名もなき褪せ人の手記   作:上代わちき

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巨人たちの山嶺編
四十七ページ目「ザミェルの廃墟付近にて」


 

 

 

◆一「ザミェルの廃墟」

 

 黄金樹の北東に位置する、雪深い巨人たちの山嶺。

 その地は火にまつわる禁足地であり、そして同時に、その名の通り巨人たちにも縁深い地だ。

 

 即ち、巨人戦争の痕跡との縁に恵まれた。

 

 

 

 「ザミェルの廃墟」

 ロルドの大昇降機で"巨人たちの山嶺"にアクセスしてすぐに広がる、ザミェルの古英雄達の地だ。

 道中に"巨人たちの山嶺"の地図があるから、もしこの地に訪れる時は忘れずにな。

 

 

 この地は、その名が示す通り、巨人戦争の英雄として名高いという"ザミェルの騎士たち"が多くいる。

 彼らは湾刀という大曲剣を振るい、そして強い冷気の力を操る。

 冬を祀る文化を持つとのことで、山嶺の地に由来するものとも、火の巨人たちの宿敵であるが故とも推測できる。

 

 "冷気"は、相手に"凍傷"を与える特別な力だ。

 凍傷を発症するとそれなりのダメージを喰らい、そして凍傷の状態でさらにダメージを喰らうとより傷つくようになる。

 この力を操るザミェルの騎士たちは皆強敵であり、山嶺の探索には大いに気を付けるべきだろう。

 火属性のダメージを喰らうと凍傷状態から回復するそうだから、俺の「火の癒しよ」は効果的かもな。

 

 

 

 一方で、このザミェルの者は黄金樹と縁があったのではないかと、俺は睨んでいる。

 黄金樹と巨人は敵対関係にあったそうだが、一方でザミェルも巨人と敵対関係にある。

 

 それから、ザミェルの廃墟の地下には「鍛石掘りの鈴玉」が眠っていた。

 これは特に王都軍の精強を支えたという、黄金を帯びた鍛石を円卓の双子像が販売するようになるアイテムだ。

 

 

 これはつまり「ザミェルの廃墟」もまた、王都軍の精強を支えた……つまりローデイルを支援する立場にあったことを示す証拠ではないかと思われる。

 

 

 ザミェルの者達は、黄金樹勢力として禁足地を護る番人だった……というのはまだ可能性程度でしかない。

 それと同時に「ザミェルの廃墟」はローデイルに、山嶺の地で採れた良質な鍛石を運ぶための拠点だったことは、安易に否定するべきではないと俺は考える。

 

 

 

◆二「巨人山嶺の地下墓」

 

 ザミェルの廃墟から暫く進んだ先に絶景があるが、あえて横道にそれると「巨人山嶺の地下墓」がある。

 ここは寄っておいた方がいいぜ。

 

 なんせ「すずらん摘みの鈴玉」がある。

 通常の遺灰を強化するタイプのすずらんが手に入るようになる。

 ここのは比較的中位のすずらんを販売してくれるようだ。

 

 遺灰に縁がある褪せ人なら、是非とも寄りたい場所だな。

 

 

 

 一方で、内部はかなりの難所だ。

 巨人たちの山嶺の加護のせいか、インプどもの攻撃も侮れなくなってきている。

 奴らの武器は出血効果があるから要注意だ。

 

 それと壺人も敵対してくるうえ、中には「鉄壺の香薬」を使用してくる者もいる。

 鉄壺の香薬は、使用者の肉体を鉄とするもの。

 防御力が増大してしまう厄介な術だ。

 

 本来は堕落調香師が、善良な壺を密猟する者達と協力して作る禁忌の薬の技だそうだ。

 その素材に壺を用いるだけあって、壷側も使用するためのノウハウがあるようだな。

 

 

 ただし鉄となるだけあって動きは鈍くなるし、雷にも弱くなるようだ。

 ちょうど俺の祈祷「雷の槍」が効果的だったし、信仰に頼らないなら雷壺などが有効だろう。

 

 

 

 ……が、一番厄介なのは壺よりも地下墓の構造だな。

 何も考えずに進み続けると、螺旋のような構造に取り込まれて最奥に進めなくなる。

 

 途中で昇降機の下に潜ることでようやっと先への道が開けた。

 

 

 「すずらん摘みの鈴玉」への道は、かなり険しいものだ。

 気を付けてくれ。

 

 

 

◆三「火の僧兵」

 

 寄り道もほどほどに本来の道に進むと、火の僧兵たちの姿が見えるようになっていた。

 奴らはその先の崖の景色へ向けて、祈りを捧げているように見えたが……。

 

 火の僧兵は、巨人たちの山嶺に本拠を置く者達だ。

 つまりこの先に、彼らの情報がべらぼうに眠る場所があるわけだな。

 いずれそこも探索して、情報を集めたいものだ。

 

 

 だからこの項で記せることは多くないんだが……。

 そうだな、奴らの近くの遺体に「罰の茨」なる魔術の知識があったのは記すべきか。

 

 この魔術は、追放された咎人たちが用いる異端の魔術だそうだ。

 学院が、最も忌み嫌うものだな。

 

 

 この咎人たちについての情報は、現時点ではあまりない。

 火の僧兵の関係者なのか、むしろ逆に敵対関係だったから遺体となっていたのか……。

 

 

 

 それと、興味深い性質としてこの「罰の茨」は魔術でありながら信仰を要求する、珍しいものだ。

 つまり俺でも使用できる魔術ってわけだ。

 

 ここで杖の一つでも調達してみるのも手か……?

 

 

 

◆四「遺跡の橋」

 

 火の僧兵たちの警備を潜り抜けた先は、巨大な谷を渡る橋がかかっていた。

 といっても、普通の橋ではない。

 

 遺跡のような建築物を、ずっと並べているようなものだ。

 なぜこのような建築を選んだのか……謎は増えていく一方だ。

 

 

 ただ、何らかの形で人の往来があった証左にはなるかもしれない。

 事実、火の僧兵だけでなく対岸のゴーレムもこの橋を警戒していた。

 侵入者である俺に向けて、弓矢を放ってきたんだ。

 

 これをいなすのは中々苦労したが、それに見合う情報は得られたと思う。

 この橋は、必要があって存在している。

 

 

 

 まぁ考えられるとすれば、火の僧兵のための橋だな。

 彼らはこの先に本拠を置いているようだが、一方で必要なら南にも下る。

 リエーニエやケイリッドで色々活動の痕跡があったのがその証左だ。

 

 禁足地と言えど、人の往来のための手段は残して、必要な時は通れるようにしてあるということだろう。

 

 

 

 他の説としては、まぁやはり黄金樹がこの地を監視・管理するための橋でもある……という具合か。

 

 いずれにしろ、このような地といえど人の手は入っているわけだ。

 攻略は不可能ではない筈だ。

 

 

 




 モンハンワイルズにて眼鏡オールバックキャラを作ってスネイルだって言い張っている構図を見ました。
 何故か納得感がすごい映像でした。

 これがコーラルの賜物ですか……。
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