いきつけのビデオ屋さんの店長達はパエトーンかもしれない。 作:とん6
パエトーンは色々と複雑なのかもしれない。
【数日後ー六分街Random-Play】
あの大恥事件から数日後、二人に呼び出された自分はスタッフルームで二人の正体、パエトーンとしての現状を説明されていた。
「えーっと…つまり二人はどっちもパエトーンでとある事情があってプロキシ業務をしているだけで特段犯悪事に加担するようなことはしてないと…」
「物凄く端折られたが…そのとおりだよ。とは言ってもパエトーンのアカウントは消えてしまったけどね。」
「治安局の方でもパエトーンを捕まえたって報告はない…結局、乗っ取ったやつらも捕まらなかったみたいだな。」
後ろでイアスを抱えながら聞いていたリンちゃんが、ずいっと迫って自分をみあげる。
「そ・ん・な・こ・と・よ・り!ユーリお兄さんなんで治安局の人ってこと黙ってたの!しかも私達の事前からパエトーンだってうたがってたみたいだし!」
「リンちゃん近い近い…そりゃ言えるわけないだろ、あの伝説のパエトーンを逮捕するチャn…冗談だから睨まないでくれ本当に」
「最初はインターノットの誰の目にも触れられてない書き込みだった。珍しくパエトーンのボンプを動画に撮ったとかなんだとかで上がっててな、そん時に写ってたのがイアスだったってわけだ。」
イアスの頬をつつく
「あの動画か…誰かに見られる前に消したと思ったんだけどね…」
「でもでも!イアスも店の子たちも旧式の凡用モデルだしそんな特徴ないよ!勿論イアスたちが一番だけどね!」
照れてるイアスを微笑ましく思いつつイアスの首元(?)のスカーフを取る。
「仕事柄か細かいところを見てしまう癖があってね、スカーフの番号、ほつれや破け、それに服の縫い目の位置…どこをどう見ても自分には動画の子はイアスにしか見えなかったってわけ。」
唖然とするアキラと、目をキラキラさせながらこちらをみるリンちゃん達。なんだその顔は…
「まるで本物の刑事のようだね…ユーリがこんな切れ者だったなんて思いもしなかったよ。」
「うんうん!まるで探偵映画に出てくるような推理だったよ!凄いねユーリお兄さん!!」
「自分のこと馬鹿だと思ってたのか?まあ邪兎屋のニコ・デマラが店に飛び込んできて普通にパエトーン呼びしてたのが確定した瞬間なんだが…」
一瞬で二人の顔が失望の顔に変わる…怖いぞ二人とも
「ニコの馬鹿〜〜〜〜〜〜……あれだけビデオ屋で呼ばないで!って言ってたのに!」
「とりあえず次会ったらお説教かな?それもこってりとね…」
ブツブツと、こわい笑みを浮かべる二人が落ち着くのをイアスをもちりながら待っていると、どうやら罰が決まったらしくいつもの二人に戻る。
「んじゃ、落ち着いたなら自分も帰るね、昼休憩も終わりの時間だし…またビデオ返しに来るからその時話そうぜ。」
「うん!ユーリお兄さんまたね!あ!今度はちゃんと返却期限守らないとだめだからね!」
手をひらひらさせてリンちゃんのお小言を流しつつ、店との外に出ると後ろからアキラが追いかけてきた。
「ユーリ…治安局の君に頼むことじゃないのはわかっているけど…僕達のことは」
「言わないよ、元から俺はパエトーン…というかプロキシを全員逮捕ってのは反対だったしな。」
「この前逮捕された詐欺まがいのプロキシ野郎もいれば、お前達みたいな善性の塊のようなプロキシもいる。まあケースバイケースってことだ。」
アキラの方に向き直るが、まだ信用には至ってないらしい。まあ俺だって同じ立場なら信用できない。
「俺は、邪兎屋のアンビーの質問に返したお前らの言葉を信頼したんだ…パエトーンとしても、アキラ、リンとしてもな。だからアキラも信頼してくれ…俺がお前達を信頼したように。」
