『文明消せる兵器とその兄弟の神秘は駄目だと思うんですけど』 作:混ぜるな危険。
(やっちまいましたわーッッ!!)
ツルギさん主催の尋問?が終わって身柄を解放されたので、せっかくならと帰りにコンビニへ寄ったのですが…。
【トリニティに超兵器現る!? ティーパーティーのお茶会開催場所に幽かな光】
【『何の光!?』 トリニティ総合学園から漏れる淡い色】
【ティーパーティー、謀殺神回避 犯人は同学園内の一年生か】
「えらいことや…情報漏洩や……」
どこの情報筋から手に入れたのかは分からりませんが、早速数日前のやらかしが出回っていました。
いやここキヴォトスですし、そもそも私が前世で遊んでいたゲームであるブルーアーカイブでみた治安そのままなのは理解してます。
理解はしてますが…………
「現実社会の捏造記事でもここまでやらないでしょうよ!」
しっかり犯人の特徴まででっち上げられてるじゃないですかやだー、しかもこの特徴とほぼ一致するのどこぞのキャスパってる黒猫なんですけど!?
どうしよう。(まあどっかから今回の件は漏れるやろ)と予想してたとはいえ、これはあまりにも想定外が過ぎる!!
なので今の私が取れる行動の中で一番いいものを選択します。ええいままよ!
「〘ナギサ様へ。クロノススクールがとんでもないでっち上げ記事を出しているので、是非一度読んでみてください〙…っと。これでよし、送信!」
これでヨシ(二重詠唱)。
あんなに振り回されて疲弊していらっしゃるであろうナギサ様に頼むのは…まぁその、少々よろしくないかもしれませんが。
「悲しいけどこれ、政治なのよね」
って事でここはひとつ何卒、何卒勘弁していただきたく。
「またですか、逆月アヤ!!」
「ナギサ、私はもう駄目だ…眠い……。」
なんか感じたけど気のせいでしょ。
「……。」
(おかしい。)
確か私はコンビニから出たはず。なのにどういうからくりなのか、一瞬の瞬きのうちに黒いピックアップトラックらしき車両の後部座席に乗せられていた。
(車の持ち主がこんな奇抜な…いえ、ファッションでしょうか。 というかブルアカにこんなキャラ居なかったよな?)
運転席の方を見ると
(一度声を掛けてみませんとね。 止めといた方が良いんじゃね?)
黒服でもゴルコンダ&デカルコマニーでも、マエストロでも
話しかけないという選択肢は何処にもない。ルームミラー越しに見える不審者に、「貴方は?」と恐る恐る質問した。
「円盤は持っていないのだな?」
どうにも自己紹介のやり方を知らんらしい。あとその仮面、割ってやろうか。
「円盤は
鉄血のモンタク仮面やGレコの『独裁者ァ!』仮面、初代の赤色のボンボンにその再来と神輿にされていた
それを被った男は、がっかりしたのかやけに大きな溜息を吐く。
「…なぁ。素顔を見せてくんねぇか? さもないと俺はこの姿でアンタを変態仮面として世界中に拡散する」
「ふむ、あの興味深い資料を持っていないのか…そうか。あと変態仮面は止してくれ、私とて人並に傷つくしなにより勘違いされかねん。」
「おう急に誘拐しといてなんだよその言い草」
(どうして見覚えがあるんだろ。 いやこんな不審な奴、どっかで見覚えあるかぁ?)
