でもやっぱり好きなキャラは2凸したいと、今日まで10連貯まる毎に使用。今Ver.内で届かなければ最悪汗と涙と血の代償も支払う覚悟だったけど、本日2凸完了!
正しく良い事、嬉しい事なので此方も久々に。
銀狼:11&ホタル:13 - マダム・ヘルタ:6
新しい家。新しい部屋。色々と新鮮なものが沢山ある。その中でも大きい事の一つ。遊び部屋がこの家にはあった。
「それっ!」
「惜しい。もう少し上だったね」
「私の番。まだ、いける」
ゲームをする部屋とは違う、遊び部屋。ビリヤードにダーツ、卓球に麻雀卓、カラオケ部屋にボウリング場まで完備されてる。ネットカフェの様な場所が似ているけど、流石に漫画はない。因みにピノコニーみたいな場所ならお金が必要だけど、ここは勿論無料。ここへ来る人達からお金を取るつもりもない。維持費は高そうだけど、紹介する銀狼は心底満足してるみたいだった。
今まで画面を見る系のゲームばっかりだったのが、こういった体を使ったゲームも出来るのは思った以上に楽しい。今は銀狼、ホタルと一緒に三人でダーツをしていた。決まった距離からダーツの矢を投げて、シンプルに得点勝負中。普段やる機会なんて無かったから、簡単な様で意外と難しい。思った場所に刺さらないけど、やっていると狙った場所の周辺くらいまではいける様になって来た。
まだ途中だけど、点数はホタルが一番点数が低くて銀狼が一番高い。真ん中の私は何とか銀狼を抜きたいけど、140点くらい差がある。何とか今から行う三投で追い越すかせめて近くまで差を縮めたい。真ん中にあるブルを狙うのも大事だけど、やってて分かったのは低い点数に刺さない様にしつつ一番狙うべきは20点が三倍になる場所。
「っ!」
「20点」
「まだ。っ!」
「凄い、真ん中だね」
真ん中は50点で合わせて70点。このターンで抜く事は出来なくなってしまったけど、最後の一投で少しでも距離を縮める!
「えいっ」
「……」
「あ、あはは……」
投げたダーツが刺さったとは思えない、拍子抜けな音が響いた。的を外れて床に転がるダーツの矢。力を入れ過ぎてしまったみたい。悔しい。
「ま、まだ3ラウンドあるから!」
「ふっ。私には追いつけないよ」
「負けない」
残りは全員で三投を三回ずつの合計九投。順番に投げ続けた結果、私は70点差で銀狼を抜かす事は出来なかった。
ビリヤードもただ玉を打つだけだと侮っていた。思った以上に考えて打たないといけない。後、銀狼はゲームだったらこういう種類も強いんだと改めて思い知らされる。私がやって来たのは電子機器の方ばっかりだったから、勝つのは難しいかもしれない。
「だから、共闘」
「うん、頑張ろうね」
「ずるくない?」
「ずるくない。銀狼はそれだけ強いから」
「ふぅん。そう言われるとまぁ、悪くはないかな」
流石に三人でやっていて私とホタルが組んだところで、二人連続で打つのは良くない。だからお互いに話し合って交互に打ちながら、何とか銀狼を倒す為に奮闘する。でも最終的に勝者は銀狼になった。
「どうする?」
「もう一試合。その後は、ボウリング」
「今度は最初から組もっか」
気分は魔王に挑む勇者の様に、圧倒的な強さの銀狼に勝つために私達は戦う。電子機器系のなら、チートでも使われない限り負けないのに。まさかこんなところで銀狼と大きな差がある事を知るとは思わなかった。
「随分本気じゃん」
「銀狼には、負けたくない」
「へぇ~、私に負けるのがそんなに気に食わない?」
「ん。差があるのは嫌。どんな種類でも、ゲームなら貴女の隣は私だから」
「……なるほどね」
記憶がある中で、ゲームと呼べる種類はずっと一緒にやって来てる。プレイヤー同士で戦うPvPでも、勝敗の数はいつだって引き分けになるくらい私と銀狼に差は無かった。それがこうして新しいゲームを始めた瞬間、負け続けるのは流石に受け入れられない。
「ホタル」
「ふふっ、うん。あたしも頑張るからね」
今はまだ共闘して。でもいつかは一人で銀狼と渡り合う為に、ここからの勝負は負けられない。