数秒の沈黙の後、大きなため息をアキラがつく。どうやら信頼してくれたみたいだ。
「わかった…実際今の今まで誰にも言ってないみたいだしね、僕もユーリのことを信じるよ。」
「ありがとなアキラ、お前はやっぱり良い奴だよ…いろんな意味でな。何かあったらここに連絡してくれ、流石に大体的に助けてはやれないが…まあ何かしら協力はする。」
「本当かい?じゃあビデオ屋でも手伝ってもらおうかな?」
「そういうことじゃないからな??」
他愛もない会話をした後、駐在所に戻るとなにやらクマのシリオンが来ている。
「ンナ!ンナーナ!ンナ!ンナ!(ユーリさんどこ行ってたんですか!白祇重工の方がいらっしゃってますよ!)」
「おまたせして申し訳ありません、ユーリ・ブラッドレイ捜査官です。白祇重工の方が一体どういったご要件で…?」
立ち上がると、天井まで届きそうな大きさ、片目の傷や作業服も相まって正直に言うとめちゃくちゃ怖い。なんなら少し漏れそうな自分がいる。
「いやいや!お昼休憩の時間だろうにお邪魔したこちらが悪いのだから気にせずに!自分は白祇重工で人(熊)事財務兼資産管理責任者をやっているベン・ビガーだ…よろしく頼む」
「????よ、よろしくお願いしますベンさん。」
見た目と中身のギャップが激しすぎて脳の処理が追いつかなかった…いかんいかん!初めての対応なのだからしっかりしなくては…!
「実はだな…白祇重工は今、旧都地下鉄の改修プロジェクト入札に向けて色々と、準備をしているんだが…」
「えぇ知ってますよ、確かほぼヴィジョンと白祇重工の一騎打ちになるだろうとニュースでやっていましたね…」
「よく知っているな…さすが捜査官だ、そんなわけで俺達も今の時期は色々とピリついていてな、勿論仕事に手を抜いたりはしないが…少し問題があってそれを相談しに来たんだ。」
ふむ…大抵の問題なら張り手で解決できそうな重工が解決できない問題か…
「最近、俺達が入札に向けて荒波を立てれない事を知ってかちょっかいをかけてくるやつらがいてだな…普段なら他の奴等やアンドーがなんとかしてくれるんだが、今の時期に喧嘩沙汰はメディアも黙ってはいないだろう?」
「成る程…ならば白祇重工が今いる場所の巡回を増やしておきますね、それと私の連絡先を渡しておくので件の奴等が来たらすぐ連絡を…」
今の時期に、白祇重工にちょっかいをかけてくる奴等といえば恐らくヴィジョンに雇われたゴロツキだろう。新鋭気鋭の重工が、今ここで揉め事を起こせば入札どころではない…Tops入りを目指してるだけあって、噂通り手段を選ばないようだな。
「社長には治安局の手なんか借りなくてもいい!なんて言われてたんだが…話が早くて助かったブラッドレイ捜査官。」
「ユーリでいいですよビガーさん。地域の治安を守るのが我々の仕事ですから何でも頼ってくださいね。」
ほがらかな笑みを浮かべたベンさんをみてるとこっちまで気が抜けてしまいそうだ。
「なら俺もベンでいい、何かあったらアンドーか俺がすぐ連絡する。」
のそのそと、ドアをくぐり出ていくベンさんを見送った後、椅子に座り大きなため息をつく。
「ヴィジョングループが裏にいたら厄介なことになるぞこりゃ…ただのチンピラだけだといいが…」
ヴィジョンの金とコネはTops連中とまでは行かないがかなりのものだ、恐らく治安局内部にもコネはあるだろうから慎重に動かなくてはならない、駐在ということが幸いしたが…はてさてどうなることやら…
ベンさんいいですよね…見た目とのギャップがまじで好きでして、恐らくクレタのお弁当作ったのベンさんですよね?可愛すぎません?