うちのポケモン達の話をしよう   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 この4体目で『うちのポケモン』は終了のつもりです。
 手持ち分やるとは言ったが、フルパだと言った覚えはありません。固定4体に、フリー2体編成です。


 この話にはポケットモンスターに似つかわしくない、暴力的な言葉や表現が使われていますので、苦手な方は読まないで下さい。
 
















 〜緩衝地帯〜





















うちのランクルスはイカれてる

 

 うちのランクルスはイカれてる。

 

 うちのランクルスはイカれてる。どこがどうとかじゃなくて、こう…思考回路の何か決定的にズレてるんだ。蛮族方向にさ。

 …僕は今蛮族だと言ったけど、コイツが蛮族かどうかは議論の余地があるよ。サイコパスでも良いけど、じゃあサイコパスかって言われたらちょっと自信がない。とにかく。僕はこのイカれたランクルスの面倒を見なくてはいけないってことは事実だ。正直言って、一時期は本気で手放そうかと思ってたよ。だってヤバイ奴だもん。

 

 そうだね…僕達の出会いから順に思い出してみよう。

 

 ただ、あれを出会いらしい出会いだと言えるのか…僕達が旅を始めてすぐの頃の話さ。ミロカロス…当時はヒンバスだったけど、ボールに戻そうと腰のホルダーに手を伸ばした時に、何故か紛れ込んでいたユニランを掴んだのが出会いだったね。そして、自然に僕達の旅に混ざり込んだよね。

 僕達のキャンプは、割と野生のポケモンも入り込むしその分多くご飯を作ってるから、それ自体は別に良いんだ。ランクルスの他にも何体か、着いて来てた子も居るからね。まあ、ランクルスは特に小さかったから、ドンカラスが目を掛けていたってのもあるね。ドンカラスの前では本性見せなかったし。

 

 うちのドンカラスが大きいのは知ってるだろうけど、それに対比するように、うちのランクルスも特別小さいんだよね。だからこの2体が並ぶと、距離感とかサイズ感覚がおかしくなるってよく言われるよ。

 

 こんな、なんとも締まらない出会いだけれど、この日から、僕の地獄は始まったと言って良い。

 

 まず、なによりも、僕を悩ませたのは倫理観だね。

 

 コイツ、倫理観を持ち合わせてないんだ!

 

 そうだなぁ、どこから話すべきか…語れるエピソードが多すぎて悩むのだけど、ユニラン、ダブラン、ランクルスで1つずつくらいにしておこう。

 

 コイツの倫理観皆無エピソード、ユニラン編。

 はっじまーるよー!

 

 まずはやっぱり外せないこの話。

 僕の目玉に向かってフォークを飛ばして来た話かな。これは鉄板だよね。

 

 これは僕達が出会ってすぐの頃、キャンプでご飯を食べてた時の話さ。いつものようにポケモン達の料理を用意した後、自分の分を食べようとしたんだ。そしたらね、いきなり僕に向かってカラトリーセットを『ねんりき』で飛ばして来たんだ。

 そりゃあね、僕だって師匠に鍛えられてるから、この程度の攻撃なら捌き切れるけど、その内容に驚いて少し攻撃を受けちゃったんだ。目にフォーク、喉にナイフ、心臓に包丁だったね。取り敢えず包丁は避けて、ナイフは掴み取った。問題のフォーク。これも掴み取ろうとしたんだけど、その手をスプーンで弾かれちゃったんだよね。これには焦ったさ、いくらなんでも目を鍛えても硬くはならないからね。だから弾かれた手をそのまま差し込んで防いだんだけど、その手にフォークが突き刺さったんだ。痛かったなぁ…ほらこれ、その時の傷だよ。

 

 後で聞いたんだけど、理由は食べ足りなかったから、らしいよ。

 

 

 そしてダブラン編!

 この頃になると、さすがにコイツを野に放つのはマズイと思って、いつかレンジャーさんか更生施設に預けようと考えて手持ちのボールに入れたんだ。自分でも、まさかココまで一緒に居るとは思わなかったさ。

 

 一応手持ちに入った訳だし、バトルにも出てもらったんだ。先に言っておくけど、コイツが起こした問題は全てちゃんと解決したから安心してね。通報とかやめてね?解決したからね?

 

 さて、コイツ。イカれてると言ったよね。人で言うところのドSな自己中でもあるんだ。そして対戦相手の事を、音の鳴る玩具だと思ってるっぽい。相手をリスペクトとか、考えてすらないね。間違いない。ただただ、自分の思うままに楽しいと思う事をする。

 一言で表すなら、相手を甚振るんだよ。必要以上に。オマエ性格悪い感じのあくタイプか?って思うぐらい、執拗に相手を痛め付けて苦しめて追い詰めるんだ。それで何人のトレーナーとポケモンが、バトルを引退したか…

 たちの悪い事に、コイツしっかりと場所を選ぶからね。公式戦とかだとそんな事、ちょっとしかしないもん。野生のポケモンとか野良試合を選んでるから、今まで問題になってない。

 

