ガンダムGQuuuuuuX〜よっしゃ、宇宙世紀だ……なんか違くない? 作:とりマヨつくね
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「おい、しっかりしろ!」
メガ粒子砲の光が交差し、MSの爆発が照らす戦場の宙域の中心で俺は何度も叫ぶ。
目の前には、大破したマヴのザクが宙を漂っていた。
少し目を離した隙に、戦友の機体がビームに貫かれたのだ。
幸い、コックピットは避けたが、とても戦闘が続行できる状態ではない。
サブウィンドウが広がるが、画面はミノフスキー粒子が濃いせいでノイズまみれでパイロットの状態が分からない。
『グッ……大丈夫だ。生きている』
「そうか、良かった……! いや、それよりもすぐに脱出しろ!」
『ダメだ……装甲が歪んで、ハッチが開かない』
「だったら俺が運ぶ!」
『バカ言うな! そんなの格好の的に────避けろ!』
戦友の叫びとともに、俺は突き飛ばされる。
そして次の瞬間、マヴの機体がビームによって撃ち抜かれ────花が咲くように爆ぜた。
呆然のあまり手を伸ばそうとするが、すぐに我に返って操縦桿を強く握り締める。
「ちくしょう……!」
ビームが放たれた方向へと目を向けると、二機の軽キャノンが接近してくるのを目視する。
「ちくしょう……!」
右手に持っていたザクマシンガンを左手に持ち替え、空いた右手にヒートアックスを装備し、ブースターを噴かす。
それに対し片方の軽キャノンがビームサーベルを抜刀し、構えを取る。
「ちくしょう……!」
間合いに入り、横一文字振られたビームサーベルをブースターの逆噴射とAMBACで紙一重で回避し、ヒートアックスをコックピットへと切り付ける。
機能を停止した機体を蹴り飛ばし、もう一体の方へとぶつける。
そして左手のザクマシンガンの銃口を向け──────ー
「こんちきしょうがあああああああああああああああああああああああ!」
怒りに任せて、引き金を引いた。
俺が覚えているのはそこまでで、その後のことはもう消されているであろう公式記録の中でしか知らない。
そこに記されているのは、『────戦にて、単機でMS八機、戦艦を二機撃破』と。
◇
前回のラ◯ライブ!
ついに傭兵として初めて地球に降りたった俺たち三人(もいませんしただ墜落しただけ)。
よろしくお願いしまーす。
地球ファーストダイブでーす。
どうか生き残れますように……いや、絶対に生き残れますように……よろしくお願いしまーす!
でも、(ララァと出会っちまったけど)どうするつもり……?
ですが、俺達は宇宙に上がります。
いつか誰も知らないところで、安定したスローライフを送ることを夢見て……!
「……何、やってんだろうな」
ソドンの与えられた仮の自室で、俺は小さく呟いた。
なーにが、前回のラ◯ライブ! だ。
頭の中でナレーション入れてみたが、ぶっちゃけ内容一ミリもできない上に変にオリジナル寄せたせいで余計に意味不明なことに……ああー、久しぶりに見たくなってきた。
ま、そんなことどうでもいいか。
ああー、なーんかもやもやするんだよなー。
エルメス……は確か商標登録的にダメなんだったけ?
まぁ、いいや。ここではエルメスと呼ばせて貰おう。
そのララァ・スン専用MAエルメスが、ジオンが散々探していたシャロンの薔薇であることをつい数日前知ったわけだが……どうにも何かが突っかかったような感じがするのだ。
まずそもそもララァがシャアに拾われていないのに、エルメスが建造されていることについて。
そしてそのエルメスが、シャロンの薔薇とかいう曰く付きの代物になっているのかについて。
最後になんでシュウジがソレを探しているかについてだ。
アマテちゃんは何かを察知してそうだが、残念なことにソレを問いただすよりも先に回収されてしまった。
肝心のエルメスの方も、キシリア配下の艦隊に引き渡しちゃったし、直接調べることもできない。
……にしても、キシリアに渡していいもんなのかねー。
まぁ、一応シャリア・ブルからしたら直属の上司な訳だし、引き渡すしかないんだけどさー。
そう言えば確かイオなんとかってのも、キシリア主導で計画が動いているんだったっけ。
余計にきな臭さが増していくんだが……考えても仕方ないとはいえ、考えておかないと何かあった時真っ先に死ぬことになるんだから世知辛いんだよこの世界。
「はー……このまま何事もなく、平和的にさよならバイバイできないかなー」
一応、もうすぐ契約の更新期間になる。
それまでに何事も起きなければいいんだが。
どのみちケンプファーは使い物にならなくなった状態では、傭兵業は強制的に引退になるだろうしな。
……あれ? ただでさえ情報源として役に立たない上に、戦力にもならないならただの穀潰しでは?
しかも俺って一応犯罪者、それも赤いガンダムの共謀者なんだよな。
それを匿う形で雇ってもらっている形だから、もしバレた時はシャリア・ブルの立場であっても問題は多くあるだろう。
利用価値どころか、むしろリスクしかない。
そうして導き出される結論は──────
「あれ? 俺、消される?」
瞬間、ピピッと扉のロックキーが解除される音がし、自動ドアが開かれる。
油の切れたロボットのようにぎこちない動きで顔を向けると、そこには見慣れた緑髪の髭面が立っていた。
「くぁwせdrftgyふじこlp!?」
やばい、殺される!?
誰か助けてええええええええええええええええええええええええ!?
「おや、驚かしてしまいましたか。……にしても、殺されるとは人聞きの悪いこと考えてますね」
サラッと脳内読むな!?
くっそ、やっぱりアルミホイルを頭に巻かなきゃ……!
「ソレ、多分無意味だと思いますよ?」
知ってるわ、こんちきしょう!
「ま、待ってくれ! 話、話をしよう……!」
「ええ、そうですね。単刀直入にいいましょう」
「いや、そんなに慌てなくてもいいんですよ!? そうだ、最近いい茶葉が手に入ったんですよ」
「ほう、ではそれはあとでいただくとするとして話をしますよ」
いやあああああああああああああああああああ! 聞きたくないいいいいいいいいいいいいいい!
「マチュ君の訓練付き合ってください」
「いやああああああ────ってはい?」
訓、練……ですと?
え、じゃあ、ナニ……俺の勘違い?
「ぶあああああああああああああ……よかったあああああああああ!」
その場にへたりこみ、思いっきり息を吐く。
いや、ほんまごめんなさい。
「それで話を戻しますが、引き受けてもらえますか?」
「いや、それは構いませんが……俺の機体がないでしょう?」
「安心してください。あなたの機体はオーバーホール込みでちゃんと改修しときました」
「え? マジです?」
「マジです。ただその分は依頼料から天引きさせてもらいますがね」
Oh……まあ、それは致し方なしか。
「承知いたしました。それでいつから訓練を始めますか」
「まずは今から一時間後、想定しています」
「了解しました」
俺が敬礼すると、その様子にシャリア・ブルは、苦笑を禁じ得ない表情を浮かべている。
「我々も共に行動してからそれなりになったのです。少しは素を出したらどうですか?」
「は、はぁ……」
「少なくとも、心の中でビクビクされるよりはマシですね」
「ギクッ……」
「ふふ……ま、今すぐには無理でしょうから、ゆっくりで構いませんよ」
「そ、そうですか。い、いやぁー、真新しくなった愛機の様子が気になるなー。んじゃ、俺はこれにて……!」
「あーそれと本当に殺すのでしたら、わざわざこうして会いに来ませんよ」
「いや、ほんとすんませんでしたー!」