君に傾く天秤   作:ウルトラレア

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 もし本作を真面目に見てくれている方がいれば、という自己満足の補足になります。





第十四話 Material&補足

 

 

 

 

《用語設定等》

 

 

阿頼弥(あらや)一族

簡単に言えば「呪詛師絶対殺す一族」。

難しく言えば「対呪詛師異端審問家系」。

呪詛師討伐を生業としてきた呪術界きっての由緒ある家系。

外部からも内部からも生まれ得る呪詛師という存在を徹底して管理すべく、全国各都府県に四十六の分家を配置し、既存呪詛師、潜在呪詛師、あるいは活動中の高専術師やその他フリーの術師も含めて、「眼」と呼ばれる索敵に特化した組織が監視調査している。東京の宗家を「一」、京都の分家を「二」として、順に数字の若い分家に強い権力が集まっている。人の多い首都圏や呪いに所縁のある地に一桁台の分家が配置される。

 

任務は全て呪詛師の殺害で、呪霊討伐等は大規模な呪術事件が発生し、かつ呪術界から協力要請があった特殊なケースを除き、基本しない。

その長い歴史と術師を裁く術師一族である事から強い発言力を持ちながらも呪術界とは全く別の組織と化しており、また呪詛師、もとい呪術師に対する抑止力として常に中立の立場を取っている。

故に長らく外界との繋がりを閉ざし、阿頼弥に生まれた子供は少なくとも任務に就ける実力と精神力が伴う年齢まで敷地の外に出してもらえない。平均的には十歳〜十二歳。

しかし今の当主になってからはその姿勢も大きく変わりつつある。

 

 

 

 

 

 

三千世識(さんぜんぜしき)

相伝の術式の一つ。

いわゆる千里眼だが、本質は五感機能の操作。範囲の広さは才能であるが、最低でも半径数十メートルは下らない。熟練者であれば二百メートル程度まで広げる。

啓の場合、他の術式を使わず三千世識のみに集中すれば、三百メートルまでは拡大可能。幼少期でも初期段階で百メートルまではいけたが、もし出力を上げていたら情報過多で気絶していたという。

また術式を「面」ではなく「点」にまで限定してより遠くに飛ばす、複数の「点」を飛ばし多角的な視界を得る、通常の感覚程度に範囲を圧縮する事で知覚機能を驚異的に上昇させるといった応用が存在する。

 

 

 

 

 

 

神決呪法(かむはかり)

阿頼弥家相伝の術式の一つ。

阿頼弥の力の象徴。あらゆる事象を禁止する力。

現在啓を除いて持っているのは玄と玄の弟のみ。祖父である命も持っていた。

啓が認識した全ての事象、例えば敵の攻撃、防御、日常動作等、多くの事象に禁止を強制できる。恐るべきは、術式効果が対象そのものに作用する為ほぼ必中であり、あの五条にも攻撃が通る。ただし東堂の術式とは違って領域での中和が可能。

術の難易度は「自分への禁止」「自分への許可」「他者への禁止」「他者への許可」と右へ行くほど高くなる。

啓は三千世識と併用する事でより高度かつ的確な禁止を可能にしている。五感の「面」を広げたり、「点」として飛ばしたりする事で視界外の事象にも干渉し、また五感の圧縮により身体機能限界を超えた速度等も捉え、対応する。

 

 

《禁止》

術式順転。

歩く、走る、防御、攻撃といった行動を禁止する。

これによって敵の侵入遮断、攻撃阻害、即時制圧等様々な事が可能。

対象における「行為」の禁止である為、筋力云々は関係無い。むしろ呪力や呪術、領域といった部分が関係し、相性によっては禁止が効かない事がある(例:真人に動く事を禁止しても、真人は魂を変化させる事で肉体をある程度変形できる/五条の無限で止まった鉛筆に「止まる事」を禁止して動かそうとしても鉛筆が無限を超えられる訳ではない)

逆に相性が悪くないのなら特級呪霊や特級術師にも適用できる。

 

