ーネネカsideー
「・・・・・・・・はぁ」
そして、ペコリーヌから情報を聞き終えたネネカは、溜め息を吐いてから、ジト目を更に細くし、心底呆れ果てた声音をペコリーヌに向けて声を発した。
「概ね、現状は把握しました。想定よりはそれなりに良い状況です。愚かしくも突っ走ってしまったアナタだけが囚われ、『土の聖剣』と『風の聖剣』が向こうに奪われてしまいましたが、ユウキやアナタの仲間、【ラビリンス】は無事に逃げ延びているようですね。ソレだけが朗報です」
「こ、言葉が一々刺々しいてすね。まぁ私も頭に血が昇っちゃって、馬鹿な事をしたな〜って反省してますけど。ユウキくん達、心配してるでしょうね・・・・申し訳無いです」
ネネカのジト目に、流石にペコリーヌもバツの悪い顔となって反省していると言うが、ネネカにはペコリーヌが心から反省しているようには見えない、上辺だけのように見える。
しかし、ペコリーヌの反省などどうでも良い事と言いたげに話を続ける事にした。
「ーーーー今は、ソレよりも自分の心配をした方が宜しいかと。話を聞く限り、我々の利害は一致しています・・・・協力できれば幸いです、ユースティアナ様」
「あの。できれば『ペコリーヌちゃん』、って呼んで下さいね。皆が付けてくれた、お気に入りの渾名なんです」
「はぁ・・・・まぁ、呼び名等何でもいいのですが」
様々な立場で、姿形や名前を変えて生きているネネカにとって、呼称の事も些末な事のようである。
「ともあれ。今は一刻と早く、アナタはこの地下監獄から脱出すべきでしょう。今の所危害は加えられていないようですが、ソレもいつまで続くか・・・・」
「どう言う事ですか?」
「恐らくは近い内に私と同様に『魔法装置』に繋がれて、生命力や魔力を搾り取られる事になるでしょう。・・・・最悪、すぐに処刑されます。アナタの『立場』を奪い、成り代わった『真那』・・・・現在『ユースティアナ』を名乗るアイツからすればらアナタを生かしておく『理由』はありませんから」
「・・・・そうでしょうね」
『本物のユースティアナ』であるペコリーヌの存在は、『偽者』からすれば目障りな存在であるのでペコリーヌも納得した。
「寧ろ何でさっさと始末せずに、生かしておいているのか分からないぐらいてす。私が同じ立場なら、直ぐにでも抹殺するのに」
「んっと・・・・だからその、『魔法装置』とやらの『動力源』にする為では?」
「ーーーーフム。現状、ソレは私だけである程度は事足りている筈ですが。態々アナタまで入れる必要も無いでしょう。アイツは『無駄な事』をするのが1番嫌いですから」
「サラッと私の事を貶してませんか・・・・?」
言葉の端々でチクチクと口撃しているネネカに、ペコリーヌは頬に汗を垂らす。
「因みに、その『魔法装置』の能力は『洗脳』・・・・諸悪の根源たる真那=ユースティアナに都合が良いように、『人々の思考を捻じ曲げる機能』を持っています。国王陛下の代理人を名乗るキャルとやら、そして【王宮騎士団‹NIGHTMARE›】等はこの魔法の影響下にあり、洗脳され、『ユースティアナ』の『操り人形』と化しています」
「そっか・・・・だから、キャルちゃんは様子がおかしかったんですね。良かった。嫌われたんじゃなくて、私達の『絆』が失われたんじゃなくて・・・・信じてましたけど、やっぱり不安だったんです。でも、安心しました。キャルは単に洗脳されて、操られているだけなんですね」
「恐らくは」
ネネカの情報収集によると、キャルは『洗脳装置』抜きで『ユースティアナ』、『真那』を信奉し依存している様に思えるので、一概に洗脳だけとは思えないが、今ここでペコリーヌに言う必要は無い、寧ろ面倒臭くなると判断し話を続けると、『洗脳装置』は『玉座の間』の床に広がる魔力に満ちた泉の底に配置されており、その『装置』の『動力源』となっている『ネネカの本体』もいる事を伝える。
