悪役令嬢ハーレム 〜乙女ゲームの負け役"正ヒロイン"に転生した俺は、死なないために悪役令嬢たちを堕としにいく〜   作:椿乃朱華

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がっつり味方につけてしまおう。監禁されない範囲で。

 昨日は濃い一日だった。

 授業はまともになかったけれど、ヒロインの悪役令嬢と関わることになったからな。それも二人も。

 入学式は盛大だったけれど、ヒロインが関わらなかったので印象は薄い。

 パーティーみたいなのもなかったしな。

 式典が終わって教室に集まったと思ったら、軽い自己紹介だけでおわるんだもの。

 同じクラスには、ミーシャとミリアルドしかゲームキャラがいなかったから、気をつけることは特になかったけど。

 

 それで油断してたのかなー。

 学内見学で各々自由行動になった瞬間、ああしてサリアに捕まったんだ。

 ミーシャに会うのは分かっていたけど、サリアは普通に忘れていた。ミーシャに会えることだけで頭がいっぱいだったから。

 気をつけないと今後もこういうことが起こりそうで怖い。

 

 まぁ、他の三人はすぐに会うことはなかったはずだから、そこは安心だけど。

 今度こそフラグは折らないと。

 たしか一人は、日本で言う『委員会』が同じになるんだよな。

 ゲームでは半ば強制的に決まってたけど、こっちから希望を出せば回避できるはず。

 

 美化委員だったかな。やらされるの。

 曰く、貴族の振る舞いを学んでくださいということで、校内を歩き回ることになる美化委員に配属されるんだ。

 ここで、三人目のヒロインと顔を合わせてしまう。

 歩き屋台をやるために美化委員に入ったとかいう、結構トンチキなやつだったはず。それは美化委員としてどうなんだ? と思わなくもないが……。

 いや、そもそも貴族としてかなり変な部類だよな……歩き屋台ってなんだよ。ゲームの時はそうなんだで終わっていたけど、リアルになると頭がおかしいんじゃないかと思う。

 まぁ、会わない予定のやつのことは忘れよう。

 顔合わせが潰れたら何も起こらないだろ。

 

 

 というわけで回避しました美化委員。

 貴族の所作なら本を読む姿勢でも学べると思いますで押し通して、図書委員になった。

 受付で手が空いてるときに、本を読んでお勉強もできると付け加えて。

 実際、貧民だから知識が足りないんだよな。

 死んだら全部無駄にはなるけど、死なないために立ち回るにも知識が必要だ。

 

 だから、この選択は間違ってないと思う。

 決して、放課後のサリアとの特訓をなるべく潰すために入ったわけじゃない。

 ……いや、その意図はちょっとあったけど。

 あいつといる時間はなるべく減らしたいし。

 

 ……と、思っていたのだが。

 

「レイナも図書委員?」

 

 なんでサリアが図書委員になってるんだ?

 ゲームだとどこにも入ってなかったはずだけど……。

 

「そうですが……なぜサリアさんがここにいるのですか?」

「私も図書委員だから」

 

 そうだけどそうじゃない。

 

「魔法授業の免除を受けるくらい、時間が欲しいのですよね? それなのに委員会なんて受けていいんですか?」

「レイナにわかりやすく教えるのに本を読み直しておこうと思った」

 

 私のせいかー!

 え。こいつそんな献身的なことしたっけ?

 もしかして、もうわりと好感度高い?

 ……ちょっとまずいんじゃないか。

 ここらでがっつり好感度さげとく?

 いや、でも人の好意を無碍にするのもはばかられるし……。

 

 ……仕方ない。一緒にいる時間が長くなるなら、常識をしっかり教える方向性で行こう。

 そして、がっつり味方につけてしまおう。

 監禁されない範囲で。

 

「ありがとうございます。私も、様々な知識を入れておこうと思って、空いた時間に本を読める図書委員になりました。分からないことがあったら教えていただけると助かります」

「まかせて。知識だけはいっぱいある」

 

 自虐的ー。

 これも彼女なりのコミュニケーションだと思うと、なんだか涙ぐましいね。

 

「頼りにしてますよ」

 

 と、軽いおしゃべりをしている間に、全員が集まった。

 これから行われるのは貸し出し担当の曜日決めだ。

 貴族にそんなことやらせていいのかよと思わなくもないが、曰く、司書としての振る舞いを覚えることで、礼節を鍛えるのだとか。

 あと本を読むことで知識もたくさん入れられるみたいだしね。手が空いてる時は本を読むことが推奨されているみたい。

 

 サリアと関わる日をがっつり減らすために週四日いれようかと思っていたけど、ここに彼女がいるからその必要もなくなった。

 

 わざと曜日を被らなくさせることもできるけど、それだと勉強を教えてもらえにくくなる。

 まぁ妥当なところで、週三勤務にしてサリアと二日被りが無難か。

 週三顔を出せば、周りの人からも文句は言われないだろ。

 とりあえず、週三希望で出しておいた。

 

 ちなみにサリアは二日希望。

 彼女は特待生みたいな扱いなので、きちんと要望が通っていた。

 当然のごとく私に被せてきたけどな。

 まぁ、都合がいいから何も言わないけど。

 

 しかし、なんだ。

 この世界も週七日間の一年三百六十五日なのだなーと思っていたけど、ゲームの世界だってわかったら納得できた気分。

 なにぶん異世界転生なんて初めてなので、地球と全く変わらないのも、そういうモノなんだと思っていたからな。

 そう何度も転生してたまるかという話ではあるが。

 

 地球のゲームが元だからか、色々なところで似通ってることもあるけど、明確に違うこともある。

 魔法なんかはその筆頭だな。

 魔道具と称して車とかあるけど。

 

 文明レベルはわりと似てるんだ。

 さすがにビルは建ってないが。景観の問題で。

 高度の高い建物があると、魔法製の乗り物が通れなくなるから高さ制限があるんだと。

 この辺の常識ももっと詰めていかないとなー。

 

 なんて、くだらないことを考えて時間を潰していたら、集会が終わった。

 さっそく今日から当番だ。

 今日は地球で言う水曜日で、サリアの当番は月金。

 なるべく期間をあけたかったんだろうと思う。

 私も連続では嫌だったから、月水金にして貰った。

 曜日もちゃんとこっちの呼び方はあるけど、めんどいから月曜日などと認識してる。

 

 これもいずれ直さなきゃいけないかも。

 でもまぁ、今じゃなくていいでしょ。

 

 とりあえず、放課後からお仕事だ。

 気合い入れてやらないとね。

 

 

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