【滞在の禁止】

指定範囲に対象が居る事を禁止し、結果、対象を範囲内から出すべく「斥力」が発生する。

無下限呪術の「赫」と同じイメージ。

術式の出力を上げる程に弾く力が強くなり、最大出力では禁止されたその瞬間にもまだ対象がそこに居るという歪みを無くす為に「斥力」が発散し、術式対象の空間転移を引き起こす。ただし人を逃す以外の使い道はあまりない。

 

【生の禁止】

上記の格下の中で、更に準一級以下の呪霊、二級以下の呪術師に対してのみ可能な禁止。

単純に「生きる」事を禁止して強制的に殺す。主に爆散して死ぬ。

 

 

《許可》

術式反転。

様々な事象を許可する事で、対象の意思に反した事も強制的に行わせる。

謂わば「具体的な『禁止』」。許可の内容によっては禁止と同じ事もできる。応用性が抜群で、できない事の方が少ない。

「事実」が先に作られるイメージで、それを後追いする形となって結果が現実に現れる。その為、相性等で術式効果が軽減しない限りは絶対に「結果」が起きる。

攻撃を誘導する、敵に敵を攻撃させる、物体や人を任意方向に飛ばす、等々。

 

 

【存在の許可】

指定した場所に対象が「居る」事を許可し、結果、対象を引き込むべく「引力」が発生する。

無下限呪術の「蒼」と同じイメージ。

これも「存在の禁止」と同じく出力を上げる程に引力は強くなり、最大出力の結果も同様。

高速立体機動、空間転移、人や物を飛ばす等が可能。

禁止と違い任意方向への「力」の発生なので、汎用性は非常に高い。ただし術式反転である為、呪力の消費や操作が禁止より少し面倒ではあるし、任意方向というのも言い換えればマニュアル設定になる為、術式発動に禁止よりも時間がかかる。

 

【死の許可】

上記の格下の中で、更に一級以下の呪霊、準一級以下の呪術師に対してのみ可能な禁止。

「死ぬ」事を許可して自殺を強制させる。

ただ敵を殺す時だけでなく、相手が死にたがっている時にも使える。

 

 

【極ノ番・非邪式『全神之是(カケツ)』】

許可と禁止の複合術式。

許可による強制と禁止による強制の方向性を一致させる事で、片方では強制させられなかったレベルの相手にも、より強力な効果や結果を発生させられる。

ただでさえ強力な術式を繊細な呪力操作でギリギリ維持している為、突発的な即時発動は不可能。また術式の発動に時間がかかる上、反動もある。

 

 

※術式の使用禁止、呪力操作の禁止について

術式や呪力操作という強力な禁止は、術式対象の階級の観点で見れば「生死」の強制よりもハードルが下がるが、そもそもの発動条件である「事象の認識」が非常に難しい。

というのも神決呪法は脳内部の術式や呪力操作に係る機能領域の知覚が難しく、干渉力が弱まるからである(脳と呪力の関係はブラックボックス、対呪言で耳から頭を守るのが難しいのと同じ)。

それが他者の内部ともなれば尚更であり、ハッキリ言って、術者目線の術発動のハードルは「生の禁止」や「死の許可」よりも圧倒的に高い。

格下相手であれば呪力をつぎ込んでギリギリゴリ押せるが、恐らく数秒しか効果が現れない。

 

 

 

 

 

真蹟(まあと)

