PERSONA5 THE SKY 〜Phantom Thief and Hero Girl〜   作:ぎんすた

3 / 4
前回の投稿から約2ヶ月半…
またまた投稿が遅くなって申し訳ございません。

モチベ低下もそうなんですが、モンストで念願のP5Rコラボが開催されてそっちに専念していたのでそれで投稿が遅くなってしまいました。

無事にガチャ、配布両方で怪盗団全員を揃えることができました。(オーブ課金はしていません)
皆さんは目当てのキャラを当てることができましたか?
コラボをやっていた皆様は是非感想欄で教えていただけると幸いです。
唯一心残りなのは、ラヴェンツァに勝てなかったことぐらい…。

そして、れんれんのよくある10股設定にするかしないか問題。
自分はやるか?
多分聞かれると思ったので予め言っておきます。

A:しません。

見てる分には面白いし、ゲームで実際にやるとしても3周目とかでやっておおいに笑いたいけど(ゲス顔)、自分で書くとしたらやりたく無いな…というのが本音です。

あと、推しは絶対に精神的に傷つけたくない。
(創作は別です)

街キャラバンのコンパスニュース見ましたが、ポプテピコラボは予想外すぎました…。
怪盗とか黒の剣士とか色々いるのにあの二人が来るとかバトアリが更に混沌となる予感しかしない…。

あと、P5発売9周年おめでとうございます!!
来年は10周年ですね…。

さて、今回はいよいよ旅立ち。
ひろプリキャラは今回も出ません、次回からです。
まだまだ、ペルソナ世界でのターン。

けど、今回でペルソナの世界とは一旦サラダバーです。

でば、どうぞ。


#0.5 手掛かりへの片道切符:旅立ち、新たな世界へ

双葉side

 

ー四軒茶屋・とある路地裏ー

 

昼過ぎ、わたし達はアンタッチャブルの近くにある『牢獄への扉』でラヴェンツァと待ち合わせして、彼女に案内されるがままに四軒茶屋の路地裏へ移動した。

ちなみにモナはモナが入れられるように鏡花が改造してくれたわたしのリュックの中だ。

 

ホントは蓮の鞄を使うことを考えてたけど、わたしの筋力が肩が重さに耐えられず数時間でギブアップするので、負担を軽減できるリュックになった。

ちなみにベルトは太いからしっかりしてるし、モナが入っても余裕で背負えるすげーリュックだ!

 

『………………………』

路地裏に入り、目の前に入った景色に思わず言葉を失うわたしたち一行。

 

それもそのはず。

目の前に広がっていたのは…

 

 

 

 

 

 

なんの変哲もない路地裏で眩い光を放つ、キラキラした紫色のゲートだった。

 

「昨日レンを攫ったワームホールとは違う…!?

別のやつが開いたのか?」

「モルガナが仰っていたのは“虹色”でしたよね?

ですが…」

「見てないけど明らかに違う!

こっちは紫だし、なんかこう…めっちゃキラキラしてる!!」

上からモナ、アリス、杏がゲートを見た感想。

 

モナの反応から見て、虹色とは違うキラキラ輝く紫、そしてワームホールとは違うトンネル型。

そして、ラヴェンツァがここに案内してきたってことは…

 

 

「これってもしかして…

昨日言ってた向こうの世界へ行く手段か?」

 

「その通りです。

 

詳細はまだお伝えできませんが、

これは消えたトリックスターの存在を探す貴方達のことを知った者が開いた、この世界と向こうの世界を繋ぐ唯一の扉です」

「なるほどなー」

昨日ラヴェンツァが言ってたことはこれだったんだな。

口で説明するよりも、見たほうが早いからこうしたって感じか。

 

 

「けど、こんだけキラキラしてて他の人が誤ってくぐったりしたらどーするんだ?」

「確かにな。

 

佐倉の言う通り雨宮に続いて、新たな失踪事件が起きる原因になりかねぇ」

 

路地裏でこんな光を放っているのは正直言うと異質だ。

 