「――君と同じで少々失態をやらかしてね、おかげでこのざまなのさ」
「失態って?」
「異なる同一世界、その終焉の阻止に失敗した。」
「訳わかんねェなお前な」
意味不明な自分語りをされたので、これ以上彼についての情報や聞き出せそうな内容は特にないと判断。暫定ゲマトリアの振舞いに合わせて疑問っぽいものを投げかけてみた。
「何処に向かってるんですか?」
すると奴は数舜ほど黙り、こちらを一瞥したかと思えば「君の真実が眠っている場所」とだけ答えたが――――以降何も喋らない。
(愛想も悪いときたか。)
無言となった黒水晶の運転する車はとうとう人気がないどころか、そもそも人一人はおろか生き物もろくすっぽ住んでいないような区域へと進入。
そこらかしこに無数の煙突がそびえ立っており、またプラントと大きな工場がひしめき合ってギッチギチに併設されている。そんな工業的な景色が無駄に続く広い世界だ。
(廃棄された工場地帯とかマジ?)
解放されたままの錆びたゲートや放置されているフォークリフトなんかを横目に、車は更に奥へと移動する。
そこからまた更に十数分ほど経った後、遂に目的地に到着したのかブレーキがかかった。
(暗くてよく分からない。けど見た感じは格納庫だよね)と、暗い空間に似合わない暢気さで推測しながら黒水晶の男についていく。
「こっちだ、君の神秘について色々と話をしたい」
「わかりました。ですが先に、家に「今日は帰りが遅くなる」と連絡をして――――」
連絡をしてもいいですか。
そう言い切る前に仮面の男が手に持ったスマホを振る。言外に『既に連絡を済ませてあるから安心しろ』と、黒水晶の肌をした彼は伝えてきたのである。
「逆月アヤ」
咄嗟に逃げようとして男の立っている反対方向、外の光で照らされている出入り口を目指して走りだす。
しかし腕を掴まれてしまい、そのまま逃げ道を塞がれてしまった。
「クソッ、放せ!!」
「逆月アヤ。」
仮面の奥の瞳に見つめられた私は、蛇に睨まれた蛙のように身動ぎも何もできなくなる。
「君の存在に私は可能性を見た。何故きみだけが。どうして君に誰かの残留思念が、遺物が混ざってしまったのかは分からないが――」
華奢な腕を握る力がより一層強いものになり、徐々に痛覚が悲鳴を上げ始めて。
「――君の様な娘であれば、今度こそ脅威は退けられるかもしれない。そして崇高に至こともまた可能だろう」
「やめてっ、放して!!」
「だからどうか――――私と一緒に来てくれないだろうか。」
なにかをされて意識が飛んだ。
■◆■◆■◆■
やぁ、俺だよ。
「いやはやすまないね。少女にこんな仕打ち、本当はすべきじゃないとは分かってはいるんだが…許してくれ」
「そんな他人事みたいに、しかも身柄を拘束してどうするつもりなんです!? わたし何もしてないじゃないですか!!」
あの後どうなったかって? そりゃぁ大変よ、どうやらおいらったらあのプリティーガールから魂ぶっこ抜きされたみたいでして。
青ハロ(用の回路)に捻じ込まれました☆
「なんだそんだけかよ大丈夫だろ」って思ったそこのヤツ、これがだいじょばないんだよなぁ!
なんと俺は有人操作式の
んで、そんな俺の残留思念?とやらが抜かれたせいで、現在のアヤたそは月光蝶を筆頭に神秘や身体の機能がエクストリーム不安定。
しかも持病の悪化もオマケですってよ おい誰かあのクソ野郎とっととやっちまえ、容赦なんてモンはいらねーぞ!!
「では何から…ああ、まずは神秘について教えてやろうか」
「ちょっとなにする気ですか、というか何ですかその装置は!」
「なに。少し苦しいだけだ、我慢できるだろう?」
ハロじゃなければ体当たりかまして邪魔できるのに……クソォ! 充電用の台座に刺さってるから動こうにも動けないし、一体どうしろってんだ!
「まずそもそも崇高とは何か。崇高とは、すなわち『神秘』と『恐怖』の二つが共存する確かなものであり――」
「――ッぁ!!」
「……その両面を同時に見るこないとは叶わない。しかし確かにコインの裏表として存在しており、今の君はまさしくコインが宙を舞っている状態だ」
うわ始まった。
出たよゲマトリア名物のなんか知らんけど凄いこと喋るやつ。しかも今ナチュラルに生徒に手ェ出したな!? 許˝さ˝ん˝!!!!
