迷宮と街と彼   作:はまゆ

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立派な家とクソみたいな街

カミーユを呼んだサンサは案内に従い、建物の中にある小迷宮の中に入った。

 

「ここスメゾレ荘は計9階層のギリギリ小迷宮と言えるサイズの場所ですから、4~8階層を貸し家としているため、階層ワープはその階層のワープストーンに触れなければならない都合上、まあまあ長い道のりを歩くことについてはご容赦ください。」

そう言い、案内人は1層目の案内をする。

 

「第1層目は酒場となっております、近未来的な階層でしたので清潔な酒場という雰囲気になっていますね。」

そう言って、正しくバーの様な空間を通りすぎる。

酒場には昼なのに酒を飲んでいる人間が沢山いた。

「貴方は酒とかは飲みますか?」

カミーユが聞くとサンサが答える。

「酒と煙草は体に悪い。」

サンサはそう答えた。

「でしたらご安心を、1階層でもちゃんと料理だけ頼むこともなっていますので。」

案内人はそう言って次の階層のポータルに入っていった。

 

 

 

「2階層目はその他の娯楽室となっております、ここは水場の階層でしたので、清潔な水の公衆浴場や釣り堀、などの娯楽室となっております。この階層までは入居者以外の人も客として訪れることがあります。」

「それは良い、温泉は好きだ。」

サンサはそう言って、楽しそうにした。

 

 

 

「3階層目は自給自足のための空間ですね。朝と夜がはっきり別れる平原タイプの階層だったので、緊急時のための備えの階層となっております。」

そう言って、案内人は足を進めた。

 

「ここから先は全部居住区なので説明は省きますね。」

 

 

 

こうしてサンサ達は8階層までやって来た。

 

サンサ達の目の前には家がずらりと並んでいた。

「8階層目は3階層目と同じく平原型ですね。家賃は一番高いですが、中々良い家ですよ。」

そう言ってサンサ達は家に着いた。

 

「それなりに良いな。」

サンサは満足げにそれを見上げ

「1月で100万払う価値はありそうな家ですね。」

カミーユもそれに同意した。

 

「この階層は常に昼なので、窓を閉めることで光が漏れ出ることなく暗くなるため、ご活用ください。」

そう言って「私はこれで」と言い、案内人は去っていった。

 

「いや~凄い家ですねありますね。ところで過去の詮索とかそう言うわけでは無いのですが、導き手たる貴方は元は貴族か何かだったので?」

カミーユは余りに金払いが良すぎるサンサに向かってこう聞いた。

 

サンサはそれに対し

「父は魔術の名門で、母は領主の第3子だったな、まあ金払いが良いのは普通に迷宮で稼いだからで家は関係ないんだがな。」

そう言って答えた。

 

「そうなんですね。」

カミーユはあっさりと答えたサンサに多少驚きつつ、自分の家に入っていった。

 

 

 

「さて、用意は出来たか?」

「もちろん完了しました。」

その日の内に身支度を整えたサンサとカミーユは街を歩いていた。

 

「今回行くのは迷宮協会のジパリア本部だ、私はアリテイシア本部で既に登録していたが、君はまだしていないから、協会直営店での買い物とかをするためには登録は必須だからな。」

サンサはそう言い、巨大な建物を指差した。

 

「なんども見たことはありますけど、やっぱり〈パルタジェ〉の一角を担うだけあって大きいですね。」

カミーユはそう言うと。

「私の知ってる限り大半の迷宮は迷宮協会によって管理されて、協会の許可なく潜ることは禁止にされているから、私にとってそんな世界規模で力を持った組織がただの有力者の一角で済んでいるこの街が異常に感じるんだがな。」

と、そう言った。

 

そうして協会本部前までやって来たサンサたちであったが、本部前に広がる光景を見て足を止めた。

「なんだこれ?」

 

そういうサンサの目の前には、謎の大きな舞台があり、2人の人間が決闘していた

 

「何度かこの辺には訪れたことがあるので知っていますよ。あれは喧嘩場です。」

カミーユはそう言って説明を始めた。

 

「知っての通りジパリアはクソみたいな治安をしていますよね?当然、戦いを主とする人間が集まる協会にも、そのクソみたいな倫理観を持った人間が沢山訪れます。その結果。」

 

そう説明していると決闘が終わった。

どうやら決着が着いたようだ、辺りからは歓声が上がり負けた男の死体が舞台から投げ落とされた。

その死体は瞬きをする間に周囲の人間から持ち物を剥ぎ取られていった。

 

「目の前の光景が、本部内の酒場などで頻繁に、それはもう頻繁に起こるようになったのです、その度に起こる対処に疲れた協会は考えました。喧嘩を止めるのが駄目なら喧嘩を制御しようと。」

 

目の前では、勝った男は舞台を降り、次に素手の6人が右と左で3対3で喧嘩を始めた。

右の女がジャブで相手の男を怯ませ、一気にしめおとしにかかると回りから歓声が上がる。

 

「結果的にああやって倫理観もクソもない空間が生まれたんですよ。喧嘩を了承した奴らが少し金を払って始める協会主催のリングです。殺し有り無し、武器魔法有り無しは本人が決めて、民衆の前で戦うデスマッチです。」

 

目の前ではいつの間に仲間を落とされた右の女が、男を締め落とした後に、歩み寄る敵を跳び膝蹴りで1人を速攻で落とし、そいつを踏み台にもう1人へ飛び乗りパワーボムを決め勝利をしていた。

周りの人間は勝った勝ったと喜び、券を換金するものや、券を踏み潰し、叫びながら怪しい黒服の男に引きずられ消える者もいた。

 

「私の知っている迷宮協会ではないな。」

サンサは目の前の理解できない光景を眺め、今まで知らなかった世界をみてカルチャーショックを受けた顔をして、そう言葉を漏らしたのだった。

 

「これがジパリアです、これが迷宮街です。貴方は強いですけど、迷宮街の常識には本当に疎いようなので、食い物にされないように1度覚えたほうが良いと思いますよ?」

そう言い、カミーユはサンサの手を引いた。

 

「さて、スリに遭わない内に本部に入りましょうか。」

カミーユは茫然としているサンサを引っ張り。

勝ったばかりの金をスラれて失くして黒服に詰められている馬鹿の横を通って本部に入ったのだった。




場面転換の良い方法が思い付かない。
場面が変わると3行開けてるけどもっと良い方法があるはず。

いつも3行空白を入れて区切りや場面転換をしてきてましたが、どうも区切り方を変えるべきか気になって迷いました。他にも良い案があれば教えてください。

  • 今のまま3行空ける
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