18歳になっていた。
これは、そんな少女に起きた
あったかもしれない、みらいのお話。
注意書き
・初投稿です。構成や書き方の基礎等知りません。優しくしてください。
・この物語に原作を中傷する目的はありません。
・あくまでファンの二次創作としてお楽しみください。
その日。
私はあの数日を
覚えていたー。
1.
トンネルを抜けた、あの後車の中で
それが何なのかも分からない
寂しさや悲しさのようなものが頭の中を駆け巡る。
そんな中、車は私の新しい家に着いた。
引越しの作業はすべて片付いていた。
引越し業者(以下:引) 「あー、きたきた。長かったですね〜。なにかトラブルでも?」
父「あーいえいえ。すみません。少し寄り道が長くなっちゃいまして...」
母「すみません...。もう終わっちゃいました?」
引「ええ!すべて完了致しましたので!では!ありがとうございました!あ、コレ鍵です。どうぞ。」
母「もう何から何まで任せてしまってすみませんでした。ありがとうございました。」ペコリ
引「いえいえ!私共の仕事ですから!では!」
引越し業者が颯爽と去っていく。
父「な、言ったろ。やってくれてるって。」
母「...もう。」
千尋「...そうだ!お花!」
母「家に入ったら花瓶に入れときなさい。そうすれば大丈夫よ。」
すぐに家に入り、花瓶に花を生ける。
朝に見た時よりさらに少し萎れているだろうか。
何とか生きてはいるようだ。
明日には少しは元気を取り戻しているといいな。
母「今日はもう弁当買ってきたから。食べたらお風呂に入ってもう寝なさい。
ちゃんと歯は磨くのよ。」
千尋「はーい。」
・・・
私は布団に入り今日のことをふと振り返る。
たしか朝方に前の家を出て、新しい家に着く途中
森の中に入って赤いトンネルを見つけた。
物怖じせず入っていく親に着いていくとそこにはテーマパークの残骸があって、それで、
...えーと。あれ?何したんだっけ。
見てすぐ帰ったんだっけな?
もっと何かしたような気がするんだけど...
まぁいいや。今日はなんだか疲れたし
もう寝よう。
・
・
・
2.
あれから8年の時が流れた。
私は普通に小学校に行き、特に難なく中学高校と進み、
今、高校3年生ももう終わるという頃だった。
親友「ねぇ!あと1週間で卒業だよ?卒業。実感わかないわー。」
千尋「そうだね。みんな高校生活あっという間だーって言って卒業するけど。
ほんとにあっという間だったね。」
親友「なんかさー。このまま何もなしに終わってくのも寂しくない?」
千尋「このままって?」
親友「ちーは関東の大学でしょ?あたしは地元で就職。もう全然会えなくなるじゃん?」
ちーとは私のことだ。仲のいい子からはみんなにちーと呼ばれている。
千尋「そうだけど...。なにかするの?」
親友「この時期と言えばあれしかないっしょ!卒業旅行だよ!卒業旅行!」
千尋「あぁ!そう言えばすっかり忘れてた。どうしよ。なんも決めてないじゃん。」
親友「フッフッフ...アーッハッハッハッ!!」
千尋「何その1ステージ目のボスみたいな笑い方...」
親友「聞いて驚け!こんなこともあろうかと私は一週間前から計画を練っていたのだ!」
親友は得意気に1冊の冊子を取り出す。
親友「ジャーーーーン!」
千尋「......旅のしおり?」
親友「そう!この1週間考えに考え抜いたの!」
千尋「たかが卒業旅行にしおり作っちゃったの?」
親友「たかがとは何事か!!卒業旅行とはもう会えなくなるかもしれない人と一生の思い出を作るために行くんだ!」
千尋「そんな大袈裟な...」
親友「高校の卒業旅行ってのは人生に1回しかないの。大袈裟くらいが丁度いいんだよ。」
千尋「はぁ...。まぁいいや。とりあえず見せてよ。えーと......寺?」
親友「そう!お寺巡り!」
千尋「お寺って...私達高校生だよ?JKだよ?ティーンズだよ?」
親友「まぁまぁ。私が大のお寺好きであることは周知の事実じゃん?」
千尋「...いや、初めて聞いたよ。さてはまたドラマに影響されたな?」
親友「バレたか。」
千尋「バレんと思ったか。」
親友「だってモチーフになったお寺行ってみたいんだもん。聖地巡礼だよ!聖地巡礼!」
千尋「全く...、どうせ行くのは決まってるんでしょ。従うよ。」
親友「やったぁ!さすがはちーだね!話が早いや!」
千尋「で、それは何処にあるの?」
親友「しおりに書いてるよ!読んで読んで!」
千尋「ハイハイ。どれどれ......あ。」
親友「どしたの?」
千尋「ここ...、昔住んでたとこだ。」
3.
