投稿遅れました。理由は他作品の小説を書き込んでたためです。
あとライブシーン描くのむず過ぎて駄文になってしまったかもしれん。
ついに明日はJIF本番だ。ルビーは明日のライブが楽しみで眠れないとか、遠足に行く前の小学生のようにはしゃいでいた。
ちゃんと寝ないと明日に響くわよ、と言うとルビーはしばらくして寝静まった。かく言う私も、眠れなくなって充瑠のいる部屋へとこっそり向かった。
「充瑠?」
「有馬さん、まだ寝てなかったんですか」
「まぁね、何か眠れなくて。これは……台本?」
「明日は、ゲームのアフレコ収録があるんです。それの台本チェックを」
「ちょっと見せて」
自分のセリフのところに、細部までびっしり書かれていたメモ書きの数々。彼の声優としての熱量が台本から感じとれる。
実際に彼の作品をいくつか見て来たけど、声優演技に対して無知な私が見ても、凄く上手かった。
「ねぇ、アンタって何で声優になろうって思ったの?」
「昔から声が綺麗だから声優になれるって言ってくれた人がいたんです。僕もアニメ自体が好きだったので、それで興味を持ったって感じですね」
「成る程ね。アンタは今後、何を目標にするの?」
「凄く有名になろうって思ってるわけじゃ無いんですが、皆に良いものを届けられる声優になりたいのが第一ですね」
「私も、作品が評価されると嬉しいから分かるわ。その気持ちが」
充瑠に夢を与えた人物か……気になるな。もしかして充瑠の好きな人だったり? いやいや、思い込みすぎかな。
今のところ充瑠に女っけは無さそうだし、アクアもコイツが好きな人は今の所いないって言ってたから、今のうちがチャンスよね。
それはそうとして、明日は充瑠の奴、仕事があるのか。
「待って? じゃあ明日のJIF来れないの?」
「いや、何とかギリ間に合う時間には終わるので、当日は1発OK貰って直ぐに向かいますよ!」
「本当ね? ここまで付き合って来て、もしも破ったら承知しないからね!」
「分かってますよ。僕は約束は守る男なので!」
「男に二言はないわよ?」
「もちのろんです。それよりも、明日のために早く寝なさい!」
「お母さんか! アンタも早く寝なさいよね!」
こうして部屋に戻って、ゆっくり睡眠を取った翌朝。熟睡していた私を、ルビーとメムに叩き起こされ、最悪の目覚めを迎えた。
メムに関しては25歳なのにも関わらず、ルビーと同じでテンションが小学生並みだ。
充瑠は既に仕事に出掛けていて、苺プロには居なかった。
「さてさてやって来ました。ジャパンアイドルフェス!」
「ヤッホーイ!」
私たちが立つのは、10個あるステージのうち、スターステージ。地下アイドルが結構多いステージとなっている。
はぁ……頭がちょっとボヤけているなぁ。あの2人が叩き起こしたせいだ、マジ最悪。
まぁ私が夜遅くまで寝ずに充瑠と話し込んでたのも悪いんだけど……とっとと楽屋行って、少しだけでも仮眠をしよう……そう思って楽屋がある方向へ向かおうとすると、社長にそっちではないと言われ、人口密度がえげつないレベルの広い楽屋へと連れて来られた。
「大丈夫?」
「いえ、ちょっと眠いだけです」
「あら、緊張してるの?」
「馬鹿言わないでください。私は哺乳瓶の吸ってる頃からこの業界でやってるんですよ? 今更緊張なんてするわけないでしょう? 二人のことは任せてください」
そうだ。私がどうにかしなきゃいけないんだ。芸能歴17年の私があのぴよぴよを引っ張らないと。
空気に気圧されるな。ビビるな。気合いを入れろ。
私の肩には、色んな人の仕事が乗っかっている。私がコケたら、全員がコケる。私を信じてかけてくれた人の期待を。
充瑠と頑張って来た今までの時間を無駄にしないために。
〜♪〜
はぁ……今日はかなりボイスのバリエーションが多くて結構大変だったなぁ〜。
僕は来年発売予定の東京ブレイドのゲーム収録に来ていた。
ジャンルはアクションゲームで、対応機器はSwitch、PS5、Xboxなどなど……。
