うちのポケモン達の話をしよう 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
1日密着取材か〜、緊張するなぁ。
コレもチャンピオンになった初めての仕事、気合い入れて行くぞー!
あ、こら待って!
勝手どっか行くんじゃない!
うちのミロカロスは態度が悪い。
うちのミロカロスは態度が悪い。どう悪いのかだって?
ほら、あそこで喧嘩してるポケモン達を見てごらんよ。胴が太くて傷だらけのミロカロスが居るだろう?
アレがうちのミロカロスだよ。ありゃ不良だね、不良。喧嘩ばっかりのヤンキーってやつだ。
気に入らない事があれば、すぐに手が出る問題児だよ。まったく…そろそろあんな子供じみた性格から卒業してほしいよね。
しかもほら、みんなやっつけてしまった。あれでなまじ強くて、負けた戦いでも割と良いところまで喰らいつくものだから落ち着く暇もない。調子に乗りっぱなしなんだ。
そんなポケモンをどうやって従えているのかって?
別に僕達は、そんな支配するされるって関係ではないからね。僕達は同じ日に産まれて、同じ場所で同じ時間を過ごして育った兄弟みたいなものだからさ。そんな相手だから、従えているつもりはないかな。
あっ!でも、ミロカロスより僕の方が喧嘩が強いから、本当に言うことを聞いてほしい時はタイマンで語り合ったりするよ。拳で。
うちのミロカロスは態度が悪い。
おかえり、ミロカロス。こら!記者さんにガンを飛ばさない!すみません。コイツ、初めて見る相手には挨拶代わりに威嚇するものでして…すみません。
あ、あはは…そうですか?ありがとうございます…ほらオマエも、威嚇止めろ。な?やめろ?
…………フンッ!
クソがよぉ!
他所様に迷惑掛けんなっつってんだろうが、テメェがのしたあのポケモン達を、誰がポケモンセンターに連れていくか分かってんのか?誰が〈キズぐすり〉を買うか知ってんのか?
は??
テメェ今舌打ちしたなオイ…マジでいい加減にしろよオマエ。なに、喧嘩売られただぁ?それを買う時点で有罪なんだわ、同じ土俵に降りた時点で程度が知れるんだわ。脳みそ足りてねぇみてぇだなぁボケカスゴラァ…
コホン。
すみませんね、本当に、見苦しいモノを…普段であればドンカラスかランクルス辺りが止めてくれるのですが…今日はどちらも出払っていて…本当に、あのランクルスが…僕もそっちに行くべきだったかなぁ…ジュンサーさんやレンジャーさん達に迷惑を掛けてなきゃいいんだけど…
ああいえ、ちょっとランクルスの辺りが心配になっただけです。大丈夫です、コチラの話なので。
それで、うちのミロカロスの話でしたよね。
そうですね…たぶん、コイツは自分の事をギャラドスだと思ってるんですよ。僕が両親に育ててもらった様に、コイツの両親は
特にヒンバスの頃から、ギャラドスにはよく懐いてましてね。自分の事をコイキングだと思ってたんですよ。家の周りに、コイキングやヒンバスが居なかったので、本当に、自分はギャラドスに進化するんだと思ってましたからね。
フフッ…コイツが進化して鏡を見た時のリアクションときたらもう、ふははっッ痛ッッッ!なにするのさ、君の黒歴史を知ってもらういいチャンsイタタタたたたたた!!
あ、進化で思い出しました。
やっぱり、ポケモンの進化って不思議ですよね。僕も色々調べたり体験したりしているのですが、特にコイツの進化に関しては類似例が見つけられなかったんですよ。今発表されてるヒンバスからミロカロスへの進化条件って、ヒンバスが美しさへの理解を深める、とか、〈きれいなウロコ〉を持って通信交換をする、とかありますよね。
でもよく考えると、前者は分からなくもないですが、後者の条件だと、野生のミロカロスって存在しない事になりませんか?通信交換と言う行為で生じる何かが、ポケモンの進化を促しているのは間違いないと思いますし、通信交換をする事で発見された進化があるのは僕も分かっています。ただ、ミロカロスと言うポケモンに関しては、これらの他に何か別の条件があるんじゃないかと思ってますね。
まぁ、僕は博士ではありませんし、コイツの面倒を見るので手一杯ですから、今からわざわざ調査しようとは考えてませんけどね。
出来ればで構いませんので、新たなミロカロスの進化条件を探そう!みたいな感じの記事を少し書いていただけると、僕が嬉しいです。
ええ、勿論。僕も当初は気になって有識者方々に相談したり、話を聞いたりしましたとも。でもやっぱり、皆さん共通して、まだ発見されていない条件だろうと仰っていましたよ。
だってコイツ、別に美しさなんて興味ありませんし…いや、もしかしたら、強い事を美しい事だと思ってるかも知れませんが、多分違うと思います。持ち物だって〈するどいキバ〉ですし。
なぜ分かるかですか?以前旅をしていた時、喋るニャースが店番をしている屋台があって、そこのニャースに通訳してもらったんです。色んな地方を巡っているそうなので、今はどこへ居るのやら…あはは、懐かしいなぁ。面白い人達でしたからね。
他には…コイツは自分の身体の傷を、勲章だと思ってますね。特に大きい背中の傷は──…ん?どうしたんだミロカロス、何か気になるかい?
ああそうか、分かった分かった。
まぁ…こんな感じのヤツですよ。この話はこの辺で。
そりゃあミロカロスにあるまじき傷だらけの身体で、ヒレや触覚だって欠けてたり裂けてたりしますし、胴回りなんか筋肉で太く歪になってたりもしますけど、こんなんでも僕の大事な仲間で、兄弟で、家族なんです。
え?ムウマージ?アイツは家族じゃないです。僕の家族に、これ以上のバカはいりませんので。あ、どうです記者さん。うちのムウマージかランクルス、引き取りませんか?
…そっか、そうですか…ははは、まさか冗談ですよ。うちの切り込み隊長とエースはそうやすやすと手放したりしませんしできませんって。悪質なジョークですよ、ははは。
そろそろお店の予約時間ですね。
はいはい、オマエはボールに戻ってくれ。
では記者さん、移動しましょうか。
どこへですって?そんなの決まってるじゃないですか!食べ放題ですよ!安心してください、ちゃんと僕が出しますからね。え?そんな、もう2人で予約してしまいましたよ?記者さんもトレーナーでしょ?見たところノーマルとかくとうタイプかな、ポケモンと一緒に食べられるお店で、僕のオススメです。美味しくて量があって種類もある。さあ行きましょう!
…の前に、ミロカロスが倒したポケモン達の手当てを、手伝ってもらっても良いですか?その後ポケモンセンターによって預けてから、ご飯にしましょう。
手持ち分はやろうと思います。
そして別にストーリーは考えていません。