善吉の言う通り、一般人が誤ってゲートを潜ったりしたら、大騒ぎどころの話じゃすまない。

それを懸念したわたしはラヴェンツァにそう尋ねた。

 

「ご安心を。

ゲートは私と貴方達、そしてトリックスターの協力者以外には見えないようになっています」

「そっか、それなら安心だ」

確かに、こんなゲートがほかの人に見えてたら今頃拡散されてるもんなー。

とにかく、懸念がなくなっただけでもよし。

 

けど…

 

「待てよ、ゲートを開いてくれるのはありがてぇけどよ…。

 

なんでそいつは俺らの為にゲートを開いたんだ?

何か理由があるんじゃねぇのか?」

竜司の言う通り、なんでその人は私達の為にゲートを開いたか。理由がわからかった。

 

それを聞いたラヴェンツァはあることを私達に話した。

 

「向こうの世界には今、そこでいう貴方達怪盗団のような『抗う者達』でも、止めることが敵わない破滅の危機が訪れようとしています」

 

「向こうの世界にも、あたし達みたいな人がいるの!?」

「その者たちが敵わない破滅と、俺達にゲートを開いた理由が関係しているということか」

向こうの世界の破滅の危機、そしてそこにいる私達のように破滅に抗う者達の存在。それに杏と裕介が反応を示す。

それを見てラヴェンツァは話を続けた。

 

「はい。

ゲートを開いた者は、曾て同じく破滅の危機を乗り越えた怪盗団、そして怪盗団と行動を共にする、異なる世界の同士であり仲間……。

 

つまり、貴方達に助けを求めています。

 

 

 

私達の世界の『抗う者達』をどうしようにもない破滅の危機から助け、その者たちと共にその世界を救ってほしい』と」

 

「つまりそれって…」

「取引ってことだな」

すみれと私のリュックに入っていたモナが目を合わせる。

 

取引の内容は、依頼を引き受けてもらう代わりに、そこに行くためのゲートの用意するって感じか?

 

「蓮を探すに加えて、向こうの世界も救う…。

厄介なクエストになりそうだな、こりゃ…」

「けど、蓮を助ける為にはやるしか無いよ。

怪盗団だけじゃなくて僕達だって、理不尽や破滅の危機を何回も乗り切ってきたよね?

 

気持ちはわかるけど…

僕達にとって、こういう感じのクエストが立ち塞がるのって今更じゃないかな?」

依頼内容を理解したキリトはその難解さに思わず苦い顔を浮かべる。

それに対して、左隣に隣にいた敦は楽しそうに微笑んだ。

(右隣にはアスナがいる。)

 

 

「敦、お前楽しそうだな…。

太宰さんや蓮の影響、もろに受けてないか?」

「そうかな?

確かに太宰さんや蓮、勿論キリトにも会って、僕も色々変われたかな…とは思うけど…」

「にしても、影響受けすぎだろ。

けど…確かに、俺達はこういうのと切っても切れないのかもな…正直不服だけど。

天人五衰のアレみたいな事件は二度とお断りだけどな」

色々とあっけらかんとし無自覚な敦にキリトは呆れ、数ヶ月前に私達も巻き込まれ…

 

いや、自分たちから首を突っ込んだ、敦達の世界が最大の危機に陥った事件『天人五衰事件』を思い出し苦笑いしていた。

あれは大変だったな…。

 

何があったかは詳しく話すと長くなるからまた今度で…。

 

 

「…みんなはこの取引、乗るか?

私は悪くない取引だと思う」

私はこの取引を引き受けるかどうか、みんなに問いかける。

 

実際、この取引は私にとっては手から出るほど有り難いものだった。

 

蓮がいると思わしき世界への移動手段がこれしかない以上、条件が大変なものだとしても引き受けない選択肢は最初からない。

 

けど、怪盗団のルールは全会一致。

一人でも反対が出れば取引を呑めない。

 

だから、私は皆の意志を確かめる。

 

「私は乗る。

手段がこれしかないなら断る理由はない。

それに、人を救うのが探偵社員の仕事だから」

「当たりめぇだろ!

