学園都市奇妙録   作:イロマス

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 戦闘描写とか、他の作者様の作品を見るとどうやってあそこまで臨場感たっぷりに書けるのか……疑問に思うんですよね。アレですか?書き続けろって事なんですか?


ムーン・アンド・サンドその2

 このキヴォトスにおいて、俺は無力に等しい。銃弾に耐えられる程の頑丈さは無いし、人並外れた怪力を持っている訳でもない。

 ホシノ達生徒の持つ最も特徴的な力。神秘だったか、それも無い。この無法地帯も無法地帯なキヴォトスだと俺はただのカモだ。

 正直、初めの頃は苦労した。よく不良から絡まれて金を出すよう言われたし、そしてホシノに助けられたのも何度もあった。

 だから力を使う事を覚えた。……どうやら、俺にはホシノ達とは違う能力があったらしい。それは常に近くに居た。俺が砂の中から這い出たその時からずっと()()()()

 俺はそれに名前を付けた。その名前は……。

 

「ムーン・アンド・サンド……!」

 

『オラァ!!』

 

「何ッ!!下から!」

 

 ソイツの姿は全身が黒曜石の様な黒だった。上半身は人形、下半身は無く、その代わりに四つの矢印が支えの様に生えている。

 顔の部分は目と口があり、月の光の様な無機質な光を灯した目は俺自身の敵意を表すかの様に目の前のリーダーの生徒をジッと見つめている。

 

(クソ……!一手、遅れた!)

 

 一足早く俺の存在に気づいた生徒は俺の攻撃をギリ躱し、持っている銃をコチラに向けて発砲する。

 

『オラオラオラオラ!』

 

 銃弾を叩き落とし、近づこうとすると、周りの下っ端の奴らが俺の側に近寄ってくる。

 

「ミツキ、後ろ!」

 

「隙あり、食らえ!」

 

「………オラァ!」

 

「きゃっ……!」

 

 振り向きざまにスタンドの拳を襲いかかる不良の顔面に叩き込む。俺のスタンドは不良を気絶に追い込める程のパワーが無い。けれど目的は気絶させる事では無い。

 

「俺の〈ムーン・アンド・サンド〉の能力は今、発動する!」

 

 指を鳴らすとそれがトリガーとなり、拳を当てた不良の身体は一瞬ブレると俺の視界から消える。

 

「………う、動けない。体が……し、沈んでいく……」

 

「───このッ!!」

 

「ッ……待て!」

 

 リーダーの静止も聞かずに突っ込んで来る不良。………隙ありと思うだろうが、残念ながらそこは俺の能力の()()()()だ。

 背後で爆発が起きる。二人の不良は突然起きた事に理解する間も無く空を舞う。

 

「この爆発はお前達の物だ。お前達が持っていた手榴弾……既に地面の中に埋めておいた。埋まった爆弾のピンは抜かれているから、能力を解除すれば、埋まった爆弾は地面から弾かれてそのまま爆発する……」

 

 爆発が止めば、そこに残るのは俺とリーダーの不良の二人だけだ。仲間を呼ぼうにも、向こうで先生とホシノ達が食い止めているから決して援軍は来ない。

 もしかすると既に終わっているのかも知れないが。

 一歩近づくと、リーダーは懐に隠し持っていたナイフを投げる。しかし容易く弾かれて後方へ。

 

「……何にせよ、この場には俺と、アンタだけだ」

 

「ハァーー!ハァーーー!………何者だよ、テメぇはよぉ〜!」

 

「………さあね。言ったところで覚えてもらう必要はないんだ。アンタは負けてアビドスから手を引く、それだけ分かってもらえれば良い」

 

 ゆらりと立ち上がり、俺と不良は睨み合う。

 

「こっからは小手先なしの一発勝負だ……抜きな、どっちが早いか勝負って奴だ」

 

 緊張が高まっていく。心臓が早鐘を打つように音を鳴らして震えている。距離は2m、充分射程圏内だ。一手早く拳を叩き込めば俺の勝ち、拳を握る力が強くなる。

 

「………全く、今になって思い出したんだが………このアビドスには可笑しな力を使う奴が居るって……お前だな、お前が例の()()()()使()()か……」

 

「そうだと言ったら、アビドスから手を引くのか?」

 

「いいや、手を引くわけないだろ……それに、あたしの聞きたかった事は聞けたよ……充分だ」

 

 何か肩にぶつかったような衝撃が来ると同時に、じわりと生暖かいモノが垂れる感覚が突如発生した。なんだと確認するまでも無い。ナイフが刺さったのだ、今さっきリーダーの不良が投げたナイフが。

 振り向くと、してやったりといった表情で笑う不良の姿が。

 

「一手!早かったぞ、私の方が!」

 

「オォォオォ!オラァ!」

 

 痛みも気にせずに強引に肩のナイフを強引に引き抜いて投げる。寸分違わず投げられたナイフはしかし、手に持った銃に叩き落とされる。

 

「投げることは分かっていたぞ!………勝った!食らえ!」

 

………誰が言ったか。相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している……と。

 相手は今、俺がなけなしのナイフを投げたら弾かれて折角のチャンスを逃して絶望している。そう思っているのだろう。

 確かに、普通ならヤバいと思う。普通ならの話だが。

 

「……俺が投げたナイフだが。別に当たらなくても良かったんだ………()()がお前の付着すれば、それで良かった。手元を見てみれば分かる」

 

 ようやく気づいたらしい、今自分が置かれた状況に。奴の手元には何点か赤いモノが付着している。

 それはまだ乾いてない、新しい物だ。

 

「これはッ!血かッ!」

 

「血なんだが……それはつまり俺の血で、俺の物だ……既に俺は血に触れているって事だけ……言っておくよ」

 

「───しまっt」

 

 二の句は告げられなかった。俺のスタンドの拳が叩きつけられたからだ。

 何度も、何度も、何度も。地面に沈むスピードと衝撃の累乗効果で不良の意識を刈るのには充分な力だった。

 『オラオラオラァ!!』と無表情ながらも怒鬼の如く威圧の込められた声が延々とスタンドの口から発せられる。

 ラッシュが止めば、そこにあったのはヘルメットがひしゃげ鼻血を垂らして気絶した不良の姿だった。

 近寄って様子を見れば、完全にダウン。戦闘不能だった。

 目立った怪我も無いし、ホシノ達の方も戦闘音が聞こえなくなったので様子見に行くかと気絶した不良の首根っこを掴もうと手を伸ばす。

 

 

 

 コロン……。不良のポケットから何かが落ちたのが見えた。

 

 

 

 

「………何だ?」

 

 しゃがんで手に取り、落ちた物の正体に気づいた瞬間、俺は咄嗟に手を離した。

 

「………こ、コイツッ!()()()()()()()()()()()()()()………こ、これはッ!この白い物体はッ!」

 

 心臓の音が嫌に響く。冷や汗が全身から流れる。その物体はキヴォトスに置いて決して見る事はない、ましてや手にすることも無い異物そのもの。

 

「何処の誰の物か分からない、分からないが!だがコイツのこれはッ!……ば、バカな………な、なんて事なのだ………コイツはッ!これはッ!………骨を持ってやがるッ!、

 

 

 

 

 

 

 




 強引な気がしてならないけど、これから6部要素がちょっとずつ出てきます。

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