ビリヤードの後にはボウリングもして、数時間は夢中になって遊んでいたと思う。ゲームを長時間遊べばそれなりに疲れるのは当たり前の事だけど、今回は訳が違う。肩が凝るのはいつも通りだけど、手とか腰とか色々な場所がそこそこ痛い。普段しない姿勢になったり、沢山の玉を投げたりしたから使わない場所を頻繁に動かした結果。
「後で湿布張ろうね」
「ん。背中はお願い」
「全勝負合わせて十勝一敗。最後は初心者相手と侮ったかな?」
最後の最後で一勝だけ出来たから、一旦満足はしてる。負けた数の方が多いのは悔しいけど、やり続ければきっと私も成長出来ると思うから。
それはそれとして、体が本当に痛い。明日になったら筋肉痛とかになってそう。お風呂でしっかり揉んで、湿布も張っておかないと。辛い目に遭う気がしてちょっと怖い。
「楽しめた?」
銀狼の質問に頷いて答える。普段して来なかった新しい遊びはやっぱり新鮮で、どれも楽しかった。私個人としてはダーツが特に面白かったかもしれない。遊びはどれも二対二の構図を作れそうだから、開拓者も今度は呼ぼう。銀狼が居ない日なんかは、特訓しないと。
お風呂も広くなった。しかもジャグジーとか色々な機能が追加されてもう温浴施設みたいになってる。広さもかなり拡張されて、五人くらい同時に入っても狭さを感じないくらいには余裕がある。全てがアップデートされたお風呂は凄く快適。
「はふぅ……」
「気持ち良いね~。やっぱり凄いな、銀狼は」
「疲れを癒す手段に力を入れるのは当然」
浴槽の縁に両手を交差させて顎を乗せた状態で三人並ぶ。心地良い暖かさに力も疲れも抜けていって、ふわっとした感覚が気持ち良い。少し離れても狭くないのに、左右に居る二人の肩が触れるのも気にならない。考えてみれば、今更だから。
「ね、ねぇ。後ろに回って良いかな?」
「……ん」
この家になる前から、一緒にお風呂に入ったら大体ホタルは私を後ろから抱きしめていた。そのまま背中から体を預けると、お湯とは違うホタル自身の温かさがあって心地良かった。開拓者も良くやって来た覚えがある。ピノコニーでロビンの部屋に泊まった時もそうだった気がする。私より大きい人はみんなやって来てる? ヘルタの宇宙船に泊まる時、やっぱりヘルタにもされてたから間違いないかも。
縁に乗せていた体重が後ろに回る。ホタルに抱かれてそのまま後ろに凭れ掛かると、さっきまで抜けていた力がより深く抜けていく気がした。なんだろう、人肌の暖かさはやっぱり違う。こうして一緒に居る人の感触は何か違う癒しをくれる気がする。
「ふぅ。はぁ、やっぱり最高……っ!」
「うわぁ、キマってるし」
濡れてる髪に鼻を埋めて来るのは少しあれだけど。通常ならまだしも、水気があると息苦しくなりそう。でもやって来るって事は、本人的に気にしてないみたい。吸われると風が動いて少しヒヤっとする。体が温まってるから、余計に温度差を感じる。
「しばらく離れないね、これ。まぁ、仕方ないか」
銀狼の言う通り、ホタルは多分しばらく離れてくれないと思う。ずっと、一緒に居る時間はくっ付いていた。それが私の眠っている間、出来なかった反動みたいなものがある。これは可能性とかじゃない、確信。正直、その内恋人体験の時みたいな事が起こってもおかしくない。
「明日は彼女のところ?」
「その予定。また三日、帰って来れない」
「はぁ。まぁ、今回は私とホタルも離れるからいいけど……やっぱり気に入らない」
明日、私はヘルタの宇宙船へ行く予定になってる。朝に持って行くフルーツケーキを作ってからお昼前くらいに行って、恐らく溜まっているであろう掃除をしたりと忙しくなりそう。銀狼はヘルタの事を未だに気に入らないみたい。色々あったのは知ってるけど、私としては仲良くして欲しい。ヘルタには沢山助けてもらってるから。それは銀狼も分かってるみたいだけど、何かが認めたがっていない様子。
「百合ハーヒロインを三日間毎回独り占めとか、納得いかないに決まってる」
「すぅ~~~!」
「ホタル、吸い過ぎ」
