魔法戦記リリカルなのは   作:コードα

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出張任務、髑髏と鉄拳

フェイトと模擬戦をした後、フォワードの訓練を見学した一光。

 

その後の技術ラボに直行し、シャーリーとスカルハート、正式名称『クロスボーンガンダム改・改』の調整を始めたのだ。

 

「シールドを追加するんですか?」

 

「ああ、腕部の出力数値をもう少し上げて。」

 

キーを叩きながらシャーリーの問いに答える。

 

「はい、それ無しでも紬さんなら十分戦えるのではと思いまして」

 

「そうはいってもIフィールドだと消費が激しすぎるんだ。はやてくらい魔力を持ってればまた話は変わるが・・・・・」

 

形になりつつあるバンカーシールドを見ながらつぶやく。

 

「まぁ、使用魔力量を見るとそういえなくも無いですけど。でもパッチワークは取り急ぎで直した結果ですよね?なら、ちゃんと調整すれば」

 

「五年を取り急ぎって言うのか?まぁ、確かにパッチワークでもちゃんと調整すれば戦えなくは無い。」

 

魔力ランクFから伸びていない一光にはIフィールド一回でディバインバスターほどの魔力を持っていかれて、下手すれば一発でガス欠。そして、カートリッジシステムを持たないスカルハートにソレを備える為にはどうすればいいか?

 

導き出したのがこのバンカーシールドだ。

 

カートリッジシステムとパイルバンカーとしての機能を融合させ、尚かつアンカーとしても機能するよう魔力刃のフックを展開できる。

 

「コイツはその為の装備だよ、言うならば後付けカートリッジシステム。」

 

「どこからそんな技術を?」

 

「昔、マリエルさんのデータベースを盗み見た。」

 

「ダメじゃないですか!!」

 

さらっと昔の悪事をカミングアウトする一光にツッコムシャーリーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカルハートの調整が終わり、オフィスで書類整理をしているとはやてにお呼びが掛った。

 

「カズ君は今日付けで一等空尉、ライトニング配属や。」

 

「分かった。」

 

「んで、スカルハートも直ったんやろ?」

 

「ああ。やっぱり本場の設備を使うと早いな」

 

「普段は留守中のシグナムの代わりにフェイトちゃんを支えたってな?」

 

「出来る限り善処しよう」

 

「んでな?早速なんやけど一つ頼みたい事があるんよ」

 

はやてはそう言いつつ、モニターに資料を出す。

 

「第65管理世界『シーバス』って世界まで出向いてもらえんやろか?」

 

「えーっと、密猟者・自身売買売人排除及び確保・・・・・ねぇ」

 

資料をスクロールしつつ、一光は粗方頭に叩き込んでいく。

 

「いや、一人やあらへんよ?」

 

フェイトの言う通りだなぁとおもうはやてはその様子に苦笑しつつ、訂正する。

 

「本来、陸士108隊の管轄なんやけど二人の内一人が別件で別行動取るらしいんよ。カズ君にはその人の代行に言ってもらいたいんや。」

 

「んぁ?ああ。その片割れは?」

 

「取り急ぎで用意できなかったんよ。相手には写真送ってあるから大丈夫や、待ち合わせ場所も指定してあるからなぁ?」

 

微笑みながら話すはやて。

 

「で、片割れの情報は何もないんか?」

 

「そやね、ギンガ・ナカジマ。スバルのお姉ちゃんや」

 

 

 

 

 

 

 

 

次元渡航船駅前:カフェテリア

 

 

『スバルのお姉さんですか。突撃思考だとマスターは苦労しそうですね』

 

「言うな、はっきり言ってそういう人間はなのはとヴィータで間に合ってる・・・・・」

 

思い返すと二人共初対面で酷い目に合わされた。と言ってもあの時はなのははボロボロだったから主にヴィータに。

 

基本、十分前に待ち合わせ場所や仕事場に到着するようにしている一光。

 

はやてからの事前情報を思い返すと、

 

「スバルの髪を長くしたような感じや。それにあの事件でカズ君有名やからすぐ見つけてもらえる筈や」

 

こんな感じである。

 

「スカルハート、俺そんな目立つ事しかな?」

 

無自覚で行った事に首を傾げながら相棒に問いかける一光だった。

 

 

 

 

陸士108隊隊舎:部隊長室

 

「新人・・・・ですか?」

 

部隊長でもある父、ゲンヤに聞き返すギンガ。

 

「そうだ。何だ?新人ってのが気に入らないか?」

 

「はい・・・・正直。」

 

今回は突入と言う事もあり、部隊内でも屈指の魔導師が集められていた。なのに、急遽決まっていた一人ははずれ、ゲンヤの伝手で機動六課から借りる事になっていたのが新

人とは思わなかったギンガ。

 

「ああ、最近あった列車襲撃事件覚えてるか?」

 

「うちの部隊員がオフに言わせたって事件ですか?民間協力者が囮を引き受けたって言う・・・・」

 

「その紬って奴がその民間協力者で、八神が行き成り尉官でスカウトした奴だ。」

 

ゲンヤの返答に目を見開くほど驚くギンガ。

 

