いきつけのビデオ屋さんの店長達はパエトーンかもしれない。   作:とん6

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つったかたーはじめました


詰んだかもしれない。

 

 

 とりあえず溜まってた書類を片付け、夕日が沈みかけてるのを尻目に我々に支給された唯一の車両…もとい明らかに使い古された治安局用自転車にまたがり巡回を始める。

 

「んじゃヤン巡査あとは留守番頼むな…なんだそのまた留守番ですかって顔は…しょうがないだろ一人乗りの自転車しかねぇんだから!?」

 

「ンナンナ…ンナータ(ここまで長官に嫌われてるの最早ある意味才能かもしれませんね)」

 

このボンプ日に日に俺の扱いが悪くなってるし嫌味とか何処で覚えてんだ???

 

「るっせー!いいから留守番頼むぞ!無線はつけとけよな!」

 

「ンナンナー(はいはいお気をつけて〜)」

 

まるで作業のように手を振るポンプを忌々しく思いながら巡回ルートへと向かう。昔(数日前)は可愛かったのにどうしてあぁなってしまったのか…

 

「っと…ここが白鉄建設の作業場で…確か白祇重工の下請け会社だったか?」

 

暇してるヤンに調べさせると、数十秒でわかりやすくまとめられた内容が形態に送られてくる。まじでうちの巡査が優秀すぎるぜ…

 

「(社員は七十名…元々はマタガミ建設の一部門だったのが財閥没落と同時に買収…右往曲折あって人が減りながらも独立…か)」

 

「白祇重工とは先代からの付き合いで持ちつ持たれつの関係だった…よくここまで調べたなあいつ」

 

これは帰りにアイスでも買ってってやるか?そういや食えねーか…ま、電池でいいだろ

 

「特に変わったこともねぇな?中は警備員がいるから問題ないだろうし…んじゃ次だ」

 

エッサホイサと自転車を漕ぎ、いくつかの建設現場を見て回るが夜間工事をしている所も含めて揉めてる様子もない…今日に限って空振りか?

 

「白祇重工は…全員定時退社?おいおいおいおい…治安局も見習ってくれ…休日出勤とか多過ぎるぞ」

 

だめだこれ以上は治安局の悪口大会が始まってしまう…一度甘いもんでも飲んで落ち着かなければ…

近くのコンビニに向かいミルクティーを探す。お、あったあった…

 

「糖分補給しなきゃやってらんね〜ってな」

 

同時に、横から伸びてきた手がミルクティーの眼の前で止まる。

 

「「あ?」」

 

「おっと悪いな、なにか取るのか?ほらよ」

 

華麗な大人の対応を見せつけドアを開けてやる…なんて子供に優しいんだ…まさしく治安局員の鏡…!

 

「お、わりーな治安局のにーちゃん…んじゃ」

 

あろうことかミルクティーを取ろうとする腕を掴み止める。

 

「お嬢ちゃん今おにーさんはね?治安局の激務が大変で糖分補給したいんだよわかる?わかるよね?でミルクティーは一本しかない…なんてことだ!さ、答えはわかっただろ?」

 

「ん、ほらよ」

 

隣りにあったブラックコーヒーを渡し、去ろうとするこのオレンジ髪のクソガキは…

 

「ガキ待てコラ、聞いてたか?俺はこれを飲みたい。君はこれを治安局のおにーさんに譲る。おーけー?」

 

「けちくせー野郎だなたかがミルクティーの一本や二本じゃねぇか」

 

ぶっ飛ばしてぇ…なんだこの眼帯つけやがって中二病か?漆黒のダークナイトフェニックスか?

