私はあります、中学の夏休みに仲の良かった友達と4人で廃神社に行くという肝試しをしました。
そんな私ですが皆さんはしないことをお勧めします。
後悔しても遅いことがあるかもしれないので。
これは中学3年生の時、セミの声が小さくなり始める夏休みの終わりごろ、私が肝試しをしたときのお話です。
仲が良かった友達と4人で遊んでいる時に、肝試しをしてみたいという話になりました。
夏によくある心霊番組を見ていた影響があったのでしょう、誰一人反対することなくどこで行うか話し合いをしました。
候補は色々出ましたが、その中でも自転車を使わないといけない山付近にある廃神社が誰も行ったことがなかったため、そこに決定した気がします。
あまり帰りが遅くなると怒られるので夕方4時ごろ向かうことにしました、今思うと肝試しって言われると怪しい時間でしたね。
みんなで自転車を漕いで昔使われていたであろう駐車場に止めてから、山道を歩いて廃神社に向かいます。
途中に支えが片方壊れ崩れている鳥居を見つけたので、そこからひとりで向かい、最初に行った人が落とした紙を拾う肝試しを始めることにしました。
じゃんけんの結果私は2番目で紙を拾って帰ってくる最初の人になりました。
時間は5時半くらいで日がまだ出ていることもあり明るい状態で廃神社に入れますが、それでも恐怖がなくなったわけではなく、それとない恐怖心は確かにありました。
最初に行った子が帰ってきたので私が向かう番になります。
「神社はどうだった? 紙どこら辺に置いた?」
懐中電灯をもらい紙の場所と神社がどうなっているか聞いてみたところ。
「日が差しずらいのか暗かったよ、床に穴が空いてるから気を付けて、紙は机みたいなところがあったからそこに置いてきたよ」
怖かったのか戻ってきた友達は顔がこわばっていましたが、会話しているといつもみたいに笑顔になっていました。
「気をつけてな」
「ありがとう気を付けるよ」
そんな会話が終わり私は壊れた鳥居から続く石の道をたどり神社に向かいます。
少し歩いた先に神社はありました、廃神社と聞いているからか蜘蛛の巣やあたりに草が伸びているためか、夕日が当たらず暗いからなのか不気味に感じたような気がします。
一応神社に入るのだからと頭を下げて手を合わせ開いている扉から中に入りました。
神社の中は思ったよりもきれいでした、広い空間というわけでもありませんが、奥にはふすまがありさらに先はありそうです。
ただ友達が言っていた床に穴が開いているわけでもなく日が入らず暗い部屋、そんな感想でした。
しかし机のようなものは目の前にあるものの紙が置いてありません、どこに置いたのか考えて部屋を見ているとふすまのほうから誰かがすすり泣いている声が聞こえてくるのです。
最初に入った友達から誰かいたなんて聞いていませんし、こんな場所に誰かいることが信じられませんでした。
でも私は正義感というのでしょうか泣いている子を放置できず、ふすまを開けました。
ふすまの向こうには似たような部屋が広がっており、その真ん中で机に手を組み伏せながら泣いている髪の毛が黒色で長めの女の子がいました。
「大丈夫?」
私は女の子に近づき声を掛けました。
こちらに気づいたのか顔が上がり私のほうを見てくれました、私はその顔を見たときに衝撃が走りました。
彼女が目を赤くし頬に涙がつたっている顔をしていたことではなく、その子の顔がかわいかったからです。
簡単に言うと一目ぼれをしました、こんな神社で泣いているというおかしな状態であっても人は恋には勝てないのでしょうか。
「よかったら使って」
気が付いたらポケットからハンカチを取り出し渡していました。
「ありがとう」
ハンカチを受け取ってもらい涙を拭き終わった後ここにいる理由を聞くと、理由としては嫌なことがあったから泣いている、ここはよくいる場所と言っていた気がします。
「悪いんだけど今ここで肝試しをしていて、この後友達が来ちゃうから帰った方がいいよ?」
