PERSONA5 THE SKY 〜Phantom Thief and Hero Girl〜   作:ぎんすた

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あけましておめでとうございます。
いつもは別作品を書いてるGINSTAです。

前にちらっと言ってた新作です。

新年初っ端から出していい内容なのか…と思いつつ、前から出したかったネタを出させていただきました。

ひろプリを原作としていますが、今回はペルソナキャラしか出てきません。
ソラちゃん達が出てくるのは少し先になります。
別の作品とも並行して頑張っていきたいので、今年もよろしくお願いします!!

では、どうぞ。


#0 切り札の失踪

 

 

ー四軒茶屋ー

 

side蓮

まだ寒さも残る春休みの四軒茶屋。

そこに、冬休みぶりに俺達は足を踏み入れた。

 

「ここに戻ってきたのも冬休みぶりだな!」

「ああ、双葉も、惣次郎さんも元気にしてるかな?」

「フタバに関してはいつもコンパスで会ってるんじゃないか?」

「そうだけど…ルブランを訪れるのは久々だからな」

 

 

春から専門学生

ーーー雨宮蓮

ーーーーアルカナ『愚者』

ーーーーーペルソナ『アルセーヌ』

ーーーーーーCN『ジョーカー』

 

 

モルガナ

ーーーアルカナ『魔術師』

ーーーーペルソナ『ゾロ』

ーーーーーCN『モナ』

 

「それにしても、またルブランで生活できるんだな…」

 

 

 

 

 

俺の名前は《雨宮蓮》

高校を卒業し、春から専門学生だ。

 

ここには元々2年前に冤罪のせいで保護観察になって、地元を離れざるを得なかったから来た場所だけど…そこで今バックの中にいる黒猫《モルガナ》や、《竜司》達に出会って、怪盗団を結成して精神暴走事件も解決して…いつの間にか屋根裏部屋や、この土地にも愛着が湧いていた。

 

今はここが俺にとっての第2の故郷だ。

 

夏休みにはまたここで過ごせるって思ったら、みんなで全国回る羽目になったが、そこでもソフィアや善吉といった出会いにも巡り合えたし、楽しかったし悪くはなかった。

 

夏休みの後には、コンパスにも招待され《キリト》達と再会したり、《敦》《芥川》、鏡花達といった新たな出会いもあり、コンパスのシェアハウスで怪盗団のみんなと暮らし始め、ヒーローをやって、コンパスの世界とこっちを行き来する二重生活を送るようになった。

 

 

 

そして、今度こそ本当に何のしがらみも無く、ここで新たな生活を送ることになる。

公安の監視は相変わらずだが…以前よりは減っているか?

 

とにかく、ルブランへ急がないと…。

 

 

 

 

 

 

 

《…こ……へ…て…》

 

 

 

 

 

 

「…!」

何だ?耳元で囁くようなこの声は…

 

どこから聞こえる?

 

「なぁ、モルガナ。何か声が聞こえないか?」

「ワガハイには何も聞こえないぞ。空耳じゃねぇか?」

「…悪い、気の所為だ」

どうやら、この声は俺にしか聞こえていないみたいだ。

 

それにしても、この感じ…まさか…。

 

 

 

 

 

 

《…こっちへ…来て…》

 

 

 

 

 

 

「…!!」

また、例の“声”だ。

今度は頭に直接響くように聞こえ、思わず頭を抑える。

 

「…!レン!?どうしたんだ!?」

「少し頭痛が…けど、大丈夫だ…」

「その様子だと大丈夫じゃねーだろ!」

モルガナが俺のことを心配そうに見つめ、身を乗り出した。

いつもより声が抑えられているのは、モルガナの配慮だろう。

 

 

 

 

 

《…こっちだよ…》

 

 

 

 

 

 

 

「……」

頭痛に狼狽える中、俺の身体は気づくと“声”に従うように無意識にルブランとは逆方向に歩みを進めていた。

 

「おい!レン!そっちはルブランと逆だ!!おい!!聞いてんのか!?」

モルガナの声を無視し、声に誘導されるがままに進む。

やがて、足を止めると人気の少ない路地裏に来ていた。

 

「…」

路地裏に来ると、視界に光がちらついた。

それが気になり顔を上げると…

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なっ!!」

「おい…!なんだあれ…!?」

虹色のワームホールが大きく渦巻いていた。

ゲームでもない限りありえない光景に、俺とモルガナは思わず息を呑む。

何故こんなものが出現しているのか…。

 

 

 

でも何故だろうか…?俺はこの向こうへ行かなければならないよう気がする。

 

 

 

でもこの向こうへ行ったら、俺は俺でなくなる…そんな気もした。

 

 

 

 

とにかく、胸騒ぎがする。

 

 

 

 

 

俺はモルガナと共に頭のスイッチを切り替え、警戒モードに入ろうとするが、そうなる前に俺の足はワームホールへ歩み始めていた。

 

 

「おいレン!まさか無策で入る気じゃないよな?

