うちのポケモン達の話をしよう   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 明日はポケモンリーグトーナメントの決勝戦! 
 楽しみだなぁ、ワクワクするなぁ、ああもうこんな時間だ!

 早く寝て、明日に備えなきゃ☆




 眠いトレーナー
    VS
 (悪い意味で)陽キャムウマージ

   ・・・・・ファイ!


うちのムウマージはうるさい

 

 

 うちのムウマージはうるさい。

 

 うちのムウマージがうるさい。勘弁してくれ、今何時だと思ってるんだ。明日は忙しいんだぞ、オマエもバトルに出るんだから黙って休め。

 

 そうだ、やっと静かになったな。

 僕はもう寝るよ、おやすみ。うん、明日は早いんだ。怒鳴って悪かったね。うん、うん。明日はよろしくね。

 

 

 

 

 うちのムウマージはうるさい。

 

 うちのムウマージは本当にうるさいんだ。やめろ、僕の耳元で歌うな。耳障りの良い子守唄なら許してやらなくもない。でも違うじゃないか、これ、『ほろびのうた』じゃないか。

 勘弁してくれ。僕は明日のリーグトーナメントに備えて、ゆっくり穏やかに眠り、休みたいんだ。『ほろびのうた』で死んだように、気絶して眠りたくないんだ。それにコレで寝ると、結構な確率で『あくむ』を見る事になる。それじゃあ休めないだろう。犯人もどうせキミだろう。

 

 よし、歌うのを止めたな。

 悪かったよ、キミは歌うのが好きだものな。止められたら不機嫌にだってなるさ、でも、耳元で歌うのは止めてくれ。

 

 

 

 

 うちのムウマージはうるさい。

 

 うちのムウマージはうるさい。コイツ、本当にゴーストかと思うぐらいには元気が良い。誰だコイツをココまで陽キャのまま育てたヤツは、実家のペラップの方が静かで大人しいぞ。

 

 僕が『ほろびのうた』を止めさせた腹いせか、コイツ自分だけで『りんしょう』を始めやがった。器用だなおい、どんだけ重ねるつもりだやめろ。『エコーボイス』まで使うな、訳わかんなくなってきた。あ、コイツ自分でも分かってねぇぞふざけんな。

 眠いんだ僕は、分かるだろう。何年の付き合いだと思ってるんだ、それくらい分かれよ。眠らせてくれよ、人間は寝ないと死ぬんだ。頼むよ。

 

 やっとか、やっと止めてくれたな。

 止めたと言うより、『りんしょう』に満足しただけっぽい気がする。

 ちくしょうこうなるならパートナーのドンカラスか、相棒のミロカロスを用心棒にするべきだった。でもそんな事できないじゃん、明日、リーグトーナメントの試合だよ。決勝戦なんだよ。最高のコンディションで挑ませてくれよ、なぁムウマージ、寝させてくれ。そしてオマエも自分の部屋に帰れ。壁すり抜けてくんなよ、休め。

 

 そうだ良い子だ、部屋に帰って休んでくれ。

 キミは僕のパーティの切り込み隊長なんだ、明日、元気いっぱいでないと困るんだ。

 

 

 

 

 うちのムウマージはうるさい。

 

 うちのムウマージはとにかくうるさい。視覚的にもうるさい。『ワンダールーム』と『マジックルーム』で、イッシュ地方のライブハウスみたいに演出しだした。『マジカルシャイン』と炎系の技で、どんどん派手にしていく。

 ここは、僕の部屋なんだけど。自分の部屋に帰ったんじゃなかったのか、なるほど、マイクを取りに行っていたのね。バカじゃねぇのコイツ。

 

 どこで覚えたのか、『いやなおと』をスクラッチみたいな音にして、多彩な『なきごえ』でボイスパーカッションをやり始めた。この見た目でなんて低音。しかも上手、とても練習したのだろう。スゴい。流石僕の親友だ。

 でも、今じゃなくても良いよね。寝かせろ。

 

 いくら温厚な僕でも、そろそろ怒るよ。

 明日に備えて寝るって言っているだろう。明日はリーグトーナメント決勝戦なんだ。あのダンデさんを倒した新チャンピオンと戦えるんだぞ、体力をまんたんにさせてくれ。

 

 

 やっと分かってくれたのか。

 それとも、ルーム系の技の効果時間が切れただけか。どっちでもいいさ、やっと部屋が落ち着いた。もうコイツを無視して寝よう。おやすみ、ムウマージ。

 

 

 

 

 

 ちょっと待て。オマエどこでラップとか覚えたんだ。

 いや、違う。そうじゃない。『ほろびのうた』のラップver.とか別にいらない。え、他にもバリエーションがあるって。その情熱はスゴいよ、キミは天才だ。

 うちのムウマージは天才だ、みんなに自慢したい。

 

 でもね、僕は寝たいんだ。

 

 

 キレそう。

 僕はベッドから降りて、ムウマージの前に立つ。

 

 

 

 危険だからと、チャンピオンロードが閉鎖されて久しい昨今。レンジャーさん達の活躍もあって、野生被害はとても少なくなったらしい。そんな近代において僕は、意外にもかなりの武闘派だ。

 どれくらい武闘派か。端的に表すのなら、リングマを1頭伏せてターンエンドと言えるぐらいだろうか。僕の師匠はその間に、クマ達でエクストラリンクをキメていた。

 

 そんな僕は、久しぶりに喧嘩をしようと思う。

 

 

「ねぇムウマージ。僕とキミ、どっちが強いか気にならない?」

 

 

 

 

 

 なんとか殴り勝った僕が見た朝日は、とても綺麗だった。

 

 

 ボロボロになった僕は、ポケモンセンターでムウマージの傷を癒してもらってすぐに、その足でスタジアムに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うちのムウマージは、すごくうるさい。

 でも今日は、ご機嫌に騒ぐムウマージと一緒に、僕も騒ごう。とても気分が良いからね。

 

 あ、こら、『ほろびのうた』やめろ。まだ喜び足りないんだ僕は、やめろこのままだと僕達そろ─────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うちのムウマージはうるさい。

 寝起きドッキリはやめてくれ、心臓に悪い。心の準備もなしに『おどろかす』のは反則だろう。ビックリ系は苦手なんだ。

 

 今度は『ほろびのうた』サンバver.だって。ねぇ、その黒い羽飾り、すごく見覚えがあるのだけれど。もしかして、最近うちのドンカラスが痩せているように見えたのって、キミの仕業かい。そこに直れ、説教してやる。

 

 おいドンカラス。オマエもだ、ムウマージをこれ以上甘やかすなと何度言えば分かるんだ。

 

 

 

 

 

 





 ムウマージかわいいよね。

 推しポケはドンカラス。エースはランクルス。
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