いきつけのビデオ屋さんの店長達はパエトーンかもしれない。 作:とん6
【六分街RandomPlay】
「おいおいおいおい…パエトーン話が違うんじゃあないか?僕はあんぱん三個頼んだんだぜ?だがここにあるのは一個…考えられるのは俺の呂律がおかしかったか、パエトーンの耳が悪かったか、AIがポンコツかの三択だけ」
「ユーリ?僕とFairyに対しての名誉毀損はどういうことになるか考えたほうがいいと思うけど。」
「あ、嘘!嘘です!パエトーン様らぶ!パエトーン様しか勝たん!」
はぁ…ユーリにパエトーンバレしたのが人生で一番の不覚だったかもしれないな…
「ところでこれ自分で食べるのかい?この前もリンとスイーツのバイキングに行ってたけど、友達がこの歳で糖尿病になるのだけはやめてくれよ?」
「う、うるせぇわい!これは世話になってる人にあげんの!あんぱんが好きなんだよその人が!!」
「ユーリが世話になってる人ねぇ…その人も随分もの好きというかなんというか…」
朱鳶さんと同じでこの人もだめな人が放っておけないタイプなのだろうか?なんにせよ友達が刺される事にならないよう祈るばかりだ(他人事)。
「んじゃ!待ち合わせしてるから行くわ!ありがとなアキラ!今度飯おごるぜ。」
「はいはい…期待しないで待っておくよユーリ」
ビデオ屋を出て時計をちらっと見る。これなら余裕で間に合いそうだな…月城さん喜んでくれるといいが…
【ルミナ分署】
「お疲れ様でーす。」
「うむ…街は平和そのもの、治安局の我が出ずとも事足りよう。ところでユリ坊よ」
青衣先輩が飲んでいた白湯を置き、こちらというか自分の持っている小包を見る。…なんなんだあの「こいつは…」って目は
「先程六課の副課長殿が来られての…今隣の部屋で朱鳶と先刻の事件について話し合っておる」
「あ、そうな「そして」へ?」
「いつもより僅かばかり機嫌の良い副課長殿…お主のその小袋の紋様は有名な菓子店の店であったの」
慌てて意味もなく背中に隠すが時既に遅し…いや青衣先輩に見つかった時点で手遅れだったか?
「確か副課長殿の好物と同じ物を売っておったのあそこは…そして会議室に入る前に朱鳶にこうも言っておった」
「『ユーリくんはまだかえってきてないんですね』と…いないのですねでもなく『まだ』とな…まるでいると思っていたような口ぶりじゃのぉ…ユリ坊よ」
「や、やだなー何がいいたいんですか青衣先輩〜あ、高級電池とか今度どうですか」
「いらぬ(即答)ユリ坊おぬし…副課長殿と治安局で逢引とはいやはや…ユリ坊もやるようになったもの店長殿にでも方法を学びあったか?」
とんでもないことを言う先輩のせいで小袋を落としかける…本っ当になにいってるんだこの先輩は?!
「月城さんは色々とお世話になっているから自分はその礼としてですね!!!」
「わかっておる…お主もまだ若き身で恋多きこともあろう。我はわかっておる安心せい」
「いえですから…!」
「ほれもう約束の時間であるぞ?副課長殿は忙しい身…早う行ってやれ」
「っ…ぜっっっったいにバラさないでくださいね!!!恨みますからねバラしたら!」
返事も待たず屋上に向かって駆けていく。口は堅いし大丈夫だろう…多分…きっと…めいびー…
「何の話をしていたんですか?」
「ん?おぉ朱鳶よまだ帰っておらなかったか…まあユリ坊も誰にバラすなとは言っておらぬ故よいであろう。実はだな…………」
【ルミナ分署屋上】
ドアを開けると、ベンチに座る月城さんが目に入る。こちらに気づくと優しくほほ笑み軽く手を振ってくれる…一つ一つの動作が月城さんのファンクラブができる理由を表してるようだ。
「すいません月城さん…!こっちから呼んだのに待たせてしまって!」
「いいんですよユーリくん。わたしが待ち合わせより早く来ただけなので気にしないでくださいね?」
目の前に来た自分を、髪を耳に上げながら覗き込むような状態の月城さんは破壊力が半端ない。詳しくはいえないが…とてもやばいのだ!
