名もなき褪せ人の手記   作:上代わちき

55 / 83
 ・余談
 トニーの日本語CVは、本作の元ネタの都合もありなんとなく浪川さんのイメージ。
 一方で、攻略に役立つ道具や武器について記述している時はなぜか藤原さんの声に聞こえてしまいます。
 道具の使い道についての記述は、なんとなくMGS3のシギントの無線イメージで書いているせいかもしれません。(シギントのCVは藤原さん)

 ちなみにトニーの音声を英語にする場合なら、ユーリさんイメージ。こちらも本作の元ネタの兼ね合いです。


四十九ページ目「ソールの城砦にて」

 

 

 

◆一「ゴッドウィンの城」

 

 古遺跡の北側に建つは「ソールの城砦」だ。

 雪と曇天に沈む、灰色の厳かな城……実に趣深い景色だ。

 

 

 近くには魂無きデミゴッドを抱いて彷徨うという「歩く霊廟」がおり、そしてアルター高原の雷がらみの地でも見た「雷花」の花畑もあった。

 その他の情報を照らし合わせてみると、このソールの城砦はあのゴッドウィンに縁深い場所である可能性が高い。

 

 ゴッドウィンとは、竜を友とする雷に縁深いデミゴッドだ。

 そして後に死王子として「死に生きる者たち」とも縁深い運命を辿る者でもある。

 

 近くに「雷花」の花畑があり、付近の古遺跡に「死に生きる者たち」が蔓延っていたのは、決して偶然なんかじゃないだろう。

 

 

 

 ソールの城砦内部には、ケイリッドの赤獅子城にもいた獅子がおり、手強い狼や鳥もいる。

 なまなかな覚悟と備えでは攻略できない。

 

 だが気合で途中の教会にまでたどり着くと「蝕のショーテル」なるお宝に巡り合えた。

 これはソールの城砦に貯蔵される宝剣だそうで、蝕まれて色を失くした太陽を象ったものだという。

 ソールの城砦の各地に太陽を象った旗があるのも、これが絶対的畏敬の対象であるのが無関係とは思えないが……。

 

 だがそれ以上に重要なのは、この「伝説の武器」に死王子の炎を宿す戦技が付与されていることだ。

 

 

 

 ソールの城砦は、ゴッドウィンの城である。

 仮にこの仮説が間違っていたとしても、彼の影響力が色濃く出る地であることには違いない筈だ。

 

 

 

 

◆二「ソールの虜囚」

 

 ソールの城砦内は、複雑な迷宮となっている。

 まあ城砦というだけあって、敵から攻められた際の防衛戦を想定しているからだろう。

 

 城砦とは、城主の居住でもあると同時に防衛拠点でもある。

 であるから、牢としての機能も存在する。

 

 

 ソールの牢には、何故かしろがね人が捕らえられていた。

 手酷い拷問の痕跡が見受けられたこと、そして実際に酷い状態の彼らと遭遇したことから、それ自体は事実な筈だ。

 何故か問答無用で襲ってきたから、聞き込みはできなかったがな。

 

 

 

 奴らが何故ソールの城砦に囚われているか。

 理由についてだが、この地にしろがね人の希望に繋がる手掛かりが隠されている……という、別口で得た情報がヒントになると考えている。

 

 どうやら彼らしろがね人は、自分達に対して迫害を繰り返す黄金樹に見切りをつけて、それとは異なる聖地を見出しているようだ。

 そのための道は隠されており、その鍵はソールの城砦にて貯蔵されているそうだ。

 

 

 しろがね人は、ソールの城砦の宝を狙っている。

 ここに囚われているしろがね人は、城の宝を狙おうとした盗人だからこその末路なのかもしれないな。

 

 

 

◆三「失地騎士」

 

 ソールの城砦には、失地騎士がいる。

 ストームヴィル城にもいたあいつらだ。

 ただし、ソールの城砦ではどういうわけか霊体として常駐している。

 

 城砦付近に「歩く霊廟」がいることからその関係を疑うことができるが、一方で霊体の彼らを直接召喚する者もいた。

 

 

 

 宿将二アール。

 ソールの城砦屋上を陣取る、歴戦の戦士だ。

 

 彼は侵入者である俺の姿を見つけると、すぐ失地騎士を呼び出してけしかけてきたんだ。

 サインがなければ、俺も虜囚の身になっていたかもな。

 

 

