転生したら岩だった件   作:ぱのらま

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久々に投稿します。

気持ちも大分回復しました。
転スラの映画をネット配信で観ましたが、結構面白かったです。ゴブタは元々好きでしたがいっそう好きになりました!。


メイド見習いの悪魔

 

 

「まったく…。貴様等が着いていながらどうしてこうなったのだ!」

 

「う…、だって仕方ないじゃないですかぁ!。自由組合(ギルド)で冒険者登録しといた方が色々便利だと思ったんですよぅ……。それなのに話しがどんどん大きくなるし…」

 

「俺は口を酸っぱくして言ったよな?。リムル殿とエルロック殿を案内する時は、寄り道せずに真っ直ぐに俺の所までお連れしろと!」

 

うわー、フューズめっちゃ怒ってるじゃねぇーか。

 

額に青筋浮いて、エレン達を睨め付ける様はまるでヤクザだな。

凄い迫力でなんか申し訳ないな

 

「あ、いえ」

「そのでやんすね……」

 

「すまないがそこら辺で勘弁して欲しい。ここでは騒ぎが大きくなるだろうしね」

 

「む、それはそうですな。ですが、これだけは周知させねばなりません」

 

「お前達!。この方々は私の客人であり、私やカバル達では太刀打ち出来ん実力者だ!。本来であれば私が内密に対応する予定だったが、この三馬鹿が余計な真似をしてしまった。今回の試験で起きた事はくれぐれも吹聴するな!」

 

「「「「は、はい!」」」」

 

この瞬間、俺達がフューズの客人でかなりの腕前であると知れ渡った。

 

そうして、その場は解散となったのだった

 

 

 

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場所を移し、フューズの執務室にて。

 

正座して座る三馬鹿の隣りで、フューズが頭を抱えていた。

その場にはジーギスが立っており、気まずそうな顔をしている

 

「おいおい、目立ちすぎですよ。下位悪魔(レッサーデーモン)を剣で倒せる奴なんて、滅多にいないんですから。さらに言えば下位悪魔を3体も召喚し、疲れも見せずに戦うなど……」

 

「不味いのかい?」

 

「魔法剣は魔法そのものを剣に纏う技術(アーツ)なのですが、聖騎士(ホーリーナイト)の様な上位の実力者や、自由組合(ギルド)本部に所属するA級冒険者にも、そういった独自の技を持つ者もいるし、唯一絶対の技でも無い。だが、対悪魔の切り札的な技なのです。皆様方が知り合いに見え、下位とはいえ複数の悪魔を召喚する程の術師が居ますから、試験場に居た冒険者達は尻込みするでしょう」

 

「本来であれば、使い手とバレたら勧誘が酷いですよ。実力者で固まっていたのが幸をそうしましたね……」

 

なるほどなぁ。凄腕の新人冒険者なんて狙い目を勧誘しない訳がないもんな。

 

しょっちゅう勧誘されてたら、目的を達成する前に疲れそうだしな……

 

「まぁ、あの場で見てた奴等はCランク以下の下っ端だから、恐らく魔法剣は気づいてないでしょうがね……」

 

魔法剣──俺の場合は『魔法闘気』──は、人の目のある場所ではなるべく使わないのが1番のようだ。

 

というかクニエダの悪魔召喚の方がヤバいし、エルロックと相談した方がいいな。

早い段階で気づけて良かった。

 

「ただ…クニエダ殿は引き抜きの勧誘が起こるかもしれません。あの場には試験官のジーギスが様々な魔物を召喚していましたが、その結果が息も絶え絶えの有様。しかしクニエダ殿は3体も同時召喚し、召喚を維持したまま戦闘を行い、技術と魔法を組み合わせて倒しましたからね…」

 

「つまり…私が上位の術者であると知られたのがいけないのですか?」

 