俺達、何度世界を救ってきたと思ってんだ!?

今回だって蓮も異世界も、全部助けてやるよ!!」

鏡花、竜司がすぐに賛成し、他のみんなも反対の意を示さずに乗る意志を示し全会一致が果たされた。

 

気持ちは同じみたいだ。

 

「全会一致、だな!

ということだからラヴェンツァ、私達はこの取引に乗るぞ!」

「皆様、流石の決断の速さです。

 

 

この取引に乗るということは、皆様にはこの先待ち受ける『破滅』に抗う覚悟がある。

 

ということでよろしいですね?」

ラヴェンツァは私達の選択を聞いて微笑んだ後、真剣な表情となり私達に覚悟を問う。

 

私は後ろのみんなを確認する。

全員…答えはイエスだ。

 

「勿論、そう受け取っていいぞ」

「 かしこまりました。

では、準備が出来次第またここにいらしてください。

 

ただ、一つ注意事項があります。

 

このトンネルは向こうの世界とこちらの世界の時間間隔がずれている関係で、一定間隔を開けて数人ずつ潜らないと負荷がかかり消えてしまいます。

 

 

 

 

 

なので、”最初に誰が行くか“を皆様の中で慎重に選んでください」

 

「…!つまり、全員一斉には行けないってことか…」

『…!!』

向こうの世界には最初から全員行けず、しかも最初に行った奴は仲間にも頼れない知らない世界で、ゼロから積み上げていくことを強いられる。

 

つまり、暫くの間は強制ソロorペアプレイだ。

 

かなり重いリスクを背負うことを知った私達の間に重い空気が流れる。

 

「一人で行った場合は、向こうの世界の理解者を見つけるまで誰にも頼れない。

しかも、他のやつが来るまでの下地を作らなければならない。

 

本音を言えば俺も今すぐ向こうへ向かいたいが…慎重に決めなければならないな」

「蓮くんを助けたいって言っても、リスクを背負うとなるとどうしても後手に回っちゃうよね…。

ソロプレイに慣れてたり、こういうの得意な人は上手くやりそうだけど…」

 

裕介とアスナがそれぞれの考えを述べ、キリトの方を見る。

それに気づいたキリトは「なんで最初から俺が立候補する前提なんだよ」と苦虫を噛んだような顔で返した。

 

「俺だって、正直今すぐ蓮を助けに行って現地で色々調べたいし、もし行くのなら対人関係は上手くいくかわかんないけど…UWの経験とか活かしてなんとかやってみるつもりだよ。

 

けど…俺は最初の一人には立候補できない

 

「!…何故だ?」

「こういうの、真っ先に立候補しそうじゃん!」

「貴様…何のつもりだ」

「キリトくん…」

キリトから返ってきた意外な答えに裕介と杏は驚きの声をあげ、芥川は返答次第では斬りつけると言わんばかりに睨みつけ、アスナは心配そうな顔で彼を見つめた。

 

キリトはそんな裕介達をよそに、理由を続けて話した。

 

「俺には、この世界に残ってやらなくちゃならないことがある。

詳細はまだ言えない…。だけど、必ず蓮を助けるって気持ちは変わらない。

 

必ず、後からそっちに合流するからそれまではみんなに任せたい。頼む!」

そう言って、キリトは頭を下げた。

 

「そういうことなら、先ずキリトは後から合流する組ってことでいいのね?」

「真、それであってる。

副リーダーに任命されたばっかなのにすまない」

「大丈夫よ、それくらい」

「私も全然問題ないぞ」

やらなくちゃならないことが何なのかは気になるけど、取り敢えずキリトは後から合流する組に回ることになった。

 

他にも善吉が警察の仕事、アスナ達VRゲー組がキリトの付き添い、すみれがクラブのコーチに事情を説明して休みを貰うため、敦、鏡花、芥川も同じく自身の職場への説明の為に後から合流する組に回ることになった。

 

そして、話は最初に誰が行くかに戻る…。

 

「で、どうする?

