迷宮と街と彼   作:はまゆ

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不穏なニュースと秘密の片鱗

サンサ達は迷宮街の中心に向けて歩いていた。

 

「取り敢えず中心街に行ってますけど、まずなにをするんですか?」

カミーユは疑問を投げ掛ける。

 

それに対しサンサは答える。

「とあるクランが運営する元々住む予定だった小迷宮の居抜きのアパートに行く予定だ。お前の住むところも必要だろうからそれも含めて色々手続きしようかと。」

カミーユはその答えに納得した。

 

サンサ達が歩いていると空から新聞が降ってきた。

 

「号外、ごうが~い!」

驚いたサンサが上を見るとスピーカーからそんな声を出しながら大きな飛行船が新聞をばら蒔いていた。

 

「初めて見たなあんなもの。」

サンサがそう言うと、

カミーユが落ちてきた新聞を広いながら解説した。

「どこの勢力にも属していない完全中立を謳う独立中勢力、浮羽新聞ですね、毎週一回迷宮街全土に対してこうして新聞を配っているんですよ。どうやって採算とってるのか良くわからないやつらです。でもあって困ることは無いから全然狙われることが無い勢力でもあります。」

 

それを聞いたサンサは言う。

「私の地元は新聞なんて金出して買うものだったが、ここではこんなことになっているのか。」

 

カミーユはそれを聴きながら新聞の見出しを読み上げる。

「反連合同盟遂に除名!久方ぶりの大抗争の結末。」

そうして2人は新聞を読んだ。

 

「なるほど、御者に聞いた大きな争いとはこれの事だったのか。」

サンサは納得したようにポンと手を叩いた。

「そういえば最近こちらに来たばかりだから知らないのも当然ですね。最近は特に物騒でしたよ。」

そう言いながら2人は最後まで読んで1つの項に目を止める。

 

〈独占取材!赤手袋のハンナさんにまるっと本音を聞いてみた!〉

その時のインタビュー【文章そのまま】お送りしていきます!

 

記者R「というわけで独占取材に協力していただきありがとうございます。」

 

ハンナ「こちらこそ宜しくお願いします。」

 

記者R「今回は〈パルタジェ〉からの除名ということでなかなか難しい結果となってしまいましたね。その事にはどのようにお考えですか?」

 

ハンナ「まあ私の口からは言いたくは無かったことですが、仕方のなかったことなのかもしれません。全盛期は組織員18万を誇った同盟ですが、ここ最近は12万人を切ってしまいましたし、立て続けの襲撃により上層部と精鋭の殆どが吹き飛ばされてしまいましたからね。除名が公になれば組織員は1万を切ってしまうでしょう。」

 

記者R「その言葉はもう同盟は諦めると見てよろしいのでしょうか?」

 

ハンナ「いえ、違います。我々は必ず帰ってきます、今は確かに迷宮の中にいなければ常に身の安全が危ぶまれるほどの状態です。ですがこの逆境は必ず越えられます。そしてまた〈パルタジェ〉へと名前が連なるように再び成長して他の勢力を滅ぼしてやります。」

 

記者R「おお、言いきりましたね!では啖呵を切ったハンナさん、読者に一言お願いします。」

 

ハンナ「全ての迷宮に潜るものよ、覚悟しておけ我々は迷宮街の覇者となる者だ、故に迷宮の全てを手に入れてやる!」

 

記者R「よっ同盟長!ではハンナさんインタビューのご協力ありがとうございました。」

 

ハンナ「ありがとうございます。」

 

今回のインタビューを受け…

 

 

「ようは残った組織員連れて大迷宮へ都落ちして、シーカーたちを狙って無差別に略奪を行う盗賊になるっていうことですね。」

カミーユは記事の内容をそう纏めた。

 

「それは大分困るな。」

サンサは眉を潜めてそう言い、さらに続けて

「組織員の多くを連れて行くということは、あまり大目迷宮に入らない者も連れていくということだ、迷宮では1度潜ったことのある階層にはワープできるが、逆に言えば1度は潜らないと使えない、故に同盟の本陣はあまり深くない場所にある可能性がある。」

そう言った。

 

「とはいえ、いつまで残るのかもわかりませんからね、十年前に都落ちした筈の剣星会の残党もまだ迷宮で発見されることもありましたから。」

カミーユはそう気にしないように言った。

 

 

そんなこんな話していると、サンサは1つの建物の前で足を止めた。

「ここですか?」

カミーユはそう聞きサンサは頷いた。

「君も一緒に手続きをしなければならないから私に着いて来なさい。」

 

そう言うと2人は大きな入り口を入り、側にあったカウンターに行った。

 

「初めまして、こんにちは、今日はどの様なご用件でスメゾレ荘にやって来ましたか?」

受付の男性がそう言った。

 

「ハンリン老からの紹介でここに住むことを決めた、809号家を予約していた、サンサーラ・ソーラーです。そしてこの人が連れのカミーユです。」

サンサがそう言うと、カミーユはボソッと

「そういえばフルネームは聞いてませんでしたね」

と言った。

 

受付の男性はサンサの言葉を聞き、帳簿を確認したあと、

「サンサーラ・ソーラーさん、これからスメゾレ荘を宜しくお願いします。」

そう言い握手を求めてきた。

 

それに対してサンサは握手をすると、続けて受付は疑問を投げ掛けた。

「ところでお連れのお方はどなたでしょうか?サンサーラさんは809号家と向かいにある817号家を蔵守鈴音の登録しておられましたが、カミーユという人物は記載されておりません。」

 

その言葉を聞いたサンサは露骨に酷く狼狽した。

そして素早くカミーユを建物の外に追い出したのだった。

 

 

追い出されたカミーユは建物の外でその名前について考察を始めた。

(あの反応から推測するに鈴音という者は既に亡くなっている?しかも帳簿に記載されているということは亡くなったのはつい最近、つまり迷宮街に来る道中で…)

そこまで考えたところでカミーユは思考を変えた。

 

(いや、止めておこう。自分でも相当怪しいと思ってる私の身分を一切聞かないあの方に対してこれは不義理でなんの根拠もない考察だ。)

そう考えてポータル型のタリスマンを取り出し、眺めた。

 

(しばらく一緒にいれば、私の酷い秘密を打ち明けることがあるかもしれない、そうなれば…)

そう考えカミーユは首を振った。

 

(まだその事を考える時期ではない、大深層だ、大深層に潜った時にまた考えよう。)

そう結論付け、サンサを待った。

 

そうしてしばらく待った後に、カミーユはサンサに呼び出され、今度はなんの引っ掛かりもなく受け付けを済ませたのだった。

いつも3行空白を入れて区切りや場面転換をしてきてましたが、どうも区切り方を変えるべきか気になって迷いました。他にも良い案があれば教えてください。

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