最強のエンジョイ勢(偽)が逝くジークァックス   作:ブラボ10周年…そんな僕を騙そうとしてる

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いや〜本編は凄いですね。描き溜めとか一切ないんでなけなしのプロットを握りしめて毎回、キー坊みたいに驚愕しながら見てます。
あとフロム・ソフトウェアのエルデンリング ナイトレイン難しいですけど面白いんで是非、遊んでみてください。時間が溶けます。



9話 激闘

イズマコロニーの商業港の輸送船の中、普段とは違う船内のレクリエーションルームのソファーでダラダラと開幕を待ちぼうけていた。

机の上には2つの大きめなプレートが置かれ、その上にはタコスの盛り合わせとノンアルコール飲料、たった5分の試合だと言うのに年甲斐もなく興奮しているのが否応にも分かってしまう。

 

「そろそろか」

 

台座に置いたタブレット端末から動画の配信サイトを開く。

画面にはポメラニアンズとCRC、各クランの登録モビルスーツが表示される。

 

赤いガンダムは、両肩のエクステンダーにシールドブースター2機、右腕にアサルトライフルであるRF-024 TURNER、左腕部にガンダムシールドと強襲を意識した武装構成。

一方、G-クアックスはリニアライフルのLR-036 CURTISを腰にマウントし、右腕にアックス、左腕部にプラズマブロワーの44-143 HMMRとなかなか面白い構成。

こう見るとやはり連邦のエクステンダーという構造はなかなかに武装のカスタム性に優れていると感じられる。

ガンダムの系譜であるG-クアックスには継承されていないのは残念ではある。

 

「ふーん、向こうも本気か」

 

画面のゲルググの文字を見て分かるように、これまでのライトタイプ・ガンキャノン2機から連邦カラーと緑色のゲルググ2機編成へと打って変わっていた。

中身をチューンしていたら最新鋭機に劣らぬ強さを見せるであろう。

あれをゲルググと呼ぶのはいささか違和感を拭えないが。

 

gMS-01、ゲルググ

連邦のガンダムをリバースエンジニアリングした結果生まれたMS。

頭部を除けばほぼ正史のジムと同じ見た目だ。

ジムとの違いは見た目以外には、両腕部についている小型バックラーシールド、バックバックのビームサーベルが2機、脚部に推進材のタンクが内蔵と細部が違う。

全体的な性能で言えばガンダムに引けを取らない機体だ。

 

今までの払い下げのザクとは違い同格の相手だ。油断すれば痛い目を見るだろう。

 

「お手並み拝見だ」

 

宇宙に閃光弾の眩い光が輝き開戦の狼煙を上がった。

最初に動いたのはCRCのマヴだ。

おそらく魔女のゲルググを先頭に相方が追従する形でポメラニアンズの方に一目散に突き進んでいく。

それを確認した赤いガンダムが魔女のゲルググにシールドを構えながら対峙し、G-クアックスはプラズマブロワーをチャージ状態にし緑色のゲルググからのビームを散らしながらライフルを放ち、赤いガンダムから引き離していく。

 

「分断か……」

 

口元に手をやり思考にふける。

クランバトルとは通常、MAV戦術が見所だ。そして一番勝率がいい。MAV戦術の利点などはこの際どうでもいいが、分断して1対1の戦闘になると派手な方にカメラが向いてしまいアマテとシュウジ両者の活躍が満足に見れない。

 

「……そんなお遊びを見ていらっしゃるのですか?」

 

突如、ドアの前から声が響く。

それと同時に風呂上がりの匂いと共にナイトウェアに身を包んだ研究員、ケイト・マークソンが現れた。

ケイトはマゼラン改から新型のグリンブルスティとブルーディスティニー改の調整係として俺と行動を共にしている。

 

「ああ、一応、愛弟子が無茶をやるらしいからな。それにゲルググも出てきて面白くなるぞ」

 

食うか。と自作のタコスを差し出す。この女の好みがわからなかったがタコスが嫌いな人間などいないだろう。渡したタコスは豚肉入りだ。他には牛肉のタコスと大量にディップソースを作っている。これで負けるはずがない。

 

「ありがとうございます」

 

俺の隣に座るとタコスを口にし始めた。

意識が食事に向いてる中、横目で体を観察する。服越しからも分かれる均整の取れたスタイル。男受けも女受けも良さそうな顔。まるで万人に好かれるかのように設計されたと言っても過言では無いだろう。何処にいても見劣りしない。

しかし、そんなことは自分にとってはどうでもいい。

 