いつものオマエらしくないぞ」

「…!すまない」

「ったく…今日のオマエ、色々可笑しいぞ…」

だが、なんとかモルガナの声で正気に踏みとどまったが、胸騒ぎはまだ続いていた。

 

 

確かに今日の俺、なんか変だ…。

 

 

 

 

「とにかく、皆を集めてアレについて話し合った方がいいんじゃないか?

もし、次元絡みだったら彼処にも連絡入れねぇと」

「そうだな、ルブランに行ったら皆を集めよう」

とにかく作戦会議。俺はモルガナの案に傾き、ルブランへ向かうことにした。

 

その時だった。

 

 

 

 

《そうはさせないよ》

 

 

 

 

「…!!ぐっ!!」

「うおおっ!?」

また謎の声が聞こえたと思ったら、今度はワームホールが更に渦巻いて竜巻を起こし、俺達をホールの中へ吸い込もうとした。

 

 

 

 

「くっ…!!…!」

「なんだこれ!?ワガハイ達、このままだと吸い込まれる…!!」

俺達は適当なものに捕まり吸い込まれるのを防ごうとするが、竜巻は徐々に強くなっていき、やがて限界が近づき今にも吸い込まれそうだった。

 

 

 

 

「…」

俺はワームホールを見やり、苦虫を噛む。

恐らく、このワームホールは俺だけを狙っている。

俺にしか聞こえない声、そして無意義に取った行動の数々…。

 

 

 

“何か”が俺に干渉している。

 

 

 

 

だとしたら…モルガナを巻き込む訳にはいかない…!!

 

 

 

そう思った俺は、右手を離して左肩にかけていたバックをワームホールとは反対側に投げた。

 

 

 

 

「…!!ぐおっ!?…レン!?何してんだ!?」

バックごと身を放り出され、竜巻の範囲から逃れたモルガナは、俺の突然の行動に驚きバックから出て俺に近寄ろうとする。

 

…ごめんな、モルガナ。

心の中で相棒に謝り、限界を悟った俺は覚悟を決め、ある式句を唱えた。

 

 

 

「システムコール・トランスファ・ワイルド・アビリティ。セルフトゥ・メイト」

すると、俺の中から白い光が取り出され、それが空まで上昇すると幾つのも光に分かれて散った。

光の大半は、ある人物の家がある方向へ向かい、光の一部はモルガナにも宿った。

 

成功した…みたいだな…。

急激に力が抜けるのを感じ、掴む力も弱くなっていく。

 

「…レン…!?お前…まさか…!!

 

 

 

…おい、やめろ!!

俺の行動の意図に気づいたモルガナは俺を止めようとするけど、もう遅いんだ…。

 

俺はモルガナに向き直り、今伝えるべきことを伝える。

 

「止めてももう遅いよ…。

これは多分…俺じゃどうにもならない…。

俺は恐らく何もできない…!!

 

 

だから、みんなに託す…!

 

 

 

モルガナ、みんなを頼んだぞ…!!」

「…!!」

モルガナがただ、立ち止まる中俺は最後の力を振り絞り、グレーのベストの上から黒いロングコートを羽織り、下は黒いスラックスと茶色の尖ったブーツ、顔には白いドミノマスクといった出で立ちの怪盗服へ変身し、新たに術式を唱える。

 

 

 

 

 

「システムコール・ムーヴ・ペルソナ《アルセーヌ》。

 

 

 

セルフトゥ…双葉!!!」

すると仮面が燃え蒼い炎となり、術式を唱えた相手…双葉の家の方向へと向かっていった。

 

それを見届けた俺の力は限界に達し、腕の力が抜け手が掴んでいたものから離れていく。

 

「…レン…!」

「…モルガナ、ごめん。けど…みんなならきっと、俺の元に辿り着けるって信じてる。

 

