名もなき褪せ人の手記   作:上代わちき

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二十二ページ目「キレムの南にて」

 

 

 

◆一「廃棄洞窟」

 

 耳寄り情報を得た。

 キレムの廃墟の、鳥の遠見から真東に「廃棄洞窟」と呼ばれる場所がある。

 

 崖の間を通る木の上を通ることで、その「廃棄洞窟」に侵入できる。

 その最奥に「金のスカラベ」なるタリスマンがある。

 

 

 「金のスカラベ」は、装備することでルーンをより多く入手できるタリスマンだ。

 旅を続けるうえでルーンはいくらあっても困ることはない。

 装備しておけばツキが巡るようになるぜ。

 

 

 

 ただし「金のスカラベ」を得るまでの道中は決してやさしくはない。

 廃棄洞窟内部は腐敗の沼に沈んでいて、攻略には「朱い腐敗」に対する対処が必要だ。

 俺が愛用する「火の癒しよ」とかな。

 

 また沼の中を歩く際は間違ってもローリングしないこと。

 体が腐敗まみれとなって、沼から出ても朱い腐敗が進行してしまう。

 どうしても沼の中を急いで移動したい時は「クイックステップ」といった戦技を使うことをお勧めするぜ。

 

 

 まさしくケイリッドを探索する上での基礎を問われる場所となっている。

 準備は怠らないことだ。

 

 

 

 それにしても、ここはどういった場所なんだろうな?

 

 内部には、レアルカリア内部にもいたという「人さらいの乙女人形」の残骸が大量に捨てられていた。

 放浪騎士の彼が言っていた特徴と合致することから、これが「人さらいの乙女人形」であることは間違いない筈だ。

 

 他に小黄金樹の守り人の成れの果てや、マレニアの貴腐騎士も潜んでいた。

 彼らが「人さらいの乙女人形」を運用していたのか?

 それとも共に捨てられただけなのだろうか?

 

 

 旅をする上で寄って損はない場所だが、しかし大きな謎が残る場所だった。

 

 

 

◆二「ケイリッドの宿場跡」

 

 キレムの廃墟から道なりに進むと「ケイリッドの宿場跡」が見えてくる。

 虫が擬人化したような化け物が大量に潜む危険地帯だが、探索してみると一定の含みがある場所であるように思う。

 

 まず宿場跡はキレムの廃墟から一定の距離があることから、学院の門前町のような役割があったことが考えられる。

 キレムの廃墟にはかつての"街"を護る城壁の痕跡が「燻りの壁」という形であり、その壁の外側に宿場跡がある。

 何らかの理由で壁の中に入れない者達や旅人を泊めたりする、そんな場所だったかもしれないな。

 

 が、実は近くに「牢獄洞窟」があり、立地的にゲール砦の地下牢としての側面が伺える。

 もしかしたら「牢獄洞窟」に出入りする者達を管理していたかもな。

 

 

 

 「牢獄洞窟」内部は小さな卑兵が牢の番をしていて、そしてそれぞれの牢の中には燃える亡者が閉じ込められていた。

 洞窟内は、亡者が燃える苦しみによるうめき声が充満していて、外以上の地獄絵図だった。

 

 囚人たちの出自は不明だ。

 中には「脇差」という葦の地の侍が持つ武器があったことから、キレムとは無関係の旅人を閉じ込めていた形跡が見られる。

 また、最奥には狂った闘士がいたことから、キレムの地下にいたかぼちゃの狂兵と同様に闘技場の面影が見て取れた。

 

 おそらくは特別な意図のない、キレムの廃墟周辺で罪を犯した者達を留め置くための場所だったのだろう。

 もしくは、囚人を他の場所へ連行するための中継地点だったりしたかもな。

 その結果、あの燃えるような肉体に至ったのは、マレニアの腐敗に抗する措置かそれとも単なる刑罰なのか……。

 

 

 