ケバブを持つ手首。

この間、見たはずのコレクターが無かった。しかしよく観察して見ると巧妙に隠されてはいるがやはりというべきか手首、それに頸の方、僅かに肌色と違う色、産毛のないテクスチャ。おそらくは人工皮膚でできているであろうコネクターカバーだろう。風呂上がりで上気した肌でなければ気がつけなかった。そして風呂上がりだというのにインカムのような装置を身につけている。サイコミュの補助装置か?ガンダムVのファラ・グリフォンの鈴のような。

 

 

「人の身体をジロジロと……もう少し配慮という物は無いのですか?」

 

「流石の強化人間。体にメスを入れてるから今更だろ?見て減るものでもない」

 

「貴方様にはデリカシーというものが無いようですね」

 

視線ではなく思考を読まれたようだ。

その証拠に目線は一切こちらを向いておらずタコスを黙々と食べ続けている。

 

「今回のクランバトルは確かに見応えがあります。が、連邦軍所属と致しましてはあなたの弟子よりもCRCに支援すべきでは?」

 

「ティターンズは正規の連邦軍とはやり方が違う!……冗談だ。ティターンズとしての任務は既には終わってるからな。あと1,2回だけ本気で動かせるブルーをこの盤面で動かしたくはない」

 

手に持ったタコスにサワークリームオニオンソースをつけ頬張る。やはりサワークリームオニオンは最高だ。肉の味を引き立たせる酸味で、先ほどとは異なった味わいを魅せてくれる。

 

そもそもの話、ティターンズとしての任務はヴァニスの完成。強化人間部隊ヴェスパーとしての任務は、宇宙での活動拠点の確保と赤いガンダムの確保。ヴェスパーの任務は簡単に言えばスネイルからのお使いでやれたらやる程度でいいのだ。

 

ジオンの最新機のデータと赤いガンダムのデータを手に入れ上層部は既に興味は失っている。だからこそシイコ・スガイの行動は純粋な連邦の利益にはならない。赤いガンダムを倒して得られるのは連邦のちょっとした尊厳が回復するのと身勝手な女の復讐心が満たされるだけだ。むしろ、キシリア・ザビを吊り出すのにまだ赤いガンダムが健在である方が都合がいいまである。

ここまでは建前だ。本当の手を出さない理由は単純にシイコが邪魔だからだ。アマテとシュウジとヤり合うのにブンブンと箒に乗った魔女にちょっかいかけられるなんてのは興醒めもいいところだ。

ヤるなら1対2だ。

想像するだけで楽しみになってくる。

 

「魔女のゲルググ、動きが違うな」

 

思考を一旦やめ画面の方に集中する。

カタログ上はガンダムの方がスペックは上ではあるはずなのに動きのキレが違う。

AMBACで瞬間移動を連想させる速度が出ている。

だがガンダムの方も負けてはいない。スティグマによる置きビームに対してシールド・ブースターを巧みに扱いビームライフルの射撃を的確にいなし、ライフルでビームスプレーガンを確実に潰している。

後ろにも目を付ける。

いや、戦場を立体視し支配できている。俺が思考のみで形にしているそれを感覚的にやってのけている。

スプレーガンを破壊された魔女のゲルググはビームサーベルを取り出し、それを見た赤いガンダムもすかさずビームサーベルを展開する。

ビームサーベルの鍔迫り合いが続くがシールドブースターに張られたワイヤーによって背後へと回り込まれた。

しかしガンダムは右肩のシールドブースターを分離させ魔女のゲルググが明日の方向へと吹き飛ばされる。慣性によって吹き飛ばされるものの既に別のワイヤーを張っていたのだろう。すぐ様に弧を描きながら再接近する。

 

その時だ。分離したはずのシールドブースターが一人でに動き出しシールドバッシュをゲルググにお見舞いした。

 

「やはりニュータイプか。ビットではなかったからこそ命拾いしたな」

 

想定通りの動きをした細工を施したシールドブースターに微笑みを隠せなかった。

サイコミュ受信機を仕込んだ。当人にはそれを一切伝えていない。

 

「失礼。クランCRCのゲルググには駆動系の摩擦キャンセル技術が施されております。理論上は無制限、実測値30%ほどレスポンスが向上すると報告が上がっています」

 

「ほう……うちのMSの基準になってる摩擦低減技術とどう違う」

 

「材料工学的なテクスチャリングと表面処理のオーバーレイと違い、モノポールによって摩擦箇所を非接触状態にしているようです。将来的な性能向上は見込めますが、現状の性能差はないと言えます」

 

「だとすると併用は意味がないか」

 

