そんなこんなでハチャメチャにバトルしたりしなかったり、日常を謳歌したりしなかったり、世界を救ったり救わなかったりする日常系バトルコメディ…にしたいなぁ
あと、よければ感想ください。(ダイマ)励み兼プレッシャーになって筆が進みます。
「なぁ親友。訊きたい、いや、訊いておかないといけないことがあるんだが」
高校への道半ば。通学路の中でも一番長い坂の途中。住宅地の間を通る、何があるでもないような道で。
親友の
その上小さな声の主は、会話のピッチャーにしてはやけに上の空という顔をしていた。
「なんだ涼。今日提出する数学の課題ならやってあるから、教室についてから貸してやるが」
「いや、異能力って信じるか」
異能力。現実とはかけ離れた力。ありえない事象。
物語の中でのみ息をしているそれらが現実に存在するならと、頭の中で思い描いた男子は少なくないはずだ。
少なくとも僕は、思い描いた。
が、それはそれ。これはこれだ。
「いきなりどうした、頭でも打ったか?このまま保健室まで直行するなら肩ぐらい貸すぞ」
「大丈夫だ。それより、どうだ?信じるか?」
親友の顔は相変わらず虚空と向き合っていて、それでも僕の問いに即答するものだから、僕は少し面食らった。
そして、不思議に思った。はて、僕の親友はこのような話し方をするやつだったか、と。
活発そうな短髪とキリっとした目つきが合わさって、初対面の相手にはオラついた印象を与えてしまう涼ではある。
だがしかし、その実こいつは人と話すときは聞き手に回ることが多いし、僕にも人の意見を尊重するようグチグチ言ってくるようなやつだ。まぁ、後者については、人の話を流す嫌いのある僕のせいではあるが。
それはさておき、つまるところ。僕が何を言いたいのかと言えば、
「涼、なんか焦ってないか?」
ということだ。
涼は焦っているとき、気になっていること以外が疎かになるのだ。露骨に。
現に今も、
「正面、電柱だぞ」
「うわっ、と。びっくりしたー。サンキュー
思いっきり電柱とキスしかけていた。こいつの視野は大丈夫なんだろうか。
そして叶理。
小さいころは、『○○けずり』だのなんだのと揶揄われたこともあり、下の名前を人に呼ばれるのは好きではない。ただ、まぁ。
親友だからと、律儀に呼んでくるこいつにそれを言うほど、僕も嫌ってはいないが。
「で、なーにをそんなに焦ってるんだお前。正直に吐いてもらおうか…涼?」
電柱を避ける親友に合わせて止めていた足を、再び前に動かしながら話しかける。
が、顔を向けた場所に親友の姿はなかった。
振り返ると、こちらに背を向け、背筋を張った涼がいる。
なにか、尋常ならざる雰囲気を感じる。
「…すまん。本当にすまん、色々と」
ごく簡単に謝罪を済ませた涼が右の手を握りしめる。
そこには、空気をも焦がしそうな炎の剣があった。
「はぁ?」
なんだ、あれ。いつからあった?本当に燃えてるみたいだが、涼のやつ、熱くないのか?
いや、そんなことより、
「涼、お前かっこよすぎか!?」
「なにその剣!僕もやりたい!」
「熱さとか感じないのか?」
「というかお前、主人公かよ!」
炎使いとか全男の子の憧れすぎるだろ!
「お、おう…信じてくれたようでなにより?」
なんか引き気味じゃないか?誠に遺憾の意。
「っと、それより叶理、俺の後ろに居てくれ」
「え?いいけどなん」
カァン、と無機質な音が響く。
起こったことを知覚する間もなく、ぶわりと風が吹き付けてきた。
「…え、は。なに、どういう…?」
「他人のおもりしながらとか…舐めてるの?」
知らない声が聞こえる。正面からだ。
つられて前を見る。そこには…
「棒?」
四角い棒だ。正方形を3、4個くっつけたような模様。
ビビットカラーに彩られたそれは、確かに空中を浮遊していて、今もなお涼との力比べが続いている。
「あのね。誰だか知らないけど、私の相棒をそんなダサい呼び方しないでくれる?」
あ、相棒?この色付き角材が、相棒?
愛機とか、そんな感じなんだろうか…あまり詮索しない方がいいのかも…
「えーと、じゃあなんて呼んだら?」
「その前に、人とは目を見て話したらどう?」
声のする方角が変わった。
声についていくように目を向けると、少女がいる。背丈からして、高校生だろうか。
赤い瞳と強気な口調に反して、暗い青色の髪と眠たげな目元がおとなしい印象を醸している。
髪についてもっと言えば、毛先から頭頂部に向けてグラデーションがかかっていて、どんどん色が薄くなっている。
ストレスか何かだろうか。
というか、あの棒が話してたんじゃなかったのか。
「自己紹介くらいは礼儀よね。私は
彼方さん、か。聞いたことないが、珍しい苗字なのだろうか。そう考えるとかっこよく聞こえてきた。いや、そんなことより。
なかったことにってどういうことだ…?
「難しく考えなくていいわよ。ただ、あなたはこれから記憶を消されるってだけ」
「記憶を消される?どうやってそんなこと…なんでやるんだ?」
少女がスナップをする。
一本、二本と音もなく先ほどのような棒が現れ、一斉にこちらを向く。
「お喋りはそろそろおしまい。」
棒によって生まれた影が、少女の顔を隠して表情を悟らせない。
じわじわと棒に囲まれ、とうとうコンクリートの壁に背中をピタリとつける。
身体がぶるりと震えたのは、壁の冷たさ故か、それとも…
「冥途の土産とは違うけど、最後に相棒の名前だけは聞かせてあげるわ」
全ての棒が構えるようにその身を引く。
冷たくて鈍い威圧感に目を瞑りそうになる。そして、悟ってしまった。
殺すと言っていないだけで、死なないとは限らないのでは。
「積み上げろ、
えっテ〇リス?
To be continue.
次回も出せるよう頑張ります。