勝手にやっているこっちも悪いんですが途中でやめるわけにもいかなかったので、今日のところは帰ってもらおうと説得をしました。
「なら落ち着くまで話し相手になってもらってもいい?」
「いいよ、愚痴でもなんでも聞くよ」
私は彼女の横に座りました、友達には悪いと思いましたが謝ればいいですし、なによりその子と話す機会を逃すことはできそうになかったのです。
そこからは最近うまくいってないこと、友達と喧嘩してしまったことなど、悩んでいることなどを聞き肯定や自分の意見を言うだけの会話というより聞き手に回っていました。
こういうところが私のモテないところなんでしょうが、相手がしゃべっている最中はずっと顔を見ていいわけですから仕方ないですよね。
「話を聞いてくれてありがとう」
「大丈夫だよ、じゃあ行こうか」
彼女の手を取りみんなの場所に向かいます。
私は楽しい時間を過ごしていたのでよかったのですが、さすがに友達を待たせすぎたかなと罪悪感がありました。
神社から出ようとした時、彼女から「また会いに来てくれる?」と言われ、舞い上がる気持ちを抑えながら「もちろん」と答えました。
「絶対だからね、約束して?」
彼女は私の目を見ながら指切りを求めてきました。
なんか雰囲気が変わったような感覚に襲われましたが、「うん約束」と指切りをしました。
「絶対だから」
私は彼女の笑顔を見て気を失いました。
次に目を開けたときは白い天井が広がっていました、どうやらあのまま気を失い病院に搬送してもらえたみたいです。
窓から日の光が入ってきていたので長い間寝ていたようです。
彼女に迷惑をかけちゃったなと思っていると横で起きるのを待っていてくれた母に抱きしめられました。
もちろんすぐに怒られましたが仕方ないことでしょう。
お医者さんから一応脳の検査をした方がいいとのことで検査をしましたが、問題はありませんでしたので、そのまま家に帰り再び説教が始まりました。
どうしてあんなことをしたのか、子供たちだけでそんなところいくのはやめなさいと、とりあえずめんどくさかったのでごめんなさいとわかりましたを繰り返してた気がします。
しかし、どうして気絶したのか聞かれたときに、女の子と話していたら気を失ったと答えたら母に驚かれました。
理由を聞いてみると私が戻ってくるのが遅かったため、3人で神社まで来てくれたみたいなのですが、私は神社の建物に入ってすぐのところで気を失っていたそうです。
おかしいなと思い3人に感謝を伝えるついでに、ほかに人がいなかったか聞いてみたところ、誰1人として見ていないとのことでした。
私はそれからお祓いをしてもらい、2度と近づかないようにし、高校や就職は他県を選び1人暮らしを始めました。
そのまま何もなかったかのように今まで過ごしてきて、気のせいの笑い話になる予定でした。
2週間前から見始めたあの夢を見る前までは、その夢は廃神社の中に私がいる夢です、入り口には彼女がいてこっちを向いて立っています。
あれから成長した姿なのか身長は大きくなっており最近雑誌で見たような服装をしています、正直に言いましょう私のタイプの女性です。
彼女は少しうつむいているので目は見えませんが、口が動いているのがわかります。
何を言っているのかわからないまま目を覚ます、これを4日間隔で見ているため、最近は絶賛寝不足です。
でも昨日やっと言葉がわかりました。
「会いに来て?お話しましょ?」
多分そんなことを言っている気がします、読唇術を持っているわけではないので確信はありませんが「今年の夏に行くよ」と返すと彼女が顔を上げ笑顔になったので合っているんだと思います。
正直怖いです、なんであんな約束をしたのだろうと後悔もしています。
でも、一度返してくれたのだから、今回も返してくれることを期待しています。
今年の夏、帰省した際に向かおうと思います、まあ好きだったヒトと話せるって気持ちで前向きになるしかないですね。
皆さんは肝試しや知らない人との約束、廃神社に入る際拝むことはしないようにしてください。
では皆さんよい夢を。