設定、ボツ案、後書き
タイトル:『気になるあの娘は淫夢厨』
コンセプト:もしも、好きな子が淫夢厨だったら? ラブコメ×淫夢
テーマ:「好き」であることの難しさ。自分の「好き」を肯定できずに不安を感じてしまうこと。自分を貫いて生きるということ。
主なキャラクター:主人公(僕)、白鳥珍子、だいちくん
・主人公(僕)
本作の主人公。名前はない。初期案では「ゆうすけ」という名前。元ネタは野獣ママコピペからゆうすけ(あなたですよん)で本来はもっとヤバい奴だった。そのため「あの、失礼ですが、お母様は野獣ママでいらっしゃいますか?」と珍子に言わせるシーンも考えていた。しかし、珍子の内面描写を書かないための一人称小説の選択と、珍子がもともと主人公のことを知っていて意識していたという設定のために没になった。
読者が自由に想像できるように容姿に関する描写もない。制服が学ランなのかブレザーなのかも不明。なお、作者は黒髪ツヤツヤのカッコカワイイ系の男の子を想像していた。
「何にも本気になれない人生だった。(後略)」とあるように、本質的に社会不適合者であり、だからこそ反社会的な淫夢というコンテンツに自分の居場所を見出した。キャラクター的な話をするのであれば、家族と友人に拒絶されたことを理由に一度淫夢を卒業し、目標もなく、自信もなく、人生を諦めていた状態から、珍子との交流を経て、淫夢厨として生きることを決意するまでの変化の過程が物語となっている。
他人の悲しそうな顔を見るのが苦手で、第一章の「とびきりイカれた映像で、苦しみに満ちた世界をぶち壊すような作品を創ろう。悲しみに眠れぬ誰かの夜が、少しでも穏やかになることを願って」という記述が彼の創作の目的。白鳥珍子がそれに合致する人物であったため、彼は珍子のために行動することになる。
・白鳥珍子
本作のヒロイン。一応書いておくと名前の読み方は「しらとりうずこ」。作者は「うずこ」と書いて「珍子」と変換されるように単語登録しているため、もはや違和感など忘れていたが、最後まで読んで「◯んこ」呼びの方はいるのだろうか。ちなみになぜ「珍子」なのかというとこの小説がホモビデオをもとにして作られたからである。そして、都合のいいことにTDN表記だとUZKになる。
容姿に関して、初期案では黒髪ロングと金髪巻き髪の2パターンがあった。というのも、第二章に「もうすぐ"夜"が始まろうとしていた」とあるように、ヒロインは淫夢厨で真夏の夜の世界の住人であり、淫夢を卒業した主人公からすれば異界の存在なのである。主人公はその境界を超えて珍子のもとに行くわけだが、その世界はおそらく夜である。ということで、夜らしいキャラクターにしたかった。そうなると思い浮かぶのは、全てを包み込む闇か、闇を照らす満月のイメージだが、結果的に選ばれたのは後者であった。理由は黒髪だと普通で目立たないし、そして何よりお先真っ暗な主人公を救うキャラなのだから光っていたほうがいいだろうと考えたから。また、都合のいいことにUZK≒魔理沙ということで金髪で確定した。
お嬢様設定はお嬢様部から来ているが、一般家庭出身の黒髪無口陰キャが淫夢厨だったら意外性が無いというと思った。なお、珍子の身体に関する描写が髪と目に偏っているのは、中学生の身体について書くことが怖かったから。
この小説で一番最初に思いついたのがこのキャラクターで、きっかけはtiktokで野獣先輩ダンスを踊る女性の動画を見たことであった。そこから全体のテーマ、物語の流れ、主人公のキャラクターアークを設定して、珍子の在り方を決めていった。その際に参考にしたのは野獣先輩が自殺者を減らしているという嘘なのかホントなのかよくわからない話。そんな彼女は母の死、ニコニコ本社の爆発といった喪失の問題に悩まされるが、主人公が新たに生きがいを作り出していくことで彼女もまた救われていく。
・だいちくん
友人ポジ。ゆうさくが好きで最初は彼も「ゆうさく」という名前にしようとしたが、主人公の初期の名前が「ゆうすけ」で見分けがつきにくかったため、「だいちくん」になった。もちろん、元ネタは平野店長が出る例の本編である。
また、彼は正常な社会の反応として淫夢厨を拒絶する役割も持つ。当然のことであるが、淫夢は人権侵害コンテンツであり、本来存在してはいけないものである。そのため、だいちくんは一度主人公を拒絶するのだが、第九章でわかるように本当に心の底から主人公のことを嫌いになったわけではない。むしろ友達だからこそ、淫夢厨を辞めてもらいたかったのである。これは主人公が珍子に対して行ったことと重なる。
そして、「これで僕達は他人か」とあるように、主人公はだいちくんとの友人関係を正式に解消するが、それは社会との決別も意味している。淫夢厨として自らの生き方を貫こうとする主人公を見て読者がどう思うのかはわからない。共感する人がいる一方で嫌悪する人が出るのも当然だろう。しかし、だいちくんはそんな主人公を陰ながら応援していると思いたい。
個別に項目を設けないが、主人公の母親も社会の側の存在として、だいちくんと同じような役割を担っている。そのため、主人公が淫夢厨であることを病気扱いするし、第六章の最後で白鳥家の令嬢と懇意にしていることを知って喜んだりする。結構グロテスクだと思う。
小ネタ
・◯☆は、クッキー☆を表現している。
・投稿時間は19:19(イクイク)に揃えられている。
ボツ案
・第七章「全ての元凶」の後に落ち込んでいる主人公を水質検査を目的に岡山旅行につれていく話。本当はその帰り道で淫夢厨をやめろと言わせるつもりだった。
・野獣先輩が男なのか女なのかで喧嘩する話。現豚と現豚アンチの対立の案もあった。
・学校で淫夢友達を作っていく話。最初はこの方向性で物語を考えていた。主人公のライバル投稿者の子、楽器が出来て音MADをよく作っている子、淫夢嫌いの振りをする淫夢厨な子、クッキー☆厨の子などを集めて学園祭で大規模淫夢ごっこをする案もあった。
・これらのボツ案は話が長くなりそうだという理由で没になっただけなので、気が向けば番外編として書いてみたい気持ちも無いではない。本当は一万字弱の短編のつもりだったのに長くし過ぎた。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます! いえ、ありがとナス!
皆様のおかげで無事完結しました。
没入感を損ねたくなかったので毎話のあとがきで書くことはありませんでしたが、感想、評価、お気に入り、ここすき、誤字報告、本当にありがとうございました。毎回感謝していました。
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再びですが、ここまで読んでくださってありがとうございました。