「そうです。比較対象の実力者であるジーギスと、並の冒険者であれば歯が立たない動きをし、アイツらは詳しい仕組みは分からないでしょうが、対象を閉じ込め燃やし尽くす魔法を使い、平然と立つクニエダ殿は魔法を使いながら近接戦闘を熟す有望過ぎる冒険者に映った訳です」

 

「他の下位悪魔であれば、斬り倒す事が出来たのでしょうが、あの蠍の悪魔は火力は然程ありませんが、動きがやたらとすばしっこかったですから。動きだけならBランク上位ですね。力は見た感じではゴブリンより弱い感じでしたが……」

 

俺達は魔法剣でとどめを一瞬で刺し、クニエダはBランク上位の動きに食いつける剣さばきと魔法を使ったから、もしかしたら俺達より強い冒険者に見えてるかもな。

一瞬なだけに凄さが分からず、1番分かりやすい手札を晒したクニエダが目立ったのだろう。

 

俺も下位悪魔との戦闘では、途中まで有効打が無かったしなぁ……

 

「故に強く釘を刺した訳です。ただまぁ…人の口に戸は立てられぬとも言いますし、冒険者というのは英雄の様な存在に憧れや…妬みを覚えます。戦う術を持つが故に自分と比べてしまいますからな。気をつけた方がよろしいかと」

 

「ありがとな。今後は俺達も気をつけるよ。しかし、もう少しでAランクだったんだけどなぁ……」

 

「ああ、それは無理でしたよ」

 

俺の呟きに答えたのはジーギスである

 

「いや、リムル殿。皆様方の強さが足りないという意味では無く、組合支部で証明を発行出来るのはBランクまで、と決まっておるのです」

 

と、慌てたように説明してくれた。

 

EからDやDからC、そしてCからBまでならば、評価を無視して飛び級で試験を受けられる。

その代わり、不合格なら再度点数を貯め直す必要がある。

 

だが、Aランクに挑戦するには、地道な活動が必須なのだという。その上、試験は自由組合(ギルド)の本部がある、イングラシア王国でしか行えないのだと

 

「なるほど確かにそれはそうだね。実力があれど性格に難のある冒険者がなって、問題を起こせば面子がつぶれるだろうしね」

 

「ですから依頼を受け、達成し実績を積み上げねばなりません。身の丈に合わない依頼を受け失敗したり、護衛対象に難癖をつける様な輩は論外なのですよ。その者の人となりや、依頼に対するスタンスも重要なのです。先ずは仕事を請けて、B+の評価にならなければ挑戦権が得られないのです」

 

「な、なるほど。地道にコツコツと頑張るのが重要。これはやりがいがありますね!」

 

「ははは、リディス殿もかなりの腕前の戦士のようだ。正直、皆様方の強さは、見事の一言でした。カバル達の紹介だからインチキだと思い込んでいたのですが……いやはや、お見逸れしました」

 

そう言って、ジーギスが頭を下げてくる

 

「ちょ、ジーギスさん酷いですぜ」

「私達、信用無さすぎぃ……」

「悲しいでやんすね」

 

「……やはり彼等は、ドロンボー一味の様なギャグ適正の高い組み合わせに見えますね」

「まぁ、うん。へっぽこ3人組って感じだね」

 

なんだかんだあったけど、俺達とジーギスは打ち解けたのだった。

3人には是非とも、今後の活躍で汚名を返上してもらいたいものである

 

 

 

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さてその夜。エレン達3人にフューズ、それにジーギスを加えた9名で、今後の予定について話し合った。

 

俺達の目的は当然、同郷者の神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)への面会である。

 

本当はシズさんに頼もうかと思ったんだが、俺達とシズさんの関係性が不明だし、神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)にはある程度の素性がバレているとはいえ、ちゃんとしたルートで行こうと思ったのである。

 

エレン達を通して要望していた紹介状は、既にフューズが用意してくれていた。

有難く受け取り、無くさぬように『胃袋』に仕舞う。

 

エルロック達も体内の空間に収納し、これで身分証を発行して貰えば、準備は完了だ。

 

