ありふれた世界で死が見える剣士が世界最強に 作:烙印バンザイ
刀真「割とついている方なんだな…」
作者「まあ、魔力を通してないと使えない物もあるけど耐性系は魔力を通さなくても発動してます。」
氷雪洞窟は不思議な構造だった。洞窟なのに常に雪が降っているのだ。洞窟の入り口から吹き込んできたのではなく奥から吹き込んでいた。しかもこの雪も普通の雪ではなかった。
「いっ、あ~、またやっちまった」
「龍太郎、結界の範囲から出るなって」
雪の一欠が身体に触れただけで即座に凍傷を起こしてしまう。前方に吹いている風を谷口が障壁を張って散らしているのだが、うっかり防御範囲内の外に出てしまったメンバーが凍傷を起こして回復魔法で治療する事態が起こっていた。
「……うん?」
どうやら俺も雪の一欠片が指に触れて凍傷したようだった。他の奴らは周りの死体などの話をしていてちょうど死体に銃を撃っているところだった。
「……」ザッシュ!
俺は周りに気付かれないように凍傷を起こしていた指を斬り落とした。
「…うん?刀真なにかあったか?」
「いや……なんでもない。」
「…そうか。」
会話が終わり俺たちは歩みを進めた。道には踏み潰された指が落ちていた。
そして俺は手を見るとそこには指がしっかり5本ありどこにも異常は無かった。
他の奴らは話に夢中だ誰にも気づかれていない。
いや……何人かには気づかれていたのか。
まあ、そんなことはどうでも良いがどうやら俺の身体は普通の人間ではないらしい。
————
魔物の襲撃もなく羅針盤によれば既に全体の三分の一は進んだようだった。
「ん? ……またか」
通路の先で再び氷壁に埋め込まれたような死体を発見した。
「……これで五十人。ほとんど魔人族」
「だな。おそらくだが、フリードが攻略したことで挑む人数も増えたんじゃないか?」
私服のような服装の魔人族も数人いたがこれは個人で挑戦したらしい。
「ふむ。攻略情報があれば行けると踏んだのじゃろうが……やはり、そう簡単にはいかなかったようじゃのう。他のルートのことも考えると、どれだけの者が挑んだのやら」
「でも、国を挙げて挑んだのなら、そのフリードっていう人以外にも攻略できた人がいる可能性はあるよね。もしそうなら、魔物の軍団が再編されるのも時間の問題かも……」
「大丈夫よ、香織。少なくとも直ぐに攻められることはないと思うわ。内通者の可能性は徹底的に潰したし、大結界も完全に修復されているもの。大結界を警備する兵士達も、一度内側から破られているせいで高い危機意識を持っている。それに向こうは、あのレーザー兵器が損壊していることを知らない。戦力が揃っても安易には動かないはずよ」
「雫ちゃん……うん、そうだね」
「……安心してくれ、香織。力を手に入れて狂った神を倒し、人間も魔人も皆、俺が救って見せる。ここに残ってリリアーナ達も俺が守る。全ての神代魔法を手に入れれば、いずれ自力で帰れるからな。俺は、誰も見捨てない」
「光輝くん……」
勇者らしい言葉だ。しかし、天之河の視線は、俺や南雲を見ていた。
以前までならご都合解釈で自分中心に言葉を吐いていたが、それは善意などの感情で動いていた。しかし、今は善意などの感情よりも負の感情を感じた。
「まぁ、知らない仲でもないしな。頼まれたのなら、帰る前に姫さんへ贈り物くらいはしてやるさ。ヒュベリオンとか、大陸間弾道ミサイルとか、高速軌道型戦車とか、慣性と重力を無視した戦闘機とか……」
「ちょっ、な、南雲くん? 女性への贈り物にしては物騒すぎないかしら? この世界のパワーバランスが崩壊するわよ」
「知ったことじゃないなぁ。まぁ、一応、使用者制限はかけてやるさ。王族と王族が許可した奴だけ使えるみたいにな。なんなら王都を要塞化でもするか。ノイントレベルが来ても撃退できるレベルで」
物騒な会話だった。南雲にとってはこの世界のことはどうなろうが知らないようだ。まあ、俺も同じだが……。
南雲は3人にこの世界に残るか元の世界に帰るかを決めておくことを話していた。
(元の世界に戻るか…)
元の世界に戻る…たしかにこの世界より元の世界の方が住みやすいが……俺には………まあ、
「仕方ないから…」
「刀真君?」
「いや、なんでもない」
通路をある程度進むと大きな四辻に出る。
「ハジメさん……何か来ます」
「魔物か? ようやく出て来たな。どこからだ?」
「……四方向、全部からです」
「なに? 後ろからもか?」
シアはなにかを感知したのだが南雲は感知していなかったようだった。
「待てよ…この感じは……ああなるほど」
「刀真君、なにかわかったの?」
「いや、何が来るのか大体予想できた。」
ヴァア゛ア゛ア゛ア〟
四方から呻き声が聞こえてくる。しばらく経つとその呻き声を出した存在の姿が現れる。
「こいつら……まさか氷壁の死体か?」
「……魔人族以外もいる。さっき見た奴」
「生きて……いたわけじゃないよね。まるでゾンビみたい」
「そう言えば昔、似たような事があったな。」
俺は幼少期にゾンビに囲まれた時のことを思い出した。
「「「「え!?」」」」
「まあ、その時は洞窟でも凍ってもいなかったけど」
その時は死体も腐った肉の塊で今みたいに凍ってはいなかった。
「何にせよ、やることは変わらない。……元人だろうが何だろうが、立ちはだかるなら皆殺しだ」
ヴァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!