俺らの中から最初に行くやつを決めなきゃいけねーだろ」

「モルガナは?こういうの最初に立候補しそうな気がするんだけど…」

 

杏がわたしのリュックの中にいたモナに視線を向ける。

 

当のモナは、リュックの中に丸まっている。

けど杏の視線に気づいたのか、顔をあっちに向けて口を開いた。

 

「ワガハイは…少し気持ちを整理したい。

レンが攫われて何もできなかった時のショックから、正直立ち直れたってわけじゃねぇ…。

 

今でも目を閉じると、あの光景が鮮明に蘇ってくるんだ。

 

実際レンがあの時鞄ごと投げなきゃ、ワガハイも同じ目にあっていた。

ワガハイが同じ立場だったとしても、同じことをしていたかもしれない…。

 

それでも一番側にいたのに、レンがあの時様子がおかしいってわかってたのに…ああなる前にレンを守れなかったのか凄く……悔しいんだよ…!!

 

そんなワガハイが今最初に行っても、今まで通りにできるか正直わからない」

そう言ってモナはリュックから飛び出して、こっちに向き直るようにしゃがんだ。

 

「だからワガハイ、どんな想いでこの戦いに挑めばいいか考えたい。

答えを少しでもまとめることができたら、向こうへ行きたい」

「モルガナ…」

モナの目にはまだ迷いがあって、気持ちも回復していない。

だからこそ、最初に行くメンバーから降りたんだろう…。

 

 

 

わたしは…どうしようか。

 

ラヴェンツァは蓮がわたし達に『希望』を託したって言ってた。

 

なら…

 

「あのさ…」

わたしはおそるおそる手をあげる。

 

「ん?どうした、双葉」

「何か意見でもあるの?」

それに裕介、真をはじめとしてみんなが注目した。

わたしはみんなにさっき考えていたことを話した。

 

 

 

 

 

「最初に行く人、わたしじゃ駄目か?」

 

 

 

 

 

 

「双葉ちゃんが!?」

「お前がですか!?」

わたしが候補に名乗り出たことに、周りからは驚きの声が飛ぶ。

わたしの能力を考えたら、そりゃそうなるよな…。

 

「理由はちゃんとある。

ここに来る前にみんなに話した通り、わたしは蓮と同じベルベットルームの客人ってやつに選ばれた。

それと、蓮はわたしたちに《かけら》を託したんだけど…

 

蓮、みんなに託した《かけら》とは別にわたしに何か託してるっぽいんだ」

 

《かけら》とは別のもの?」

この場で初めて出された情報にシノンは耳を傾ける。

わたしはそれに答えるように続けた。

 

「モナが言ってたんだ。

攫われる直前にある神聖術の術式らしきものを唱えて、その対象にわたしを指定してたみたいなんだ」

「ああ、ワガハイこの耳で確かに聞いた。

セルフトゥ・フタバとか言ってた。

あれ、自分の何かを誰かに譲渡する際に用いるやつだろ?」

わたしがアイコンタクトで促すと、モナが神聖術に詳しいアリスに確認を取る。

 

「はい、モルガナの言う通りです」

それに対してアリスは、モナの推測が正しいことをきっぱりと断言した。

 

「客人に選ばれて、《かけら》の他に《もう一つの希望》をわたしに託した。

 

自分で言うのも何だけど…

蓮は、わたしに『自分の役割』を託したんじゃないかって思う。

理由はわかんないけど…」

アリスの確認が取れると、わたしは話を続ける。

みんなが見てる中、一歩踏み出し顔を上げる。

 

「なら能力が支援に特化してたとしても、わたしが最初に行ったほうがいい…いや、行かなきゃいけない。

 

それに言い出しっぺであり、今のリーダーはわたしだからな!」

そう言って腰に両手を当てて、ジョーカーのことを思い浮かべながら大胆不敵に笑ってみせた。

みんなを少しでも不安にさせない為に。

 

蓮が笑ってた時って、内心こういう感じだったんだろうな…。

 

「だとしても、どうするの?

