探せばどっかのB級映画にあるかも知れない。
そんな内容です。
ちょっと石ノ森作品テイストっぽいかも。
正直分かると思ってたんですが、私の表現不足か相手の見聞不足かでどうもご理解いただけなかった程度の方がいらっしゃったので一応書くと、映画紹介系サイトやブログ風に書いてありますので、それをイメージしてどうぞ。
↓pixivにもあります。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23852849
物語は荒廃した街から始まります。
二人のゾンビが一人の年端もいかない人間の少年を連れて旅をしています。
彼らはゾンビでありながら知性や理性を取り戻し、バールや鉄パイプと言った素朴な鈍器ですが武器を使いこなし、ゾンビと言う種族がこの先も繁栄するには人間の存在が必要不可欠と理解している変異種でした。
少年はゾンビ化寸前の少年の母親から彼らによって拉致同然に救われましたが、事態を理解できておらず、ただ不思議なおじさんと共に毎日を過ごしている程度にしか思っていません。母親についても今はどこかに離れている程度にしか思っておらず、いずれまた会えると考えているようです。ゾンビの二人はその事を不憫に思いつつも、母親が既に知性も理性も無くした従来型のゾンビと化していて、二度と元には戻れず、決して共に過ごす事は出来ないと言った真実を伝える事が出来ないでいました。
彼らは旅の途中で住宅地やビルと言った廃墟に身を隠し、少年を守りながら生活をしていましたが、その度に少年の存在を嗅ぎ付けた従来型ゾンビの群れに襲われて、追い立てられて行きます。
二人の変異種ゾンビは、少年の為にも人間のコミュニティに接触し、彼を預けるべきだと考えますが、人間達にはまだ変異種の存在が認知されていないようで、出会した人間にはすぐに逃げられてしまうか、排除されそうになってしまいます。ゾンビも頭を破壊されれば再び死んでしまう為、目的の為に自らを守ろうと逃げるしかありません。
それでも幾度も人間達に接触しようとする中で、ある時偶然にも追い詰められた人間達を助ける為に従来型ゾンビを倒し、救い出す形になりました。
人間達は理性と知性を維持し、会話が可能な変異種ゾンビの二人に感謝しつつも、その存在に強く興味を惹かれており、少年の身の安全を保証する代わりに二人の体を研究させてほしいと言ってきます。
二人の変異種ゾンビはしぶしぶながらもそれを承諾し、人間のコミュニティの間近で生活する事になります。
その中で少年が平和を享受して生きている姿を見て、二人はやはりゾンビと言う種族の存続には元となる人間の繁栄が不可欠で、その為には現状弱者として滅亡の危機にある人間を守り、救わなければと考え始めます。
また、人間の為に戦うにも現在の腐乱した傷跡まみれの体や汚れと血に濡れたままの服装は恐怖や生理的嫌悪感しか与えないと考え、人間の協力者達に頼んで治療と洗浄、そして新しい装備を用意してもらいます。
変異種ゾンビの二人には食欲が無く、また食事をしなくとも何故か身体の維持には影響が無い上に、感染を広める以外に噛み付いたり引っ掻いたりの必要も無い為、顔には仮面やヘルメットを装備し、全身には戦闘に必要な防具を取り付けたライダースーツのような物を着込み、バールや鉄パイプ程度だった武器はショットガンやナイフと言った洗練された物へと代わって、その様はまるでどこかのヒーローのようにも見える姿になりました。
また、人間のコミュニティを守る戦いの中で、二人のゾンビは自分達と同じ理性と知性を持った変異種ゾンビの仲間達と出会います。彼氏彼女らもまたゾンビと言う種族の在り方に疑問を抱いており、二人の変異種ゾンビの意見に賛同して仲間となっていきます。
彼ら変異種ゾンビの格好と、率先して従来型ゾンビと戦い、人々を守る献身的な姿に、いつしか人間達はゾンビマンやゾンビソルジャーと言ったあだ名をつけて、信頼と好感を抱いていきます。
また、変異種と言えどゾンビである為、従来型ゾンビに襲われない所為で戦闘の効率が悪い事実と、彼らにばかり身を削らせて安寧の中にいる事を憂いたコミュニティの戦闘担当の一部の人間達が協力を申し出、共に肩を並べて戦っていくようになります。