銀狼の言葉を遮るみたいに、物凄い勢いでホタルに息を吸われてビックリした。なんだか、こういう状況のホタルは開拓者みたいに突拍子もないスキンシップをして来る事があるから油断出来ない。
「頭、ふわふわしてきちゃった」
「逆上せる前に上がる」
「だね。ほらホタル、出るよ」
お風呂の効果か私の効果か、ふにゃふにゃのホタルを銀狼と協力して一緒に連れ出す。それから体を拭いて服を着た後も抱き締められて、私はホタルに抱えられる人形みたいな状態で残りの一日を過ごす事になった。夕ご飯を作る時にも抱えられるのは、本当に不便。
朝。ヘルタの宇宙船へ入れば、勝手に服装も専用の給仕服に変わっている。魔法って凄く便利だと思う。感覚ではそんなに経っていないけれど、実際にはかなり時間が空いてしまっている筈。その間、ヘルタが自分で掃除をしていなかったら結構大変かもしれない。私が来る前までは人形達に任せていたみたいだけど、私が居なくなっていた間はどうしていたのだろう。
まずはヘルタが居るであろう彼女の執務室へ。ノックして返事をもらってから中へ入れば、いつもの見慣れた格好をしたヘルタが椅子に座っていた。
「来た」
「まずは掃除から、よろしく」
一瞬こっちを見てから、ヘルタはそう言ってすぐにテーブルの上へ視線を移した。何かの資料が沢山あるけど、その内容は全く分からない。邪魔にならない様に気を付けながら、まずは執務室の掃除を始める。といっても埃とかは少ないみたい。その代わり、ヘルタの興味を保てなかったよく分からない資料が沢山床に広がっているのを掻き集める。ここで大事なのは、あくまでも集めるだけ。いつでも処分出来る様にしておいて、最後に処分するかをヘルタが判断するから。
執務室を出たらキッチンとかを見て回る。何かしら使った形跡はあるけど、ちょっと汚れてる。オーブンの中が少し焦げ臭かったり、調理用具にも焦げが付いていたり。ヘルタも料理はする。でも天才にも不得意はあるって知った時、ちょっとだけ嬉しかったのは私の中だけの話。天才にとって失敗そのものが中々出来ない事だから喜ばしいものだって、ヘルタは言ってた。
自動で動くヘルタの人形にも協力してもらって、掃除を始める。大体小一時間くらい掛けてキッチンの掃除をしてから、次はリビングへ。あんまり使う事は無い場所だけど、それでもあるんだから掃除はちゃんとする。でも思ったよりどの部屋も綺麗そうで、安心した。一通りの部屋をやるつもりだけど、これなら思ったより全然楽に終わりそう。終わったら、何か作ろうかな。
――――――――――
「ヘルタ。何か食べたいの、ある?」
「いつもの」
「分かった」
――――――――――
作るのはフルーツタルトで決まり。魔法の力で冷蔵庫の中にはいつだって欲しいものが入ってるから、材料にも困らない。ちゃんとお金とかは支払われてるんだと思うけど、どういう仕組みだろう? 私達の家にある冷蔵庫は基本的に転送出来る仕組みがあるって銀狼は言っていたけど。気になったところで、私には結局分からない事なのかも。取り敢えず、便利。
全ての部屋を確認して一通りの掃除を済ませれば、お昼頃になっていた。今から作り始めれば、おやつ時には完成出来そう。でもお昼ご飯も作らないと。ヘルタが朝ご飯をちゃんと食べてるか分からないけど、お昼抜きなのは良くない。
――――――――――
「お昼、何食べたい?」
「なんでもいいよ」
――――――――――
なんでもいい。これが一番悩む時がある。作業をしているとなると、簡単に食べられて手が汚れない物が最適。サンドイッチとかが相性は良い筈。この後フルーツタルトもあるから、軽食って事でそれにしよう。ハムと卵で一つ。トマトとチーズで一つ。ツナも作ろうかな。
出来上がったサンドイッチはヘルタの執務室へ持って行って、私は食べながらもフルーツタルトを作り始めた。普段からヘルタは執務室に居る事が多いけど、今日は何時にも増して籠ってる気がする。途中で体を伸ばすみたいにキッチンへ顔を見せたりしていたから。何か大事な事が佳境とかなのかも。それか早く終わらせようとしている?
