迷宮と街と彼   作:はまゆ

2 / 26
迷宮街の洗礼

サンサは街へと入った。

 

 

ここは迷宮街の南東部に位置する大門である。

今は滅びた大国の首都であったジパリアは出入りが激しかったため、20を越える大門が存在していた。

 

 

サンサの目指す先は迷宮街の中央に位置する大迷宮である。

そのため日が暮れる前に早く着き、宿を取ろうと考えていた。

 

 

しかしサンサはあまり迷宮街について詳しくなかった。

迷宮街は迷宮があるだけでなく、街そのものが迷宮のように複雑だと言われる程には迷いやすい形をしていた。

ゆえに真上に上っていた太陽はいつの間にか建物に隠れつつあった。

 

 

これはいけないと思いサンサは取り敢えずなんでもいいから宿を取らないといけないと思い宿を探し始めた。

その姿を見せたのが悪かったのだろう。

 

 

「おい、持ってる荷物全部置いてけ。」

 

 

サンサは柄の悪い5人程に絡まれた。

 

 

気づけば周りには気力を失い寝ている人間しかいない、サンサはいつのまにか裏道に入ってしまっていたのだ。

 

 

見たところ5人は粗末なナイフや鈍器などしか持っていない、それに加えまだ囲まれてもいなかった。

 

 

 

(行けるな!)

勝てると算段を立てたサンサは袋からいきなり袋槍を取り出し、返答代わりに話しかけてきた男の頭を貫いた。

 

「ガッ、ハ…」

「おい糞こいつやりやがった!」

「収納袋かよ、薮蛇だったか!」

仲間の仇を討とうと2人が左右に別れて飛び出しきた。

サンサは槍を突き刺したまま右へと振り抜き1人を飛ばし、そのまま前へと進み手を持ち変えて左の1人を石突きで胸を突いた。

「ぐぇ…」

そのまま前を見ると1人は逃げ出し、もう1人は戦意喪失し、踞っていた。

 

 

 

戦闘が終了した。

 

 

「お前らが何者かは知らんが運が良かったな、私は今宿を探していたんだ、謝礼代わりに教えて貰おうか。」

そう言いながらサンサは槍を戦意喪失したゴロツキに向ける。

 

 

「分かりました。」

ガタガタと歯を震わせたまま震えた声でそう言うと、ゴロツキはなんとか立ち上がった。そして

 

「そ…その、仲間を回収していいですか?」

男はそう言った。

 

サンサは、ゴロツキにも情はあるのかと思い、それを受け入れた。

最初に突かれた女は即死、2人目の女は重症、3人目の男は最初は生きていたが程なくして死んだ。

 

 

サンサはやり過ぎたと思い、女に傷を癒す魔法をかけ男に女を持たせて先行させ、

「宿といっても無事に夜を過ごせればいいのだが。」

サンサがそう言うと男はビクッと体を震わせ「分かりました。」といいそのままサンサを案内し始めた。

 

 

迷宮街は段々と夜の闇に包まれていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。