「どうにかして、その『装置』を破壊する必要があるでしょう。可能なら、その際に私の『本体』も救出していただけると有り難いです」
「でも、どうやって? 私もネネカちゃんも囚われの身ですし・・・・そんな怪しげな『装置』は破壊すべきだと思いますが、その方法がありませんよね?」
「『方法』ならあります。私はご覧の通り、『分身』をアチコチに派遣する事ができるのです。この『分身』を用いて、外にいる仲間と連絡が取れる訳ですよ。互いに連絡しあい、『洗脳装置の破壊工作』・・・・及び囚われの身となった我々の、『救出作戦』を決行してもらいましょう。その為には、アナタの『知識』が必要です。この王宮で生まれ育ったお姫様、『ユースティアナ・フォン・アストライア』」
ネネカはペコリーヌの頭を指差して言葉を続ける。
「アナタが世間的には防衛上の理由から非公開となっている、『王宮内の間取り』や『秘密の脱出経路』等を教えてくれれば・・・・グッと、作戦の成功率が高まります。その為に、こうしてアナタと接触したのです。それなりの危険を冒してね・・・・ご理解頂けましたか、プリンセス?」
と、ソコまで話していると、監獄の外から足音が聞こえてきた。
「・・・・おっと。交代した刑務官が戻って来ますね。私、その辺の石ころに変身しますから。アナタ、ソレを何処かに隠して置いて下さい。食事の時間になったら、私は『食べ残しのゴミ』に変身します。アナタはそのゴミを、食事のトレイ等に目立たない様に置いて下さい。生ゴミはその日の内に捨てられますので、ソコから移動して、私は外の仲間と接触するつもりです」
「えぇっ、態々そんな手間を掛けなくても・・・・蝶々とかに変身できるなら、スルッと窓とかから脱出できませんか?」
「ソレは難しいでしょう。この王宮の支配者たる『ユースティアナ』は、私の能力についてもある程度は知っています。故に罠や監視装置が、アチコチに仕掛けられているのです。『分身』を外に出すだけでも、色々知恵を絞る必要があるのですよ。王宮には『結界』も張られているので、普通に逃げようとしても感知されますし。『ゴミと一緒に捨てられる』、と言うルートが今の所1番脱出の確度が高いのです。生ゴミまみれになるのはあまり良い気分ではありませんが、仕方ありませんね」
『魔法装置』の『動力源』として生命を絞り尽くされて死ぬよりはマシだと考え、やれやれと肩をすくめるネネカ。
「泥水を啜ってでも生きますよ・・・・そして、私は私の『居場所』に帰ります。ソレが、私の『大義』です。理解し、協力して頂ければ助かります・・・・プリンセス」
ネネカの言葉に、ペコリーヌは小さく頷くのであった。
ーユウキsideー
その頃、【ラビリンス】の面々との作戦会議で各々異なる方向からのアプローチをし、王宮に対抗する為の『手段』を探る為、一旦ムイミ達とは別行動を取り、取り敢えず『ランドソル』へと戻って来たユウキとコッコロは・・・・。
「ふむ。無事に『ランドソル』に帰り付けたのは良いものの、コレから如何しましょう・・・・主様?」
“王宮も『聖剣』を狙っていて、キャルちゃんが向こうに付いているのなら、1度『ギルドハウス』にいる『ユーリさん』や『ネビアちゃん』の無事を確認したい所だけど・・・・”
「成る程。確かに、『ユーリ様』は一目見れば人間ですが、本当の姿は『光の聖剣 光剛剣最光‹コウゴウケンサイコウ›』。キャル様がその事を【王宮騎士団‹NIGHTMARE›】に教えていれば、既に襲撃を受けているのかも知れませんね」
ユウキ達【美食殿】の『ギルドハウス』の副管理人である『ユーリ』は『闇の聖剣 暗黒剣月闇』と対となる『光の聖剣 光剛剣最光』。
『聖剣』の回収を狙う王宮側からすれば、獲物が目の前にいるようなものである。
「ですが、『ギルドハウス』に近づいてわたくし達も見つかってしまう可能性がございます。わたくし達は今は潜伏している身。迂闊な事はできません」
“だね。コッコロちゃんはどうしたい?”