自分自身で言ったように、貴方の能力は支援特化。

攻撃手段はあるにはあるけど、仲間ができるまでの戦闘はどう乗り切るつもりなの?」

 

ポコン

『それは心配ない。私がついているから大丈夫だ』

「ソフィアもこういってくれてるし、わたしも護身用に武器は持つつもりだ。

ALOで鍛えた剣術とGGOで磨いた銃の実力、いざとなったら見せてやる!」

そう言って、キリト達と再会してからやってるALOで養ってきたアインクラッド流の構えを取る。

ゲーム以下の実力しか出せなくても、身体は覚えてる筈だ。

 

「…正直色々心配だけど、双葉がそこまで言うなら仕方ねーな。

 

行ってこいよ、双葉。俺らが来るまでに死ぬんじゃねぇぞ!」

「竜司に言われなくてもわかってる!!

けど、サンキューな。わがまま聞いてくれて」

「おうよ!」

「知らない人にはついていかない?」

「ついてくか!!わたしは鏡花より子供か!!」

「私も竜司と同じ気持ちだけど…ソフィアもいるとはいえ、困ったらラヴェンツァを通じてでもいいから、必ず連絡するのよ」

「双葉先輩、私も必ずそっちいきますから。GO!ファイトです!!」

『双葉、困ったらいつでも言え。

私は人の良き友人だからな』

「みんな…!」

「佐倉、他のお前らもそうだが現地で怪盗行為以外で警察沙汰になるようなことは起こすなよ。

彼処で警察の協力者が出来たら話は別だが、異世界へ行ったら俺は警察官でもないただの一般人だ。フォローはできないぞ」

「それもわかってる!蓮を探せなくなるのは厄介だし、もし起きても証拠を残さないようにする!」

「そもそも起こすなって話だよ…」

 

こうして、最初に行くメンバーがわたしとソフィアに決まり、準備を整え次第出発することになった。

 

 

 

 

 

このことをそーじろーに真っ先に伝えたら…。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ールブランー

 

「はぁ!?双葉一人で!?しかも自分から言い出したのか!?」

 

 

「わたしだけじゃない!ソフィアもいる!!」

『惣治郎、腰抜かしてる。そんなに衝撃的だったのか』

 

案の定、そーじろーは腰を抜かした。

そりゃわたしがいきなり一人(正確にはソフィアと2人)で知らない場所行くってなったら、そーなるよな…。

一人で外出するのとはレベルが違うもん。

 

「当たり前だ。

帰ってきたと思ったら、いきなり蓮を探すために知らない異世界に行くとか言い出すんだぞ。驚かないやつがいるか!」

「そーじろー、だめか?

わたしは本気だ!!」

「私達もマスターの気持ちはわかるんですけど…双葉、本当にガチなんです」

「『自分が行かなきゃいけない』ってあんなマジな顔で言われたら傾くしかないっすわ…」

 

仲間のフォローも受けながら、わたしは行かせてもらえないか懇願する。

やっぱ一人じゃだめって言われるか…?

 

暫く唸るそーじろーの様子を横目に伺う。

 

すると、そーじろーは真剣な顔でこちらに顔を向けた。

 

「双葉、本当に一人で行く覚悟があるんだな?」

そーじろーは厳しい目でわたしに問う。

これ…ちゃんと答えないとダメなヤツだ。

 

⇒ある

………

 

「ある。じゃないと、ここまで言ってない!」

わたしはそーじろーの問いに覚悟を持ってそう答えた。

 

「………」

それを聞いたそーじろーは考え込み、暫く経って答えを出した。

 

「……大きくなったな、双葉。

つい1年半くらい前までは引きこもってた癖に、いつの間にそんなことまで言い出せるようになったなんて、今頃天国の若葉も泣いてんじゃねぇか?」

「…!じゃあ…!!」

 

 

 

「正直下手なことを言ったら、心を鬼にしてでもお前を止めるつもりだった。

蓮だけじゃなく、双葉まで同じ目にあったらたまったもんじゃねえからな。

 

けど、お前は俺が思った以上に強くなってた。

正直舐めてたわ。

 

