わったぁぁぁ!?!?このままじゃ殺されるぅぅぅ!?リアルで死んじゃうぅぅぅ!?!?

 

「えーっとなぁだからその「……サンラク君」ハイッ!!」

 

「今の……ホント?」

 

「ヴッ!?」

 

ペンシルゴンが顔を赤らめながら上目遣いで問いかけてくる。なんだその表情……!?俺は咄嗟に顔を逸らしてしまった。

 

「ねぇ……ホントなの?」

 

「あー……その…………はい、ホントです」

 

「へー……そっかぁ……」

 

やべぇ、顔見れねぇ!今俺はセクハラによる社会的な死か暴行による物理的な死の二択で綱渡りしてやがる!どっちの道でも死は変わらねぇってか?ハハッやかましいわ!!

 

「ふーん……そっかぁ……そんなこと思ってたんだぁ……へー……」

 

「……」

 

これはどっちだ!?どっちなんだ!?死か!?それとも死か!?せめて楽な死であってくれ!!

 

「ねぇサンラク君、こっち向いてよ」

 

「いや今h「いいから、早く」だぁー!わぁーったよこれで満足か……!?」

 

そうしてペンシルゴンの方を向くと、頬を赤らめながらもさっきの撮影の時のような引き込まれる表情をしていた。深く、そして美しく、この世のモノとは到底思えないほどだった。

 

「君の想いはよぉーく伝わったよ。君はそんな想いを私に秘めてたんだねぇ……?」

 

「あのその「ちょっと黙ろうか」ハイ」

 

「私ね、ずっと待ってたんだ。私のことを正しく見てくれる人のこと」

 

「ネットでいくら()()()()プレイをしても、何か微妙に足りなかったんだ。心の1ピースが埋まってない感じでね?」

 

「でもね、今日見つけちゃった。私の残り1ピース」

 

「私ね?一度欲しくなったら諦めが悪いんだ。だからね───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟しておいてよね?楽くん♡」

 

───俺はこの日、とんでもないやつを目覚めさせちまった。この世で、絶対に蘇らせてはいけないやつを。

余談だが、俺はこの後プロデュースの勉強をする羽目になった。




匿名Kさん「いやね、絶対いつかは喰われると思ってましたよ。女帝と鳥ですよ?もろ捕食者と被食者じゃん」

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