ある高校の一年生、三森やすりとその親友、西湖りょう。ある日、二人がいつもどおり登校していると、三森は西湖の様子がおかしいことに気づく。

そんなこんなでハチャメチャにバトルしたりしなかったり、日常を謳歌したりしなかったり、世界を救ったり救わなかったりする日常系バトルコメディ…にしたいなぁ

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初めましてー。名前…なんだっけ、まぁいいや。まだ分からないことも多いので、何か気づいたことなどありましたら、教えていただけると幸いです。初心者なので優しくしてネッ。
あと、よければ感想ください。(ダイマ)励み兼プレッシャーになって筆が進みます。


お前、主人公かよ

「なぁ親友。訊きたい、いや、訊いておかないといけないことがあるんだが」

 高校への道半ば。通学路の中でも一番長い坂の途中。住宅地の間を通る、何があるでもないような道で。

 親友の西湖涼(さいこりょう)は僕に突拍子もなくそう言った。声量を考えれば、呟いたという方が適切かもしれない。

 その上小さな声の主は、会話のピッチャーにしてはやけに上の空という顔をしていた。

「なんだ涼。今日提出する数学の課題ならやってあるから、教室についてから貸してやるが」

「いや、異能力って信じるか」

 異能力。現実とはかけ離れた力。ありえない事象。

 物語の中でのみ息をしているそれらが現実に存在するならと、頭の中で思い描いた男子は少なくないはずだ。

 少なくとも僕は、思い描いた。

 が、それはそれ。これはこれだ。

「いきなりどうした、頭でも打ったか?このまま保健室まで直行するなら肩ぐらい貸すぞ」

「大丈夫だ。それより、どうだ?信じるか?」

 親友の顔は相変わらず虚空と向き合っていて、それでも僕の問いに即答するものだから、僕は少し面食らった。

 そして、不思議に思った。はて、僕の親友はこのような話し方をするやつだったか、と。

 活発そうな短髪とキリっとした目つきが合わさって、初対面の相手にはオラついた印象を与えてしまう涼ではある。

 だがしかし、その実こいつは人と話すときは聞き手に回ることが多いし、僕にも人の意見を尊重するようグチグチ言ってくるようなやつだ。まぁ、後者については、人の話を流す嫌いのある僕のせいではあるが。

 それはさておき、つまるところ。僕が何を言いたいのかと言えば、

「涼、なんか焦ってないか?」

 ということだ。

 涼は焦っているとき、気になっていること以外が疎かになるのだ。露骨に。

 現に今も、

「正面、電柱だぞ」

「うわっ、と。びっくりしたー。サンキュー叶理(やすり)

 思いっきり電柱とキスしかけていた。こいつの視野は大丈夫なんだろうか。

 そして叶理。三森叶理(みもりやすり)。僕の本名。

 小さいころは、『○○けずり』だのなんだのと揶揄われたこともあり、下の名前を人に呼ばれるのは好きではない。ただ、まぁ。

 親友だからと、律儀に呼んでくるこいつにそれを言うほど、僕も嫌ってはいないが。

「で、なーにをそんなに焦ってるんだお前。正直に吐いてもらおうか…涼?」

 電柱を避ける親友に合わせて止めていた足を、再び前に動かしながら話しかける。

 が、顔を向けた場所に親友の姿はなかった。

 振り返ると、こちらに背を向け、背筋を張った涼がいる。

 なにか、尋常ならざる雰囲気を感じる。

「…すまん。本当にすまん、色々と」

 ごく簡単に謝罪を済ませた涼が右の手を握りしめる。

 そこには、空気をも焦がしそうな炎の剣があった。

「はぁ?」

 なんだ、あれ。いつからあった?本当に燃えてるみたいだが、涼のやつ、熱くないのか?

 いや、そんなことより、

「涼、お前かっこよすぎか!?」

「なにその剣!僕もやりたい!」

「熱さとか感じないのか?」

「というかお前、主人公かよ!」

 炎使いとか全男の子の憧れすぎるだろ!

「お、おう…信じてくれたようでなにより?」

 なんか引き気味じゃないか?誠に遺憾の意。

「っと、それより叶理、俺の後ろに居てくれ」

「え?いいけどなん」

 カァン、と無機質な音が響く。

 起こったことを知覚する間もなく、ぶわりと風が吹き付けてきた。

「…え、は。なに、どういう…?」

「他人のおもりしながらとか…舐めてるの?」

 知らない声が聞こえる。正面からだ。

 つられて前を見る。そこには…

「棒?」

 四角い棒だ。正方形を3、4個くっつけたような模様。

 ビビットカラーに彩られたそれは、確かに空中を浮遊していて、今もなお涼との力比べが続いている。

「あのね。誰だか知らないけど、私の相棒をそんなダサい呼び方しないでくれる?」

 あ、相棒?この色付き角材が、相棒?

 愛機とか、そんな感じなんだろうか…あまり詮索しない方がいいのかも…

「えーと、じゃあなんて呼んだら?」

「その前に、人とは目を見て話したらどう?」

 声のする方角が変わった。

 声についていくように目を向けると、少女がいる。背丈からして、高校生だろうか。

 赤い瞳と強気な口調に反して、暗い青色の髪と眠たげな目元がおとなしい印象を醸している。

 髪についてもっと言えば、毛先から頭頂部に向けてグラデーションがかかっていて、どんどん色が薄くなっている。

 ストレスか何かだろうか。

 というか、あの棒が話してたんじゃなかったのか。

「自己紹介くらいは礼儀よね。私は彼方廻(おちかたまわり)、あなたは…いや、いいわ。どうせなかったことになるんだし」

 彼方さん、か。聞いたことないが、珍しい苗字なのだろうか。そう考えるとかっこよく聞こえてきた。いや、そんなことより。

 なかったことにってどういうことだ…?

「難しく考えなくていいわよ。ただ、あなたはこれから記憶を消されるってだけ」

「記憶を消される?どうやってそんなこと…なんでやるんだ?」

 少女がスナップをする。

 一本、二本と音もなく先ほどのような棒が現れ、一斉にこちらを向く。

「お喋りはそろそろおしまい。」

 棒によって生まれた影が、少女の顔を隠して表情を悟らせない。

 じわじわと棒に囲まれ、とうとうコンクリートの壁に背中をピタリとつける。

 身体がぶるりと震えたのは、壁の冷たさ故か、それとも…

「冥途の土産とは違うけど、最後に相棒の名前だけは聞かせてあげるわ」

 全ての棒が構えるようにその身を引く。

 冷たくて鈍い威圧感に目を瞑りそうになる。そして、悟ってしまった。

 殺すと言っていないだけで、死なないとは限らないのでは。

「積み上げろ、落下段(テ〇リス)

 えっテ〇リス?




To be continue.

次回も出せるよう頑張ります。 

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