 

 

 

 

 

その時まで…ずっと…待ってるから

何もできず、絶望に打ちひしがれるモルガナに俺は微笑みながら、そう言い残す。

 

そして俺は流れるままに身を任せ、ホールに呑まれる瞬間に意識を手放した。

 

意識を手放す直前、モルガナの悲痛な叫び声が聞こえた気がする…。

 

 

「…レンーーーー!!!!」

 

 

 

ごめん、■■■。力を貸してくれたのに、こんな結果になってしまって。

 

 

 

みんな…すまない。俺のせいで、また新たな事件に巻き込んでしまうかもしれない。

何もできない自分を許してほしい。

 

 

 

でも…信じてる。

 

いつか、みんなが俺がいる場所に辿り着いて、この事態を解決に導くことを。

 

 

 

だから…みんなに《この力》を託す。

 

 

 

きっと、みんななら《この力》を使いこなせる。

 

 

 

頼んだぞ…!みんな…!!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

ー純喫茶ルブランー

 

side双葉

 

「蓮のやつ、まだかなー」

「そんなに焦んな。

あいつからもうすぐ来るって連絡入ってただろ?」

「だってさー、また今日から蓮がうちに来るんだぞ!!

家族全員が揃う日ってめでたいだろ!!」

「そーだけどよ…」

「あ、そーじろー照れ隠ししてる。

ホントはそーじろーも嬉しい癖に」

「うるせぇ、そんなに楽しみなら大人しく待ってろ」

 

高校生

ーーー佐倉双葉

ーーーーアルカナ『隠者』

ーーーーーペルソナ『ネクロノミコン』

ーーーーーー『ナビ』

 

純喫茶ルブラン店主

ーーー佐倉惣治郎

ーーーーアルカナ『法王』

 

私の名前は《佐倉双葉》!!

今はルブランのいつもの定位置(カウンター)で、のんびりとスマホ弄りながら過ごしている。

 

なーぜーなーら!!蓮がまた今日からルブランの屋根裏部屋に住むからだ!!!

 

また一緒に暮らせるんだな…。家は違うけど。

コンパスの世界でもいつでも会えるけど、やっぱこの世界で…このルブランで、私、そーじろー、蓮、そしてモルガナ。この全員が揃うのが一番だ。

 

だって、私達は家族だからな!

 

「蓮のカレーまた食べたいなー」

「久々に来る蓮はともかく、お前はいつも食ってるだろ…」

「ここで食べることにも意味があるんだよ!!

「はいはい」

 

私は、今日をこの日をずっと心待ちにしていたんだ。

 

コンパスのシェアハウスじゃなくて、こっちの世界で久しぶりに私達家族が揃う日を。

 

だけど…それが叶うことはなかった。

 

その事実を知るきっかけになったのは、ドアが開き来客を来たことを告げるベルだった。

 

でも、それは同時に悲しみと新たな戦いを告げる音でもあったことをこの後、私は知ることになる。

 

 

 

 

 

 

〜カランカラン♪

 

「あっ!来た!!」

ルブランのドアが開くベルが鳴り、私は蓮が来た!!って思って玄関まで駆け寄ったんだけど…。

 

 

 

 

「…」

玄関には何故か蓮は居らず、代わりに足下を見ると顔を俯かせたまま佇んでいた黒いかた…モナがいた。

 

 

 

どーゆーこと?

困惑しながらも、私は幾つかの可能性を考えてしゃがんでモナに目線を合わせて話しかける。

頭の中に浮かんだ可能性は、最悪の可能性もよぎっている。

 

 

 

嫌な予感しかしないし、何か心がざわざわするというか…さっきから何か入り込んでる感じがする。

 

 

 

お願いだから…当たんないでくれ!!

 

 

 

 

 

「え、モナ1人?いや、一匹か。

蓮はどーしたんだ?遅れてくるのか?

 

どうせ、夏休みの仕返しのつもりだな?

私は騙されないぞ?」

私はさっき考えていたことを敢えて表に出さず、いつものテンションでモナに話しかける。

 

モナと蓮が考えたサプライズの可能性もあるし…。こっちがいつも通りにしなきゃ、2人だって困惑するだろ?