「先ずは、衣食住の確保ですね。わたくし達が王宮と敵対している以上、指名手配等をされる可能性もございますし・・・・『ギルドハウス』に行く訳にも、【サレンディア救護院】にも帰れません」
平和に暮らしているサレン達を、トラブルに巻き込む訳にもいかない。サレンならユウキ達の現状を知れば力を貸してくれるだろうが。『プリンセスナイト』の傘下にいるキルドが王宮に逆らうような真似をさせられない。
「ただ、サレン様の性格上、わたくし達を心配しているかと思いますので・・・・後程、コッソリお手紙等を届ける必要がございますね」
“『ちょっと事情があって、暫く帰れない。王宮の人達に何か聞かれるかも知れないけど、気にしないで。心配しないで』・・・・みたいな?”
「はい。流石は主様でございます。わたくしの使い鴉を用いれば、お手紙を届けるのはそう難しくありません。ともあれ。【サレンディア救護院】に帰れない以上、寝泊まりする場所を確保する必要がございます」
ユウキは一瞬、【自警団‹カォン›】か【牧場‹エリザベスパーク›】の所に身を寄せようかと考えたが、獣人‹ビースト›のマホ達を『王宮』と衝突させる訳にはいかないし、先日の大量破壊魔法で被害を受けたマヒル達をコレ以上巻き込みたくないと思った。
「最悪野宿でも、わたくしは構わないのですが、主様には可能な限り、健全で文化的な生活を送っていただきたいのです。だからこそ、せめて屋根のある場所で・・・・柔らかなベッドで休む事が出来たらと。何処か、良い宿泊場所に心当たりはございますか・・・・主様?」
ホテルに泊まっても従業員に顔を見られ記帳にも残るし、何よりもお金も掛かるから無理。
最悪、【悪魔偽王国軍‹ディアボロス›】か『裏社会で有名なギルド』の人達を頼ろうかと思ったが、ソレはあくまで最終手段として頭の片隅に置いた。
“・・・・宛が無い訳じゃないけど、住んでいる皆に迷惑が掛かっちゃうかも知れない。ハッキリ言って手詰まりだね。『王宮』・・・・『国家』そのものと敵対するって、想像以上に厄介だ”
「はい。正直、にっちもさっちもいかない感じです」
ユウキとコッコロは、ハァ、と大きな溜め息を吐いて、途方に暮れそうになる。
「わたくし、主様をお導きすべき『ガイド役』として不甲斐なく、また情けないです」
“・・・・・・・・”
落ち込みそうになっているコッコロの頭を、ユウキは薄く笑みを浮かべて優しく撫でた。
「わう・・・・慰めてくださるのですね、主様////」
“元気出してコッコロちゃん。まだ諦めるのは早いよ”
そう言って、コッコロの頭から手を離すユウキ。コッコロも、少し元気が出たように笑みを浮かべる。
「ふふ。そうですね。ションボリしていても仕方ありません。ペコリーヌ様が・・・・我々の大事な『仲間』が、囚われの身となっているのです。どんな手を使ってでも、救出して差し上げなくては」
“うん。キャルちゃんの事も、心配だしね”
2人はペコリーヌとキャルが居る筈であろう、街の中央に堂々と鎮座する『ランドソル王宮』を鋭い視線で見上げる。
「先ずは寝泊まりできる『拠点』や『食料』を確保し、地道な調査等をしつつ、起死回生の方策を練りましょう。幸いな事に、我々は孤独ではございませんしね。【ラビリンス】の皆様が、きっと協調して動いて下さいます」
【ラビリンス】は現在、潜伏先を細かく変えながら逃亡しているが、ユウキ達の方から連絡は取れないが、シズルとリノの事だから、ユウキへの連絡をいずれ取ってくるであろう。
“前途多難だけど、諦めずに頑張ろう”
「はい、主様。わたくしでは頼りないかも知れませんが・・・・コッコロはいつでも全力で、主様にお力添えを致します。ーーーーいいえ。いつでもお側におります。主様」
◇
そして、2人が決意を新たにし、拠点探しをいている内にとうとう夜になってしまった。ユウキが仕方なく、今晩だけ【自警団‹カォン›】に泊めてもらおうかと思った矢先・・・・。
ーーーーワー! ワー! ワー! ワー!・・・・。
突如、向こうの広場から大勢の人達の声が聞こえてきた。
「・・・・? 何やら、向こうの方が騒がしいですね」
ーーーー♪〜♫〜♬〜♪〜♫〜♬〜♪〜♫〜♬〜♪〜♫〜♬〜・・・・。
気になって近づいてみると、広場を埋め尽くす程の大変な人混みになっており、更には楽器の演奏までも聴こえてきた。
「広場でどなたかが、何かの出し物でもやっているのでしょうか?」
“ーーーーコレ、【カルミナ】の曲だ”
ーーーーのーぞみーーーん!!