そういえば、エルロックもリディスの様に内部空間があるみたいだけど、どういう訳かリディスよりも広かったんだよな。

岩魔人(ロックマン)の長であるエルロックは特別仕様なのかもしれん

 

「身分証は明日の朝には出来ているだろう。受け取りの娘にも俺の知り合いだって伝えたから、優先してくれるだろうさ」

 

「そんな事しなくても、旦那達の戦いっぷりを見ていたみたいだし。もうすっかりファンになってたみたいだぜ?」

 

「まあねぇ?。アレを見れば、ファンになるよねぇ。特にエルロックさんなんて、熱っぽい視線送られていたしぃ?」

 

「確かに。エルロックさんとクニエダさんが、兄妹だって聞いて、目の色変えていたでやすからね」

 

確かに今のエルロックは普段の人妻感のあるイケメン形態から、眼鏡無しのボサボサヘアのチョイワル親父風だしな。

髭が生えにくい体質だと言うのに、わざわざ無精髭生やす程徹底しているし、多分キャラメイクに拘るタイプなんだろうな。

年上男性の色気がムンムンだし、コロッといったのかもしれん……。

 

見た目はそんなに悪くないと思っていたし、清潔感や身だしなみに気を使っていたのに、3回も振られ童貞……。いや、『大賢者』を獲得したから、童(・)帝(・)か?。

 

エルロックが妻一筋じゃ無かったら、嫉妬していたかもしれないな

 

「試験官としては歯痒かったですが、戦いぶりは見事なものでしたな」

 

「だから、だよ。本当は俺の権限で身分証を発行して、リムル殿達の強さは秘密にしておきたかったんだよ。どうやったって目立っちまうだろ?」

 

「へ、へへ。皆さん美男美女でお強いですからね。そりゃ目立ちますよ」

「リディス。鏡いるかい?」

「あ、ありがとうございます。大切にしますね!」

 

「それに関しては、本当にスンマセン」

 

「「スミマセンでした!」」

 

カバルの謝罪に続き、エレンとギドも頭を下げる。

これに関しては、俺達も配慮が足りなかった。久しぶりの都会につい浮かれて、少々浮ついていたようである。

 

エルロックも渋おじ剣士になれて浮かれていたもんな……

 

「俺も今後は自重するから、フューズもそのくらいで許してやってくれ」

 

「私達もなかなかこういう場所に来た事無かったから、ついつい浮かれてしまったからね。彼等は私達を思って行動してくれたから」

 

「ふぅ…、確かにそうですな。貴方達がよろしいのであれば、この話しはお終いにしましょう」

 

そう俺達も取り成して、今回の件は収まったのだった。

 

で、明日一杯で準備を整え、早速出発する予定だったのだが……それにはフューズから待ったがかかった

 

「実はブルムンド王が、極秘会談を希望されておられるのだ」

 

そう告げられたのである。

 

俺達の到着は既にブルムンド王には伝わっているそうで、3日後に会談したいとの事。

俺達は快く了承した。

 

それに先立って、フューズの知り合いの貴族との内密な面会が予定された。

今後の国家間の付き合い方について、実務的に協議したいのだそうだ。

 

まぁ確かに何を話すか事前に決めないと、その場で思いついた事を聞いたりとかで、グダグダになるだろうしな。

 

俺達も急いでいないし、皆も異論は無いみたいだしな。

会うのは3日後なのだから、どうせ時間は空いてるのだ。

それに俺としても何を聞かれるのかドキドキなので、事前に知らされる方が助かるというものだった

 

 

 

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組合支部の客室でゆっくりしようかと思っていたら、エルロックから提案があった

 

「せっかくだし、悪魔達を受肉させようかなって」

 

「…ここで?」

 

「うん。この部屋にはクニエダが結界を張ってるし、問題ないからさ」

 

「いや、別にいいんだけど、ここで彫刻するのか?」

 

「それもいいんだけど、今回はコレを使おう」

 