 

けど、そんな考えは秒で打ち砕かれた。

 

 

 

「…フタバ……」

「…モナ?」

モナの様子がおかしい。

いつもの威勢のいい張りはどこ行ったのか、少年のような鳴き声は震え、弱々しくなっていた。

それに、いつもなら煽っても言い返してくるけどそれがない。

 

どう見ても…元気が無い…。

それに、蓮がまだ姿を現さないのも引っかかる。

 

「おい、双葉、何があったん…

 

…!?おい、なんでモルガナだけなんだ!?蓮はどうした!?」

そーじろーも、私達の様子がどーにも変なのを察してこっちへ来て、モナの様子を見た途端に険しい顔になった。

 

「モナ、何があったか話してくれないか?

蓮に何があったんだ?」

私はモナを持ち上げて、顔をこっちに強制的に近づけさせる。

すると、モナの目の辺りから一粒の涙が溢れ落ちるのがわかった。

そして、モナは顔を上げてこっちを見上げた。

 

 

「…フタバ……ッ…」

その顔は…いつもの威勢はどこへやら、今までで見たことがないくらい涙が溢れていて、どこか悲しく、弱々しい感じになっていた。

瞳からも光が消えて、生気を感じなかった。

 

モナは力の抜けた状態で肉球を私の顔に押し付ける。

そして、いつもよりも弱弱しく震える声で、私達にあることを告げた。

 

 

レンが…レンが…消えたんだ…!!

 

 

 

 

 

 

 

ワガハイの目の前で…!!

 

 

「…!!」

「…嘘だろ…!?」

 

 

 

蓮がモナの目の前で消えた。

その事実は私達の心に暗い影を落とすには充分だった。

 

私はショックで言葉を失い、そーじろーは頭を抱え顔を俯かせたまま一言も喋らなかった。

 

 

だけど、目の前でその瞬間を見たモナは私達よりもずっと、心が暗い筈だ…。

 

「ワガハイが猫の姿じゃなきゃ…あの姿になれてれば…ペルソナを使えたら…!!レンを彼処から助け出せたかもしれないのに…!!

 

ワガハイ何もできなかった…!!

ただ、あいつが攫われるとこを見るしかできなかった…!!

 

フタバ…すまない。ワガハイのせいだ…」

「…モナ…」

私はただ泣いて、ひたすら自分を責めているモナを見てなんて声をかけたらいいかわからず、彼の小さくて黒い体を抱きしめるしかできなかった。

 

生死は分からない…。けど、モナに起きた状況は同じだ…。

 

私が目の前でお母さんを喪った時と…。

 

同じ状況を経験してる…。なのに、何も言葉が出ない…。くそ…。

 

 

 

こういう時、私はどうすればいいんだ…?

私にできることはないのか?

 

誰か…教えてくれよ…!!

 

蓮…なぁ…なんで何も言わずにいなくなっちゃうんだよ…!!

モナを、そーじろーを、私を、みんな勝手に残して…!

 

何処にいるんだ…蓮…!!

 

 

 

NEXT⇒#0.5『手掛かりへの片道切符』

 




というわけで、初っ端からジョーカー失踪というハードな展開です。
特にモルガナ…本当にすまん。

今回は前半蓮視点、後半双葉ちゃん視点でお届けしました。
理由としては主人公のバトンが、蓮から双葉ちゃんに託されるという意味を込めているからです。

というわけで、次回からこの物語のP5側の主人公は双葉ちゃんにバトンタッチです。
双葉ちゃんを主人公にした理由としては、ソラちゃん達と年が近いのが彼女であること、推しである等…色々です。

さらっと、キリトくん達や敦くん達の名前が出てきましたが、あらすじにも書いた通り、怪盗団、キリトくん達と敦くん達はコンパスの世界を通じて知り合っています。

更に、怪盗団とキリトくん達はメモデフのP5Rコラボで知り合い、一度その記憶を失ったがコンパスで再会して記憶を取り戻したという設定です。

ジョーカーが神聖術使える理由、彼が双葉ちゃん達に託した力は後の話で明かす予定です。
ヒントは彼が唱えた術式です。

一応SAOを知らない方の為に解説しますと、神聖術はSAOのとある世界に出てくる魔法みたいなもので、その世界のプログラムコードが術式となっています。
術式は全部英語なので、ジョーカーが唱えた術式を日本語に訳すとある程度わかります。

さて、蓮が失踪し残された仲間たちはどうするのか…。
次回もお楽しみ。
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