学園都市奇妙録   作:イロマス

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書いていて、未だアニメ本編の半分も行けていない事実。
ペース上げたいなぁ。たまに定期的に投稿する人頭おかしいと思います(褒め言葉)


セリカを追え!その1

 

 

目標、ポイントAを通過」

 

【オッケー、こっちからも見えたよ。セリカちゃんまだ気づいていないみたいだし、このままポイントBまで行くね】

 

 時刻は午後17時。アビドスの商店街を歩くセリカを監視するように俺、ノノミ、ホシノは数メートル先の路地や人混みに紛れて追跡していた。

 先生、シロコ、アヤネは街並みを見下ろせるようビルの屋上で監視カメラやドローンを駆使して逐一行動を知らせてくる。

 肝心のセリカはというと時々困った人を助けたり、コンビニでお菓子買っていたりと普通の学生の放課後といった感じだ。

 特段怪しい動きは無い、そう思っていると。

 

【あ、セリカが不良に絡まれてる】

 

 通信機越しからそんな呟きが聞こえると同時に、何か揉めている会話が聞こえてきた。

 

 

「おいテメー!何アタシにぶつかってんだーぁ!?」

 

「何よ、少ししかぶつかってないと思うけど」

 

「いーやぶつかったね、がっつり!金払えやコラッ!」

 

「いやぶつかったら金払うって、理解できないんだけど!」

 

 

 物陰から見ると3人の不良に絡まれたセリカの姿が。何やら訳の分からないイチャモンをつけられて困っている様子だ。

 あー、こりゃめんどくさい相手に絡まれたな。……ミツキ、行きます。

 

「はいちょっとそこ4・2・0〜(し つ れィ〜)

 

「いったァァ!!」

 

「えっ、誰?」

 

 セリカと不良の間に割って入るように強引に通り抜ける。

 一応バレないように変装をしていってだ。

 

「てンメェー!絶対意図的にぶつかって──って居ねえ!!しかも財布スラれてる!」

 

「あの野郎、逃げてやがりますぜ!」

 

「クソ、お前覚えてろよ。待ちやがれ腐れガキッ!!」

 

「………えぇ。何だったの、一体」

 

 嵐のように去っていく俺と不良に困惑するセリカ。

 そんなセリカを放って不良達は俺を追って離れていく。セリカはしばらくぼーっと立ち尽くすと、結局訳が分からないといった様子で歩いて行った。

 

【ナイスミツキ君。セリカちゃんは無事に商店街を抜けたからおじさん達も向かうけど、今大丈夫?】

 

「大丈夫、こっちもちょうど問題解決したし、これから向かう」

 

「ぅ、うぅ………」

 

 ホシノからの連絡を終えた俺は下に倒れる不良数名に近寄って制服を漁る。

 

「えーっと、財布の中身は……と。全部合わせて7000と少しか。まあ行きがけの駄賃にはなったかな、ありがとう」

 

「お、お前………ぶっ殺してやる……」

 

「悪いけど、セリカは俺の大事な後輩なんだ。そいつをカツアゲするって事はよォ〜、逆に自分もカツアゲされても良い覚悟があるって事だよなぁ?」

 

 

 別に俺は品行方正な生徒としてやっている訳ではない。貰えるものは遠慮なく貰うし、危害を加える奴がいるならやり返す。後輩に危害を加えるなら尚更黙ってはいられない。

 それにコイツらも不良を名乗ってるならば自分もやり返されるのも覚悟の内だろう。もし自分だけが何でも出来ると思ってるならそれはもはやドのつくマンモーニママっ子だ。

 結局、コイツらはそんな覚悟も無かったマンモーニだったわけだ。

 奪われても仕方ない。

 

「これに懲りたら不良なんて辞めて学校に通いな………あ、そうだ。ウチはアビドス高等学校って言うんだけど生徒が少なくてさ、ぜひアビドスに来てくれよ、なァ〜?」

 

「誰が………お前の学校なんか、行くか……!」

 

「あらそう?残念だよ………じゃあ」

 

 空っぽの財布を倒れた不良に投げつけ、足早に去っていく。

 俺が居ない間に動きがあったらしい。背中に投げかけられた恨み言を聞き流しながら先生達の向かった先へ歩く。

 

 どうやらセリカは商店街の一角にあるラーメン屋へと入って行ったらしい。

 アヤネから送られてきたナビを頼りに進んでいくと、見慣れたアビドスの制服の塊が見えてきた。

 

「すんません、少し遅れた。って、ここは『柴咲ラーメン』?なんだこりゃ」

 

"この中にセリカが入って行ったんだけど………入る?"