電車に揺られながら、私は8年前を思い出す。
突然、父親の仕事の都合で引越しが決まった
私は当時仲の良かった友達から花束を貰った。
それは私にとって人生で初めての花束だった。
今でもその花は1本を押し花にして本の栞に使っているー。
「次は○△□駅〜。○△□駅。
お降りの方は後ろの車両のドアは開きませんので、前の車両の一番前のドアからお降りください。切符は〜......」
目的地に到着するアナウンスが流れる。
千尋「あ、ほら。起きて。もう着くよ。」
親友「んぁ?いや!!ねてないよ!!」ガバッ
寝てたよ。乗って30秒で寝てたよ。
千尋「分かったから。ほら準備して。」
親友「ふわぁぁい。」
・・・
車掌「ありがとうございます。はい、ありがとうございます。」
千尋「切符は?」
親友「ある!」
車掌「はいありがとうございます。」ニコッ
フッ
千尋「ん?」
親友「どした?」
千尋「いや、なんか...。」
「ドアが閉まります。ご注意ください。」
親友「やば!はやく!」ダッ
千尋「う、うん!」ダッ
プシューッ...ドダン
ピュルルルルルル
ピィーーッ...
ドッドッ...ドッドッ...ドドンドドン...ドドンドドン
親友「あっぶー...降りれないかと思った。」
千尋「いつもは改札あるし、慣れてないもんね。」
親友「それな!うちらの所も田舎だけどさらに田舎だね。」
親友「この駅は覚えてんの?」
千尋「いやぁ...外からなら見てたけど使ったことは無かったなぁ。当時は小学生だったし。」
親友「とりあえず腹減ったわ!なんか喫茶店みたいなとこないかなぁ。」
千尋「駅前にいっこ見えてるよ。あそこ、喫茶アールインだって。」
親友「いいじゃん!とりま行ってみよー!」
千尋「行ってみよー。」
カランカラン
マスター「っしゃーせー!空いてる席へどーぞー。」
親友「へぇ。マスター女の人なんだ。」
千尋「ほんとだね。メニューは...っと。」
親友「オススメはこんぺいとうパフェと温泉あんまんかー。片方がひとつ頼もうよ!」
千尋「いいね。そうしよう。すいませーん。」
マスター「ハーイ。決まりっすかー!」
親友「こんぺいとうパフェと温泉あんまんくださーい! あ、あと私ミックスジュース1杯でー。」
千尋「あ、じゃあ私は...オレンジで。」
マスター「はいよー。少々お待ちくだーい。」
親友「明るい人だね。」
千尋「そうだねー。このあと何するんだっけ?」
親友「たしか......アレ?」
千尋「どうしたの?」
親友「...旅のしおりがない。」
千尋「えーーっ!忘れちゃったの?」
親友「いや!出た時は持ってた!!電車に忘れたかなぁ...。」
千尋「ええー。まぁ同じもので私の分があるからなんとかなるか...。」
親友「ごっめーん。寝起きでつい!」
千尋「寝てたんじゃん。」
親友「あっ。」
・・・
マスター「おまたせしやしたー。ごゆっくりどーぞー。」
千尋「おーきたきた。」
親友「うまそー!いただきまーす!」
私の方はまっしろな皮のつるつるのあんまんが運ばれてきた。
もうひとつはアイスの上にチョコのスティックお菓子とこんぺいとうが乗ったシンプルなパフェだ。
親友「うんまー!アイスとこんぺいとう合うー!」
千尋「このあんまん、ふっかふかだよ!」
親友「みっくすもうまーい!ちーも飲む?」
千尋「いやー。実はドロドロした飲み物なんか苦手で...」
親友「なんでー。美味しいのに...」
千尋「わたしもよく分かんないんだけどね」
・・・
マスター「ありあとざしたー!またどーぞー!」
カランカラン
親友「いやーうまかったー」
千尋「もう1時過ぎてるね。」
親友「ほんとに!意外と電車が長かったね。」
千尋「あとは商店街の近くのお寺と山のふもとのお寺に行って今日は旅館に泊まるんだっけ?」
親友「そうそう!ちゃちゃっといってぱぱっと写真撮ったりして旅館に行こう!」
千尋「そんなんでいいの?目的お寺じゃん。」
親友「まぁまぁ。今日泊まる旅館は創業は最近なんだけどめちゃくちゃ評価が高いんだよ!」
親友「じゃらんの評価も4.8だし!そこの温泉が旅館主が自ら沸かしてるらしくて『くすり湯』って言うのが有名らしい!」
千尋「へぇー。効能はどんなんだろうね。」
親友「美肌はもちろん。代謝up。ほかには...
神経から活性化させるから育乳にも効果ありとか...。」
千尋「すぐに行こう。今すぐ行こう。」
親友「oh......。」
4.