…わかったよ、そこまで言うならその見知らぬ異世界ってやつに行ってこい」

 

 

「…そーじろー!!」

そーじろーから許しの返答を貰えたことにより、わたしは思わずカウンター越しなのを忘れてそーじろーに飛びつきそうになる。

直前に杏に止められたので事故は防いだが」

 

「おいおい、カウンター越しなのを忘れんなって…。

但し、途中で諦めて引き返したりしたら承知しねぇぞ。

行くんならちゃんと蓮を連れ戻して戻ってこい」

「当たり前だ!その為に行くからな!」

「あと、どんな方法でもいいからちゃんと定期的に連絡するのも忘れんな。

それも異世界へいく条件だ」

「らじゃー!」

「お前らも、こいつのことよろしく頼むわ」

『まかせろ。私は双葉のスマホにいるからいつでも一緒にいる』

「私達も後から必ず行くので任せてください」

 

 

「おう、頼むわ」

そーじろーに許可も貰って、後は出発の準備をするだけになった。

 

ーーーーーーーーー

 

ーアンタッチャブルー

 

「お、嬢ちゃんいらっしゃい。今日はひとりか?」

「ああ、ちょっと事情があってモデルガン買いに来た。いいのあるか?」

「ゆっくり見ていけ。丁度手ごろなやつを仕入れた」

「やったー!」

「ワガハイも色々見てやる!」

 

ーーーーーーーーーー

 

ー武見医院ー

 

「あなたが来た事情はわかった。まさか彼が…。

…今回、事情が事情だから特別に処方してあげる。

こっちの責任でもあるしね…

「?」

「なんでもない、独り言。

 

 

予め説明しておくけど、私の薬は『オリジナル』。

飲んで体調を崩しても自己責任。

 

まぁ彼を通じて私の薬の世話になっているのなら、そこら辺は承知の上だろうけど」

 

「…大丈夫だ、問題ない」

 

「わかった。じゃあ、どれが欲しい?」

 

ーーーーーーーーー

 

ー2日後・四軒茶屋 ゲート前ー

 

 

こうして2日経ち、異世界へ行く準備を整えたわたしは荷物をいっぱいに入れたリュックを背負い、ゲートの前に再び赴いた。

見送る為に、そーじろーやみんなも来ている。

 

ゲートの側にはラヴェンツァが相変わらず佇んでいた。

 

「ここに来たということは、準備は整えましたか?」

「バッチリだ!」

『同じく』

「双葉!ソフィア!私達もすぐそっちいくからね!」

「僕たちも探偵社でやることやってから必ず向かう!

時間かかるかもしれないけど…待ってて!」

「双葉、これは俺からの選別だ。しっかりやるんだぞ」

みんなが思い思いに声をかける中、そーじろーはあるものをわたしに渡した。

 

 

GET!

ルブランコーヒー(レトルト)×5

ルブランカレー(レトルト)×5

ルブランカレー、コーヒーのレシピ×1

 

「そーじろー…これ、ルブランカレーとコーヒーのレトルト!?あとレシピも!?」

「辛くなったらこれでも食べて元気出せ。

なくなったら自分で作れよ」

「そーじろー…!」

 

「私からこれを。

この世界と向こうの世界で連絡を取るために必要なアイテムです」

続いててラヴェンツァからも真ん中にピンクのボタンがついた、タブレットサイズの楕円形の鏡みたいなものが渡された。

ラヴェンツァは更にこれをみんなにも配った。

 

GET!

