CSI:クラナガン   作:アイバユウ

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新暦76年4月1日午後03:20

 

午後03:20 西区中央部ノースミーミル地区 ウエストクラナガン宮殿 パーティー会場

 

ラジェットたちは無事に会場に到着すると早速、2人の女性が一緒に接触してきた。

2人は港湾パトロール艦隊の制服と海兵隊の制服をそれぞれ着用していた

現ミッドチルダ連邦大統領であるアンナ・ランシングの実の娘なのだが、

大統領就任時に予備役兵に移ってほしいと母親に言われたがけんかをして港湾本部基地の宿舎に住んでいる

今は家族関係は良好でパーティーの際は参加することがよくある

 

「ユウ・ミズノ捜査長官。お久しぶりです。ラジェットも元気そうね」

 

制服を身にまとったアーリン・ランシングとセイリーン・ランシングは捜査長官に敬礼して挨拶をした

今のところは問題ない

 

「アーリン、セイリーン。最近の調子はどんな感じだ?」

 

「毎日訓練をして体が鈍らないように鍛えているわ」

 

アーリン・ランシングはそう答えた

彼女は港湾パトロール艦隊に属している。セイリーンは港湾パトロール海兵隊に所属している

どちらも親の七光りで今の地位を得たわけではない

数多くの戦場で戦いをして今の立ち位置を獲得したのだ

戦闘格闘術はレベルが高い。そのため本来ならシークレットサービスがつくのだが

今の現住所が港湾本部基地内であることから表立って護衛はつけていない

ただしこういう外でのパーティーの際は警護はつけられている

実際に本日も彼女たちの周囲には数名の男性警護官が配置についていた

 

「警護は慣れたか?」

 

「私たちが必要なタイプに見える?」

 

セイリーンの言葉に見えないなとラジェットは答えた

どちらも肉弾戦ではスキルは高いのだから当然の反応である

 

「それにしても慈善パーティーに参加とは珍しいな。母親から何か言われたのか?」

 

「ぜひ参加してほしいと言われたのよ。母親の代わりとしてね」

 

母親に言われたら断ることは簡単にはできない

それにこれは慈善活動の一環なのだから。2人も少ないものの寄付を行っていた

 

「大統領代行として参加するように言われたのか。それはある意味ではプレッシャーだな」

 

「まったくよ。できればこういうことは避けたかったけど捜査長官が参加するのに私たちが参加しないわけにはいかないでしょ」

 

捜査長官が参加するのに大統領の娘が出ないわけにもいかない

港湾パトロールの隊員という立場でもあるが大統領の娘であるという立場もある

難しい立ち位置に立っているのが彼女たちなのだ

 

「それで紹介してくれないの?後ろの2人は?」

 

「俺の相棒をしているはやて・八神とリィンフォースツヴァイだ」

 

俺が2人を紹介するとはやて達は敬礼をした。礼儀はわかっているようだ

その後は捜査長官の警護をしながらのんびりとしていた

 

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西区東部 クラナガンハイウェイ12号線( 外環状線 )時計回り

 

フィリーとなのはたちが乗った車は制限速度を守り、できるだけ急いでいた

今はエレスコ・フォーゲル君をティアイエル保護孤児院に連れていくことが最優先課題だ

 

「サイレンでも鳴らしてあげましょうか?」

 

フィリーは少しでも子供に退屈な時間をさせないようにしようとしていた

子供がこの手の車に乗ることは少ない。

別にこの子を犯罪者として送迎しているわけではないのでそんな話をした

 

「いえ、目立つのがあまり好きではないので」

 

「ごめんなさいね。余計なことを聞いてしまったみたいで」

 

フィリーが謝罪するとエレスコ・フォーゲル君は意外なことを質問してきた

 

「僕は孤児院でうまくやれそうでしょうか?」

 

「誰もが最初は慣れないかもしれないけど、お互い慰めあっていくことができる場所だから」

 