親友「やって参りました。『旅館 くもの湯』
それでは早速入ってみたいと思います。
あ!女将さん!こんにちはー。」
千尋「YouTuberか。こんにちはー。」
女将「いらっしゃいませ。ようこそお越しくださいました。ごゆるりとおくつろぎ下さいませ。」
優しそうな笑顔の女将が迎えてくれた。
親友「お部屋どこですかー?」
女将「当旅館はかえるの間、ひよこの間、かすがの間、うしおにの間、なまはげの間、おしらの間と6種類ございます。
今回はおしらの間にご案内させていただきます。」
親友「なんか不思議なチョイスだね...」
千尋「だね。」
テクテク
女将「お部屋はこちらでございます。ではごゆっくり。」
千尋「ありがとうございます。」
女将はニッコリとした可愛らしい笑顔でロビーに戻っていった。
親友「いえーい!なかなかひろーい!」
千尋「ふー。大変だったー。まったく...」
親友「もー。ごめんて!あたしが悪かったよ。」
千尋「撮影禁止のところでいきなり連写するんだもん。そりゃ寺主さんに怒られるよ...。」
〜お寺にて〜
親友「あ!!あれ!!ドラマに出てきた頭像だ!」
親友「すっげええ!あ、撮っとこ!!」パシャシャシャシャシャ
千尋「ちょ!ここ!撮影禁s...」
寺主「くぉらぁぁ!!何しとんやぁ!!」ズァッ
親友「やべっ!にげっ......!」サッ
千尋「ぅおい!ちょ待って!」タッ
寺主「まてやぁぁぁ!!!」ズゴゴゴゴ
親友「寺主はえええええ!!!」
このあとしっかりと絞られました。
〜回想終了〜
親友「アハハー...。ほ、ほら!温泉入ろう!温泉!」
千尋「そうだ。はやく入ろう。たわわな明日が待っている。」
親友「執着心が強すぎる…。」
・・・
親友「あ、あれが旅館主さんかな薬草みたいなのをすり潰してる。」
お風呂に向かう途中、ガラス張りの部屋で
黒いサングラスをかけた、細身の男性がなにか作業をしていた。
千尋「すごい...作業が早くて手が何本にも見える...」
隣では黒い服を着た男の子がサングラスの男性の手伝いをしているようだ。
・・・
そうこうしているうちに大浴場にたどり着いた。
親友「でけぇ!広ぇ!」
千尋「他のお客さんもいるんだからあんまり騒がないの。」
親友「丸い浴槽がいっぱいあるぅ!」
千尋「ほら、あのでっかいのが『くすりゆ』じゃない?」
親友「めちゃくちゃ濁ってんね。効能ありそう。」
千尋「あってもらわなきゃ困る。」
親友「ふふん。」タユン
千尋「ちくしょう。」ペタン
5.
夜中、いきなり私の目の前に男性が現れた。
ここはどこだろう。商店街のような場所に私はいた。
どこかで見覚えがあるような懐かしさを感じさせる街並みだった。
でも、私はこんなところ知らない。
けども覚えている。
知らないけど、覚えている。
千尋「そうだ。親友は...。」
辺りを見渡すが、そこには誰もいない。
あるのは不思議な石像のみ。
千尋「なにか...私は...ここはどこ...。」
千尋「とりあえず歩いてみよう...。」
飲食店がずらりと並ぶ街並みには出来たての料理が皿いっぱいに盛られている。
ものすごくいい匂いがするが食欲は湧かない。何故かそんな感覚がした。また歩く。
千尋「橋だ...。」
赤い橋が見えた。その奥には油屋と書かれた大きな建物。すごく大きくて禍々しい。
プワーン...ガタンゴトン
千尋「...!!電車の音が聞こえる!」
この電車の音も聞いたことがある。
電車が通り過ぎたその時橋、の向こうに、一人の青年が立っているのに気付く。
千尋「...誰?」
涙が流れる。
誰だか分からないのに、その人を見つめていると、涙が止まらない。
その瞬間、私の意識はプツリと途絶えたー。
・・・
また、知らない場所に私はいた。
いや、違う。ここは知っている。
昔、小さい頃に私が落ちた川。
靴を拾おうとして。
千尋「あれ。でも、あの川は確か...。」
そう。あの川は埋められてしまっているはず。
もう私が引っ越す頃にはマンションが建っていたのを知っている。
しかし、私の前には夜の月のひかりを照らし返すように、キラキラと水が流れている。
すぐ目の前に川の名前が書いた橋がかかっていた。
千尋「琥珀川...。」
そう呟いた時だった。
「千尋。」
後から声がした。
その聞き覚えのある声の主が誰かは...