 

「もちろん、入るよね」

 

「はい!ここまで来たんですから、止めるなんていけません!潜入です!」

 

「真正面からなのに潜入なんですね………」

 

 嬉々として前にでるノノミを先頭に、柴咲ラーメンの店内へと足を踏み入れる。

 店内を一目見た印象は普通のラーメン屋といった印象だ。

 テーブル席とカウンター席のオーソドックスな風体に、木材の温かな印象を思わせながらも、よく見れば細かな所に装飾が飾られており、その全てが綺麗に保ってある。

 ここだけでも店主がラーメンに対する思いが見て取れる。

 

 しかし、肝心の店員が居ない。店主は多分厨房で料理をしているのだろう。だが店員が一人もいないと言うのはおかしい。

 一体どこに居るのかと探していると、ガラリと奥の方から慌ただしく駆け寄る音が聞こえ、奥の扉からセリカが現れた。

 

 見事な店員服を着て。

 

「いらっしゃいませ!6名様です………ね………」

 

 見たことのない、それも見事な営業スマイルをしたセリカに俺達全員、面食らう。

 そして対するセリカも俺達の姿を見るな否やそのスマイルがみるみる崩れていき、羞恥と困惑の混ざった表情でプルプルと震えている。

 両者固まり、動けない中で、真っ先に元に戻ったノノミはセリカとは真逆の微笑ましいものを見て庇護欲の掻き立てられた母の様な笑みを浮かべながら、一言。

 

「セリカちゃん可愛いですね〜!!」

 

「なんで居るのよ、皆んなーー!!」

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「いやー、セリカちゃんがラーメン屋でバイトしているなんてねー」

 

「でも意外じゃない、様になってる」

 

「───うんマいなァーーー!!この柴咲ラーメン!………食えば食うほど更に食欲が湧いてくるゥ〜!!」

 

"なんか、ミツキのキャラ変わってない?"

 

「たまにあるんですよ、時々変なテンションになることが。気にしないでください、先生」

 

 席に案内された俺達は各々食べたいラーメンを頼む。

 今は頼んだ柴咲ラーメンを食べている所なのだが、これが美味いのなんの、周りの目も気にせずがむしゃらに啜る。

 因みに、ラーメン代は先生が払うことになったのだが、今の先生の懐では払うのがキツかったらしく、結局俺と先生の折半で払うことになった。

 金の出所については、ノーコメントで。

 

 こら、アヤネ。これが当たり前のように言うんじゃあない。

 

「でも美味いんだから、仕方ない」

 

「あ、柴咲の大将さんー、セリカっていつ頃からここで働いてたんスか?」

 

「セリカちゃんかい?数ヶ月前からここでバイトとして働いてたよ。凄く元気に働いてくれて俺も助かっている。でも、時々心配にはなるんだよ、何せ頑張りすぎな所があってな」

 

 柴咲の大将の言葉に内心相槌をうつ。確かに店内で働くセリカの姿はとても活き活きしてこの柴咲ラーメンでのバイトを楽しんでいると思える。

 ただ、大将はそんはセリカを案じている。学生は学校に通うことこそが仕事。バイトは二の次でいい、と。確かに、セリカは俺達の中で一際借金返済に精を出している。

 学生生活とバイトの優先順位が同列になる、もしくはバイトが優先されてしまったら、それはとても悲しいことだ。

 

"生徒は、青春してこそなんぼなんです"

 

 青春してなんぼ、か。その言葉は少なくとも、俺には刺さった。アビドスに来てから、借金返済、不良の撃退………etc。もし、このアビドスの問題が片付いたなら少しはそういう事もやってみようかな、と未来は思いを馳せながらラーメンへと視線を移して、俺は叫ぶ。

 

「うおぉー!!おまっ、シロコ!何勝手にコショウ入れてんだッ!」

 

「ん、味変。もうちょっと入れる?」

 

「入れるかボゲッ!別にコショウ入れるのは良い、でも量多すぎだろ!何振り入れた!?」

 

「ミツキにマジな顔は似合わない。だから入れたんだけど………駄目?」

 

「質問を質問で返すなぁァ!………イッテ!」

 

「店内でなに大声出してるのよ!」

 

 いつの間に現れたセリカに後頭部を叩かれて、渋々席につく。俺、一応先輩なんだけどな。最近の後輩の先輩離れに泣きそう。

 反論しようにも肝心のシロコはいつものクールな表情で………ちょっと笑ってるだろ、肩震えてるし。

 セリカに関してはもはや俺の突然の奇行には関わらんといった様子でそそくさと業務に戻って行った。

 とにかくシロコは後でお仕置きするとして、俺はなんとも煮え切らない気持ちを抱えたままラーメンをすする。

 啜ったラーメンはとても辛かった。

 

 

 




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