 

「お前みたいなガキと違ってこっちは忙しいんだよ…ほらさっさと渡せ」

 

「あたしはガキじゃねぇ!」

 

「かぁ~!顔を真っ赤にして怒鳴るやつのどこが大人なんだよガキじゃねぇかガキが!」

 

「んだとてめぇ!」

 

「お前もう19時だぞ家どこだ?さっさとガキは、夜にこんなの飲んでないで飯食って勉強してねとけ?」

 

「だからガキ扱いすんじゃねぇ!ぶっ飛ばすぞ!!!」

 

ヒートアップするのもいいが、そろそろ店員にバレてしまうので奥の手を使おう…

 

「あ!スターライトナイトがクマのシリオンと戦ってる!」

 

「おいどこだ?!」

 

馬鹿が…!所詮はガキなんてスターライトナイトの名前を出せば一発なんだよ…!

窓の外を見てるガキを尻目にさっさと会計して外に出る。やっと気づいたのか追いかけてくるがもう遅い!

 

「あばよガキンチョ!もう会うことはねぇだろうが己の知恵の足りなさを呪うんだな!」

 

「てめぇ絶対にぶっ飛ばしてやるかなー!!!!!」

 

物騒な言葉も所詮はガキの脅し…なんも怖くねぇな!と馬鹿やって飲むミルクティーは格別の味だった…が結局問題のちょっかいをかけてくる奴等ってのは見つけられなかったし、手がかりなんて勿論一つも集まらなかった。

 

「まあまた明日だな…現場を押さえられるのが一番だが…裏まで探れるかは半々だな…」

 

駐在所の脇に自転車を止め、中に入るとヤン巡査がお茶をもってきてくれている。言葉の火力が高い以外は完璧なボンプだな本当に…

 

「そういやベンさんからメール来てたらしいな?」

 

「ンナンナ!ンナーンナンナンナ!(今回の件を頼むにあたって他の幹部の方とも顔を合わせておいたほうがいいとのことで、明日の昼頃に白祇重工の拠点までこれないかってことらしいです。)」

 

「そりゃありがたいが、白祇の社長か…見たことないな…二代目らしいが案外ベンさんが中身あんなだしインテリ兄ちゃんかもな。」

 

なんて思っていたときが私にもありました…………

 

「よぉ…治安局のにーちゃん…昨日ぶりだなぁ?」

 

「社長何処かで会ってたのか?会ったことあるなら知ってると思うがクレタ・ベロボーグ、うちの白祇重工を纏める社長だ。」

 

あのクソガキが社長…?これは夢か?夢だよな?夢であってくれ…

 

「どうした治安局のにーちゃんそんな青ざめた顔して…糖分補給したほうがいいんじゃねぇか?」

 

肩を何度も強く叩かれ、ヒビが入りそうな感覚になりながらなんとか意識を保ち覗き込む顔を見rあ、駄目だ終わった…すげー怒ってる…

 

「い、いえ職務中なので…はい…」

 

「そーかそーか昨日も職務中だったんだから気にすんなよ!なぁ?」

 

「ヒェッ…あのほんとすいませんでした…」

 

「?どうしたんだユーリ本当に顔色が悪いぞ」

 

心配そうに見てくるベンさんに、逆に胃を痛めながらどう乗り切るか考えてるとガキ改めクレタが笑い出す。

 

「ぷっ…あはははははは!!ジョーダンだよ治安局のにーちゃん!そんな青ざめた顔すんなって」

 

「へ…?」

 

嘘…助かる?助かるの?

 

「あたしの心はそんな狭くねぇ!たかだかミルクティー一本くらいでキレるわけねぇだろ!」

 

「ア、ヨカッt「だが」え…?」

 

「アタシをガキ扱いしてチビとも言ったやつは…ぶん殴らねぇとなぁ…」

 

あ、駄目だ詰んだわ…

 

「歯ぁくいしばれ!!!!!!!!!!!!」

 

拝啓、エーテリアスになったであろうお袋、親父…子供をなめるのって本当によくないですね。このまま私も星になりそうです。

 

鈍い音が白祇重工に響き、ユーリが次に目を覚ましたのは数時間後であった…

 

 




ユーリくんはガキのこと雑に扱うけど逆にガキに好かれるタイプのおにーさんです。なおクレタはガキではないため見事にしばかれた模様。
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