ゾンビマン1号2号となり、いつしかゾンビソルジャーの隊長格や協力者の人間との橋渡し役となった二人の変異種ゾンビは、自分達の考えていた状況とは些か異なる現状に首を傾げながらも、コミュニティを守って戦う事や、平和の中で成長する少年や他の子供達、安堵する人間達の姿に喜びも感じ、このままでもいいかと納得します。
しかし一部の人間達やゾンビソルジャーと呼ばれるようになった変異種ゾンビ達の一部は考えが違いました。人間達は変異種ゾンビも従来型ゾンビと同じくゆくゆくは排除すべき敵として考え、ゾンビソルジャー達はやはり人間はゾンビの繁栄元でしかないと捉えて事故に見せかけては傷を負わせて感染を広げようとしていきます。
ゾンビマン1号2号はその思惑に翻弄されながらも、いつしか二つの種族が手を取り合う未来を夢見て、守る為の戦いを続けます。
そしてかつて守っていた少年が少し物事を理解出来る年になった頃、ゾンビマン1号2号は彼が母親に会いたがっている事を知ります。
ゾンビマン1号2号は真実を告げ、母親が変異種ではなく従来型になっている事も教えますが、少年の希望により共に探して会いに行く事にします。
何人かの協力者達も連れ、車列で移動し、かつて少年を拉致同然に助けた場所に訪れると、そこには無惨にも人間の手によっていたぶられて磔にされた母親ゾンビの姿がありました。
介錯の為にトドメを刺し、涙を流す少年に寄り添える立場ではないと思ったゾンビマン1号2号は、コミュニティを去る考えを持ち始め、それを打ち明けますが、彼らを家族と見ていた少年はそれを引き止めます。
これ以上の悲しみを産まない為に、ゾンビマン1号2号はゾンビと言う種族の繁栄や、変異種とは言えゾンビである事には変わりない自分達と人間の共存を諦め、己を含めた全てのゾンビの殲滅を決意します。
協力者達に引き止められながらも、ゾンビマン1号2号の考えは変わらないままに、コミュニティへと帰路へつきます。
その最中に、コミュニティから悲鳴混じりの連絡が届きます。
一部のゾンビソルジャーが反乱を起こし、人間を襲い始め、他のゾンビソルジャーと人間達が激しく戦っているとの事でした。
ゾンビマンと協力者達は急いで混乱を極めるコミュニティへ帰還し、人間達を守る為の戦いへ参加しますが、争いが終結した頃には死屍累々の地獄絵図が広がり、その中で従来型ゾンビとして蘇るかつての人間達の姿もあり、悲しみと怒りのままに弔いにも似た殲滅が行われます。
変異種ゾンビに反発していた人間達はゾンビマン1号2号を激しく批難し、好意的に見ていた人々も不信感を抱いた目で彼らを見ます。
ゾンビソルジャー達も人間達への信頼や、いつしか抱いていた共存への思いを揺らがせ、一人また一人とコミュニティから去っていきます。
ここらが潮時かと、ゾンビマン1号2号は少年や、未だに自分達を信じ続けてくれる人々に、当初の目的であったゾンビと言う種族の存続と繁栄の為に人間を守ってきた事実を告げて、別離の道を選ぶよう諭します。
人間達は絶望し、それが本心ではないと知る少年や協力者達からはまたも引き止められる中、ゾンビマン1号2号は自分達を含めた全てのゾンビを殲滅するまで戦い続ける事を誓い、彼らに賛同した幾人かのゾンビソルジャーを連れて別れを告げます。
こうして、変異種ゾンビ達の望んだ幸せな未来は打ち砕かれました。
しかし彼らは、また新たな未来を目指して戦いの道を歩み始めました。
全ては少年を含む人間達の自由と平和の為に。
遠くない未来で、ゾンビからの危機に瀕する人々を救い出しては黙して去っていく死者の軍勢の噂は広まり、彼らは再び英雄として名を馳せ、そしてやがて修羅となって蘇った者として恐れられて行きます。
そしてこの世からゾンビが一掃された後、たった二人残ったかつてゾンビマン1号2号と呼ばれていた変異種ゾンビ達は、深い森のどこかで、望んだ未来を手にしたのだと互いに言い聞かせて、人知れず頭を撃ち抜いて全てに終止符を打ちます。
物語は、大人になったかつての少年が、悲しみの表情で自宅の倉庫で大切に仕舞っていたバールと鉄パイプを見詰める中、パパと呼ばれて振り返る所で幕を閉じます。
果たして、これはハッピーエンドだったのでしょうか。