「それで…何か渡したいものがあるでしたか…?」
「えっと…いつも月城さんには何やかんやお世話になってしまってるので!日頃のお礼も兼ねてこちらをどうぞ!」
小袋を月城さんに渡す。自分も食ったことないから正直羨ましいが我慢だ我慢…くそっ!パエトーンがあと一つ予約できてれば!
「これは…!まさか山月庵のあんぱんですか…?1日限定8個の完全予約制の私も食べたことないですが…ど、どうやってこれを」
「まあちょっと友達に手伝ってもらって…なにしろ本っ当に色々とお世話になりましたからね!せめて2個渡せれば…と思ったんですけどそれも中々難しく1個だけでもうしわけないです。」
「ユーリくん…ありがとうございます。ですが…」
月城さんの柔らかい手が頭をなでる。蒼角ちゃんで手慣れているからなのか絶妙な加減で撫でてくるのでどうにかなってしまいそうだ…。
「私がしたくてしてることです。ユーリくんが申し訳無いと感じることなんてないんですよ?なので…」
あんぱんを半分に割る
「これは一緒に食べましょう?」
「う゛…でもそれは」
ずいっと割った半分を無理やり手渡され、仕方ないので隣に腰掛けてあんぱんを食べ始める
「いただきます?」
「ふふっ…はい、いただきます。」
一口食べると…う、うまい。餡本来の甘味をこのパンの所が絶妙に引き出している…!こんなうまい物があったなんで涙が出そうだ。
「なんかあんぱんの常識が変わりそうなくらい美味ですこれ…?!」
「えぇ…噂には聞いていましたがまさかこれ程の物とは…限定品であるのが悔やまれるくらいです。」
「全くですね…あ、そうだ蒼角ちゃんにもお店行ったとき、和菓子の詰め合わせ買って袋の中入れてあるので。」
「蒼角の分まで?いえ…そうですね私だけ食べたのがバレて蒼角に怒られたら大変ですから」
苦笑する月城さんと他愛もない会話をしながら楽しい一時を過ごし、あっという間に食べ終わってしまう。
「いやぁすごいおいしかったですね!自分の中のあんぱんのランキングが変わりましたよ!」
「私もあんぱんの常識が覆りそうに…あら?」
自分の顔を凝視する月城さん。な、なにかついてるのだろうか。
「ふふっ…蒼角みたいにお口の横に食べ忘れてますよ?」
「うぇ?!は、早く言ってくださいよぉ…!」
袖でごしごしとこするが、うまく取れたのかわからない…
「と、とれました?」
「もう…ここですよ。おっちょこちょいさんですね。」
月城さんの柔らかい指が触れたと思うとそれを口…に…
「へ…あ…え?」
「?……あっ」
「/////ご、ごめんなさい私ったらつい蒼角にやってあげてたものですからつい…?!」
「い、いえ嫌な気分じゃなかったので気にしないでください!(何を言ってるんだ俺は?!)」
「嫌な気分じゃない…そうですか…嫌な気分じゃなかったと…ふふっ」
何を考えてるんだ…?ど、どうやって罪を償わせるかとか考えてないよ…ね?
「ごめんなさいユーリくん、予定があるのでそろそろお暇しますね。あんぱんごちそうさまでした。」
「いえ!こちらこそ月城さんと一緒に食べれて元気百倍なので!」
「もう…そういうところですよ。」
「???」
「今度は六課に遊びに来てくださいね?蒼角も喜びますそれに雅も…貴方のことを気に入っているようなので。」
「あ、はい…雅さんに気に入られるほどの者じゃないですけどね…」
「それと私のことは名前で呼ぶように…いいですね?」
有無を言わせぬ圧が月城さんの笑顔からかかってくる。こ、ことわれねぇ…!
「は、はい…月s柳さん!」
「それでいいです…ではまた」
帰っていく月城さん改め柳さんを見送り、一人ベンチに座る。
色々あったが柳さんに喜んでもらえたし今日のプレゼントは大成功だ…よかったよかった!
この後、なぜか不機嫌になっていた朱鳶先輩と、青衣先輩の提案でデートすることになったのはまた別の話。
次のお題を募集するぜ!勿論案があったら活動報告でおしえてくれよな!
次に見たい話は?
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クレタとスイパラ
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セスくんとのバディ秘話
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青衣先輩との二人きりパトロール
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その他(活動報告に来たやつ)