 特徴的なのは、彼は義足を用いていることだ。

 どうやら二アールは、その脚と引き換えに敗軍の騎士たちの助命を請うた過去を持つという。

 助命を請うたのがソールの勢力なのか、助命を請うた後に率いた失地騎士と共に与えられたのがこの城なのか……そこまでの情報はない。

 

 一方で、彼には雷の力を振るう。

 それは特に義足に宿らせているようで、度々義足を起点に雷の技を振るってきた。

 実に驚異的な威力で、そして巧い業だった。

 

 

 

 しかし、戦士としての実力こそ本物だが、彼の本質的な立場や情報は不明瞭なままだ。

 失地騎士も、実は二アールだけでなく、ソールの城砦に囚われていたしろがね人の一部も呼び出すような芸当を繰り出している。

 どういうわけか、城の支配者然とする失地騎士は、城の虜囚たるしろがね人と行動を共にするような節を見せている。

 

 

 

 ……もしかしたら、二アールや失地騎士もまた、しろがね人同様にソールの虜囚なのかもしれないな。

 

 

 

◆四「ミケラとの関係性」

 

 この城とミケラは、何らかの関係性がある。

 

 まず先述してきたしろがね人だが、彼らが見出している聖地とはミケラに由来する場所であるらしい。

 そのための鍵がソールの城砦にあるというのだから、関連性を疑うのは妥当な考察だと思う。

 

 ……生憎、俺と時空を共有する誰かがすでに持っていったようで、その鍵にはありつけなかったがな。

 

 

 

 

 また、現在のソールの城砦に何らかの影響を及ぼしていると思わしきゴッドウィン。

 彼とも、ミケラは何らかの繋がりがあるようだ。

 

 もしかしたらこの地は、もともとミケラのものだったのかもしれない。

 そして何らかの意図で、ゴッドウィンに譲渡したのかもしれない。

 

 思えば、失地騎士と言えばストームヴィルにもいた奴らだ。

 そのストームヴィルには、ゴッドウィンの躯が隠されている。

 具体的な経緯や意図まではわからないものの、ここに失地騎士がいたのは何らかの運命だったかもな。

 

 

 

 さて。

 ここからは俺の勝手な推測だ。

 仮説の一つ程度に聞き流してくれ。

 

 もしかしたら、ゴッドウィンが「死に生きる者たち」とかかわるような存在になり果てたのは、ミケラの意図によるものかもしれないな。

 ミケラは、何らかの理由で現在の黄金樹に不満を抱いている。

 だから黄金樹に対して何らかアプローチを試みていて、その手段がゴッドウィンを引き金とした「死に生きる者たち」を用いた何かだったかもしれないな。

 だとすれば、ゴッドウィンを陥れた"陰謀の夜"の真の首謀者も、その実ミケラだったかもしれない……そういう説も自然と浮上する。

 

 

 

 ミケラは、ゴッドウィンを利用していた。

 あるいは、利用しようとしていた。

 

 その痕跡がソールの城砦であり、死に生きる者たちだろう。

 

 

 

 

 俺が考察する「死に生きる者たち」や「陰謀の夜」の真実は、以上となる。

 

 まぁ、狭間の地は時空が不安定だ。

 取り逃した情報も少なくないだろうし、これが絶対的な真実とまでは断言しない。

 

 

 

 "真実は一つじゃない"。

 上記はあくまで俺が推測する真実であり、これを読む後世の君達が掴むだろう真実はきっとより正しい別の形をしている筈だ。

 俺の真実をそのためのヒントとして役立ててくれたなら、きっとそれだけで意味があるだろう。

 

 どうか、俺の真実を君達に託させてくれ。

 今更だが、この手記はそういった趣旨のものだからな。

 

 

 




 ・お知らせ

 ずっとどうしようか迷っていた聖別雪原について、土壇場ではありますがようやく整いました。
 基本的にはレアルカリアの時の要領で、別時空の褪せ人からの聞き込み、という形で記述します。

 スキップの予定を翻した最大の理由は"鈴玉"。
 ノクローンやエインセル河本流に少し触れたのも、思えばこの鈴玉の存在が大きな理由となったので、この法則に従うのがしっくりくるかもしれない……と判断しました。

 ただしあくまで寄り道なので聖別雪原編については、可能な限り巻いて記述します。ご了承ください。



 また同じ理由で、ファルムアズラについても記述する予定です。あそこ鈴玉いっぱいありますもん。
 他方で「影の地」について、今回はスキップ確定となりました。こちらについてもご了承ください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。