「八神も目が腐ってるわけじゃないからな。実力は何でもハラオウンの譲ちゃんより上らしいんだ。」

 

はやての人柄を知っているギンガは、ゲンヤの言葉に納得しつつも驚きを隠せなかった。

 

「んでな?そいつの事話すときえらい嬉しそうに話すんだよ。名前は紬一光、二十五歳で男だ。背丈はハラオウンの譲ちゃんと一緒くらいだな」

 

聞きながら資料に目を通すギンガはあることに気がつく。

 

「あの、紬さんの写真は無いんですか?」

 

するとばつの悪そうにゲンヤはそっぽを向いて、

 

「ああ、そらぁ俺のミスだ。気にするな」

 

とだけ言った。

 

引き出しにあるのは先ほどはやてが送りつけた見合い写真と思った(そう見えるフレームに居れた)割れたディスクが一枚。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイトさんと背丈が同じくらいっていっぱいるんだけど・・・・・」

 

ギンガは待ち合わせ場所のカフェテリアに着くなり、そう呟いた。

 

「一体誰が紬さんなんだろう?」

 

首を傾げるギンガ。

 

(でも、はやてさんが嬉しそうに話す人ってどんな人なんだろう?)

 

興味も尽きないギンガだった。お茶でも飲もうとウェイターに声をかけようとした時、

 

「スカルハート、なんか情報なのか?」

 

聞いた単語に振り向くギンガ、その先には一人の青年がデバイスと談議している。

 

『ギンガ・ナカジマ陸曹も着いているころでしょうし・・・・と言うかアクションを起すのは得意でしょう?』

 

「何をしろと?」

 

『例えば、私をこの場でセットアップしてみるとか』

 

「御用になります。割りとマジで・・・・はぁ、しゃあない。見つけ貰うまで待つ・・・・いたし」

 

ため息と共に背伸びした青年は肩越しに振り返り、そう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第65管理世界:シーバス

 

 

その名から予想出来るとおり、大半が水没した世界といえば分かるだろうか?

 

ところどころ水面に顔を出す島もそれほど大きいわけでもなく、街が栄える大きさには見えない。

 

「陸上警備隊第108部隊ギンガ・ナカジマ陸曹及び」

 

「機動六課・ライトニング05、紬一光一等空尉、応援に参りました!」

 

敬礼をし、挨拶をする二人。だがギンガは内心、

 

(間に合った・・・・・)

 

遅刻しなかったことにホッとしていた。

 

「応援、ありがとうございます!早速打ち合わせをしたいのですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、詰まる所は俺とナカジマ陸曹で敵の注意を引くために暴れろっと?」

 

「そう言うと身もふたも無いですね」

 

極端に捉えた一光の横でギンガは苦笑した。

 

別働隊として駐屯魔導師が攻め入る手はずになっているが、はっきり言って当てにしていたら埒が明かない。

 

ソレこそ、人質殺して多次元世界に逃亡なんて目の当てられない結果になりかねない。

 

「ハァ、コレだから硬派はやなんだよ・・・・えっとナカジマ陸曹?」

 

「あ、ギンガで良いです。」

 

「そっか、なら俺は一光で良い。ギンガって前衛なんだよね?」

 

一様、コンビを組む事になったので戦闘スタイルの確認をする一光。

 

「はい、スバルと一緒って言えば分かりますか?ってどうしたんですかそのリアクション!?」

 

ギンガが答えると「やっぱりかぁ!」と頭を抱える一光に驚くギンガ。

 

「いや、気にするな。トラウマがフラッシュバックしただけだ・・・・・」

 

そうそう、ラケーテンハンマーで頭を強打されたりとか・・・・今思えばよく行きてるな。

 

「・・・・何、ソレ?一光さんは?」

 

「オールラウンダー、比較的接近戦向きでフェイトに近いかな?」

 

「フェイトさんと?」

 

「ああ。だから撃ち漏らしだけ頼むわ・・・・・・・俺は一撃離脱が得意だから」

 

「へぇ、随分自信があるんだ?」

 

悪戯っ子のような微笑を浮かべるギンガに「こうしてみるとただの女の子なんだがなぁ」と一光は思いながら嘆息する。

 

理由?トラウマですよ。

 

「ま、伊達に死線潜り抜けてないからな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦が開始して武装隊員が警戒したスカルハート、後ろに青い道を作りながら追随するギンガが飛び出して数分が立った。

 

「隊長、本当に二人だけでよろしいのですか?」

 

「ああ?しかたねぇだろ。俺らが言ってもあのフィールドで役立たずだよ」

 

犯人一派は遺跡のある島を根城に監視カメラの役割も込みでガジェットを配置している事は調べがついていた。

 

簡単な話、ちょっとした要塞になっている。

 

「そんな事より、俺らは人質確保の準備!何人いるかわからねぇぞ!!」

 

隊長が声を荒上げ、下っ端をこき使う。

 

突入から十分くらいがたった。

 

『あの、こちらギンガ・ナカジマ陸曹です。犯人全員・・・・拘束しました』

 