手渡されたタブレットのデータを拝見する。

その資料の表紙にはモスク・ハンの文字。これで内容などどうでもよくなった。

マグネットコーティングがこんなところにあったのか。ただ、それに尽きる。

 

「これが初の実地試験のようです。勧誘いたしましょうか?」

 

「別にいい。ティターンズには自然と技術が集まってくる。そのうち流れてくる」

 

そう言い切ると手渡されたタブレットを返却し、ソファーへ背を預け、まるで就活中の学生のような直角を体現するケイトの肩を引き寄せる。

 

「先ほどから、ガンダムばかりでジオンのG系統の機体はあまり注視しておられませんが……あのヘッドパーツが今までと異なる所など気にはなりませんか?」

 

「……面白い奴だな。まあ、最後まで見ていればわかるさ」

 

セクハラまがいの行動に対して表情一つ変えず会話するケイトに逆に面白さを感じながら画面のゲルググとガンダムの死闘に目を戻す。

 

 

「さあ、これからどうする?アマテ」

 

 

シイコ・スガイは焦っていた。

戦闘が始まって序盤ではスティグマ攻撃がかなり有効だったが、今では完全に見切られており、先ほどからはサイコミュ制御であろうシールドビットが縦横無尽に動き回っており置きビームも使えない状況となっている。

その為、ビームサーベルでの近接戦闘へと移っていった。

 

ゲルググはガンダムへとワイヤーを射出し、スティグマ機動を準備する。

ガンダムのパイロットはそれに気が付いてはいるが、外す行動に移ればその隙を突いたビームによる攻撃を考え、ワイヤーを外すことができずシールドビットを機体へと戻しスティグマによる高速移動に対応する構えを取る。

この世界ではまだ確立されていないが、シイコの選択した戦法は正しかった。

オールレンジ攻撃の可能な兵器を使用したMSとの戦闘では近接戦闘に持ち込んでビットやファンネルを実質的に使えなくするのが得策。如何にガンダムのビットが攻撃能力が皆無に近くとも引き撃ちでは彼女に勝ち目はない。

 

ビームサーベルとビームサーベルの鍔迫り合いの合間に挟まれるビームと実弾の応戦。

普段と異なる殺し合いさながらのバトルに画面の前の人間たちは白熱していく。

双方、サテライト軌道で火花を散らしていく。

その中でゲルググは機体本来の性能以上の機動によって次第に関節部分に負荷がかかり軋み始めていた。

 

ゲルググに施された駆動系の摩擦キャンセル技術。

機体の反応速度、運動性能の向上を得られる反面、リミッターを設けるなど機体とパイロット両方を労わりながら運用しなければならない。

この技術は今回が初の実戦。彼女、そしてその技術者であるモスク・ハンにはこの場面になるまで知る由もなかった。

 

「読まれている!」

 

赤いガンダムのパイロットには一切殺気がない。逆に彼女は濃厚な殺意をばら撒いており、ニュータイプにとってはここに攻撃しますと事前通告しているに価する。

戦闘によって研ぎ澄まされた感覚が伝える。ガンダムのパイロットは何か焦りのような何かを持っている。

一瞬でもいい。復讐心も憎悪も、全てを捨てる。

 

その時は訪れた。

試合時間が残り1分を切ったアラートと共にガンダムの胴体の周辺から煙とスパークが発生し一瞬、動きを止めた。

 

「貰った!消えて!ニュータイプ!」

 

その隙を逃すシイコではなく。ガンダムに牽制として背後からワイヤーを通してビームで挟撃を行う。

 

「第三のスティグマ!」

 

肩のシールドによって防がれるがその隙にガンダムに刺していた最後のワイヤーを力任せに引く。

その負荷でゲルググの腕部が悲鳴を上げ自壊が始まる。

しかし、最後の攻撃には関係なかった。

ビームサーベルを起動させガンダムのコクピットへと振った。

ガンダムは最後の悪足掻きのようにスラスターを吹かせる。それによって狙いは外れ、スパークと煙の発生元であろう首元に吸い込まれるように振りかぶられ、爆発と共にヘッドパーツが宙へと舞う。

 

その特徴的なヘッドパーツが宙に漂うのを目で追ってしまう。

首を失い慣性によってだいぶ遠く流されてしまった赤いガンダムに対してスプレーガンを構える。しかしその引き金は直ぐには引けなかった。

 

満足してしまったのだ。

 

ガンダムを倒す為、一時的にとは言え、全てを捨て一つのものを手に入れる感覚に。だが後には引けない。あの時、ニュータイプになるべきであったマヴのためにも

 