 特筆事項として、狂った闘士を倒した後にはリムグレイブの海岸を望む小さな墓場があった。

 そこには「エオヒドの宝剣」が供えられていたんだが、調べてみる限り先の「脇差」同様キレムの廃墟やその周辺とは無関係そうな代物だ。

 もしかしたらこの墓場は、牢獄で死んだ者達の墓だったのかもしれないな。

 

 

 

◆三「石剣の鍵」

 

 先の牢獄洞窟の入り口は、インプ像によって封印されていた。

 こういった封印は牢獄洞窟に限らず、リムグレイブをはじめとした狭間の地の各地にある。

 この封印を開くには「石剣の鍵」が必要となる。

 

 「石剣の鍵」とは、文字通り剣を模した石の鍵だ。

 基本的には先述通りインプ像の封印を開くために使用することとなる。

 特徴的なのは、一度使用すると鍵は像に刺さったままとなって二度と使用できない性質を持つ点だな。

 別の封印を新たに開くなら、また新しい鍵を調達する必要があるわけだな。

 

 また場所によっては石剣の鍵を二本必要なこともある。

 いいお宝にありつけることが多いから、ある程度は数を取り揃えておきたい旅の味方だな。

 

 

 

 この鍵は、各地の放浪商人が売ってくれる。

 必要な時は、知り合いの放浪商人を複数尋ねることだ。

 全員が全員売ってくれるわけじゃないから、そこは注意だな。

 

 他にも各地の遺体から"譲ってくれる"場合もあるが、そちらは運によるな。

 

 

 

 それにしても、インプ像の封印が施される意図は謎が多い。

 

 不特定多数の誰かに取られたくない宝があるから、外界から隔離する意図があるのはどことなく読み取れる。

 もしくは封印の中に閉じ込めた者を、そのまま外に出さないのが目的の場合も考えられる。

 だがその宝や内部の何かが必要になった時に使う鍵が、それぞれの封印に対応するものではなく、同じ鍵を流用できるようになっている仕様なのは理解に苦しむところだ。

 また使用した鍵が二度と再利用できないようになっている理由もわからない。

 

 

 破砕戦争や祝福が壊れた際に、そう簡単には封印を開かない前提で封印を施したのだろうか?

 狭間の地が落ち着いた時のために開く手段を用意し、しかし狭間の地の文明が崩壊しかけた際に「石剣の鍵」が大量に流出したということか?

 

 

 悪いが俺に推理の才能はない。

 情報がない以上、これ以上正解に近づく術が思いつかない。

 

 口惜しい限りだ。

 

 

 

◆四「大竜餐教会」

 

 中央の朱い沼地を避けるように街道を南下していけば、遠くに教会が見えて来た。

 道中の怪物どもから逃げながら訪ねてみると、そこはあの竜餐の儀式が行われる場所の一つであることがわかった。

 

 大竜餐教会。

 それがその教会の場所であり、もし狭間の地の各地にいる竜を倒したのなら、そこでそれぞれの竜の技を得られるのだという。

 

 

 竜餐の祈祷。

 それぞれの竜から得られる「竜の心臓」を喰らうことで使用できる、己の肉体を竜となす力だ。

 

 特徴として範囲に優れる技であることと、その使用には信仰だけでなく「神秘」と呼ばれる力を要すること。

 まぁ前提として竜の討伐や、もしくは心臓を得られる幸運が必要だから、これを使えるだけで一定の力を有していると考えていいかもな。

 

 

 ただし、竜餐とは破滅への道だ。

 竜餐をきっかけに転落するエピソードをいくつか知っている。

 個人的な経緯で知った情報なら別のページに記載したが、それ以外にも溶岩土竜と呼ばれる怪物は竜餐を為した者の成れの果てという情報がある。

 

 竜の心臓を喰らい、竜餐の祈祷を使う場合は強靭な意思や人間性が必要となるだろう。

 それらがあるうちは適正に力を振るうことができ、そうでないなら破滅の運命が待つこととなる。

 

 竜餐に頼るときは、用心することだ。

 

 

 




 今回のまとめ
・廃棄洞窟ってどういう場所だよ?!
・インプ像の封印ってどういう代物だよ?!

 ……だいたいこんな感じです。
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