大の男達数人は唖然としてその報告を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん落ち着いて!管理局です!!」

 

人身売買というからどんなご大層なアジトかと思えば地下に施設を設けて隠れているだけであった。

 

声を張り、震える少女や少年の不安を取り払おうと必死の隊長の脇からよろよろと歩い

てきた少女と少年がぶつかり、二人は一光とギンガを見上げる。

 

「ん?」

 

「どうしたのかなぁ?」

 

ギンガは腰を落とし、やわらかい声音で尋ねる。一光は特に気にせず視線を向ける。

 

「ロボット、さ・・ん・・・」

 

少女が口を開いた。片言のようにおぼつかない口調ではっきりとこう言った。

 

「「あり、が・・・と・・う」」

 

「二人共、困ったらロボットが行くぞ?」

 

易しく言った一言、二人の子供はにかっと笑う。

 

(だから、苦手なんだよ。誰かに涙流させるのは)

 

一光が内心そう粒やいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動六課:訓練シュミレータ

 

「「カズくんについて?」」

 

訓練を見ていたなのはとフェイトはエリオからそう尋ねられて声をそろえた。

 

「はい、まだ上手く紬さんの事知らないので、紬さんのことも知っておきたいんです。」

 

「あ、あたしも興味あります!」

 

スバルもビシッと手を上げる。

 

「ん~私は、昔から頼りになるお兄さんって感じだたなぁ」

 

なのはが顎に手を当てて考えた後言った。

 

「私は、どんな暗闇からでも助けてくれる・・・・・」

 

「だよね?フェイトちゃんにとってカズ君は「な、なのは!?」にゃはは、うそうそ!」

 

フェイトの言葉を遮ってなのはがからかうとフェイトは思いっきり動揺、顔を真っ赤にして睨むフェイトになのはは笑いながら弁解している。

 

「ティア、まさかと思うけど」

 

「ええ、多分思ってる事当たってるわ」

 

年頃乙女の二人にはフェイトの反応が示す意味を感じ取り、顔を見合わせた。

 

「確か、フェイトさんは昔紬さんと一緒に暮らしていたんですよね?」

 

「「はぁ!?」」

 

スバルとティアナは揃ってキャロの一言に驚いた。

 

「うん。母さんや兄さん、エイミィさんも一緒にだけどね」

 

恥ずかしそうに答えるフェイト。

 

『ティア、紬さんって確か・・・・』

 

『十年失踪、この前の事件で帰ってきたって話、本当だったんだ』

 

念話で二人して驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ近郊:レールウェイ

 

「紬さんのデバイスって珍しいですよね?」

 

スカルハートの話題になっていた。

 

ギンガを含む魔導師が扱うデバイスの中に『モビル』と言う括りのジャンルは無い。

 

当然だ、モビルデバイス・クロスボーンガンダムは一光が次元震に巻き込まれた時、自室にあったプラモデルだったのだから。

 

その解析データは十年前にマリエル・マテンザが本局のデータバンクに記録している。

 

「ああ、スカルハートはロストロギアだって前に解析してもらった時に聞いたな」

 

すこし思い出して答える。

 

「えぇ!それでよく取り上げられませんでしたね!?」

 

「まあ、当時は事件の渦中でそれど頃じゃなくてね。」

 

話しながら、ギンガはスバルとやっぱり姉妹なんだなぁと思う。

 

自作のローラーとリボルバーナックルを組み合わせた格闘スタイルは一緒、スバルをパワー型にするならギンガはバランス型だ。

 

「今回も取り上げられなかったんですね?」

 

「そりゃあ一度消えたと思った様だからね。お偉いさん方が」

 

一光の返答にギンガは首を傾げるばかりだった。

 

「後近い!ナカジマさんもその癖直したほうがいいって!」

 

目をキラキラ輝かせてどんどんにじり寄る癖、スバルもあるのだろうか?

 

「あ!すみません。でも、今度良かったら私のも見てもらえますか?」

 

「ローラーを?」

 

「はい、私の知らない技術も知っていそうですしフェイトさんとどういう関係かも気になります!」

 

「ハ?」

 

とこんな会話があったそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所:薄暗い研究室

 

 

「成る程、彼らは消えたか」

 

白衣の男と秘書だろうかファイルを持った女性は話していた。

 

一つの協力関係にあった組織が消えた。その間際に送られてきた映像に映るスカルハートに目を光らせる。

 

「コレはなんだい?」

 

「分かりませんが、先日にレリックが奪取された際に色違いの物が確認されています。」

 

「人型のガジェット・・・・ではないね。良いね、実に良い!ウーノ、この機体について調べてくれるかい?」

 

男はモニターに映る、最後のガジェットが破壊されて映像が途切れる瞬間のビームザンパーを振り被るスカルハートが映し出され、一時停止されていた。

 

「了解しました。ドクター」

 

女性、ウーノは踵を返すと暗闇に消えていく。

 

「クククッ・・・・管理局にもまだ知らない部分があるとはね。」

 

ドクターと呼ばれた男の視線はソレこそ嘗め回すようなねちっこさを含んでスカルハートに向けられた。

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