迷宮と街と彼   作:はまゆ

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アジトの小迷宮(4)友情

ポータルを潜った2人の前に、アジトと同じ様な空間が現れた。

 

「セーフゾーンに着いたか。」

サンサはそう言って辺りを見渡した。

良く見ればアジトとは違いがあり、1層と同じように蔦が隅に生えていたりしていた。

そして最大の違いは中央の石柱の前に宝箱があったことだ。

 

「なにが入っているかな?」

サンサはそう言って宝箱を開け、カミーユも箱を覗いた。

箱の中身は50万共通貨だった。

 

カミーユはまとまった金として嬉しそうに、サンサははした金として少しがっかりして、2人はサンサが持ってきた昼食を食べた。

 

そうして小休憩をとった2人はこれからどうするのかを話した。

「このペースで行けば夜までには3層まで行けそうだな。」

「貴方の言うとおり今日中に終わらせられるでしょうし、貴方の予定を狂わせた負い目もあるので、このまま進みましょうか。」

「よし、そうしよう。」

こうして2人は行くことを直ぐに決め、先へ進むポータルへと入った。

 

 

それから先は1層目と同じように、カミーユが先制攻撃し、サンサが蹴散らし、時々迷宮の戦利品を得たりして順調に進んでいった。

 

違いは、1層目とは違い2層目は迷宮が近未来的な雰囲気で魔物がロボットが主だったこと、

3層目はおどろおどろしい森で魔物が幽霊系が主だったことぐらいだった。

 

「攻撃手段が魔法が主じゃなかったら面倒な相手でしたね。」

カミーユが幽霊達に弾丸を浴びせて2度目の死を与えながら言った。

 

「ゴースト達は魔法じゃないと攻撃が効きづらいからな、想いを込めた攻撃なら物理でも効果があるが、魔物もそれが分かっているからか驚かせて精神を乱してくる。」

サンサは槍を振るうことすらせずに適当に魔法を放って人魂共を鎮火しながらそう言った。

 

 

 

そうして2人は3層目のポータルガーディアンの元までやって来た。

3層目のポータルガーディアンは顔のある巨大な枯れ木だった。

 

「見るからに燃えやすそうな魔物だな。」

「撃ち抜いてもいけるでしょうけど、時間の無駄なので貴方様の魔法でやる方が良いのではないでしょうか?」

カミーユがそう言うとサンサは考え込んだ後にこう言った。

 

「実はその銃には他にも機能があるんだ」

「まだそんな機能あるんですかこの銃。」

カミーユは少し呆れた顔で銃を見つめた。

 

「魔力で弾丸をを生成する時に、魔法を発動させようとするんだ、そうすることで発動しようとした属性を持つ弾丸を生成する事ができるんだ。」

「言ってることが良く分かりませんけど、この銃が凄いってことは分かりましたよ!?この銃一体なんなんですか!?」

カミーユはそう大声を出すと、サンサは少し困った顔をして考えて、目を細め苦笑いをしながら答えた。

 

「秘密。」

 

カミーユは納得できない顔をしていたが、大声を出したことでポータルガーディアンがこちらを認識したことに気付き言った。

「取り敢えず、倒してから話しましょうか。」

 

カミーユはサンサが「レバーを引いたらマガジンの弾を抜けるよ」と言ったので、(まだ機能あるのか)と思いながら指示に従い炎の弾丸を生成し、巨木に照準を合わせた。

 

 

 

ゴーストウッズは見つけた「敵」を排除するためバレないようにゆっくりと根を伸ばし、相手を突き殺そうとしていた。

しかしゴーストウッズの攻撃よりも早く、カミーユが炎の弾丸を発砲開始した、そしてゴーストウッズの燃やして下さいと言わんばかりに空いている顔の穴に炎の弾丸が大量に命中し、腐って穴だらけだった枯れ木は顔から全身にかけ一気に燃え広がった。

 

全身を焼かれ悶え苦しむゴーストウッズ、しかしこのまま死んでなるものかと隠して近づけていた根を一気に伸ばす。

 

急激に揺れ出す地面を見てサンサが気がつき、叫ぶ。

「危ない左に跳べ!」

それを聞きあわててカミーユが飛び退くと、次の瞬間先ほどまでカミーユがいた場所に地面から鋭く尖った燃える根が姿を表す。

 

カミーユは避けたことにホッとして無意識に力を抜く、

 

次の瞬間ゴーストウッズが最後の力を振り絞り、付き出した根をカミーユに向けて再度向け、全力で突き動かした。

急に動き出した根に身体が固まってしまったカミーユ、カミーユは自らの天命ここで尽きるかと覚悟した。

 

次の瞬間、長柄斧を両手に構え、横に回転しながら根に体当たりしたサンサにより、その惨劇は食い止められた。

 

そして斧の一撃と追撃の体当たりで根が切り飛ばされた、瞬間

 

ゴーストウッズの命は完全に燃え尽きた。

 

 

戦闘が終了した。

 

 

 

「はぁ、はぁっ、死ぬかと思いました、はぁ。」

「すまん、銃の性能を過信しすぎていた。」

死にかけたカミーユと燃える木に体当たりしても平気なそうなサンサは同時にそう言った。

 

カミーユはこれまでサンサに余裕で着いていってるように見えた、それは銃の性能と本人の銃の技量の良さ、そして本人の図太い性格と迷宮の知識が見せていた一種の錯覚だったのだ。

しかし実際は1層でカミーユが余裕で受けて見せた7匹のグラススライムの一斉掃射すらもまともに受ければ死亡してしまう程に耐久面が脆かった。

 

「今回は準備不足でこうなった、次からはもうちょっと準備してから入ろうか。」

サンサは反省したようにそう言うと。

 

「私はやることを果たすまで死ぬ訳にはいけないので是非ともお願いします。」

とへたりこんでいた息を整えたカミーユが手を伸ばしながらそう言った。

 

サンサはその手を取り、立ち上がらせた。

 

秘密の多いサンサとカミーユであるが、死線を越え、手を取り合った2人の間には、確かな友情が芽生えたのであった。




第0章終了。
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