「さよなら。ガンダム」

 

覚悟を決めて引き金を引く。

スプレーガンから放たれたビームが赤いガンダムを貫く直前、光の世界へと引き込まれた。

 

 

 

 

極彩色の光が背後には一人の少年がいた。

 

「あなたがガンダムのパイロットなのね」

 

「……」

 

青髪の少年は無言のまま、何も語らない。

それもそうだろう。とシイコは納得した。この空間から戻ればこの世からいなくなるのだから。

 

「ごめんなさいね。私のエゴに巻き込んでしまって。でも、後悔はないわ。私は全てを手に入れる。」

 

「全てか……僕の望みはただひとつ他は何もいらない。僕には貴方が強欲に映る」

 

「そう……」

 

彼の考えが鮮明に伝わる。現実では全く感じなかったがここではまるで抵抗が無いように。

 

「まだ、まだ闘いは終わっていない。ガンダムがそう言っている」

 

「あなたの考えが読めないわ。もう終わりにしてしまったのよ……」

 

「今、ガンダムに乗ってるのは僕じゃない」

 

「まさか!?」

 

少年の奥にかすかに見えた。ガンダムにも似た赤い色が。それは彼女がジャンク屋の事務所で見た……。

 

 

 

 

非現実的な空間から戻った。瞬間、力を失い漂っていたガンダムがビームに反応して手に持っていたビームサーベルを起動し手首の回転運動でビームを去なす。

そのまま片手でヘッドパーツを掴み、頭に載せ一回転させるとカメラアイに紫色の光が灯る。

ありえないのだ。ビームサーベルで切断したはずのヘッドパーツがくっつくなんてことは。

 

「バイトちゃんだったなんて言うの!ガンダムが!?」

 

全速力で向かってくる赤いガンダム改め、マチュに向かって照準も定めないままビームを乱射するも、追従して周囲に浮遊するシールドビットによって防がれる。

埒が開かず狙いを定めるためスコープを取り出し除くもガンダムの姿は何処にもいない。

 

突如、閃光が脳裏に走るが、もう遅かった。

モニターいっぱいに映るガンダム。

衝撃とともに一瞬でゲルググは四肢が切断されダルマと化した。

 

『これ以上やる?シイコさん』

 

モニターの目の前には桃色に光るビームサーベルの光が映し出されている。そして接触回線からマチュの声が響く。マチュはあくまでクランバトルとして最後までやり通すつもりなのだろう。そして彼女は機体を動かす気力もなく、手を操縦桿から静かに離した。

 

「降参だわ。それにもう闘う気が全く起きないわ」

 

『えー頭、斬った後にコックピットに攻撃までしようとしたのに?想定はしてたけどビックリしたんですけど』

 

「ごめんなさいね。攻撃した後に気持ちに整理が着いたの。その後は条件反射的にね」

 

『まあ、いっか』

 

そう呟くとガンダムは静かにビームサーベルを低出力に切り替え小突くと試合終了の閃光弾が放たれた。

全てが終わった。私の復讐が。

そう自覚すると意図せず涙が頬を伝った。

 

「バイトちゃん、最後に聞きたいのだけどいいかな?」

 

『1つだけですよ。派手にやったんで軍警も早く来そうですし』

 

「なら、どうして見ず知らずの私のためにここまでやったの?あんな大芝居まで打って」

 

『立派な理由はないですよ。人を殺すのも生かすのも理由もそんなに変わらないんじゃないですか?それに……独りになるのは悲しそうだから』

 

彼女の脳裏には先ほどの彼とビジョンは無かったが私の子ども、少し離れた所に黒髪の少女が見えた。

 

「甘いわね……忠告だけどいつかその優しさが牙を向くわよ」

 

『年寄りくさいですね。私はただ好きなようにやっただけ。その結果がそれなら』

 

ゲルググから手を離したガンダムはシールドビットを連結させるとこの場を離れていった。

それは奇しくもその軌跡は流星のように映った。

 

 

 

 




……あなた、読者ですか?
ああ、そうですよね。私もかつてはそうでした。
申し遅れました、私は駄文書きの作者。
今はガチタンの教えに従い、地下駐車所で鴉を狩る者です。
どうです?対象は違えど、お互い読者です。
これから協力し、情報を交換し合うというのは?

次話ですか?。私のような作者は、内情に詳しくはないのですが……。
地底人の救い、その源となるゲームは、PS5またはPS4のBloodborneに祀られていると聞いています。
聞いている事と違う?

……それでは、また。楽しいお話でした
あなたに、フロムの加護がありますように。
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