謎の鏡×1

 

「これ、何だ?」

《ミラーパッド》です。

これを使えばこちらの世界と向こうで連絡を取ることが可能となります。

但し、専用のエネルギーを消費する必要があり、そのエネルギー源は向こうの世界で調達しなければなりません」

「つまり、現地調達か…。

向こうついたら探せってことだな」

「左様です」

 

「んじゃあ、連絡取る時はそっちからするってことでいいか?」

「多分、そーなる」

「じゃあ、エネルギーが集まったら連絡入れてね」

「楽しみにしてる。もし新しい仲間ができたら紹介して」

「まかせろ!」

 

わたしはミラーパッドをひとまず鞄にしまい、ゲートの目の前に向かう。

入る前にラヴェンツァから未知の異世界について説明を受けた。

 

「双葉、これから行く世界は認知と現実の境界線が常にここより曖昧です。

そのことを常に念頭に入れておいてください」

「ここより曖昧…わかった。忠告、サンキュな」

ラヴェンツァの忠告に耳を傾けつつ、取り敢えずの別れの挨拶を告げるため、みんなのいる後ろを振り向いた。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ…行ってきます!!」

『いってきます』

そして、一時の別れの挨拶をみんなとこの世界に告げる。

 

「行ってらっしゃい!」

「フタバ、ソフィアも一緒だとはいえ無理すんなよ!

行ってこい!」

「必ずあいつも連れて、無事に帰って来い!

カレーとコーヒー、いつでも用意しといてやるよ!」

 

「…いくぞ!」

みんなからの返しを受け止めると、わたしはゲートの方へ向き直り中へ続く空間へと、足を踏み入れ飛び立った。

 

ーーーーーーーーーー

 

ーゲート内ー

 

ゲートへ飛び込んだ瞬間、浮遊感に襲われ身体が宇宙にいるような感覚に陥る。

 

「すげー…あ、おっとっと…」

ゲートの中は青くて、色々岩が転がっているような空間だった。

わたしは岩に注意しながら、空間の中を進んでいった。

 

『双葉、あれを見ろ!』

「あっ!」

暫く進んでいくと、眼鏡に仕込んだ小型カメラ越しに見ていたソフィアが何かに気づいたみたいで、わたしはそこに顔を向ける。

すると、向こうに一つの光が見えた。

 

「あれ…もしかしなくても出口か?」

『私もそう思う。他にそのようなものは見かけなかったから、そこに出れば目的の世界へ出れるかもしれない』

「分かりやすくてありがたいな!

じゃあ、彼処から出るぞ!」

わたしたちは出口らしき光を通り、空間の先へと出たのだった…。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー???ー

 

「ついたー!いざ、新天…

 

 

 

 

 

 

 

え?

空間を出ていざ、未知の異世界デビュー!!とその一歩を踏み出そうとした途端、足が地面についていないことに気づき、思わず辺りを見渡した。

 

 

「…は!?」

見渡すと180度全部空。

建物は足下よりずっと下。

おまけに地面についていない足。

 

 

 

 

 

 

 

おわかりだろうか。

わたしは今、

 

 

 

 

見知らぬ街の上空にいる。

 

 

 

 

 

「う…そ…だ…ろ?」

出る場所がランダムなのは予想ついてたけど、ここに出るのは予想外だぞ…!?

どうやって安全に落下しろって言うんだ…。

 

「…って、うぎゃああああああっ!!!」

今までにない状況で困惑していたら、わたしの身体は重力に従って落ちていった。

 

『パラシュート無しヘイローorハイホー降下ってやつだな。

やっほー』

「んなこと言ってる場合か!!

このままだとわたしたちまでお陀仏だ!」

ソフィアにツッコミをいれつつ、どうすればいいのかわからず落下してる中身体をあたふたさせる。

 

 

「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!しぬぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

 

 

 

 

佐倉双葉。

転移して早々転落死の危機に直面中…!!

 

 

 

 

 

パラシュートもない状況でどーすればいいんだよぉ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEXT⇒#1『 The encounter and the beginning』

 




ということで0.5話後編でした。
一応モンストのペルソナコラボ進めながらちまちま描き進めていましたが、先日モチベが出て勢いで書き進めちゃいました。
そーじろーさんの口調結構怪しいけど大丈夫かなぁ…。

まずゲートについてですが、アンダーク帝国のものとは完全に別物です。
その証拠に“キラキラ”してます。

誰が作ったのかは今はまだ明かせません。
ラヴェンツァはゲートを作った人物に頼まれて、ペルソナ世界とひろプリ世界を繋ぐ仲介役を担っています。
双葉達にひろプリ世界への道を予め示したのはその為です。

今回一番大変だったのは、誰がひろプリ世界へ行くかを決めるシーンです…。
竜司辺りは確実に立候補するだろうし、実際その場面が思い浮かんだけど、最初に行くキャラを双葉ちゃんとソフィアにしたかったので、そこにどう持っていくかでかなり悩みました…。
竜司ごめんな…暫く待っててくれ…!