南雲の言葉が合図になりゾンビが一斉に襲いかかった。全員が一斉に攻撃していたが
「うそ、再生してる?」
「……ハジメ、魔石は?」
「……ないな。うっすらと魔力を纏っているのはわかるが、魔石は見当たらない」
「えぇ~! それって、まさかメルジーネの時の悪食みたいな太古の魔物ってことですか!?」
南雲達はメルジーネのときのクリオネの話をしていたが…
「再生…あ、これもしかしたら」
俺は魔眼殺しを外しゾンビ達の線をなぞりながら斬った。すると思った通り再生せずに崩壊した。
「俺が先陣を切る。全員、遅れ……なんで刀真が斬ったのは再生してないんだ?」
「ああ、直死で倒したらどうなるのかやってみたら一発で倒せたから俺が先行する。」
「あ、ああ」
そのまま俺は全員の前に出て奥まで進んでいった。
俺達はそのまま五分間進み続けてドームのような場所にたどり着いた。
どうやら入り口と対面になっている場所に魔石はあるようだ。
「見つけたぞ。ここまでくれば俺にも見える」
南雲はライフルを構え魔石を狙い引き金をひこうとしたが
「……ハジメ!」
「チッ! 新手か」
頭上から氷でできた大量のフロストイーグルが襲いかかった。
南雲は構わずライフルの引き金を引きフロストイーグルごと貫通させていき魔石を狙うも。
「なっ、かわしやがった……」
「どうやら、オアシスにおったバチュラムと同じようじゃな。だとすれば、周囲の氷の全ては相手の攻撃手段と見た方がいいじゃろう。皆、注意するのじゃ」
ティオの言う通り俺達は氷結ゾンビ、フロストイーグル、そして氷でできたフロストウルフに囲まれていた。迎撃しても再生してすぐさま整列していたが
「ちょっと待て、俺のところだけ多くないか?」
何故か周りの奴らより襲いかかってくる数が多かった。
「まあ、刀真君が倒せば再生しないし」
「それでも多くて面倒い」
ビキビキッ! バキッ!!
「今度はなんだ?」
音の方を見ると魔石が周囲の氷を取り込んでいきどんどんでかくなっていった。
そして
「クワァアアアアアアアアアアアアアアアン!!」
「〝絶界〟」
ユエが障壁をはり衝撃から守られたが魔石を抱えた魔物が姿を現した。見た目は6本足の亀の魔物で体長は20mくらいはあった。
「どうやら、野郎の装甲をぶち抜いて魔石を破壊するのが先か、魔物の群れに呑まれるのが先か、そういう試練らしいな」
どうやら氷雪洞窟の最初の試練が始まるようだ。
作者「この物語もここまで書いたけど…なんつうか最近なんだよな」
刀真「何がだ?」
作者「うん?刀真が想定以上にやばい存在になってきていたことに気づいたことが」
刀真「今まで気づかなかったのかよ」
作者「そうなんだよね。あ、そう言えばこの物語が終わったら過去編とかでしばらく続くけど…原作も変えて続編を書きたいと思ってるんだよね」
刀真「そうなんだ…てか他の二次創作はどうするんだ?」
作者「そうなんだよな…まあ、気が向いたら再開させて書いていこうかなとは思っている。現実でちょっといそがしくなりそうだけど…とりあえずこの物語の本編が終わるまではこっちのほうを集中して書こうかと思います。」
刀真「他の二次創作のこと忘れてただろう。」
作者「まあ、なんというか。こっちのほうが集中して思いついていたというのはある。」