頑張ればきっとどこでも生活はできるわとフィリーは言った

確かにどこでも頑張れば生活をすることはできると励ますかのように伝えた

確かにその通りである。どんな場所でも互いに励ましあうことで互いに傷を癒しあっていく

心理カウンセリングの担当官も常駐しているので、些細な変化も見逃すことはない

 

「あそこに行けばきっとよりよい生活を送ることができるはずよ」

 

「本当ですか?」

 

「互いに傷を癒しがっているからこそ、同じように互いの傷の深さを理解しあっている」

 

「私の名刺を後で渡すから何かあったらすぐに連絡してくれてい良いからね」

 

「本当に良いんですか?」

 

「気にしないで。何か困ったことがあれば私の携帯電話に連絡して。もし出なかったら留守番電話に保存しておいて」

 

できるだけ早く返答するからとフィリーは伝えた

 

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南区西部 UH‐60 上空1500m 

 

シエナは車両ナンバーは [ クラナガンサウスUPQ-7305] を追いかけていた。

今はハイウェイ8号線(西線)を西に向かっている。スピードは制限速度ぎりぎりで走行している

 

「ハイウェイに設置されている車両ナンバー追跡装置で行き先を調べるしかないわね」

 

クラナガン市と近隣州の境界線には出入りをする車両を確認するために、

車両ナンバー監視システムが設置されている

 

「市外に逃げれたら追跡されないと思っているのかしら」

 

世の中そんなに甘くないのにとシエナは考えていた

 

『こちらWC9954。[ クラナガンサウスUPQ-7305] の車を追跡中。対象車両は高速で逃走中』

 

「こちらSA24。WC9954。現在位置を報告せよ」

 

『現在、西区西部クラナガンハイウェイ8号線を西に向かって逃走している。もうすこしで市州境付近』

 

境界付近で検問をしている。そのため渋滞しているが仕方がない。

市外に逃がすわけにはいかないのだから

 

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南区北部区域ノースイーストハーディー地区1番街2丁目と3丁目の間の通り

 

エルガは車の中から監視をしていた

今のところ売人行為のようなことはしていない

できることなら麻薬を売ってくれた方がこちらにとっては都合が良いのだが

また逮捕して刑務所に収監させることができる

今は仮釈放のみなのだから、次は司法取引で出ることは難しい

 

「本当にまたやるのか?」

 

「常連が声をかけてきたらやるだろう。ここは奴の縄張りだからな」

 

売人の性質上。過去の顧客に頼まれたらノーとは言えないはずだ

 

「ヴィータ。お前は顧客を追いかけろ。俺は奴が麻薬を密売したら速攻で走るから」

 

「わかった」

 

2人はいつでも車から降りれるようにシートベルトを外して待機していた

そこにふらついた男が奴に接近してきた。ふらついた男は金を渡そうとしていた

受け取って密売をしたら確定だが。どうやら取引は成立しなかったようで何もしないで去っていった

 

「やらないのか?」

 

ヴィータの言葉に時間がかかる捜査もあるものだとエルガは答えた

 

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中央パトロール本部ラボ棟 1階検死ラボ

 

リエはシャマルに検死の方法について勉強するために変死体の検死を見させていた

シャマルはやはり表情は良くなかった。顔色は真っ青でいつでも嘔吐をするかのような感じだが

何とか耐えている様子だった

 

「検死解剖は弱音は出さないでね。こんなことで冷静な対応ができないと検死官になることはできないわ」

 

いつまでも医務官にしかなれないとリエはシャマルに言った

検死官は医務官も兼任している。必要に応じて連携して対応しているのだ

 

「検死官って本当に鉄の胃袋が必要ですね」

 

「当然でしょ。この仕事の最大のつらいところよ。でも私たちは任務遂行して死者の声を聴くことが求められる」

 

リエはシャマルにあなたも死者の声なき声を聞き取ることを試みなさいと伝えた

 

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