ROM専がGANTZ世界に転生した話   作:訥々

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カタストロフィ(後)

結局、天井にへばり付いてた生物兵器は岡があっさりと倒してしまった。

前世からの因縁?そんなの知るか!と言わんばかりの瞬殺劇だった。

 

 

「はは···やっぱ凄ェ···」

「私もまだまだ、って事かぁ···」

 

 

···レイカ、まだ強くなるつもり?

もう十分すぎると思うけど。

 

 

◆◆

 

 

過程はともかく、前世で零くんを殺した化け物は死に、宇宙船にいた一般人の救助も済んだ。

後は母船に乗り込み首魁を倒せば全てが終わる。

 

正直に言うと、今でも巨人族に対する恨みはほとんど消えていない。

···外側ばかり取り繕って、自分でも醜い性格だとは思っているけど改めるつもりは無い。

本気で絶滅しても良いと考えて()()

 

 

「アンタ···彼女とか···大切な人が襲われても同じ事言えんの?」

 

 

巨人をレイプしようと試みた白人の男に対して、零くんが投げかけた言葉に気付かされた。

この種族にも感情はある。

誰かを想う心だって、きっとあった。

かつての私はそれに思い至らず、このスペースコロニーを破壊しようとした。

前世の仕打ちは死んでも忘れないけど、無関係な“人間”くらいは殺さずに我慢しよう。

 

···どうだろう、やっぱり耐えきれないかも。

 

 

 

 

 

「このブラックボールで敵の本拠地に行くのか?」

「いえ、このブラックボールは真理の部屋に通じています」

「真理の部屋?」

 

 

母船をしばらく進んだ先に、1つのブラックボールが鎮座していた。

その傍らには中年の外国人が2人立っている。

···そういえば、前にここを走り去った時も誰かに声を掛けられたような気がする。

 

薄れた記憶を辿っていると、不意に視界が見知らぬ場所に切り替わった。

要求していないのに勝手に転送されたらしい。

真実なんかどうだっていいから、早くこの戦争を終わらせ───

 

 

「あ···なんで、そんな···!」

 

 

転送された先は、全てが真っ白な空間。

その中心には巨大な“何者か”が立っている。

人に似た造形だが、顔面から腹部までが抉れて空洞になっている。

()()()()()()()神秘とグロテスクが混在しているような、不可思議な感覚を覚えた。

 

 

「うぅ···っ」

 

 

心臓が激しく脈を打つ。

ずっと思い出さないように、頭の中に封じ込めていた記憶が溢れ出す。

 

 

私の目の前で零くんの命が弄ばれた記憶

 

理解しただろう。人間は只のモノにすぎない

 

抱きしめた零くんの体温も 血飛沫も

鮮明に蘇る

 

 

···気づけば、私は胃の中身を吐き出していた。

塵1つ無い純白の床に汚物をばら撒いても、不快感は増すばかり。

零くんの不安そうな声に応える余裕も無い。

 

 

「お前ッ!レイカに何した!?」

·········

 

 

“ソイツ”は何もしていない。

()()()()何もしていない。

コイツは零くんを()()()()()()殺すことで、人間の無価値さを示そうとしていた。

だけど零くんは生きてる。

こちらから手を出さなければ、まだ大丈夫かもしれない···だからお願い、何も言わないで!

 

 

「何とか言えよ!!」

 

 

零くんやめて!

 

 

いや知らん···何これ···怖···

 

 

は?

 

 

なんか怖いし、質問タイム終わりにするから···じゃあバイバイ···もう地球には干渉しないから、よろしく···

 

 

は?

 

 

◆◆

 

 

超高度文明異星種族は複数存在する。

黒川やレイカは知らない事だが、“真理の部屋”を設けてGANTZの真実を地球人類に伝える個体も、時空や次元によって異なっている。

 

レイカのキャラが別人かよ、ってくらい変わってたんだけどさ、何あれ···しかも知らん奴いたし···

ああ、彼らはな···(事情説明)

 

ひょっとしたらこんな会話があったかもしれないが、それはまあ、どうでも良い。

 

 

 

“真理の部屋”から締め出された彼らは、元々の予定通りに巨人族の残存兵を殲滅。

前回戦ったときよりも力を付けたレイカが無双して、カタストロフィは呆気なく終結。

世界は平和を取り戻した。

 

しかし、レイカの心中は穏やかではなかった。

自分一人が幾ら強くなったとしても、黒川本人をある程度鍛えようとも、人間である限りは不慮の死が付き纏う。

 

···これは結果論になってしまうが、もし今世の黒川が下平玲花の前で死んでいなければ、この結末は避けられたのかもしれない。

彼女の理性のブレーキが、本能に打ち勝った未来もあり得た···しかしそうはならなかった。

 

“この罪は私の人生を全て捧げて償う”

 

カタストロフィの果て、女に愛された男の末路は、決して抜け出せない狂気の“檻”だった。

 

 

◆◆

 

 

カタストロフィが終結してから1ヶ月後。

日本が復興へ向けて歩み始めたこのタイミングで、俺はレイカの部屋に監禁されていた

 

 

「これからは1人で外に出ちゃダメだよ。外に出たら監視カメラで分かるからね」

「監視カメラ···玄関とベランダに付いてるやつか。あれ不審者対策じゃなかったのかよ···」

 

 

女性らしく可愛らしい部屋だが、内と外には計4台の無骨なカメラが設置されている。

赤い首輪にはGPS発信機が内蔵されており、位置情報はリアルタイムでレイカの携帯へ届く。

首輪を無理に壊そうとすれば爆発···はしないが、アラートがレイカの携帯へ届く。

 

逃走は極めて困難。

何か起きれば、SEC◯Mよりも迅速にレイカが駆け付けるだろう。

 

 

「今更だけど、何処でこんな首輪を買ったの?」

「これ?伝手を辿って、作ってもらったよ」

「人脈広いね」

 

 

なぜこんな暴挙に及んだのか、レイカの返答は概ね予想通りだった。

簡潔に纏めると以下の通り。

 

・レイカは前世で俺と交際していたが、カタストロフィで俺が戦死。

・自棄になって巨人族の敗残兵(イヴァ含む)を鏖殺したが、その後に“真理の部屋”へ転送され、再生と殺害の胸糞コンボを喰らい発狂して特攻。恐竜と戦う直前に死に戻った。

・それ以降は俺を一度も死なせずにカタストロフィを乗り切るつもりだったが、大阪編で失敗。

・守ることの難しさを知り、限界を感じたため今回の事件を引き起こした。

 

ちなみにレイカの方も俺が転生者である事は薄々察していたらしく、カミングアウトに対するリアクションは控えめだった。

ただ、レイカが原作では玄野に惚れていたと伝えると、苦虫を噛み潰したような表情をされた。

 

 

「···とにかく。これから先、私が責任を持って零くんの世話をするから」

 

「ちなみに期限は?」

「死ぬまでだよ」

 

「拒否権は?」

「そんな物は無いよ」

 

 

俺だってレイカの事は好きだ。

それなり以上に執着しているし、逃げるつもりも全く無い。

割れ鍋に綴じ蓋というやつだけど、それはそれとして自由に外出出来ないのは不便だ。

どうにかならないだろうか。

 

 

「零くんのためなら何でもするからさ···ずっと一緒にいてくれるよね?」

「·········うん、分かったよ」

 

 

ダメみたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

というわけで『Re:GANTZ』完結です。

監禁エンド···これが書きたかった。

皆様の性癖に突き刺さっていれば幸甚です。

ここまでの読了ありがとうございました!

 

 

 

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