名もなき褪せ人の手記   作:上代わちき

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四十二ページ目「王都外郭にて」

 

 

 

◆一「ツリーガード」

 

 おおよそアルター高原の寄り道は済ませた。

 すべての情報を記したとは到底言えないが、それでも俺なりに記載できる情報は記載したつもりだ。

 

 だからここからは、いよいよ王都に挑むこととなる。

 

 

 今一度、デクタスの大昇降機から突き進む正規ルート「アルター高原の三叉路」に戻り、そのまま東へ進む。

 そこは、リエーニエ側のデクタスの大昇降機でもみた、ツリーガードの像が両側に並ぶ仰々しい大階段が聳え立つ。

 

 だがその大階段を真正面から進めば、ローデイル兵による警備が待ち構えている。

 バリスタと言った兵器は見当たらなかったが、その代わり"ツリーガード"が二人もいる。

 

 

 そう。

 ツリーガード当人が、王都外郭入り口にいるんだ。

 

 ツリーガードは、黄金樹に仕える重騎士だ。

 黄金色の鎧を身に纏い、そして恐ろしいほどに重厚かつ強固な防御力を誇る。

 武器もハルバードといったリーチの長いものを振るい、そして重量故か威力も高い。

 機動力を確保するためか、全員騎乗しているため逃げるのも一苦労だろう。

 

 

 今の俺や、アルター高原まで来れた褪せ人なら、一体ぐらいはなんとかいなせるだろう。

 だが二体同時は流石にきつい。

 

 

 そういう時は、大階段のわき道を探ってみるといい。

 

 それぞれ「ルーンベア」、空から落ちて来ただろう「降る星の獣」という脅威もいるが、それらを潜り抜ければ大階段の抜け道にありつける。

 あとはその抜け道を、身を低くして通り抜ければツリーガードを回避して中に進める筈だ。

 

 

 

 エルデンリングが壊れた影響か、抜け道を使われることは想定していないらしく、意外と簡単に回避できるぜ。

 ここの片方は「歩哨の松明」を持って姿を隠す手合いに備えているようだが、その祝福は消えて久しいようだ。

 

 

 

※追記

 

 大階段の脇、ルーンベアがいる方には「調香師の隠し洞窟」がある。

 王都の調香師が、薬の材料を調達するための花園のようだ。

 

 特筆事項として、以前紹介した「アルター坑道」と繋がっているようだ。

 もしかしたらうまいこと道が繋がっていて鍛石を運搬していたかもしれない……と記述したが、もしかしたら間違いだったかもな。

 

 鍛石を少数秘密裏に運び出すというならまだ考えられるが、一度に大量に運ぶのには不適切な道だろう。

 花園の環境を荒らしかねない。

 

 

 

◆二「城壁の内部」

 

 ツリーガードをいなした先は、城壁の内部だ。

 といっても、王都の城壁は二枚あるようでな……俺がくぐれたのは、外部側の一枚目というわけだ。

 流石は王都といった具合で、かなりの防御力が伺える。

 

 破砕戦争で火山館や君主連合を返り討ちしたのは、この防御力に由来するだろう。

 

 

 外郭内部にはお宝が豊富にあった。

 まず幻影の木と「黄金の種子」に恵まれた。

 これは俺達褪せ人が使う聖杯瓶の"使用回数"を増やすアイテムだ。

 

 が、何らかの形で当時の王都ローデイルを支えたのかもしれない。

 これらが飛来したのはエルデンリングが砕けた時だが、あるいはここに飛来する運命に値する何らかの祝福もあったかもな。

 

 

 また、より興味深いものとして、城壁と城壁の間にある湖に「封印された坑道」がある。

 内部を漁れば、やはり鍛石に恵まれた。

 この立地からして、平時における本流の坑道はここだったかもしれないな。

 城壁の内側で鍛石を採掘できれば、その城壁の防御力はより大きく増すことだろう。

 

 まぁ、最奥には「西アルターの神授塔」へ繋がる道もあったから、儀式的な意味合いもあっただろうが……こっちについてはあまり情報がない。

 

 

 

 褪せ人諸君への重要な情報として「封印された坑道」内部には「鍛石掘りの鈴玉」があった。

 リエーニエの「レアルカリア結晶坑道」の鈴玉より、一段階上位の鍛石を多数入手できる鈴玉だ。

 

 もし武装の強化を優先するなら、まずここを目指してからにする方がいいかもな。

 

 

 

◆三「正面入り口」

 

 王都の正面入り口は閉ざされていた。

 その証左に、こちらの警備はまるでずさんなものだった。

 というか、むしろ王都への帰還を目指していただろう亡者の一群が、門の前で途方にくれている有り様だったからな。

 

 ここから内城壁の中……即ち王都への侵入はできなさそうだ。

 

 また、外城壁の中で得た地図を見る限りこの門から至れる王都は水に沈んでいる。

 これもエルデンリングが砕けた影響だろうが……全盛期ではかなり栄えていただろうことを思うと、その時の景色が見たくなってくる。

 ともあれ、ここから王都へアプローチをかけるのはやめた方がいい。

 

 

 ではどんなアプローチが必要かというと……ここからさらにぐるりと東へ回り込むのがよさそうだ。

 そこにも王都への入り口があるようでな……そこが当面の目標となるだろう。

 

 

 

 

◆四「外郭の戦場跡」

 

 正面入り口へ続く道を横に進むと、ひどい戦場跡が見えた。

 おそらく火山館側から受けた、多数の"投擲"の跡が遺されていた。

 

 すごい破壊力だ。

 地面がぼこぼこになっている。

 

 

 だからこの辺りには、警備の姿は殆どない。

 忌み鬼の襲撃があったぐらいだ。

 それほどまでに、もう土地としての価値が殺されているということだろうな。

 

 

 そのためだろう。

 外城壁による警備は、デクタスの大昇降機側へ向けたものよりさらに激しく容赦のないものだった。

 大量のバリゲードを築き、バリスタの配備数も馬鹿にならない。

 それだけ火山館を警戒しているということだな。

 

 以前ドミヌラの方からこちらへの探索を試みた時、このバリスタの数を見て断念したが、これは仕方がない。

 彼らの背後を突く形で、ようやっと探索の隙を見いだせたって具合だからな。

 本当に、火山館から酷い目を受けたのだろう。

 

 

 

※追記

 

 火山館側の外城壁外部は、雷がらみの地のようだな。

 

 平原に雷を落とす「雷花」が咲いていたり、雷呼びの教会があって「聖杯の雫」だけでなく祈祷「竜雷の加護」の知識があったり。

 それから、「古竜の騎士、クリストフ」を祀る英雄墓もここにあるな。

 英雄墓内部は影を纏うインプ達がいて触れることができないから、墓地内を照らすローゼスの光を浴びさせることで触れられる状態にして攻略することだ。

 余談だが、英雄墓の前に黒き刃を振るう刺客もいたが、何の縁があったのか……。

 

 

 この辺りは古竜戦役最後の地らしく、黄金のゴッドウィンが古竜フォルサクスとの友情を築いた場所らしい。

 

 そのためか以前紹介したランサクスの縄張りも、この辺りにある。

 気を付けてくれ。

 

 

 




 雷がらみの地は、多分一話丸々ほどのテキストを捏造できそうにないので、今回は追記という形でスキップです。

 次回は4/4 20:00予定です。
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