私はすぐに分かった。
千尋「...!! ハク!!!」
私はその瞬間、すべてを思い出した。
覚えていたことに気付いた。
目の前にはあのハクがいる。
また、会えたのだ。
あの時の約束を、果たせた。
千尋「ハク!!ハク!!!!」
ハク「千尋。また会えると信じてたよ。」
目から涙が流れる。
見たことも無い大粒の涙が、流れる。
千尋「私!やっぱり忘れてなかった!おばあちゃんの言った通りよ!思い出せなかっただけだったんだ!」
ハクもまた同じように年を重ね、大人の立派な青年になっていた。
それでもあの頃の面影は消えてない。
ハク「私もだよ。千尋のことを忘れるわけがない。」
ひとしきりに泣く私をハクはそっと、抱きしめてくれた。
ハク「ありがとう。あの時、また会いたいと言ってくれなければ、私はまた会うことはできなかったと思う。千尋のおかげだ。」
千尋「私も...!絶対会えると信じてた!」
ハク「でも私達は多分。今日この時が終われば、
また...思い出せなくなる。」
千尋「...!!」
ハク「けど...何度でもまた会えるさ。1度でもこうやって外で出会えたのだから。」
ハク「私も、またあの油屋にいたみんなも
生まれ変わって、いまはどこか外の世界で暮らしている。」
千尋「ほんと?」
ハク「ほんとさ。今はもう油屋は、無いんだ。」
千尋「え、それって...。」
ハク「大丈夫。みんな元気だよ。もしかしたらいつの間にか会ってるなんてこともあるかも知れないね。」
ハク「だから、いつの日か...また...どこかで。」
意識が朦朧とする。
あぁ。また。言っておかないと。
千尋「また会える?」
ハクが微笑む。
ハク「きっと。」
千尋「きっとよ。」
ハク「きっと。。またね。」
目の前が、光に包まれる。
6.
(...ろー。)
(...きろー。)
ん?うぅ。
親友「起きろォォォォォォオォ。」
千尋「どぅわぁ!」
なんて大きな声だ。旅館中に響き渡ったんじゃないか?
親友「もう朝ごはんの時間だよ!朝飯!」
千尋「...分かったよ。」ポリポリ
半開きの目で頭をかいているとカーテンの隙間から朝の眩しい光が差し込んだ。
千尋「ぉおう...。」
千尋「...朝ごはんね、分かったよ。じゃあおやすみ。」
親友「...!!!!!!」
親友「うぉ!!くィ!!るォォォォ!!」ピョーン
ドスン!!!
千尋「ひでぶっ!」
プロレスかよ...
全ての記憶が飛んでいきそうなレベルだよ。。
・・・
朝ごはんを食べていると、何か頭に引っかかるような気がしたが、まぁあまり気にしないことにしよう。
親友「どったの?」
千尋「なんかモヤモヤする。さっきのプレスが効いたのかも。」
親友「なら大丈夫か。」
千尋「おい。」
まぁまた、何かがきっかけで思い出すだろう。
誰に聞いたかはもう覚えていないが、
人は忘れないもの、思い出せないだけ。
という言葉がずっと頭に残っている。
すぐには思い出せなくても人生はまだ長いんだ。
そのうち思い出せばいいや。
・・・
親友「よし!チェックアウトの準備もできたし!いこっか!」
千尋「そうだね。」
親友「よーし。とりあえず、、、なにする?」
千尋「しおりを見なさい。」
親友「ありまへん。」
千尋「はぁ。前途多難だよ。これを見て。」
親友「なにこれ!街に行くしか書いてないじゃん!」
千尋「あなたが作ったんでしょーが。」
千尋「ま、いいや、テキトーにブラブラしましょ。」
親友「そうだな!とりあえず街中に行くか!それから考えよう!」
千尋「...そうだ。街に行ったらプリクラ撮ろうよ。」
親友「へ?ちーからプリ誘うなんて珍しいな。」
千尋「...まぁ。記念にね。」
千尋「なんというか、この旅行は、私にとってとても大切なものになったように思えるんだ。
だから。」
千尋「また、思い出せるようにね!」
〜完〜
=エピローグ=
ガタンゴトン
キーッ
シュウテン、シュウテンデス。
車掌「ふぅ。今日も一日終わったな。」
車掌「車内の点検でもするか。」
テクテク
車掌「おや?」
車掌「これは、なにかの冊子かな?」
車掌「...荻野...千尋。」
車掌「なんだろう、懐かしいような。嬉しいような。」
車掌「でも、この名前を見るだけで私は笑顔になれる。大事なものでもなさそうだし。私がこっそり預かってみようかな。」
車掌「多分、今朝乗ってた女の子二人組のうちどっちかだ。また会えたら渡そう。なんだかまた会えるような予感がする。その時まで...」
=エピローグ完=