演奏と歓声に混じって聞き覚えのある声が聴こえたが、ユウキは取り敢えず無視した。
「か、かるみな? ソレは何でしょう・・・・? えぇっと。主様のお知り合いが、楽器の演奏しているのでしょうか? こんな町中の広場で? 一体、何の為に・・・・?」
と、2人がこの場から離れようとしたその時、
「・・・・あっ、発見! トモね〜ちゃん、ユウキさん達。見つけたッスよ!」
「おぉ、優秀優秀。鼻が利くね、マツリちゃんは」
「ふふん、自分は獣・・・・あぁいや? 昔から、匂いを辿ったりするのが得意ッス! コレは【王宮騎士団‹NIGHTMARE›】の一員として、役に立つ特技ッスよね!?」
「うん。お陰で、思っていたよりも早くユウキさんと接触できる♪」
聞き覚えのある2つの声に、ユウキとコッコロが振り向くとソコにはーーーー【王宮騎士団‹NIGHTMARE›】のトモとマツリがいた。
「・・・・!? アナタ方は、確か【王宮騎士団‹NIGHTMARE›】の?」
“トモちゃん? マツリちゃん?”
「いけません! 逃げましょう、主様!」
敵対している側の人間が現れ、警戒心を最大限にするコッコロが、ユウキを庇うように前に出る。
「あ・・・・ちょっ、ちょっと待って! どうも誤解があるようだけど、私達は君達を捕まえに来た訳じゃないよ? ホント方策、信じて♪」
「スゴい胡散臭いッスよ、トモね〜ちゃん・・・・?」
トモが軽口を叩きながら敵ではないと言うが、マツリは半眼で呆れていた。
「主様、コチラへ!」
コッコロがユウキを下がらせる。王宮と敵対しているので、王宮直属の騎士団も、決して接触してはならない敵なので仕方ないと言えるが。
「捕まったら、何をされるか分かりません! 此処は是が非でも、逃げなくては!」
コッコロがユウキの懐から『ガトライクフォン』を取り出し、いつでも『ライドガトライカー』を召喚して逃げ出せるように構えた。
「おやおや、すっかり信用をなくしてるね。まぁ仕方ないかな、【リトルリリカル】の子達の話を信じるなら・・・・実際、私達は君達の不倶戴天の敵と言って良い。だからまぁ、どの口がほざくと言う感じだけど・・・・信じて欲しい、少なくとも私とマツリちゃんは敵じゃないよ」
「そうッスよ! ユウキさんは大事な人ッス! 自分の良き理解者で友達で、『聖剣』に選ばれた尊敬する人ッスよ!」
トモとマツリの言葉に、コッコロはワナワナと身体を怒りで若干震わせなから声を振り絞る。
「『友達』等と、ヌケヌケと。信じて欲しければ、わたくし達の『本当の友』を・・・・ペコリーヌ様を無事に解放して下さい!」
「ソレは難しいかな、正直。今、王宮の内実は訳の分からない状態になっていてね・・・・皆、どうもマトモな様子じゃないんだ。ソレに私達の地位じゃ、王宮に踏み込む事さえできないんだよ。そのペコリーヌさんって人を牢屋から出してあげるなんて事は、夢のまた夢だね」
「ならば尚更、アナタ方とお話しする事は何もございません!」
「嫌われたものだね・・・・どうしよっかなぁ、無理矢理捕縛しても良いんだけど。変に騒ぎを起こせば、ソレこそ他の【王宮騎士団‹NIGHTMARE›】に勘付かれるし」
両者の間で緊張感が上がり、ユウキとコッコロは人混みに紛れようとする。しかし、トモの方は肩をすくめた。
「ここは一旦、退いて・・・・後程穏便に接触した方が良いかな?」
「えっ、追わなくて大丈夫なんスか? 捕まえるつもりなら、直ぐに追いかけなきゃ見失っちゃうッス!」
「ふむ。何なんだろうね、この人混みは?」
トモが広場の人混みの向こうにいる『彼女達』を見つけた。
「あぁ・・・・近頃町で噂の、『あのアイドル達』がライブをしてるっぽい?」
ー【カルミナ】sideー
そして、広場の最奥に設置されたステージでは、3人の女の子達が、ステージの外側で自分達に声援を送ってくれるファンに向けて、明るい声をかける。
「皆〜! 今日は集まってくれてありがとう♪ 私達、歌って踊れるアイドルギルド! 【カルミナ】です〜♪」
1人は明るいオレンジ色のロングヘアで両サイドの髪をリボンや髪飾りで留めており、瞳も明るいオレンジ色で、均整の取れたプロポーションをリボンやスカートに、更に動き易さにも拘った華やかなステージ衣装で包んだ、まるで太陽のような明るさを放つ少女、【カルミナ】のリーダー、『ノゾミ』がファンに向けて声を張り上げた。
ーーーーわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・!!