あと今思ったけど、さすがにこれは下手したらトリニティが出しゃばってくるんでは?
もしもしヴァルキューレとお茶会三バ…じゃなくって三人組、変質者がなんかよくわかんない廃工場でよくわかんないことしてます!
あれ??
これハロなのに充電無ェじゃーん!! 無いのは丸鋸マシン*1だけにしとけよぉ~!!
あーあ通報出来ねえとかホンマクソ!!
「そして、
「あるいはこの装置を使ったとて、もし君が表で固定されないのであれば。その場合も彼女らに会えるだろうがね」
あっあれは『
何本あるんだアレ。というかあの全部、どこに繋がってるんだ。
怪しいマシーンとか『パーメット焼き』とか、『どこでもフラナガン / どこでもムラサメ』とかだったりしてみろ絶対許さないからな!!
「どうする、つもり、ですか………………?」
「なに、生憎と私は慎重派でね。というのもほかの連中はだな、生徒が極度の『恐怖』に耐えられない設計をしているとは知らないんだ。だからこうして解決策を用意した」
「……や…やめて。」
「すまないが、これもまた脅威に対抗するうえで必須なのだよ。この『自動調整式 神秘増幅機』はいずれ我々の研究にも、当然我々の扱う被検体にも必須な物となろう」
うわ始まった
それはそうとこのハロの充電、いまどんだけなのか分からないっておかしいだろ。充電出来てるかどうかは見れたけど不便すぎるってこれは!!
(って俺のことよりアヤだろ、なんかいい方法ないのか?)
幸いにもプラグから送り込まれる電力はある程度纏まっていた。ソイツを送られてきたらすぐ片っ端から使えば一瞬だけシステムを動かせる、といった具合のちょっとしたハックも確立済み。
ただここでひとつ問題がある。
フルスペックで動くには、送られてくる電力量じゃ全然足りないんだ。
だから、一か八かで次の電気が来たら…システムではなく直接動いてみよう。
そうすりゃあの野郎もアヤもこっちに気が付く。
(円盤、つまりはDVDの存在を知ってたから、こっちの手が割れないように祈っとくか。)
「この機械の
「……………」
「そして目標の値まで上昇したあとは少しずつ神秘が増減するようになり…恐怖が神秘を、神秘が恐怖を補強している形になるまでは、しばらくこれを続ける」
「恐怖が湧き出てくれば神秘を注ぎ込み、恐怖を神秘が上回ればそれを捨てる。常に釣り合った状態であれば崇高の可能性に近いといえよう」
多分あともうちょい! だけどもうちょいが滅茶苦茶長い!
待ってろ変態仮面、充電が終わったらところがギッチョンしてやっから覚悟しとけ!!
テメーのアホ面にロケットパンチだこの黒ガラス野郎が!!!!
「あーくそっ、警備のロボット共つよすぎんだろ! んで、おいアスナ。本当にこっちの部屋なのか?」
「多分そうだと思うよ! だってさっき、「やめて」って声が聞こえたもん!!」
ところであのー、入り口の方から聞こえてくる怒声は何なんでしょうかね。なんか聞き覚えがある気がするんですけども。
「皆さん、聞きましたね? では突撃の準備を開始。恐らく犯人は既にアヤさんへと加害しています、早急に捕えてください」
「言われなくても分かってる。私達もいち生徒を傷物にした犯人を見逃すほど甘くないから、安心して。」
「だからこそ兵として、兵器として…………ふむ…喋りすぎたようだね。」
「おうコラC&Cと正実ゥ!! ついでにその辺で拾って来たゲへナの風紀のお通りじゃァ、誘拐犯はとっとと出てこい!!!!」
あー、
これもう俺いらないっすわ。