2人は小迷宮を進んでいた。
「魔力が吸われているが気分はどうだ?」
「全然平気ですね、マガジン1つならまだ魔力の補充される方が早いです。」
サンサの問いにカミーユが答えた。
そして「そう言えば」と言いカミーユが聞く
「貴方は随分魔法に詳しいですけど、魔法も使えるのでしょうか?」
そう言われてサンサは首を縦に振り肯定した。
「私はいわゆる魔法槍士と言われる人間だからね、使える、というよりある程度腕が立つ者の多くは魔法と物理を織り混ぜて使ってくる、純魔法はまあまあ、純物理もそこそこいるけどね。」
などと話していると、サンサは通路の奥にスライムを発見した。
スライムはグラススライムと共に意志があるのかも分からない動きでピョンピョンと跳び跳ねていた。
「奥にスライム20匹、大分多いな。」
サンサがそう言うとカミーユが
「腕が立つものは魔法を織り混ぜるということは、貴方の腕も中々の者だということですね。」
と言った。
カミーユが何を求めているかを察したサンサは、
「お互いの実力が分からないと確かに困る、ここで見ていろ。」
と言い、長巻から薙刀へと獲物を変え、薙刀に魔力を込めた後にスライム達へと向かった。
ピョンピョンと跳ねていたスライム達は異変に気付き、サンサを排除しようと襲いかかった。
7匹のグラススライムは先制攻撃として種を弾丸としてマシンガンの様に飛ばしてきた。
先ほどカミーユが見せたように、その種はサンサは哀れにも肉塊になるかと思われた。
しかしスライムに期待する意志が有るかも分からないが、期待に反し、カミーユに見せつける様に全弾を身体で受けてそのまま無傷でスライム達の元までやって来た。
その勢いのまま、サンサは飛び上がり薙刀へ込めた魔力を電撃へと変え一文字になぎ払った。
電撃は一文字の状態のまま空中を進みスライム達15匹へと直撃、当たらなかった5匹のスライムも地面を伝う電流を受けて即死した。
戦闘が終了した。
「お見事です。」
パチパチと拍手をしながらカミーユが近づいてきた。
「スライム程度じゃまともに戦っても腕試しならないから派手に戦ったよ。これで満足しただろう?」
「もちろん満足しました。」
そう言う事を話しているとカミーユがあることに気がつく。
「スライム達が居た場所より奥に何か見えますね。」
カミーユが指差した先にはなにか短剣の様な物が壁に掛かっているのが見えた。
サンサは慎重にそれを手に取ると情報が頭の中に直接流れてきた。
「どうやら振っている間距離が伸びる短剣らしい、突きは威力が減るので振り専門の様だ。」
サンサはそう言った。
「ということはそれは迷宮の戦利品ということですね?久しぶりに見ましたよ戦利品なんて。」
迷宮の戦利品とは人々が迷宮を目指す大きな理由の1つである、現代の魔法でも化学の力でも解明出来ない原理不能の迷宮の宝物。
魔法と化学で殆ど再現できる戦利品もあれば、全く出来ないものもある。
強い力をもつ物では、それ1つで1万以上もの人が血を流し奪い合うほどの価値をもつ物。
それが迷宮の戦利品なのである。
「どうしますかそれ?」
「伸ばすと耐久性が下がって折れやすくなるそうだから地上で売っぱらう」
凄い物は凄いのだが、大抵の戦利品はこの様なものである。
この戦利品は武器としても使いにくい上、同じような機能は魔法で再現できる代物なのだった。
サンサはそんな戦利品を収納袋へと入れた後、1層目ももう終わりが近いと歩き出した。