迷宮と街と彼   作:はまゆ

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迷宮街の夜を避け

(失敗した。)

サンサはそう思った。

思えばただ宿を紹介して欲しいと頼んだだけなのに、異常に体を震わせた時に気づくべきだったのだ。

いや、宿が欲しいだけなのに人が通らないような脇道を通っている時に気がつくべきだったのかもしれない。

そう考えながら目の前の光景に意識を戻す。

 

 

「ここが私達のアジトです、なんなりとお使いください。」

そう言い頭を地面に擦り付ける男と、アジトに入るとこちらを見て気絶した先ほど逃げ出した女を見下ろしていた。

 

 

「本当に宿が欲しかっただけなんだが仕方がない。それに外は危ない時間だ。」

サンサはため息を吐くと外を覗いた。

街は明るいが空はすっかり暗くなり夜になっていた。

そして夜の暗さに反するように怒声や叫び声、爆発音などが遠くの場所から響いていた。

 

 

「今から外に出るのは危険過ぎる、君たちのアジトを使わせて貰うよ。」

そう言いアジトを観察した。

 

 

彼らのアジトは雨水を流す側溝の中にあった。

中はそれなりに広く一般的な家の広間位には広がっており、中央には謎の石柱、そして四方が壁に囲まれており、入ってきた入り口とは反対側の壁に謎の魔術的なポータルのような物があった。

 

これらの特徴が一致する物をサンサはしっていた。

「小迷宮か!」

そうですと男が言うと、サンサはこのゴロツキたちのことを知っておこうと思い、話をした。

 

 

 

曰く彼ら5人はつい最近意気投合して強盗業を始めたものらしい、組織の名前は「ドラゴンズ」。

 

頭目は最初殺した女で死んだ後のことは決めていなかった。

 

最初に逃げ出した女がカミーユ、案内してきた男がミカ、負傷した女がカオリという。

 

この場所は引ったくった財布の小銭を側溝に落としてしまって発見した。

 

ポータルの奥は1度挑戦して何ら収穫を得ることが出来ずに仲間が1人死んで2人深刻な怪我を負い放置してきたためもう行っていない。

 

 

 

と言うことが分かった。

そう言うことを話しているとカミーユが目を覚ました。

カミーユは恐怖で満ちた目でミカを呼び寄せ話をした。

そうして暫く考え込んだ後にこう言った。

「私達をどうするんですか?」

 

 

サンサは暫くどうしようかと考え込んだ。

(こいつらは盗賊だ、でも痛い目にあってさっきから完全に無防備でも襲って来ない位には心が折れている。)

そうこう考えていると少しなにかを期待したようにカミーユが言った。

 

 

「あの、あなた様は迷宮を冒険するシーカーでございますか?」

 

 

別に教えても良いことなのでサンサは言った。

「別の場所の迷宮からここに移ってきてまだジパリアの迷宮は入っていないが、そうだな。」

 

 

それを聞くとカミーユは自分が機嫌を損なえば直ぐに大変な事に成る身なのを忘れたかのように激しく盛り上がり、しかしこの好機を逃さないように目を輝かせながらこう言った。

「あなたはとても強いお方です、しかも優しい。私達の命を助けていただいて、なおかつ宿を求めるだけなんて!私は迷宮に潜りたいのです、あらゆる雑用をこなしますなのであなた様に着いていきたいです、どうか、どうか私を迷宮に行かせてください!」

 

 

「先ほど逃げ出したのは迷宮に行かなくてはならないため自分は死んではならないと思い逃げ出したのです。」と狂的に輝く目をして言いながら近づくカミーユを見てサンサは少し恐怖を感じたのだった。

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