 僕が困ったのは、社会からはみ出たタイプのトレーナーが相手だった時かな。昔、父さんと母さんと師匠が、ナントカ団を壊滅させたとかあったらしくて、今でもそのナントカ団を引き摺ったりしてる人からは、僕は認知されてるらしい。そのせいで、時々襲撃に遭うんだ。

 

 それが、困る。凄く困るんだよ。後始末が手間。

 で、ダブランの頃、とうとうヤッちゃったんだよね…うん、さすがに多すぎてさ、僕もかなりのストレスが溜まってたんだよね。だからかな、思わずランクルスに「好きにして良い」って言っちゃったんだ。大丈夫。自首もしたけど、僕達に落ち度は無いって。正当防衛の範囲だって。元々そういう付き纏いには困ってて、ジュンサーさんには相談してたからね。当時の僕の状況から、厳重注意で済んだよ。けど、今でもたまに夢に見る程度にはトラウマだね。

 その、後片付けがさ…そのせいで僕は、バクーダとサメハダーが嫌いだ。グラエナも居たけど、オダマキ博士のところに居たポチエナが可愛かったから許した。僕はポチエナが大好きです。可愛いよね、ポチエナ。グラエナも好き。ドンカラスを見せるとみんなお腹見せてくれるもん。

 

 それでぶっちゃけ、ヤッちゃった時はスカッとした。

 だって僕の悩みの種の1つが消えた訳だし、その仲間達は顔を引き攣らせて我先にと逃げて行ったもの。まあ、その後冷静になって、やらかしたと思って自首したけどね。

 

 自首する為にダブランから目を離してたら、コイツ、何したと思う?◯体を分解して並べて高笑いしてたからね、本気でコイツを手放そうと思った瞬間だったよ。僕はその時の光景がトラウマなんだ…

 

 

 さてと、気を取り直して、ランクルス編!

 この頃になると、僕はコイツを手放す願望を諦めてるね。なんだかんだ言っても長い付き合いで、情も湧いちゃうって。それに、レンジャーさんも更生施設の人達も、引き取りを拒否されちゃったからさ…じゃあもう、被害を広げない為には僕の手持ちにするしかないじゃん…

 

 そしてついに、コイツに腕が生えた。危惧していた通り、出来ることが増えてしまった訳だね。

 進化して調子乗ってたから、僕の言う事を聞かせるために語り合ったよ。拳で。ランクルスの事がトラウマになったのと同じ様に、ランクルスは僕の拳にビビってる。だから、隙あらば僕を殺そうとしてくる。まあそれは良いよ。僕、強いし。

 

 それで戦いは、さらに性格が悪くなった。

 一例として、僕の公式トーナメントのデビュー戦を振り返ってみようか。まずはメタモンもビックリなくらい相手にソックリな『みがわり』を作ったね。まあそれに向かって相手は攻撃した訳だけど『サイコノイズ』で、それはもう聞くに堪えない悲鳴を再現して、相手に恐怖を植え付けたんだ。壊れた『みがわり』を使い回して、何回かに分けて繰り返したよ。

 その後、作り直した『みがわり』を自分の『アームハンマー』でぐちゃぐちゃにして、相手に『なげつける』とか、やってる事ヤバいよ。相手は逃げるように降参して、そのまま引退したよ。2試合目と3試合目は、対戦相手のトレーナーとポケモンは戦意を無くして棄権したからね。

 

 僕はその試合で、1度も指示をしてないけどね?

 そんな余裕無かった。テンションの上がったランクルスに向かって「待て!」「殺すな!」とかしか言ってないからさ。じゃあ出すなって?それは相手に言ってよ、僕は他のポケモンが倒されちゃったから、しかたなく。しかたな〜くランクルスを出しただけだもの。確かにちょっと嫌なヤツだったのは認めるけど…僕はランクルスに指示をしてないよ。

 

 このせいで僕、トレーナー業界では思いっきり避けられてるけどね。と、トモダチ?どこで売ってるのそれ、おいしいやつ?へんな人しか寄ってこないから困る。しかもへんな人のクセにいいヤツだからもっと困る。距離を取り難いからね。

 

 

 突然だけど『みがわり』って良いよね。

 これをリアルに作れる様にランクルスが訓練してる間は大人しいし、作ったみがわりを自分で壊して自給自足してるからね。どうしても我慢出来なくなった時は、ほとんどの場合は僕が相手になって喧嘩してるよ。

 それ以外は…いくら僕しか読まないからと言っても、ここに記すのは辞めておこう。

 

  

 こんなくらいにしておこうかな。

 ランクルスの愚痴を書くと、たぶん本が一冊出来上がりそうだ。だいぶスッキリしたから、このくらいがちょうどいいだろう。

 

 それに色々言ったけど、やっぱり僕はこの先もずっとランクルスを手放さないよ。今さらコイツと別れるなんて考えられないね。嫌いだけど、嫌いじゃない。

 そもそも、僕以外にコイツを抑えられるのとは思えない。

 

 

 イカれた奴だけど、僕の大事な仲間なんだ。

 

 

 

 

 

 

 





 
 おしまい。
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