ストーリーを追いながら、色々なキャラクターも操作できたり、オンライン対戦もできたりと、ファンからはかなり期待を集めている。
夏休み期間に開催される東京ゲームショーでも、紹介される予定で、特設ステージでキャスト陣による体験プレイをする予定となっている。
「ふぅ……。シチュエーションボイス撮るのも一苦労だな。クリームソーダを飲んで回復です」
「お疲れ様、充瑠くん。今日はどれも一発OK出して凄かったよ!」
「どもです、潘さん。実は今日、僕の事務所に所属するアイドルグループの初ライブなんです。JIFってのに出るんですけど」
「知ってる! B小町だよね! そっか……充瑠くんはそのライブを見るために張り切ってたわけか……」
腕組みをしながらうんうんと頷く潘さん。この日のために兄貴からオタ芸を叩き込まれたので、今からすごーく楽しみだ。
「なら早く行かないとじゃない! 今日の収録はもう終わったんだし、監督には私から言っておくから!」
「ありがとうございます、潘さん!」
「いってらっしゃい! 楽しんできてねー!」
僕は潘さんの言葉を受け止めつつ、スタジオを足早に出た。途中で捕まえたタクシーでJIFが開催される会場へ急ぎで送ってもらうようにお願いして、何とか外が暗くなる前に到着することが出来た。
現地に着いて早々、兄貴と集合場所として指定したカフェへと急いだ。
「お待たせ、兄貴! はぁはぁ……」
「お疲れ。走って来たのか?」
「うん! 急がなきゃって思って……」
「取り敢えず座れ。クリームソーダ頼んどいたから」
「あ、ありがとう。うまー!」
しかもキンキンに冷えてやがる。僕がスタジオからタクシーで来る時間を逆算して頼んでくれたのか? 逆にスゲェわ。
「ねぇ、そう言えばなんだけどさ」
「なんだ?」
「サイリウムのカラーって何色が良いかな? ほら、担当カラーってあるじゃん! ラ○ライブのライブの時とか、僕は推しカラーで応援するし」
「あれか。ルビーは赤、有馬は白、メムは黄色だそうだ」
「なんかチューリップの歌詞と同じ色やな」
なんと赤色は母さんと同じカラーらしい。名前だけじゃなくて色も継ぐとか、母さんリスペクトの凄い姉ちゃんだな。
「兄貴は何色で振るの?」
「全色だ」
「おお! 箱推しってやつか。良いじゃん!」
「お前は白オンリーにすれば? 有馬が喜ぶぞ」
「でも、せっかくの初ステージだろ? 僕も全カラーで応援したいぞ!」
「はぁ……。ま、お前の好きで良いと思うぞ」
有馬さんだけ応援したら、姉ちゃんが「何でお姉ちゃんも応援してくれないの!」って言って来そうだからな。
てか、兄貴は何でヤレヤレと言った表情をしてるんだ? さっぱり分からん。
「そろそろ時間か。行くぞ」
「ああ! 待ってー!」
クリームソーダを飲み干して、急いで兄貴の後を追って会場へと向かうと、席は多くのお客さんで盛り上がっていた。
やっぱり、ファン同士で一体となって盛り上がれる……やっぱりライブって良いよなぁ。
そして遂に、我らがB小町の出番がやって来た。
最初の1曲目は『STAR☆T☆RAIN』
この元曲を母さんの動画を見ながらコール練習を沢山したのでバッチリ出来た。
それにしても有馬さん、なんかだか暗い表情をしてる。そう言えば、周りは赤と黄色ばかりで白が全然無い……有馬さんも凄く可愛いのに……。
僕は1曲目が終わると同時に2曲目の『サインはB』になった時、3人が見えるような位置へと、急いで移動した。
そして、サイリウムの色を全て白一色にしてオタ芸をしたら、周囲からすごい注目を浴びたが、我は一向に構わない。
僕は……有馬さん推しだ!
こっちに気付いてくれたのか、彼女の表情が明るくなり、「もっと私を見て!」という訴えかけられるようなパフォーマンスに、心奪われた。
何だろう……この不思議な気持ちは。
こうして、B小町のJIFでの初ライブは幕を閉じたのだった。
ライブシーン大変すぎる