阿頼弥家相伝の術式の一つ。

天秤を司る強力な式神。姿形、性能は術師による。ただいずれも体表に天秤の紋様がある。

啓の場合、剣と天秤を持つ女神のような真蹟を有する。全長三メートルの体躯で、性能は禪院家の「魔虚羅」にも匹敵すると言われる。

どの真蹟も「分布」や「偏り」に関連した固有能力を付随して持っており、啓の真蹟は「因果応報の偏り」を操作する。

効果範囲内の対象の善悪の程度を真蹟が数値的に公正に判断し、その結果に見合う加護か呪詛を範囲内の対象に与える。

善人を判定する「善傾」では、身体能力向上、呪力操作能力向上、術式効果上昇等の効果が与えられる。

悪人を判定する「悪傾」では、身体能力低下、呪力操作阻害、術式効果阻害等の効果が与えられる。

ただし同時に「加護」と「呪詛」を与える事はできない。

あまりにも強力過ぎるが故に術師のコントロールとは別の制御系と意思を有し、その意思が術師を主と認めない限り、周囲の邪悪な者に攻撃を仕掛けるだけの殺戮兵器と化す。

過去、啓の父親に攻撃を仕掛けたのは、彼が背負う業に反応したからかもしれない。

 

 

 

 

 

 

《本編で説明し切れていない部分》

 

・啓の術式同時併用と領域展開

術式の同時併用は無理と本編で開示されてるじゃねえかと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、啓に刻まれた術式は三つの術式が一つのものとして融合しているような状態で、乙骨先輩の模倣術式に複数の術式がストックされた状態に近く、術式の同時併用が可能です。

複数の術式が単一の術式であるかのように構成されて生まれてくるのは、偏に「呪いを受け入れやすい体質」の成す奇跡です。

ただ乙骨先輩の術式よりも圧倒的に構造が複雑である為、夏油(けんじゃく)や宿儺のように術式を完全に切り分けて運用することが非常に難しく、どの術式を付与し、どの術式を付与しないか、取捨選択とその維持、術式の必殺化、必中化、結界術との連携と、領域の構築難易度が他の術師よりも高く生得領域の構築すらできていないのが現状です。

 

 

 

 

 

・神決呪法を複合した帳

夏油達は「禁令の帳」と呼んでいます。結界術の達人である羂索と神決呪法の達人である法坐の合作超々高度結界です。

そして禁令の帳による「術式の使用禁止」は無為転変で非術師の脳の構造を変えられる羂索と脳への干渉を何度も経験している法坐の神決呪法あっての離れ業です。それと生贄たくさん。

本編で通常の帳の内側に禁令の帳を配置した理由は、通常の神決呪法同様、禁令の帳は帳内の術式対象を「視ている」からです。禁令の帳の中に別の帳を張ると帳の視覚効果によって禁令の帳が術式対象を視ることができなくなり、術式が発動しなくなるのです。

 

 

 

 

 

 

・阿織桔梗の最期

桔梗ちゃんを貫いた杭は、法坐が桔梗ちゃんの思考を弄って術式を自分へ向けて発動させた結果です。

成仏前の人類イヤイヤ期の苛烈な桔梗ちゃんの思考を弄って術式を操る事は困難でしたが、終盤の成仏しかけて戦意も喪失した怨霊と魂の中間状態の桔梗ちゃんなら十分可能だった訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

・阿織桔梗の領域

要するに未完の領域です。心の風景が具現化していただけの代物で、結界の範囲も我武者羅に広げた結果、驚異的な広さを持ってしまったという事です。

また無意識下で人が来る事を望んでいたので、外から内への強度はゼロ、内から外への強度に十割のリソースを割いており、帳のように侵入ができます。

 

 

 

 

 

 

 

・法坐の天蓋

外部の存在から自身に対する認識を希釈する呪具。特に視覚への効果が高く、三千世識による遠隔視野や式神・動物を介した視覚共有においても同様です。逆に視覚以外であれば知覚は十分可能で、三千世識でも遠隔から「聞く」「触れる」事で認識する事はできます。

しかし「眼」の中でも三千世識持ちは貴重で、また三千世識持ちによる監視も視覚に頼っている部分がある為、「目には見えないが、いる」想定で視覚情報と聴覚・触覚情報の不一致まで検証する物好きがおらず、阿頼弥家においても法坐の存在は今まで全く認知されてきませんでした。また存在が確認されて以降も、他の呪詛師の監視と並行して探し出すのが困難というのが実態です。

 

 

 

 

 

・三千世識の共有

無害な術式効果である為、半強制的に共有できます。秤の領域と同類です。

 

 

 

 

 






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