いきつけのビデオ屋さんの店長達はパエトーンかもしれない。 作:とん6
目が覚めるとそこは知らない天井だった…
「頭蓋骨が割れたかのように痛い…」
まさかあのチ…クレタが白祇重工の社長だなんて思いもしなかったぞ…。
「お、やーっと起きたか…治安局ってやつは軟なやつしかいねぇのか?」
「悪かったな軟なやつで…!あ、申し訳ありませんでしたね軟な人で!」
「今更おせーよ!素のほうが話しやすいし気にすんな」
「で…どこだここは」
明らかにインスタントの珈琲を飲みながら辺りを見回す。プレハブ小屋のようだが…白祇の事務小屋か?
「客に対して色々あったからって殴るなとかなんとかってベンのやつが怒ってよ、罰として起きるまであたしが看病する羽目になったんだよ…ったく何であたしが」
なんて優しいくまさんなんだろうベンさんは…ここまで優しいくまさん初めてみたぜ…女だったら絶対に惚れてる間違いない。
「そっかチ…社長がわざわざ…悪かったな勘違いしてたとは言え」
「クレタでいい、それになんつーかアタシも少しやりすぎちまったしな!お互い様ってことで水に流そうぜ治安局のにーちゃん」
にっ、と笑い方を叩いてくるクレタ…なんというか社長としての器を見せつけられたような気がするが…そこまで悪い気もしない。
「おう!気絶する前も言ったがユーリ・ブラッドレイ、今は駐在員なんかやってっけど特務班っていうエリート部隊所属だったから色々頼ってくれよな。」
「それで頼みてぇ事なんだが…ともうこんな時間か。治安局のにーちゃん昼まだだろ?食いながらでも話そうぜ。」
「ん…そうだな」
重工内の購買でサンドイッチと茶を買って戻ると三段に重なれた弁当が目に付く
「よく食うねぇ…まあ体力仕事ならそりゃそうか」
「いいだろ別に、ほら食おうぜ」
サンドイッチを茶で流しながら美味そうに食べるクレタを見る…こう見るとただの可愛いガキンチョなんだがなぁ…
「ベンから聞いてるだろーが…うちは今旧都地下鉄の改修プロジェクト入札に向けて色々と準備してる段階だ。勿論持てる力で全力でやるつもりなんだ…が」
「ここ最近になってホロウ内の重工担当エリアにホロウレイダーがちょっかいをかけ始めてること8回…ホロウ外に至っては倍らしいな?」
ヤンから送られてきた資料をスマホで確認しながらフルーツサンドをかじる。
「赤牙の残党もいれば関係ないチンピラまで…どいつもこいつも捕まえ話を聞いても金で雇われたとしか言わないし大元のことも知らないだろうな。」
「考えたくはねーけど…今うちにちょっかいをかけて利がある奴等はビジョンコーポレーションの奴等しか思いつかねぇんだ…勿論そんな事は同業者としてあってほしくはねーけどな」
言動に対して中身は子供だ…優しすぎるんだこの社長さんは
「確証がないと治安局に大体的な捜査はできない…相談してくれたのはありがたかったが…俺にできるの精々巡回を増やして入札日まで警戒することだけだ」
「わりぃな治安局のにーちゃんに迷惑かけて。相談を聞いてくれただけでもありがたいってもんだ!」
ニッと笑うクレタをデコピンして立ち上がる
「最後まで話を聞けチビ…俺は何としても特務班に戻るために手柄がいるし、俺は正義実直のお巡りさんでもない。わるーい大人ってやつだ」
「だから俺は治安局の規則なんてもんは知らねぇ!手を組もうぜクレタ・ベロボーグ…治安局のお巡りさんじゃなく俺とだ。手柄のためにそしてお前は大切な社員たちの為に…悪いやつになる覚悟はあるか?」
「……………チビっていうな」
「いいか!アタシはお前みたいな悪い大人ってやつが大っきらいだ!反吐が出るし手を組むなんて考えるわけがねぇ…!」
「だけど、あたしは今にーちゃんを信用しただから手を組んでやる!あたしと手を組んだなら死ぬ気でやってもらうぞにーちゃん!」
「あったりまえだろ俺は犯罪検挙率100%だぞ(上司が検挙率100%のエリートのため)」
おいそこ!怪訝な目で訝しむんじゃない!!
「と、とりあえず俺は俺の伝手で色々当たってみるからクレタは社員の奴等を押さえること…いいな?」
「おう、こっちでも調べてみるから何かあったら知らせる…連絡先交換しとこうぜ」
「ん…そういや」
携帯を弄るクレタを見ながらふと気になったことを聞いてみる。
「甘いもん好きなのか?」
「んなわけねぇだろ!ガキじゃねぇんだからよ」
「いや俺好きだし…あれ知ってるかルミナススクエアのパンケーキ屋」
ぴくっと反応するクレタ…ははぁこいつさては…
「ふわふわのパンケーキの上にこれでもかとクリームとフルーツがのっかってこれがうまいのなんの…おいヨダレでてるぞおい…」
「はっ!?そんなの聞きゃ誰だって食いたいに決まってんだろーが!こ、好物じゃねぇけど!」
「はいはい大人大人…なら今度行かないか?まあなんだ詫びも兼ねて今後の関係のためにもな」
「ま、まぁユーリがどうしても行きてぇってんならしゃあねぇな!あたしは別に好物じゃないが?今後のためにはしゃあねぇ!うんうん!」
「ソウデスネー」
さて…あの人に頼るしかないかぁ〜〜〜〜ヤダなぁ…………………
なおユーリくんも普段は人目が気になりすぎて一人でパンケーを食いに行けないのは秘密だぞ!