そーじろーさんに許可取るシーンは絶対必要だと思ったので書き足しました。
双葉ちゃんが一人で旅立つのって、いくら彼女が本気でもそーじろーさん絶対心配するだろうし、あっさり許可を出すってイメージが思い浮かばなかったので…双葉ちゃんの覚悟を問うっていう形にしました。

あと、このシーンで地味に選択肢初登場。
双葉ちゃん主人公だから、どうしてもやりたかったのでここにねじ込みました。
今後も隙あらば入れる予定です。

そしてアンタッチャブルと武見医院で買い物するシーン。
アンタッチャブルのシーンはゲームで双葉ちゃんと岩井さんが出会う場面あったので、詳しく書きたかったんですけど…尺の都合で台詞のみのダイジェスト形式になりました。
気が向いたら書き直して加筆しようかな…(男性コープキャラの中で岩井さん、割と好きなので)。

武見さんの小声部分、気になった方いらっしゃるかもしれないですが…彼女は蓮の主治医だよということを今は念頭に入れ置いていただければ…。

そして、先行してひろプリからミラーパッドが初登場。
ラヴェンツァが説明している通り、双葉ちゃん達にとって今作では2つの世界を繋ぐ重要なアイテムの一つになります。(主に通信手段として。)
ミラーパッドは双葉ちゃん含め、怪盗団とSAO組、文スト組全員が所持している形です。

アイテムゲットの描写については、完全にペルソナ本編をそのまま意識してます。
わかりやすいし、何手に入れたか簡潔に説明できるから結構楽です…。

「う…そ…だ…ろ?」の言い方については今やってるとあるドラマの主人公の熱血刑事さんイメージです。
見ててP5とかなり親和性ありそうだったので、ネタだけでもやりたかった。

以上、0.5話後編の裏話でした。


そーじろーさんの口調大丈夫だろうか。


さて、次回から舞台はひろプリの世界へ!!
そして、ひろプリファンの皆様大変お待たせしました。
いよいよひろプリキャラ、次回から登場です!!

双葉とソラちゃん達がどう絡んでいくのか、お楽しみ。




さて、ここで本作オリジナルの設定をいくつが解説します。

・双葉達がALOやGGOをやっていることについて。
以前怪盗団はALOの中に生身で転移し、脱出の為に以前キリト達と共闘したことがあり、キリト達とコンパスで再会した後にプレイヤーとしてちゃんとアミュスフィアでALOを始めました。
(文スト組はキリト達に勧められたから。)

さらに、コンパスにはキリト達の参戦に伴いザ・シードが導入され、コンパスから延びている異なる世界同士のネットを繋げられる『異次元ネットワーク』を使うことで、別の世界からでもSAOの世界のゲームを遊ぶことが可能となっています。
怪盗団がALOを遊べている理由は主にこれです。


・『コンパス』アプリ設定について。
コンパスのヒーロー、及び関係者に支給されているアプリ。
これを使ってコンパスの空間に入ったり、異なる世界を行き来することができます。
尚、行き来できるのはコンパスにいるヒーローの出身地である世界のみ。

転移場所は任意で選択可能です。

蓮やキリトたちはこのアプリのを使うことでお互いの世界を行き来できるので、キリトや敦がよくルブランに泊まったり、逆に怪盗団メンバーがよくSAOの世界や文スト世界の横浜に遊びに行ったりしています。

今後も本作オリジナルの設定が出てきたらその都度作中や、後書きなどで解説していこうと思います。
何れ設定資料集にしてまとめるかも?

次回もお楽しみに。

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