久しぶりの執筆なので短いし展開が急かも。ご了承下さい。
反響があったら続くかも。
1月28日 大幅加筆を加えました。
この世には〈奇妙〉な物や人が存在する。この学園都市キヴォトスでは、神秘という形で、そして時には普通の人には見えない〈能力〉として存在している。
俺の持つ〈能力〉もその〈奇妙〉に入るものだと思う。自分の力に気づいてからそれなりに長い付き合いだけれど、俺はまだ自分の〈能力〉の全てを理解しきれていない。〈奇妙〉とは、そういうものだ。理解が出来ないから〈奇妙〉なのだ。
「なぁ〜〜〜、兄さん。ちょっと良いかい?」
「………俺ですか?」
「そうッ!そこの君ッ!………それ以外誰が居るかって話だけど。ちょいと見てくれよ、この端のとこ………そう、そこ」
「………何かあるように思えないんですけど」
服の端を摘んで見せてくるサラリーマンのロボットは突然俺の髪を鷲掴みにして顔を押し付ける。
「テメェ───ッ!!これが見えてねぇってのかァァァッ!!汁だよッ!その手に持ったカップから垂れた汁が俺の服の端に付いたんだよッ!!どうすんだァ!これから会社に出勤だったのに、これじゃあ行けねぇじゃあねえか愚図ッ!」
「言っている意味が分かりません。俺のカップの中身は元から空っぽで、貴方の服にシミを作ることはないと思います」
以前として態度を変えない俺に業を煮やしたロボットは今度こそ俺の胸ぐらを掴み、更に怒鳴りを強くする。
流石に周りの人達もどうしたのかとチラチラと視線をやる。
「大人ってのは『威厳』が大事なんだ………目上の人にも、同業者にも舐められちゃあいけない………ましてや子供なんかによぉ〜ッ!」
「舐めちゃあいません。本当のことです」
我慢の限界といった様子だった。顔のホログラムは怒りのマークが現れ、胸ぐらを掴む力も強くなる。
「………グッ、手を離してくださいよ……アンタ今、大人は舐められちゃあいけないと言った………俺達子供も同じ……舐められてはいけない理由があるッ。これ以上何かするなら、俺にだってやる権利はある」
ぐっ、と掴まれた腕を逆に掴む。今度はロボットの方が驚く番だった。
何せ、俺の掴む力が想像より強かったからだ。
「な、テメェッ───」
その瞬間、目の前のロボットの顔は見えない何かに殴られたかのようにヒビ割れ、吹き飛ばされる。
その際に中から溢れたオイルの様なものが服に掛かる。掛かった液体は直ぐに服に染み込み、ロボットの右半身に奇妙な模様を作り出す。
「手を離せって言っても離さなかった、アンタが悪いんだ。………全く、朝から災難だ」
落としてしまった紙カップを拾い直して倒れたロボットを一瞥。冷えた瞳で俺はその場を離れる。
「まあ、でも似合ってるよ。服は白いのに外殻が黒いって……何か怪しさ満点っつうか?……外も中も黒いのがお似合いってやつさ」
始業時間に間に合うのかなと腕の時計を見た俺は、足早に街の外へ歩いて行った。
私は独立連邦捜査部シャーレの顧問、先生。正直、私が先生になった理由は私でもハッキリしていない。
何だか誰かに託されたような、頼まれたような気がしているのだが、確かな事は分からない。
激動の数週間だった。キヴォトスの外じゃああり得ない常識がここにはあって、それが立て続けに私の元に舞い込んできて数ヶ月分のカルチャーショックを受けたのだが……まだ数週間くらいしか経っていない。
さて、そんな先生なりたての私は今………。
"喉が……み、水……"
道端でぶっ倒れていました。
事の発端と言うと、ある学校からの手紙が原因だった。
アビドス高等学校。それが今回私が向かう学校だ。送られてきた手紙にはアビドス高等学校の悲惨な現状、そして救難要請が書かれていた。
先生になって間もない、ひよっこの私だけどそれでも困った生徒が居るならば助けなければならない。人として、何より先生として。
そう思ってアビドスへ向かったのだが……このザマである。
まあ直ぐに着くだろう、なんて軽い気持で行こうとした数時間前の私をぶん殴ってやりたい。
水はすでに飲み切っており、地図は持ってきていない。バカなんじゃなかろうか、バカだった。
アビドス自治区はかなり広いと聞いていたが……ここまで広いとは。既に住宅街をぐるぐると回っており一向に着く気配が見えない。
"頭痛もするは、吐き気もだ……く、ぐぅ……なんて事だ……こ、この先生が……気分が悪いだと……"
当たり前である。調子に乗って1・2本しか水を持ってこなかった奴が何をバカな事をと言ってやりたい。
そろそろめまいも酷くなり、ついにぶっ倒れてしまう。マジにヤバいと身体を起こそうとしても、が……駄目。
「ん、行き倒れ?」
「だろうねー……おい、息してるか?意識ハッキリしてんのかァ〜?」
頭上から降りかかる男女の声に助かった!私は顔を向ける。
"ゴボ……!ごボボ!"
「ぁ……それ、私の」
突然顔面を掴まれたかと思うと、私の口に何か突っ込まれる。それは水だった。
「生きてるっぽいな。死んでたら金目の物盗もうかと思ってたのに」
「ん、外道」
「どーぞご自由に。おい、大丈夫か?」
"あ、ありがとう"
「……礼はいらないよ……それにしても、こんな場所に何か用かい?……
「えっ、先生?」
"何で私の事を?"
「……これ」
そう言って深緑の髪をした青年は私の身分を示すカードを手に持って……。
"あ、あれ!?いつの間に!"
本当にいつの間に取ったのか、カードを手に持った青年はカードを太陽に翳したり手で遊んだりしている。因みに狼耳が特徴的な隣の子はジト目で「ん、窃盗」だなんて言ってる。
「先生がここに居るってことは、あれだろ……俺達の申請が受理された、そう捉えていいんだよな?……けれど、意気揚々とアビドスに来たら迷って今に至る。そんな感じだろうか……」
「アビドスに用なら、丁度良かった。一緒に来る?」
"うん、そうさせてもらおうかな"
多分このまま一人で向かおうとしてもきっと辿り着けない。なら二人について行った方が良いだろう。二人の誘いに私は甘えさせてもらう事にした。
"そう言えば、まだ二人の名前を聞いてなかったね"
「ん……砂狼シロコ。よろしく、先生」
「
そう言って前に立つ二人。太陽を背に立つその姿はかくも美しいもので、私の不安の霧を晴らしてくれている様だった。
定城ミツキ。このキヴォトス唯一の男子生徒。なんとも不思議な雰囲気を醸し出す彼と出会った事によって、私の日々は奇妙な日々へと変貌を遂げた。
定城ミツキ スタンド名《ムーン・アンド・サンド》
破壊力C
スピードC
射程距離B (スタンド自体の射程は2〜3m)
持続力E
精密動作性B
成長性B
【能力】
自分が触れる、もしくは触れたモノが接触した対象を地面に(正しくは下方向へ)落とす。ただし、下に落とせる最大数は3つまで。
元ネタはジャズ曲の砂漠の月。
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