ーーーーパチパチパチパチ・・・・!!
ーーーーのーぞみーーーん!!
のぞみへの歓声と拍手が、ステージに向かって放たれると、他のメンバーも声を上げた。
「ふふ。拍手をありがとうございます、声援も・・・・♪ いつも応援してくくださるファンの皆さんの為にも、一生懸命・・・・歌います!」
綺麗な青い瞳と鮮やかな緑髪のロングヘアの両サイドを三つ編みにし、芸術品の様に美しい肢体と清楚とした佇まいと雰囲気を纏い、ノゾミと同じ華やかな衣装を着こなしているのはギルドメンバーの『チカ』。
「ふふん。【カルミナ】の大陸全土を巡るライブツアーの初日は、ここ! 私達の故郷・・・・『ランドソル』で、今この瞬間から始まります! どうか、最後まで応援をお願いします〜!」
勝ち気そうな雰囲気とピンク色の長めの髪をツインテールにし、赤系の瞳を持ち、2人と同じ華やかな衣装を着て、1番背が低いが、1番衣装の胸元を大きく膨らませているのはギルドメンバーの『ツムギ』。
「ふふ。『アストライア大陸』を隅から隅まで巡るツアーなので、暫くは『ランドソル』には帰ってこれないけど・・・・どうか安心してね! 寂しがらなくても大丈夫! 最新型の映像配信魔法で、常に私達の活躍が見れるから! 向かう国や町ごとに衣装が変わっていくので、その辺にも注目してくれると嬉しいな!」
「ふふ〜ん、衣装担当の私が頑張りました!」
「勿論、衣装だけでなく歌等にもご注目下さい。各国の風土や文化等に合わせて細かくアレンジをしながら、新曲も交えて沢山歌います」
「うんうん! 最後まで飽きさせない、最高のライブツアーにするよ!」
リーダーのノゾミを筆頭に、『衣装担当』のツムギ、『作詞・作曲担当』のチカが、ツアーへの意気込みを語った。
「【カルミナ】の名前を大陸中に轟かせてくるから、応援しながら待っててね!」
ーーーーわぁぁぁぁぁぁぁぁ~・・・・!!
ーーーーカルミナー! か、かぁぁぁぁ・・・・!!
【カルミナ】に向けて、再度歓声が上がる。
「ではではっ♪ 早速記念すべき初日、『ランドソル』でのライブを始めるよ! 皆〜っ、盛り上がっていこう! 皆の笑顔が、私達の原動力! 世界一周したって尽きない。沢山のエネルギーを貰えちゃうから! 私達も最後まで、とびっきりの笑顔で歌い続けるよ!」
そしてノゾミは、左右にいるメンバーに声を掛ける。
「さぁさぁっ♪ 行くよ、2人共!」
「はい、待ってました。皆で楽しく歌いましょう♪」
「ええ、最高のステージにしましょう! お日様よりも輝いちゃいましょう、今日もあしたも未来もずっと・・・・☆」
ーーーー♪〜♫〜♪〜♬〜♪〜♫〜♬♪〜♫〜♬〜♪〜♫〜♬〜♪〜♫〜♬〜♪〜♫〜♬・・・・
そして、ソコから始まったのは、夜の世界を綺羅びやかに、美しく輝かせる、3人の歌姫達のステージであった。
“【カルミナ】〜!”
そして、そのステージで歌う【カルミナ】に向けて、ユウキも光る棒(サイリウム)を振って応援していた。最初は周りを警戒していたコッコロですら、今では【カルミナ】に魅入ってしまう程。
次回、アイドルと共に『音の剣士』が踊って戦う!