そう言ってエルロックは、心臓に人の顔が付いた奇妙な魔道具を取り出した

 

「懐かしいな。ドリー・カドモンだっけか。つまり造魔にしようってことなんだな」

 

「そうなるね。で、受肉を悪魔達に提案したんだけど……」

 

「どういう訳か個別では無く、纏めて合体させて欲しいと言われたんです。ドリー・カドモンの仕様を詳しく説明した所、是が非でもと」

 

なんでだ?。普通個別で受肉した方が良い気がするけどな。

合体したら自我も混ざって、元の人格を保てないと思う

 

「なんでなのか聞いたのか?」

 

「どうやら戦闘能力が低い事を気にしている事。それに悪魔界でも仲が良かったようで、コイツらなら構わないとも言ってますね」

 

「という訳で早速、この造魔の素ドリー・カドモンで、彼等を受肉させよう」

 

「え?」

 

説明が完了したと見るや否や、ドリー・カドモンと4個の吸魂玉(きゅうこんだま)を合体させるエルロック。

 

渦巻く魔素がドリー・カドモンを中心として収束していき、異形の魔人となる。

 

鳶色の外殻に覆われた六つの腕を持ち、頭には後ろに向かって反った立派な角と、フサフサした鬣犬(ハイエナ)の耳が生えた肉食獣を彷彿とさせる兜。

地面に着く程長い尻尾は非常に鋭く、迂闊に触れてしまえば、貫かれてしまうのではないかと思う程鋭い。

左右非対称の眼は深い蒼と緑の金銀妖眼(ヘテロクロミア)であり、吸い込まれてしまいそうになる程美しい。

腰からは身体をすっぽり覆える程巨大な翼が生え、その姿はまるで堕ちた騎士の様であった

 

「ぼく、たちは、『造改魔(アーティフィシャルデーモン)』、です。仕えられることありがとう、ございます」

 

「へぇ、なかなかカッコイイじゃないか。君は…『アプリリア』。『造改魔(アーティフィシャルデーモン)』のアプリリアだ」

 

「!」

 

再度渦巻く魔素は小さく収まり、これまた姿がガラリと一変した。

 

……これは、メイド?

 

「ありがとう!。ぼくたちは、アプリリア!。造改魔(アーティフィシャルデーモン)のアプリリアです。生涯ますたぁに仕えるメイド見習いです!」

 

碧色の長髪と前髪のインテーク、髪色と同じ 鬣犬 (ハイエナ)の耳、深い蒼と緑の金銀妖眼(ヘテロクロミア)を持つ異形のメイドが其処に居た。

六つの腕と角、尻尾に翼はそのままにとても愛らしい姿にかわっていた。

積雪を思わせる透き通る肌に、折れてしまいそうな細い身体は、見ていて心配になる。

どういう訳か、170くらいあった身長は148cmに縮み、異形のパーツを除けば普通の女の子の様に見えた。

 

……そんな異形の美少女が、本格的なヴィクトリアンメイド服を着て立っているんだから混乱する。

本格的って言っても、多腕と翼に尻尾が通る様になってるから、大分改造感があるな

 

「うわ、懐かしっ。私が14の頃の姿じゃないか。色んなパーツがあるし、髪型も髪色も違うけど」

 

……あ、エルロックの幼少期っておとこの娘だったのか。

 

確かによく見て見れば、以前エルロックが呼び出した様々なバリエーションの分身に、こんな感じのヤツ見た覚えがある。

 

流石に生前のエルロックが反映されているからか、脚が折れそうな程細く、全体的にガリガリだ。

表現するなら、うすほそかな?。

 

……でも

 

「なぁ。なんでメイドなんだ?」

 

「え?。ぼくたちは仕えると言ったら、メイドかなと。以前に悪魔界でチラっと原初の青(ブルー)様と、原初の緑(ヴェール)様を見かけたので、いつかお仕えするますたぁを見つけたら、お二方の様になってみたいって思ってたんだ!」

 

