水禁窟   作:


原作:不遇水魔法使いの禁忌術式
タグ:
(朝寝がしたい
―サーシャ?
)


1 / 1
―こ

れあげる…
 音と光しあわせが溢れ私は市場の一部だった
 決して寒くはなかった
 強さが欲しい
―ブヘ
 洟を流し立ち歩き人に当たる
―結局コイツは誰なんだよえー!?
―サーシャ,早くしろ
―ふうん,そういうことか
―今なんか言ったか
―俺を騙したのか!?
 見知らぬ男は私をサーシャとした
 こんな朝に光は溢れていた
 は陰り湿っていた
 男は連日遅く帰りお水を求めた
―お早うございます
―まだ寝ていていいぞ
―鶏の声が…
―ああ,夜は冷えたから
 一つ違えば私だったかも知れない
 街は氷り光っていた
 半年後には村に移り,相隣るご婦人とよく話すようになっていた
 男も禁忌を犯したらしかった
 術式は市井に流れた先端技術で,奴隷はもはや非現実的だった
 婦人はかつて奴隷に主人を奪われたらしくよく私の手首を撫でた
 村外れの二軒は川に近く都合がよかった
 男は時折家を空けた
 お水に差し支えない形ばかりの隷属術式が寄す処だった
 遺された隣家も男のものとなった
 故人の喪服で送るのは悪くもないと考えられる
 共同墓地は使えず,男は死体を荼毘に付した
 初めて見る恐ろしくも綺麗な術式だった
 禁忌を禁忌で打ち消すことが男の求めるところだったのか
 部屋と服を継ぎ手首を流した
 火と水があれば暮らしは成り立った
 サーシャである私は禁忌術式を知らず過ごした
 男を焼く火と私を流れる水は相克し,私は―おそらく男も―初めて安寧に暮らした
 川が溢れ村を流した
 唯二軒が遺り,街に戻った
 隣るご婦人はよく自らの手首を撫でた
 手首を流すか問うと婦人は唯一遺った主人との寄す処だからと断った
 国の都が荼毘に付されたらしい
―帰りたいか?
―あなたがそれを?
―気付いていたのか
―この世ならぬ水を合わせていたんですよ?
 戦勝祝典で賑わう市場で人に当たる
―舐めた真似を,次やったら…
―見ろ,サーシャ
 光と音が溢れる
―な…なんだあっ
―花火という
 恐ろしくも
―刺激的でファンタスティックだろ
―綺麗ですね
―禁忌を荼毘に付す時代の流れだ
―懐かしそうですね
―ああ,懐かしい
 人波に流され別れる
 市場には奴隷でなく術式流しが並ぶ
 おそらく鶏は去ったのではないかと思われる
 流れ流され一年,ここで私はサーシャで,固有名こそが寄す処だった
 酷な気がしたのでここでエタる
―リムルやないけーっ
 こえなみだが溢れた
―久しいね
―本当に,生きていると信じていたが…
 どうしてここにいるのか
―そっちこそ都共々荼毘に付されたかと
 話は流れ流れる
 高々一年前が酷く懐かしかった
考文献
• 不遇水魔法使いの禁忌術式
• TOUGH 龍を継ぐ男
• 転生したらスライムだった件
• 三枚起請
◦ 遊仙窟
• 小僧の神様
©MMXXV CC0 1.0 Universal No Rights Reservedなんでもいいですよ


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。