久々のフルーツタルト作りは可もなく不可もなくの出来栄え。もっと良い感じに出来た事もあるし、もう少し悪い時もあったから。ヘルタはどっちも食べた事があるけど、満足してくれるかな。料理の腕も寝ていたせいで落ちた、みたいに言われないと良いけど。その辺、思ったら直球で言って来るから。
メッセージで出来た事を知らせると、少しの間を置いてヘルタが執務室から出て来た。そのまま何も言わずにテーブルを前にして椅子に座ったので、まずは目の前に出来上がったホール状態のフルーツタルトを見せてから切り分ける。
「四分の一で」
「ん」
大体は六分割くらいにするけど、今回は多めに食べたいらしい。お昼を軽食にしたから、お腹空いてるのかも。半分の半分にしてヘルタへ渡してから、私は最初に作った半分の三分の一を取る。これで私はいつも通りの量。流石に今全部を食べる訳では無いから、残りは冷蔵庫に。
「……」
「……」
「なに?」
「どう?」
「いつも通りだよ。及第点」
言葉通りなら合格ギリギリ。でもヘルタを満足させるのが難しい事は身に染みて分かってる。アスターが言うには、プロの料理人が作った料理でさえヘルタを満足させる事は中々出来ないらしい。だからヘルタが食べる事を受け入れてもらう事はそもそも難しい。だからちゃんと食べ進めてもらえる事はきっと、誇って良い事なんだと思ってる。
「掃除は終わった?」
「一通り」
「なら一時間後、動ける様にしておいて」
「?」
何をするのか、説明はしてくれなかった。それだけ言って、ヘルタは口元を布で拭ってから執務室へ戻ってしまう。言われた通り、一時間後には何でも出来る様にしておこう。どうせ三日間はここから帰る事も出来ないから、やれる事は宇宙船内に限られる。夕ご飯は何にしよう? お腹いっぱいだから、ちょっと考えるのが難しいかも。
大体一時間が経った頃。突然、周りに居たヘルタの人形達が一斉に動き始める。
「え……」
瞬く間に三人の人形に足・背中・首の後ろを支えられて私は持ち上げられた。危ないものを持ってなくて良かったと思うけど、突然過ぎて頭が追いつかない。
「ほら、行くよ」
「何処に」
執務室から当たり前の様に出て来たヘルタが杖に乗って浮かびながら先導して、私はキッチンから運び出される。向かう先は寝室だった。自動的にヘルタの前で開く扉。中へ入れられると同時にベッドの上へ軽々と放り込まれる。そして私が一回バウンドしている間にヘルタが部屋に入って、扉はまた自動的に閉められた。
「貴女も彼女も、よく分かってるよね。私が飽きそうになったらまた興味を引く様な事をしでかすから。それ自体は良いよ」
「ヘルタ?」
「でもこの天才に無断でこの世界から消えるのは許されない。そうでしょ?」
この時、初めて私は分かった。ヘルタが怒ってる事に。それは理不尽かもしれない。私は私の意志で消えた訳じゃないから。確かに最初迎えに来た時は目覚めない事を分かっていながら一緒に扉を潜ったけど、私にどうにか出来た訳じゃない。でもヘルタにとって、私がこの世界から消えた事そのものが怒りの対象。
ヘルタがベッドの上へ、私の方へと近づいてくる。理由はどうであれ、私は皆の前から。ヘルタの前から消えた。結果として戻って来れたから良かったけど、消えた事にヘルタが心を痛めたのなら私のせい。どんな叱責でも、受け入れる。それは私を思ってくれた人の気持ちだから。
そう、思っていたのに。
「んっ」
「っ!」
私の前に居たヘルタの顔が一気に近づいて来てキスをされた。私の体は前も今も口の中が弱いみたいで、触れ合うだけならまだしも口の中を好き放題されると一瞬で頭の中が真っ白になる。それは紛れもない私の弱点、みたいなもの。離れたくてもいつの間にか両手で顔を抑えられて逃げられず、ヘルタが止めてくれるまでされるがままになるしかなかった。
「ふぅ」
「ぅ、ぁ……」
「貴女は私のだって事を今日から再教育してあげる」
そう言って私の体に伸びるヘルタの手を止める事は出来ない。抱き締められて耳元で囁き掛けられる。
――――――愛してる
今まで聞いた事のないヘルタからの言葉。ゲームなんかで偶にある言霊の存在が本当にあるみたいに、その言葉が私の頭を狂わせて来る。何度も、何度も同じ言葉を囁く度に耳の奥がゾワッてして体が勝手に跳ねて、それもヘルタの手中にあるみたいに抑え込まれる。
その後、私は魔法で軽々脱がされて下着姿にされた。紫色のリボンで両手も拘束されて、ヘルタの手が下着の中にまで入り込んで……。止めてって言っても、頭がおかしくなりそうになってもヘルタはやめてくれなかった。開拓者とホタルもそう、始まると止まらない。
「今、他の誰かを思い浮かべたから激しくするね」
「!?」
今日から三日間、私は帰れない。でも三日後、無事では居られないかもしれない。