「その原初の青(ブルー)と原初の緑(ヴェール)もメイドなのかい?」

 

「うん。確か原初の赤(ルージュ)様のメイドをしているよ。あ、でも名前で呼んだ方が失礼じゃないかも。原初の赤(ルージュ)様は、ギィ・クリムゾン様で、原初の青(ブルー)様は、レイン様。原初の緑(ヴェール)様はミザリー様って言うんだよ!。前にぼくたちを倒した眷属が自慢してたんだぁ」

 

なんだろうな。主自慢でもしてたのか?ソイツ。

しっかし、『原初の赤(ルージュ)』か。確かリディスが語った話しに出ていた原初の悪魔っていうヤツだよな。

『原初の青(ブルー)』に『原初の緑(ヴェール)』と色に関係したヤツらなのか?。

 

ん?

 

「もしかしてその両眼って、原初の青(ブルー)と原初の緑(ヴェール)を意識してるのか?」

 

「そうですそうです!。悪魔はある程度自分の容姿を変えられるんだもん。せっかく素晴らしい肉体をもらったし、お二方の様な立派なメイドになれる様、髪も瞳も変えたんだ!」

 

確かによく見ると、青と緑を合わせた様な碧色だし、憧れてるんだな

 

「なりたかったのは鬣犬(ハイエナ)なんだけど、ぼくたちも良いなって思ったんだ。元々自我も希薄でただただ戦うだけだったし、色も決まってない無(・)色(・)だったしね。鬣犬(ハイエナ)は20年生きてたけど、ぼくたちは5年くらいしか生きてないから」

 

「色というのは、原初の悪魔の赤とか青とかそういうヤツかな?」

 

「そうだよ?。原初の悪魔は始まりの悪魔。あの方々が生まれたから悪魔が発生するようになったんだって。だから物心つく頃には大体の色が決まって進化出来るんだけど、ぼくたちは中途半端に自我が芽生えた下位悪魔なんだぁ」

 

「自我が希薄ってわりにはハキハキ喋るな」

 

「あー、それはこの肉体が基礎知識を内包してるからみたい。ぼくたちも知識を元に手探りで会話してるんだよ?。でも、こうやって会話出来るのは良いね!。すっごい楽しいよ!。悪魔界なんも無いからさ……」

 

「そういえばfateを参考に、色々な知識を虚構世界(ヴァニトロン)から引き出せる様にしていたね」

 

なるほど、基礎フォーマットが出来てるから会話が成り立ってるのか。

コイツも学習中なんだな

 

「でも不思議な感覚なんだぁ。四人混ざったのに、今まで通り会話出来るし、ぼくたちの中に本棚が沢山あって、会話するテーブルがあるみたいな感じなんだよね」

 

「なんじゃそりゃ」

 

多分独立した思考が出来るって感じだろうな。

魔素量(エネルギー)も増えてるし、下位悪魔より進化してるんじゃないか?

 

《解。個体名:アプリリアは上位悪魔(グレーターデーモン)相当だと思われます》

 

やっぱりか。受肉後は大分強そうな見た目だったしな。

そういえば、あの騎士の姿にもなれるのか?

 

「なぁアプリリア。受肉した時の騎士の姿にもなれるのか?」

 

「んーと、やってみる!」

 

魔素が体表を覆い、先程見た騎士の姿に変わっていく。

 

騎士の姿だと170で、メイド姿だと148ってかなり差が激しいヤツだな

 

「んっ、出来たよ!。この姿はカッコイイけど、奉仕向きじゃないなぁ」

 

「キミが好きな姿で過ごせば良いと思うよ?。それじゃあこれから宜しく頼むよ。何かあったら言ってくれると助かるかな」

 

「あ、なんか獲得したみたい?。ええと…『奉仕者(ツカエルモノ)』ってユニークスキルみたいだよ?。サポートがしやすくなるように、覚えやすくなったり、肉体を作り替えるんだって。ますたぁとリムル様と会話する為に、色んな知識を読んだからかな?」

