地球温暖化なんて世間では言うけど僕は全くそんなこと思わない。むしろ寒くなってないかとさえ思っている。それはヘリオスも同じなようで、昨年は見なかった耳カバーまでつけて寒さをしのいでいる。…猫耳チックで可愛いな。
「トレぴ寒い~」
なんて言いながら腕を絡めてくる。僕は君より体温低いんだよ?と思いながらも可愛い行為を無碍にも出来ずヘリオスの温もりを味わう。これヘリオス以外の子がやってたら事案だろうがヘリオスは平常運転なので無問題だ。…嘘ですたまに上に怒られています。
あくまで彼女は子供だ。
「あ、雪!!」
え、嘘雪降ってる!!!???やっべ…洗濯物外に干しっぱなしだし車のタイヤ変えてないんだけど…積もるな~積もるな~。
そんな真っ先にマイナス面を考えてしまう大人の思考回路とは違い、ヘリオスはいつだって前を見ている。今だって降っている雪に目を輝かせ、飛んだり跳ねたり。彼女が太陽たる所以の前向き。楽しいことを何からだって見出して、それに全力で飛び込んで。そんなヘリオスに近づきたくて、彼女のためになりたくてこれまで頑張ってきた。だから笑顔で一歩を踏み出す。
「こりゃ積もるかもね~」
「マ!?んじゃさんじゃさ、雪合戦パっしょ!!☆」
「…アリ!それじゃギャルズトレーナー陣に声掛けとこっかな~。ギャルズVSトレーナー陣、的な?」
随分すらすら出てくるようになった若者言葉。いや、僕も若者ではあるがどうにも縁遠い生活を送ってきたのでまだまだ勉強中だ。ヘリオスは肯定してくれるが、自分自身はまだパリピになり切れていないと感じてしまう。
巻き込まれ、焦燥感で走り出した。このパリピ化計画。でも今はこの忙しさが心地いい。いつの間にか心につられて笑っているのだから。笑顔が置いていかれるくらい、楽しいのだ。
「ん~それでもアガるけど…」
でもヘリオスは置きに召さないようで、顎に指を乗せて天を仰いでいる。珍しい姿に困った笑みを浮かべていると、ひとしきり唸った彼女はこちらに近づいてきた。どうしたのだろうと不思議に思っていると彼女は口を開いた。
「ウチはトレピと一緒がいっかな~☆最&高なトレヘリパワー見せつけちゃろ!!」
「ヘリオス…」
有マ記念を前にしたクリスマス。そこで彼女は僕のことを、『もはや自分』と形容してくれた。一緒に楽しんで、笑って、戦う。そんな存在に僕を選んでくれた。とても光栄で誇らしいことだと、心の底から思う。君に救われて感謝してもしきれないのはこちらだというのに。
あの時貰ったプレゼントの出番がまた出てきてしまったようだ。
「うん!僕もそっちがいいや!担当とトレーナーのコンビでバトるようにしよっか!!」
「うは!さっすがウチのオーガナイザー!」
それからも雪合戦パの計画はどんどん進み、雪が積もることが確定したわけでもないのに完璧な予定が出来上がってしまった。これもパリピらしい…って奴だろう。ワクワクを滲ませて同僚たちに連絡を送る。
久しぶりに積もればいいな、なんて思いを抱いている。僕は君に少しずつなれているだろうか。君の隣にいるに相応しい人間であれているだろうか。願わくば