 

「せ、拙とは違う感じでしょうけど、知識と今までの生から、急速に自我が発達したみたいですね」

 

「はて、私にユニークスキルが無いという事は、岩魔人(ロックマン)でなければ獲得できないという事のようだね」

 

「『彫刻家(ホリダスモノ)』で、生み出した魔道具は対象外という訳ですか」

 

「益になる結果だよ。ドリー・カドモンの様な、受肉系のアイテムを使った対象のスキルは、共有不可というわけだ。この子の種族も悪魔の亜種みたいだしね」

 

「んっとね?。同(・)じ(・)ぼ(・)く(・)た(・)ち(・)を生み出せるみたいだから、1人はますたぁの国に送って、ぼくたちはますたぁの影に潜っても大丈夫?。ますたぁを陰ながらお世話したいって思ったら、影移動ってスキルを手に入れたからさ」

 

「構わないよ。ならアチラでシュナと、レジスチルから色々学ぶと良いよ」

 

「うん!。何かあったら呼んでね?」

 

アプリリアはランガの様に影に溶け込む様にして消えた。

多分、サポートする為に必要だと思ったスキルの取得難易度を下げる効果なんだろうな。

 

しっかし、キメラおとこの娘悪魔メイドなんてかなり濃いヤツが仲間になったな。

いや、メガテンに習うなら仲魔か?

 

 

 

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翌日。

 

フューズの知り合いである貴族。

その名は、ベルヤード。

貴族位は、男爵なのだそうだ。

 

それなりに立派な建物が立ち並ぶ区画にある落ち着いた感じの建物、それがベルヤード男爵の館だった。

 

下位の貴族は領地を持たないので、この館か城で働いてるらしい

 

「アイツはな、一言で言うと仕事人間なんですよ」

 

「企業戦士みたいな企業の利益というより、国益の為にがむしゃらに働いてる感じかい?。真面目そうだね」

 

「まぁそうですね。…今のは秘密で頼みます」

 

なんでもフューズとベルヤード男爵は幼なじみであるらしく、こうやって秘密裏に話し合っているらしい。

 

実際表向きは険悪ムードでバチバチして、いかにもな雰囲気を作ってるようだし。

 

都合の悪い所は隠して、都合の良い所は出すというのは、生前の政治家もやっていたけど、波風を立てない方が良いのは間違いないしな。

 

寧ろこうやって自分の目で見たからこそ、自国の為に行動するフューズと、ベルヤード男爵は好感が持てる

 

(ま、ますたぁ!メイドです。あの姿こそ、ぼくたちの目指す姿なんですね!。うわぁー、憧れちゃうよぉ)

 

(君は人間を見下したりはしないんだね?)

 

(確かに普通の悪魔ならそうだろうけどさ?。ぼくたちはあまり凄い存在だとは思ってないし、脆弱な人間種とはいえ、身につけた技術には敬意を払うべきだから)

 

(なら存分に学ぶといい。その積み重ねが君の力となるからね)

 

メイド喫茶の様なお飾りのものではなく、主の身の回りの世話の為に身につけたであろう所作は、見事という他ない。

 

エルロックも影の中のメイド見習いと話してるし、なんか不安になってる俺が馬鹿みたいだな。

 

落ち着いた俺達は、執事の案内に従い廊下を進んだ。

 

奥まった部屋に案内され、一際立派な扉の前で立ち止まる。

 

執事のノックに、「どうぞ」と返事があった。

 

正直かなり面倒だが、ドワーフ王国で宮廷作法も乗り越えた俺に隙はない。

 

……最悪、生前そういう場に引っ張りだこだったエルロックは、俺より遥かに上手いから魔力感知で真似れば大丈夫だろうしな!。

 

大手ゼネコン勤務と言ったって、他社の重役と話すのとは違うだろうし。

 

王様って大統領とか、総理大臣の扱いで大丈夫なのか……?

 

「私はブルムンドの大臣の1人、ベルヤード。どうぞお見知り置き願いたい」

 

「初めまして。リムル=テンペストです」

 

「同じく、エルロック=テンペストと申します」

 

「作法に疎いので、失礼があったらご容赦を」

 

互いに握手をする。

こういう所は、前世と似た風習らしい。

 

エルロックが居るから心細さはあんまり無い。

今回はリディスはお留守番だし、クニエダはエルロックの中でサポートをしているから、俺達二人だけだ。

 

「安心して下さって結構ですよ。私も男爵とはいえ、領地を持たない木っ端貴族です。そう堅苦しく考えずとも、普段通りに接して貰って大丈夫です」

 

俺の内心の不安を見抜いたのか、そんな言葉をかけてくれた

 

「さて時間も有限ですし、話しを初めましょう」

 

出された紅茶を1口飲んで見せてから、ベルヤード男爵がそう切り出す。

 

エルロックや『大賢者(エイチアルモノ)』のサポートもあり、交渉は短時間で進んだものの、夜まで続いた。

 

魔国連邦(テンペスト)と、ブルムンド王国の開国の条件は2つ。

 

1つ、魔国連邦(テンペスト)と、ブルムンド王国の相互安全保障。

 

1つ、魔国連邦(テンペスト)内の相互通行許可証。

 

まず、相互安全保障について

 

「我が国の魔物への対策は、自由組合(ギルド)との協力で成り立っています。そこで…貴国での補給を認めて頂きたいのです」

 

魔国連邦(テンペスト)が活動拠点となれば、冒険者の活動範囲は大きく拡がる。

 

必然、ブルムンドへの脅威が減るというわけか

 

「当然、彼等も代価は支払います。ただ…、正直の話し。そちらのメリットは少ないかもしれません」

 

「両国との交流による物流の流れは、それだけで魅力的ですよ。私達が用意した宿屋も、公衆便所…。所謂周りの目を気にせず、用を足せる建物もあるので、其方の利用も可能です。こちらのメリットは、冒険者からの意見が主となります」

 

「宿屋は分かりますが、公衆…便所ですか?。ファルムス王国のニドル伯爵領にて、建てられた建物に似ていますね」

 

「はい。ニドル伯爵領の公衆便所も、我が国独自の技術により作られた便器を配置した建物となります。清潔な場所で、気を楽にして用を足す。これは心身共に休める事が出来ますからね。何より魔除けの結界も張られているので、安全性は保障しますよ」

 

「…確かに。野営は心身共に疲弊し、食事も制限されますからね。気をつけていたとしても傷んだ食べ物や、何らかの事情で物資を失い、採取し食料を確保する事もありましょう。ベテランならばともかく、慣れていない者にはキツイでしょう」

 

「また、公衆便所は無料。宿屋は銀貨4枚頂きますが、お湯の出る蛇口に、大人1人が脚を伸ばせる浴槽付き。衣服を入れて取っ手を回すだけで、汚れを洗浄し、乾燥を行う洗濯機も付いた部屋を御用意出来ます。勿論、1泊2食付きです。ランクは下がりますが、銀貨2枚の宿屋もありますね。流石に其方は浴槽も、洗濯機もありませんが」

 

「ますますメリットが少ないように見えますが…」

 

「いえ、冒険者は様々な視点をお持ちです。彼等ならではの意見を聞けますし、そこから改良も出来ます。私達は魔物であるが故に、人間の視点を知りえませんからね」

 

「宿屋も武具を整備出来る施設もあるしな。価格に見合った品質を約束するよ」

 

「ありがとうございます」

 

正直な話し、こちらの大して負担はかかってない。

なんせ、便器も宿屋の設備も、魔素を吸収して勝手に修復する魔道具だし、維持費も掛からずメンテナンスも必要無い。

そして、万が一盗まれたとしても、セットで使わないと動かないのでろくに使えないだろうしな。

 

一応監視カメラも設置する予定だし、監視系の岩魔獣(ロックモン)もいる。

 

カヌチャンって岩魔獣(ロックモン)はある程度まとまった品質の武具を打たないと、進化出来ないらしいからな。

ランクの低い武具だって結構作ってるんだよ。

 

長年冒険者として活動したシズさんと、ヨウム達からどうしたらいいかを聞いといて、本当に良かった。

 

カイジンやクロベエの作品は凄すぎるしな。

 

あと、材料費も岩人間や、岩魔獣が廃棄物を変換して生み出すから、実質タダみたいなものだ。

 

……宿屋や便所の排水溝には、岩魔獣が潜み情報収集と冒険者の髪や汚れから情報を読み取るらしいので、長期的に見るとエルロックの強化に繋がるしな

 

「では、もう1つの件について話しましょう」

 

次に通行許可。

これによって魔国連邦(テンペスト)に、人間が来るようになり、更に魔物が人間の町に赴けるようになる。

 

人と友好的に付き合いたいと考える俺達にとって、これは大きな1歩だ。

 

更に言えば税収も見込める。

商人が魔国連邦(テンペスト)に入る時の関税だ。

 

少し揉めたが、ここはベルヤードが折れてくれた

 

「期限を定め、国が商人達の支払いを立て替えるものとしましょう」

 

「いいのか?」

 

「我が国にとって最重要なのは、安全保障に関して、です。貴方達が先程提示した施設は、それほどまでに有用なのです。お互いに利のある関係でいたいものですね」

 

「ありがとうございます。今後も良き友でありたいですからね」

 

こうして、ベルヤード男爵との会談はとても有意義に終わった。

 

2日後からブルムンド王との会談が始まる。

 

エルロックと当日どう話し、相手が話す可能性の高い内容を想定して、俺達は会談に臨む準備を整えた。

 

無事に会談が終わると良いんだけどな




ステータス
名前:エルロック=テンペスト(クニオ・イザワ)
種族:岩魔人(ロックマン)
称号:暴風の紋章
魔法:なし
ユニークスキル:『探索者(タンサクスルモノ)』『彫刻家(ホリダスモノ)』『撃退者(ゲキタイスルモノ)』『追撃者(オイハラウモノ)』『傷病者(ウムモノ)』『 変質者(ウツロウモノ)』『集合者 (ツドウモノ)』『隣人者 (トナリアウモノ)』『 飢餓者(ウエルモノ)』『修行者(ツミカサネルモノ)』『虚飾者(ヴァニティ)』『 滔天者 (オソロシキモノ)』『寄生者 (トリツクモノ)』『贖罪者(コウカイスルモノ)』『翻訳者(ツタエルモノ)』
エクストラスキル:『毒霧吐息』『麻痺吐息』『威圧』『嵐装天鎧』『木装天鎧』『土壌固定』『氷零弾』『陽装天鎧』「炎熱操作」『 炎化爆獄陣(フレアサークル)』『 火炎蜥蜴召喚(サラマンダーしょうかん)』『溶装天鎧』『縮小玉』『魔塊転生』『超速再生』『武装具現』『妖血操糸』『種子改良』『軍装天鎧』『氷装天鎧』『電装天鎧』『記録複製』『魔物召喚(サモンモンスター)』『魔力妨害』『重力操作』『空装天鎧』『幻妖香』
耐性:痛覚無効、耐熱耐性、刺突耐性、物理攻撃耐性、電流耐性、麻痺耐性、腐食耐性、土耐性、熱変動無効、病毒無効、精神苦痛耐性
技術(アーツ)『握撃』『芯流法』『朧流』『暴風の乱鱗雨(テンペストスケイル)』『破邪眼光線』『斥力外皮(リパルション)』『引力外皮(アトラクション)』

新しい種族『造改魔(アーティフィシャルデーモン)』が登場しました。

最近の手術は凄いもので、父の心臓の手術も直ぐに終わり、入院も3日だけでした。

足から管を挿れて、心臓の一部を焼き切るのだそうです。
本当に良かったです。
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